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「ショウブ」地名考(3)角川日本地名大辞典

2022年06月04日 | 地名・地誌

「角川日本地名大辞典」角川書店

 47都道府県別47巻(北海道、京都府は上・下巻)及び別巻2巻( 日本地名資料集成、 日本地名総覧)49巻からなる。編纂委員会委員長・竹内理三。

編集方針の基本は、「民族遺産としての地名を将来に伝えること」、現代の地名を収録したことについては「現代の社会生活上の必要を満たし、地域の現状を歴史として後世に伝えること」としている。(Wikipedia)

「ショウブ」地名の由来の解説については平凡社「日本歴史地名大系」とほとんど変わるものはないようです。

勝負

信濃国諏訪郡菖蒲沢村(現長野県諏訪郡原村菖蒲沢村)

 村名の由来は1,諏訪氏と武田氏が勝負した沢であるという説。

 2,湧水地に菖蒲が自生していることによる説。2の方が有力。

◎出雲国八束郡八雲村字勝負谷(島根県松江市八雲町字日吉)

 意宇川沿いにある谷。「雲陽誌」に永禄6年、毛利元就が出雲に進行した時、

 当地の尼子方の勇将山中鹿之助が毛利方の高野監物を討ち取ったという記事がある。

生歩、正部、少分

◎出羽国西置賜郡菖蒲村(現西置賜郡白鷹町)

 菖蒲は生歩、正部とも書く。

◎播磨国加東郡少分谷(現兵庫県加東郡少分谷)

 加古川支流東条川の上流。地名の由来は不詳だが菖蒲の生えた水沢の地という。

植物名地名「ショウブ」

◎伊賀国伊賀郡菖蒲池村(現三重県上野市菖蒲池)

 地名の由来は八幡社に菖蒲が生育していたこと、あるいは市場寺の池に菖蒲が生い茂っていたとも。

◎大和国添上郡菖蒲池(現奈良県奈良市菖蒲池町)

 地名の由来は「奈良曝」に「此町いにしへの池ニて菖蒲あまた生けるゆへに」とある。

◎陸奥国北津軽郡菖蒲川村(現青森県北津軽郡鶴田町菖蒲川)

 岩木川中流右岸の平野部に位置し、地名は菖蒲の繁茂する川原に由来する「鶴田町誌」。

◎土佐国土佐郡菖蒲村(現高知県土佐郡土佐山村菖蒲)

 鏡川最上流の山間部に位置する。「土佐山民俗誌」によると「セキショウ」の古名が菖蒲で地名は

 その自生地であることに由来する。

◎相模国高座郡菖蒲沢村(現神奈川県藤沢市菖蒲沢)

 水草菖蒲などが生える土地を開拓した「皇国地誌」。

◎武蔵国南埼玉郡菖蒲(現埼玉県久喜市菖蒲町)

 県北東部星川沿岸に位置する。地名は菖蒲の自生に由来。

地形地名「ショウブ」

◎甲斐国巨摩郡菖蒲沢(現山梨県北巨摩郡双葉町菖蒲沢)

 地名の由来は「細流」を意味する古語「ショウブ」にちなむ。

◎因幡国高草郡菖蒲村(現鳥取県鳥取市菖蒲)

 千代川中流左岸、その支流有富川が合流する地点。

 地名の由来は薬師寺の池のショウブに因むとも伝えっられる。

 細流を意味する「ショウズ」に関係する(地名の語源)

◎阿波国那賀郡菖蒲村(現徳島県那賀郡上那賀町菖蒲)

 那珂川上流の支流菖蒲河上流域に位置する。

 地名については、川菖蒲が多く繁茂していたためとする説。

 「ショウブ」は細流の意味で小さい谷川を集めた菖蒲谷川の地名化とする説がある。

◎相模国足柄上郡菖蒲村(現神奈川県秦野市菖蒲)

 秦野盆地の南西部四十八瀬川流域。

 地名は植物名とも細流を意味する「ショウズ」とも云われる。

 

 

 


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