馬糞風リターンズ

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二重行政てなに?・・・・大阪の水道事業。

2015年06月05日 | 時事問題
大阪府と大阪市の二重行政の象徴的存在ともされるのが水道事業です。橋下徹知事は、大阪府・市の水道事業統合に乗り出しました。当時は大阪府知事と大阪市長は「徹チャン」「邦夫チャン」と呼び合うほどの仲の良さで、2人は頻繁に会合を重ね「府市連携や文化行政のあり方、水道事業の統合」などを話し合いました。しかしその後次第に「徹チャン」と「邦夫チャン」の考え方に違いが顕著になりだしました。例えば「文化行政については、施設の廃止や補助金の削減を主張する橋下大阪府知事に対して平松市長は、府が削減した文楽協会や大阪フィルハーモニー交響楽団への補助を継続しました。この頃から橋下徹は「大阪市不信」の想いが拡大して言ったようです。そして「大阪圏を引っ張るのは大阪市だと思っているが、市民の利益を超えた大阪のためという意識がどこまであるのか疑問。平松市長の市民協働は、本当なら区長がやるべきだ」と言い出し、大阪市解体へとつながって行きます。
 水道事業統合問題は、協議機関で審議し「府市は、市の案にもとづく統合で合意」しますが、大阪市以外の府下市町村と大阪府との協議がまとまらず、統合に至りませんでした

 業を煮やした橋下徹は仇敵・大阪市を制圧するために大阪府知事・大阪市長のダブル選挙を仕掛けて、維新の会松井一郎ガ知事、自らは市長の座を獲得しました。そして再度橋下市長主導で「大阪市水道局と同市を除く府内42市町村でつくる大阪広域水道企業団を統合する条例案」を議会に提出します。結果は維新(33人)を除く4会派が全て反対し否決されました。市議会からは「市民へのメリットが見えない」「府内で2番目に安い大阪市の水道料金が値上げされかねない」との批判が相次いだ、との報道です。
 大阪府・大阪市の水道事業は問題が無いとは言いませんが全国レベルで評価すると上手く運営されているようです。特に大阪市の水道事業の評価は高いものがあります。
「自己水」とは「自前で確保している水源」のことです。「自己水」で不足する分を大阪府から「買い水」をします。当然「自己水」が沢山あるところは「水道代」は安くあります。自己水が少ない所は水道代は高くなります。大阪市は100%自己水です。
大阪市の1立方メートル当たりの給水コストは、約40円に対し、企業団は約80円です。統合に際しては多くの問題をクリアしなければなりません。特に災害時の「水の確保」そしてこの2倍の給水コストをどの様に処理するかです。
 そしてそこまで大騒ぎをして統合して何のメリットがあるのか?という大きな疑問が説明されていません。
1つの試算があります。(府市水道事業統合検証委員会・水谷委員の水需要予測の資料を基にシミュレーション)

府単独でのコスト削減額1271億円   市単独でのコスト削減額109億円   府市統合でのコスト削減額460億円  合計1840億円

府単独、市単独のコスト削減は、大阪都が実現しなくても行えますから、
大阪都を実現して水道事業を統合した場合の正味の行政コスト削減額は25年間で460億円、一年あたり18.4億円です。

 水道事業は世界の成長産業です。経済発展の著しい東南アジア、インド・・・などインフラの遅れた国々の水道事業は主にフランスの巨大会社が独占状態で、イギリスなどは国家戦略として売り込みに必死です。
橋下徹さん、チマチマした自己顕示に腐心する暇があったら「大阪財政建て直し」の特効薬として世界に誇る「大阪市の水道事業」を切り札に使う本当の改革を断行しては。