ネタバレ激しいため、千穐楽が終わってからアップと思いましたが、世田谷楽の後も神戸にて公演ある為、待ちきれず、アップしちゃいます。
内容にかなり触れてますし、個人的な思いいれも激しい内容ですので、ご注意ください。
@世田谷パブリックシアター
作:オスカー・ワイルド
構成・演出:鈴木勝秀
音楽監督・作曲・ピアノ:前嶋康明
美術:二村周作 照明:倉本泰史 音響:井上正弘
衣装:三大寺志保美 ヘアメイク:宮内宏明
出演・ドリアン・グレイ:山本耕史 シヴィル・ヴェイン/ヘッティ・マートン:須藤温子 バジル・ホールウォード/阿片窟の男:伊達暁 ジェイムズ・ヴェイン/バジルの執事/ドリアンの執事:米村亮太朗 アラン・キャンベル/ジョージ・フィーモア:三上市朗 ヘンリー・ウォットン:加納幸和
私の好きなイギリスのドンヨリとして、背筋がゾクっとして、ジメジメした世界でした(わくわく)
もちろん!加納さんがご出演だったから拝見したわけですがね
劇場に入って、まずは舞台美術の美しさに心が奪われます。
基本的にはモノトーンの世界。パブリックの縦の空間をうまく使った二階建てのセットです。
その舞台がくるくる回る。
センターには上下する額縁。中にドリアン・グレイの肖像はありません。
時折、バックに宣伝チラシにも描かれていた、ドリアンの目らしき物が映し出されます。
これが、うねうね動いたり、血しぶきがあがったり
音楽は、前嶋さんによる生のピアノ演奏です。
なんて贅沢なのでしょう!この生演奏、実は27日のトークショーで伺ったものなのですが、前嶋さんから「生の方が良いですね」との申し出に、「そんなにやる気がある人なんだ!ならば、舞台でやっていただいちゃお」と思われ、この型になったそうです。
ラストシーンも、ドリアンとヘンリー卿の演技変更があったため「加納さん、ここ音楽変えますっ!」と音楽も変更なさった、とか。又、二幕最初の音楽は、ワルツに変わったとか、実に贅沢な音楽!実は、音楽劇だったのです
サントラ盤の発売を心から願っております!
『ドリアン・グレイの肖像』敢えて(?)さぼって(?)原作は読まずに拝見したのですが、前述のように、私の好きな世界でした
イギリスの上流世界物、私好きなんですよね。なんて言いながら、ほとんど何もしらないのですが
良いの、良いの。好きなんだから
その世界に登場するのが、まずは山本耕史君演ずるドリアン・グレイ。
その美しさゆえ、翻弄される人生。
銀髪のロン毛が似合う役者、そうはいません
美しい~~~!
ただ、その銀髪ロン毛。
これが、スズカツさんの演出なのか。。。。彼は、何年経っても年を感じさせない美しさを保っているわけだけど、二幕、彼が思い苦しむ時、その銀が白髪にも目に映り、苦悩の表情と共に、年老いたように見えたのは私だけでしょうか?
トークショーにて「格好はファイナルファンタジーみたいですが(これ、座布団10枚です!)、彼は実は一番弱い人間、彼の人間味を描きたかった」と。
そうですね。ヘンリーに悪の道に導かれたけど、繊細過ぎた人間だったのかもしれません。
そんな山本耕史くん。スズカツさんとは、再演も含めると5作品目くだいだそうです。
これもトークショーネタなのですが、スズカツさんは基本的に演技をつけないらしく、役者に任されるのだそうです。そして毎回通しで稽古らしい。
だから、ラストシーン。前述のようにドリアンが死ぬ時、涙を見せるのを見て、ヘンリー演ずる加納さんは「フン!つまんない奴、知らない!」と、とっととその場を去る演技に変えられた時も「変わったんだぁ」と思ったって(笑)
もちろん、役者の申し出(?)演技プラン(?)に「NO」と仰る場合もあるそうです。
でも、基本的に役者と共に話し合って、舞台を創って行かれる(これは演技に関してだと思うのですが)のだそうです。
加納さん。
いや~~。怖くて悪魔な男を生き生きと演じてらっしゃいました!
あの生まれ持った品の良さ、ある意味、貴族の役はピッタリ填まりますよね
このヘンリー卿は、作家のオスカーワイルド、という説があるそうなのですが、加納さんは、このヘンリー卿の台詞に、賛同を覚えられたそうです。特に美意識について。
ラストシーンなんて、「なんて冷たいおっさんでしょ!」
って思いながらも「もっともっとジメっとしたイヤミで高飛車で慇懃無礼で怪しくても良いのに!」って心の中で呟きました。(←やはり私はドSなのか(笑))
はい。私は、どんよりしたイギリスのイヤミなおっさんを見るのが大好きなので、加納さんが、もっともっと憎たらしいおっさんを演じられても大丈夫です。(大丈夫って())(やはり私はドMなのか(どっちだ))
花組芝居でも加納さんも大好きですが、やはり外部での加納さんも魅力的!
これからも、外部で役者さんとしてのご活躍も楽しみにしております!
悪魔に対して、天使なバジルを演じた伊達さん。ステキな役者さんですね!純粋で繊細なバジル、きっとヘンリーは彼をどんなに愛してた事でしょ
忘れてはならぬ。
いやん。艦長こと三上さん。使い方、贅沢すぎ~~!さすがでしたが~~。もっと拝見したかった~~!!!
ただ、個人的に、加納さんとの2ショットが嬉しかったです
その他、トークショーネタ。
あの黒かったり、何もない絵について。
スズカツさんは一度真っ黒な絵を観た事があり、自分が試されたような気がしてから、何回か使った事があったそぅです。
演ずるお二人は?の質問に、山本くんは「僕ははっきり絵が見えてます。自分がモデルとして座った角度から推察し、まずは自分の目をなぞり、ナイフを入れていく」
加納さんは「あの絵は黒いけど、凹凸がかなりついていて、その具合が芸術!だから毎回眺めては、心から素晴らしいと思う」のだそぅです。
このトークショー、質疑応答が無かったのが残念でしたが、実に充実したお話が伺えたし、山本さん、加納さん、スズカツさんの魅力も満載な30分でした
そして。おまけ。
ラストシーン。
一度返された指輪を、ヘンリーは、ドリアンの亡骸に返すんだよね
あれって、「死んでからも、自分が支配する」という事かな?と思ったのですが、
前述のようにヘンリーはドリアンに失望したので「指輪は戻した」という事だったようです。
あくまでも、冷たいヘンリー。なんて、奴じゃ!と思った私でした
でも、そんなヘンリー、魅力的でした
次回は、どんなお姿を拝見できるのでしょうか?
10月が楽しみ
内容にかなり触れてますし、個人的な思いいれも激しい内容ですので、ご注意ください。
@世田谷パブリックシアター
作:オスカー・ワイルド
構成・演出:鈴木勝秀
音楽監督・作曲・ピアノ:前嶋康明
美術:二村周作 照明:倉本泰史 音響:井上正弘
衣装:三大寺志保美 ヘアメイク:宮内宏明
出演・ドリアン・グレイ:山本耕史 シヴィル・ヴェイン/ヘッティ・マートン:須藤温子 バジル・ホールウォード/阿片窟の男:伊達暁 ジェイムズ・ヴェイン/バジルの執事/ドリアンの執事:米村亮太朗 アラン・キャンベル/ジョージ・フィーモア:三上市朗 ヘンリー・ウォットン:加納幸和
私の好きなイギリスのドンヨリとして、背筋がゾクっとして、ジメジメした世界でした(わくわく)
もちろん!加納さんがご出演だったから拝見したわけですがね
劇場に入って、まずは舞台美術の美しさに心が奪われます。
基本的にはモノトーンの世界。パブリックの縦の空間をうまく使った二階建てのセットです。
その舞台がくるくる回る。
センターには上下する額縁。中にドリアン・グレイの肖像はありません。
時折、バックに宣伝チラシにも描かれていた、ドリアンの目らしき物が映し出されます。
これが、うねうね動いたり、血しぶきがあがったり
音楽は、前嶋さんによる生のピアノ演奏です。
なんて贅沢なのでしょう!この生演奏、実は27日のトークショーで伺ったものなのですが、前嶋さんから「生の方が良いですね」との申し出に、「そんなにやる気がある人なんだ!ならば、舞台でやっていただいちゃお」と思われ、この型になったそうです。
ラストシーンも、ドリアンとヘンリー卿の演技変更があったため「加納さん、ここ音楽変えますっ!」と音楽も変更なさった、とか。又、二幕最初の音楽は、ワルツに変わったとか、実に贅沢な音楽!実は、音楽劇だったのです
サントラ盤の発売を心から願っております!
『ドリアン・グレイの肖像』敢えて(?)さぼって(?)原作は読まずに拝見したのですが、前述のように、私の好きな世界でした
イギリスの上流世界物、私好きなんですよね。なんて言いながら、ほとんど何もしらないのですが
良いの、良いの。好きなんだから
その世界に登場するのが、まずは山本耕史君演ずるドリアン・グレイ。
その美しさゆえ、翻弄される人生。
銀髪のロン毛が似合う役者、そうはいません
美しい~~~!
ただ、その銀髪ロン毛。
これが、スズカツさんの演出なのか。。。。彼は、何年経っても年を感じさせない美しさを保っているわけだけど、二幕、彼が思い苦しむ時、その銀が白髪にも目に映り、苦悩の表情と共に、年老いたように見えたのは私だけでしょうか?
トークショーにて「格好はファイナルファンタジーみたいですが(これ、座布団10枚です!)、彼は実は一番弱い人間、彼の人間味を描きたかった」と。
そうですね。ヘンリーに悪の道に導かれたけど、繊細過ぎた人間だったのかもしれません。
そんな山本耕史くん。スズカツさんとは、再演も含めると5作品目くだいだそうです。
これもトークショーネタなのですが、スズカツさんは基本的に演技をつけないらしく、役者に任されるのだそうです。そして毎回通しで稽古らしい。
だから、ラストシーン。前述のようにドリアンが死ぬ時、涙を見せるのを見て、ヘンリー演ずる加納さんは「フン!つまんない奴、知らない!」と、とっととその場を去る演技に変えられた時も「変わったんだぁ」と思ったって(笑)
もちろん、役者の申し出(?)演技プラン(?)に「NO」と仰る場合もあるそうです。
でも、基本的に役者と共に話し合って、舞台を創って行かれる(これは演技に関してだと思うのですが)のだそうです。
加納さん。
いや~~。怖くて悪魔な男を生き生きと演じてらっしゃいました!
あの生まれ持った品の良さ、ある意味、貴族の役はピッタリ填まりますよね
このヘンリー卿は、作家のオスカーワイルド、という説があるそうなのですが、加納さんは、このヘンリー卿の台詞に、賛同を覚えられたそうです。特に美意識について。
ラストシーンなんて、「なんて冷たいおっさんでしょ!」
って思いながらも「もっともっとジメっとしたイヤミで高飛車で慇懃無礼で怪しくても良いのに!」って心の中で呟きました。(←やはり私はドSなのか(笑))
はい。私は、どんよりしたイギリスのイヤミなおっさんを見るのが大好きなので、加納さんが、もっともっと憎たらしいおっさんを演じられても大丈夫です。(大丈夫って())(やはり私はドMなのか(どっちだ))
花組芝居でも加納さんも大好きですが、やはり外部での加納さんも魅力的!
これからも、外部で役者さんとしてのご活躍も楽しみにしております!
悪魔に対して、天使なバジルを演じた伊達さん。ステキな役者さんですね!純粋で繊細なバジル、きっとヘンリーは彼をどんなに愛してた事でしょ
忘れてはならぬ。
いやん。艦長こと三上さん。使い方、贅沢すぎ~~!さすがでしたが~~。もっと拝見したかった~~!!!
ただ、個人的に、加納さんとの2ショットが嬉しかったです
その他、トークショーネタ。
あの黒かったり、何もない絵について。
スズカツさんは一度真っ黒な絵を観た事があり、自分が試されたような気がしてから、何回か使った事があったそぅです。
演ずるお二人は?の質問に、山本くんは「僕ははっきり絵が見えてます。自分がモデルとして座った角度から推察し、まずは自分の目をなぞり、ナイフを入れていく」
加納さんは「あの絵は黒いけど、凹凸がかなりついていて、その具合が芸術!だから毎回眺めては、心から素晴らしいと思う」のだそぅです。
このトークショー、質疑応答が無かったのが残念でしたが、実に充実したお話が伺えたし、山本さん、加納さん、スズカツさんの魅力も満載な30分でした
そして。おまけ。
ラストシーン。
一度返された指輪を、ヘンリーは、ドリアンの亡骸に返すんだよね
あれって、「死んでからも、自分が支配する」という事かな?と思ったのですが、
前述のようにヘンリーはドリアンに失望したので「指輪は戻した」という事だったようです。
あくまでも、冷たいヘンリー。なんて、奴じゃ!と思った私でした
でも、そんなヘンリー、魅力的でした
次回は、どんなお姿を拝見できるのでしょうか?
10月が楽しみ