3、4年前だったか、ガレージ2階の作業室に換気扇をつけた。卓上の電動のこなどを使うと、細かな削り屑が室内を飛び回る。で、普通の25センチ角の換気扇をネットで見たら、1台1500円程度で売っていた。
安さに驚いて2台買い、その1台を苦労して付けた。室内作業は難しくない。立ったまま作業ができる場所を選んで、安い単純構造の木造建築だ。昔だから内壁に石膏ボードにベニアが貼ってあるだけ。断熱材も内部に入っていない空間。外は、薄い鉄板の外装。
内装に隠れた梁の隙間を見つけ、30センチ四方の四角い穴を開ける。外壁を梯子に登って、鉄板を切って、全く同じ場所に穴を開けて、換気扇を取り付ける四角い木の外枠を嵌め込んで固定すれば、もう、出来上がったも同然。その枠の内側に本体を嵌め込めばいい。
すぐに誰でも出来る(やってみたらいい、どれほどの知能と技術と工具類が必要か、すぐに判明する)はずだ。で、その時買った換気扇と木枠と外フードが余っていて(そのうち、もう一部屋にも付けようと思っていたのだ)つい、2年ほど前だったか、台所の換気扇がついにダメになった。これは安いが、一応システムになっているので、業者に依頼すると、内部フードとともに交換することになって、10万や20万円が吹っ飛ぶ。
換気扇どころか、台所そのものが、そろそろ限界がきている。で、フードに頭を突っ込んで、よくよく調べると、自分で何とか出来そうだ。というわけで、外側も中身も取り壊して外し、工作して、内部フードだけ生かして、見た目変わらず新しい余った換気扇を取り付け、働くようにした。なあに、お安い御用だ。
安い、古い家はこういうことが自由に出来る分だけ、めちゃ楽しい。定年退職し、体が元気な暇人に、古い家はあれこれと、頭と体を使って、時間潰しをさせてくれる。新しい家に住んでいる暇な老人は、一体何を毎日しているのだろう? せめて田舎で畑仕事などあれば気晴らしになるが、街中に住んでいたら、身を持て余して、死ぬしかない。