赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

りんご日報弾圧事件を考える コラム(360)

2021-07-02 18:24:51 | 政治見解



コラム(360):りんご日報弾圧事件を考える


自由は人間に備わった本来的な性質

香港では、廃刊に追い込まれた香港紙『りんご日報』への弾圧が激しさをましています。

かつて、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は「メディアの自由は保護される」と述べていたにもかかわらず、『りんご日報』は香港の議会を介さずに成立した香港国家安全維持法によって弾圧されています。

6月27日には英国に出国しようとした元主筆が逮捕され、これで同紙関係者の拘束は7人目となりました。

中国政府が行う自由への制限は、世界中の人びとに、考えることや言葉、行動の自由を制限することの残酷さを知らしめることになりました。特に近年、自国民に対して出産人数の制限をしましたが、夫婦の自由な愛情表現を否定する行為は人間性そのものを否定するものです。

つまり、人間にとって自由であることは本来的に備わった性質なのです。

中国政府があらゆる自由に制限を課すことは、習近平氏と中国共産党の持っている恐怖心の裏返しと言えます。

7月1日に行われた中国共産党創立百年の式典では、中国が専制国家色を強め、今後も自由への制限と弾圧をエスカレートさせていく方針を提示しています。

しかし、その行為が国民の敵愾心を高め、歴代王朝が崩壊した道をたどることになると思います。


メディアの「言論の自由」への違和感

中国の言論弾圧に対して、日本のメディアは抗議の声を上げようとはしません。

日頃、日本政府に対して「言論の自由を守れ」、「報道の自由を守れ」と叫んでいるのですが中国に対しては静かな反応です。中国の行動こそが、典型的な報道の自由への挑戦であり、言論の自由を圧殺するものなのですが、堅く口を閉ざしています。

原因は、中国への共感を抱いている人や中国を思想的な祖国として受け止めている人がメディア業界の主力になっているからです。

彼らはもともと社会主義思想に共感しており、ソ連崩壊後は共産党支配の中国が心のよりどころとなっていたため、中国を理想の姿として受け止めているのです。

したがって、中国の方針はすべて正しく、これに異を唱えてはならないと考えています。そのため中国政府の自由の制限は、国家としての正当な行為であり、それを不当と報道する行為の方が問題であると思っているわけです。


結局、日本メディアの言う言論の自由は、私たちが本当に求めている自由とは異質なものなのです。多くの人がメディア報道に違和感を抱くのはここに原因があります。

私は、自由であることが人間が生きる上でなくてはならないものだと改めて感じています。また、メディアによってつくられた偽物の自由の概念から離れなければ真の自由が得られないこともわかりました。

当ブログではこれからも自由の意味を問い、その価値を発信し続けていきたいと思います。



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