赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

皇位継承についての私見 コラム(317)

2019-11-19 09:14:41 | 政治見解




コラム(317):皇位継承についての私見


11月14日から15日にかけて大嘗祭が行われました。天皇陛下が天照大神の御心を受け継ぎ正式に天皇としての位につかれるという大切な儀式です。


皇位継承論の殆どが的はずれ

天皇陛下のご即位とともに、皇位の継承をめぐって、男系天皇を守るべきだ、女性天皇、あるいは女系天皇を容認すべきだとのさまざまな意見がでています。

女系天皇をめぐっては、神武天皇由来の男系の血筋を引かない人が天皇になることは血統原理が失われるとして、天皇とは呼べないと言う人もいます。

しかし、この意見は「万世一系」という思想に基づく肉体的な遺伝子を根拠にしたものです。

血統論で語ると、なぜ、天皇の存在が2000年以上にもわたり続いてきたのかという根本の理由を遠ざけてしまい、制度としての天皇「制」批判を誘導する元凶にもなってしまいます。

これらの議論が続く限り、「日本の精神の要である天皇」、また、「天皇のよって守られてきた日本の精神文化」が崩壊しかねません。形式や制度を変えたところで、背景に精神性がなければ何事も形骸化するのは必然です。血統で皇位継承を語ることは、天皇の存在意義を軽んじかねないことになります。


天皇の本質とは何か


天皇というご存在が長きにわたって継承されてきた理由は、歴代の天皇の高貴な精神性によって担保されてきたからにほかなりません。

天皇のおつとめの第一は「国安かれ、民安かれ(世界平和と国家平安、国民の安寧と幸福)」の祈りを捧げることにあり、その崇高な精神性が歴代天皇の高貴さを裏うちしていたのです。

戦後は天皇の私的行事になったため、国民に知られていない祭祀の一つに「四方拝」があります。元旦の午前五時半、天皇陛下は宮中三殿の前庭に出られ、国の安泰と国民の幸福、農作物の豊作などを祈られます。また、日常の宮中祭祀でも天皇陛下は身を清め、祭服に着替えて国民国家の安寧を祈り続けられています。

天皇の本質とは、天照大神の御心と一体となり「国安かれ、民安かれ」の祈りを捧げることなのです。

そこには男系も女系もありません。


天皇のご存在が日本を成り立たせている

歴代の天皇の中で「国安かれ、民安かれ」の祈りをしなかった方は誰一人としておられません。この厳然たる事実があるから、人々は天皇陛下のお姿を拝して心穏やかな幸福感に満たされるわけです。

なかでも、災害などで被災された人びとが天皇陛下のお姿を拝し涙するのは理屈では説明できない崇高な愛情を感じ取るからだと思います。

歴代天皇の国を思う心と祈りで日本の国の基礎が出来あがってきたと言えます。

これこそが天皇の神聖性を証明する所以なのです。


皇位継承議論のあり方

歴史上、皇統の危機が幾度となくありましたが、そのたびに危機は乗り越えられました。それは人智を越えた力が天皇の存在を守ろうとしているからです。

これからも、天皇の国民を思う心と、国民の天皇への敬愛の情とが一体となっている限り、天皇は存続します。「君が代」にはそうした意味が込められているのです。

遺伝子論や、憲法論の規定から論ずることは、単に制度や形式行為です。決して天皇の本質をないがしろにしてはなりません。

真実はただ一つ、皇統、皇位継承は天皇の崇高な精神性が受け継がれているということです。





  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】

  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz

最新の画像もっと見る