赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ウクライナ人の覚悟に思う コラム(391)

2022-02-28 13:54:06 | 政治見解




コラム(391):ウクライナ人の覚悟に思う 

プーチンの誤算
 
ロシアの侵略から2日で陥落すると言われていたウクライナの首都キエフが持ちこたえています。これはウクライナ軍や国民が激しい抵抗を試みている証拠にほかなりません。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は首都キエフから逃げ出すこともなく、連日、「国を解放するまで戦い続ける」と宣言して国民の先頭に立っています。また、それに国民も応えているようです。事実、一時的に国外に退去した若者も帰国し「祖国のために戦う」と述べていますし、民間人がロシア戦車の前に立ちはだかってその行く手を遮った場面も見ました。ウクライナ人の愛国心は頂点に達しているようです。

これによりロシア軍の楽観的な予測が覆されています。病的に見えるプーチン大統領は戦術核の使用を軍に命令した模様で、核の脅しによってしか、ウクライナとの交渉を有利に運ぶことができなくなっています。かりに、プーチン氏が戦術核を使用しなければならなくなった時点で、侵略に成功したとしても核兵器を使用した者としてヒトラー以上の汚名を歴史に刻むことになります。


覚悟が問われる日本人

翻って日本を見ると、日本がウクライナと同様な目にあった場合、70年近くにわたり欺瞞的な平和教育を受けた日本人に、侵略者に立ち向かう気概があるのか、正直なところわかりません。とくに現在の高齢者世代は日教組教育の影響が大きく、我先に逃げ出そうとするのではないかと危惧しています。

こんな事例が過去にありました。ロシアの前身であるソ連が日本侵略を意図していると言われた1970年代後半、関嘉彦早大客員教授と森嶋通夫ロンドン大学教授の間では「戦争と平和」の論争が繰り広げられたのです。

関氏は社会党からのちに民社党のブレーンとなった人で「非武装で平和は守れない」と主張しました。一方、森嶋氏は学徒出陣経験のある経済学者で、「日本が軍事力でソ連の侵攻に対抗できず(中略)一億玉砕か一億降伏かの手しかない(中略)戦争で滅ぶよりも無抵抗降伏のほうが得策であろう」と述べ物議を醸しました。

文藝春秋で特集されたのでご記憶の方もいらっしゃると思いますが、以降、論壇ではソ連の侵攻と日本の防衛問題が論ぜられるようになりましたが、日本の防衛力増強に反対する意見は意外に大きかった記憶があります。

現在の主だった政治家は左右を問わずそのような思想的な風土のなかで育ってきましたので、保守系の政治家であっても国防意識が弱く、ソ連に代わって台頭してきた中国に「無条件降伏」している人もいます。林外務大臣、茂木幹事長などは代表格かもしれません。日中友好議連の主要メンバーは疑ってかかる必要があります。

かりに、中国が日本に侵略してきた場合、彼らの大半はどこかに雲隠れをして国土が中国に蹂躙されたあとに「中国歓迎」の旗を掲げることでしょう。東日本大震災後の原発事故でいち早く逃げ出した小沢一郎氏や、中国や韓国から帰化した国会議員など意外に多いと思われます。そうならないためにも今のどうしようもない政治家たちにはお引き取り頂かないと国民の安全と安心は確保できそうにありません。


安全地帯に逃げ込む日本の報道

政治家と同様、あてにならないのが日本のジャーナリストと報道機関です。ウクライナの危機に際して、現地で取材して生の声を聴いている人が一人もいません。すべて、外国の記者、報道を引用して、さも取材しているように見せかけているだけです。自分の身は安全地帯において、他の報道機関の上前をまねているだけです。

しかも、日頃、反体制を唱えるジャーナリストや機関ほど報道が及び腰に見えます。ソ連時代から太いパイプのあるテレビ朝日などは現地に社員を派遣して直接取材にあたらせたらどうかと思います。NHKも国民から受信料をいただいて運営しているのだから、もっと体を張った取材をして国民に真相報道という形で存在意義を見せたらいいのではないかとも思えるのです。

また、反体制のジャーナリストは現地で戦争の悲惨さやを訴え、戦争が犯罪であることと戦争を起こす国家の存在がいかに「悪」であるかを説いたらどうかと考えます。本気の報道をして見せてこそジャーナリズムとしての価値、報道機関の価値が上がるはずです。


現状では、日本の政治家の多くが、そして日本のジャーナリズムがあてにならない状態ではありますが、その中にあっても日本人は自らの手で国を守る覚悟を定め、行動に移していかねばならないと思います。

ウクライナの悲劇は他人事ではなく、いつのまにか日本で起きるかもしれない現実でもあるのです。「備えあれば憂いなし」の準備と覚悟がいま一番求められているときではないでしょうか。



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