赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

コラム(40) マイナンバーに反対する人たちの本当の理由

2015-08-31 00:00:00 | 政治見解



コラム(40):マイナンバーに反対する人たちの本当の理由

法案通過までの経過

マイナンバー法改正案が8月28日の参議院本会議で自民・公明・民主他の賛成多数で可決しました【※1】。この法案は参議院で修正【※2】を加えたため、成立には衆議院の可決が必要となり、9月3日に成立の見通しです。

【※1】賛成212、反対17。反対は、井上哲士、市田忠義、紙智子、倉林明子、小池晃、田村智子、大門実紀史、辰巳孝太郎、仁比聡平、山下芳生(共産党)。薬師寺みちよ(無所属クラブ)。福島みずほ、吉田忠智(社民党)。主濱了、谷亮子、山本太郎(生活)。糸数慶子(無所属)の各氏。昨年11月の「テロ資金提供処罰法改正案」に反対票を投じた参議院議員14名とほぼ重なる。

【※2】正式名称は「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案」。参議院で「日本年金機構がマイナンバーを扱う時期を遅らせる」などの修正を加えた。


法案は5月21日には衆議院を通過しましたが、その直後に中国による年金情報へのサイバーテロが発覚、約125万件の個人情報が流出しました。これによりマスコミなどを中心にネガティブキャンペーンが開始されました、この時点で民主党は「衆議院では賛成したが、参議院で賛否が変わってもおかしくない」と述べ態度を変えています。中国人によるサイバー攻撃と関係があるのでしょうか。


法案反対の人びと

8月27日付の「しんぶん赤旗」には、「マイナンバー制度反対連絡会の結成総会が都内で開かれ、17団体44人が参加した」と書かれています。また、参議院で本法案が可決した28日には、議員会館で反対集会が開催され「マイナンバーの使用を差し止める訴訟を全国で起こしていく」「街頭でのデモを行い、制度への反対を訴えていく」と報じています。

マイナンバーに反対している人や組織は、人権を掲げる学者、弁護士、集団的自衛権に反対する勢力が中心で、現在、安保法制に反対している人たちと完全に一致します。このことから、マイナンバーが反体制グループにとって極めて都合が悪いものであるということが分かります。

日本共産党の関連組織の民商・全商連の署名集めの趣意書を見ても、「プライバシーが侵害され、そこに国家権力が介入してくる」という論理で反対を唱えています。


不正の温床を許さないマイナンバー制

マイナンバー制度はテロ三法【※3】と関連がある法律です。

【※3】「テロ資金提供処罰法改正案」「犯罪収益移転防止法改正案」「テロ資産凍結法案」三法を言う。このうち「テロ資金提供処罰法改正案」について共産党は衆参ともに反対した。同法により過激派や市民運動標榜団体などの公安監視団体も対象になり、カンパされた側だけでなく、カンパした人のすべての資産を凍結没収できるといわれている。

普通に生活している人にはマイナンバーは便利なものですが、年金や生活保護の不正受給、脱税などに手を染めている人にとっては、大変に困ることになります。また、不法滞在の外国人や、在日外国人の生活保護不正受給も摘発されることになります。

法人も、社会保険への未加入や住民税の脱税という不正も摘発されるようになります。

このようにマイナンバー制度は社会不正を許さない仕組みでもあるのです。

これに加えテロ三法が適用されることで、暴力的破壊行為を常習的に行っていた団体(市民標榜団体を含む)やその支援者も社会的制裁を受けることになります。(反体制過激派や日本共産党などもその対象)

つまり、秘密保護、プライバシー保護を盾に不正行為や反体制活動を働いている人たちにとっては、マイナンバーの施行は是が非でも阻止したいという事情があるのです。


マイナンバー制の早期実施を望む

マイナンバー制は社会不正を防止し、公平で公正な社会を実現するという観点で積極的に評価したいと思います。

理由は、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、納税を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止し、本当に困っている人にきめ細かな支援ができるようになることです。

また、添付書類の削減などで行政手続が簡素化され、国民の負担が大幅に軽減されます。さらに、役所での様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減され行政の効率化が図られます。つまり、役所の人員削減が十分可能になってくるのです。

マイナンバーは健全な国民の公平で公正な発展のためには非常に有用な仕組みなので、一日も早い実施を望んでいます。



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