赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

科学できない中国と日本の左翼——ALPS処理水をめぐって

2023-09-15 00:00:00 | 政治見解



科学できない中国と日本の左翼——ALPS処理水をめぐって
:230915情報


昔、『思想の科学』という雑誌がありました。今でいうリベラル左派の機関誌的な役割があった雑誌で、思索と実践の分野に論理実験的方法を用いることと、英米思想の紹介には批評的態度を維持することを主眼にしていました。この雑誌の影響か、日本の左翼言論界は{科学的」「理論的」というイメージを振りまいていました。

ところが、昨今の日本の左翼には「理論的」なイメージはありません。立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組、消滅寸前の社民党、いずれも、論理ではなく感情論で世論を煽ろうとしています。現実に、いまも、ALPS処理水を汚染水【※1】と言ってはばかりません。

【※1】「汚染水」と「処理水」の違い
「汚染水」は、多くの放射性物質を含み、事故後毎日原発建屋内で初生しています。一方、 「処理水」は、ALPS(多核種除去設備)などを用いて浄化処理を行うことによってトリチウム以外の放射性物質について、環境放出の際の規制基準を満たすまで浄化した水のことをいいます。


彼らには、いくら科学的に説明しても、初めから理解しようとはしないのです。「科学する」という意味がわからないようです。小学校からやり直した方がいいようです。

先日も、共産党の衆議院立候補予定者の発言に対し、小池晃書記局長が、「汚染魚」の表現は「我が党の見解とは全く反する」”として陳謝。一方で、東京電力福島第1原発で出た処理水を「汚染水」だと表現していることについては、「きちんと科学的だと思う」と発言していましたが、どこにも科学的根拠についての説明はありません。これが、共産党を含む左派政党の支持率をさげている主たる原因なのですが…。

さて、中国では日本の左翼と同じことを言っていますが(本当は中国の主張を日本の左翼がまねているようですが)、門田隆将のX(旧ツイッター)に面白い記事があったので引用してみます。


門田隆将:RecordChinaが紹介した処理水問題で中国のネット上で拡散されている文章が素晴らしい。激高し“売国奴”と罵っていた若者がメディア関係者の7つの質問によって態度を一転させ謝罪。“科学と常識を信じる事”を始め、淡々と事実を元に質問。是非日本に来て“あの人たち”にも説明を


門田氏が絶賛する記事は以下に。


日本の処理水めぐって罵倒電話をかけた若者、七つの質問で態度が一転―中国
Record China 2023年9月1日(金) 17時0分

東京電力福島第一原発の処理水海洋放出に中国が激しい反発を続ける中、あるメディア関係者が記した文章が中国のネット上で広く拡散されている。写真は日本の水産物などを使用していないことを記したボード。

東京電力福島第一原発の処理水海洋放出に中国が激しい反発を続ける中、あるメディア関係者が記した文章が中国のネット上で広く拡散されている。文章は、激高した若者が七つの質問によって態度を一転させたことをつづったものだ。以下はその概要。

私はここ数日、日本の処理水の海洋放出に理性的な判断を呼び掛ける文章を書いた。「パニックにならないこと。国際原子力機関(IAEA)、そして科学と常識を信じること」が文章の核心的観点だ。文章の発表後、私はある若者から電話を受けた。彼は開口一番、私を「売国奴」とののしり、日本人から金をもらったのかとも言った。私は辛抱強く七つの見方を伝えることにした。

私は一つ目に、12年前、地震で起きた津波で原発が破壊され、未処理の汚染水が海に流出したことを覚えているかと尋ねた。続けて「12年後、日本はIAEAの監督の下、汚染水を処理して30年という時間をかけてゆっくり海に放出する計画だが、危害が大きいのはどちらだろう」と問い掛けると、彼は「もちろん12年前の方に決まっている」と即座に答えた。私は「その通り」と応じ、「12年前の流出で壊滅的な結果は生まれなかった。処理後なら、なおさらそんな結果にはならない」と彼に伝えた。

二つ目は、「中国と日本。国民の寿命が長くて食品安全基準が高いのはどっちか」という質問だ。彼は「日本の食品安全基準は中国より高いし、日本人の平均寿命は数十年間、世界1位だ」と答えた。私が「科学技術と経済が発展している日本の人々が自分たちの命を顧みず、基準をクリアしない核汚染水を放出して自らの死を招くだろうか」と畳みかけると、彼はしばらく黙った後、「そんなことはない!」と言った。

三つ目は、1945年に米軍が広島と長崎に投下した原子爆弾についてだ。「日本は20年もかけずに広島と長崎の放射能汚染に対処し、廃墟と化した両都市を住みやすい都市にした。広島は1994年にアジア競技大会を開催している。両都市を訪れてこうした状況を不思議に思う外国人は多い。放射能汚染に対する日本の処理能力が一流だと信じるのには理由がある」と伝えると、彼は沈黙を保った。

四つ目は、「海産物の摂取量が多いのは中国人か、それとも日本人か」という質問だ。彼は「当然日本人。日本は島国で周囲を海に囲まれているが、中国で海に面しているのはいくつかの省や市だけだ。日本人の方が絶対に多く食べている」と答えた。私はそんな彼に「正解。中国は陸地大国で海を見たことがない人は多い」と伝え、さらに「日本は海洋大国であり、海洋資源は日本にとって重要な資源だ。もし処理水が本当に海を汚染するなら、日本人こそが最大の被害者。日本人にこんなことをする理由はない」と指摘した。

五つ目は、「日本が汚染水をきれいに処理しないまま海に直接放出した場合、よりダメージを受けるのは日本人か、それとも中国人か」という質問で、彼の回答は「もちろん日本人」だった。私は「その通り」と応じ、「最も深刻なダメージを受ける日本の人々が強烈な反対を示さないのに、中国人はなぜこれほど神経質になるのだろう」と投げ掛けた。

六つ目は、中学生の頃に学んだ地理の知識についてだ。私は、「太平洋の海流は時計周りで、海水の流れる方向から言うと、まず米国とカナダに向かってその後は中米方面に進み、それからフィリピンと台湾を経て最後に中国本土となる。米国とカナダに『世界の末日』という憂慮は見られず、欧州連合(EU)は福島産の海産物をすでに解禁した。であるなら、被害が最小のわれわれが何を恐れる必要があるのだろうか」と尋ねた。

七つ目の質問になった時点で彼の怒りはもう収まっていた。しかし、それでも不信感をにじませながら、「『処理水は国際基準に達していて放出しても海に影響を及ぼすことはない』というのが日本の言い分だ。ならばなぜ日本人は自分たちで飲まずに放出するのか」と言った。私はこれに「筋の通らない理屈で、常識を欠いた発言」と返し、「基準を満たすように処理するのは飲むためではなく、環境汚染を減らすため。われわれの生活排水は処理を経て川に流され、最後は海に流れ込む。飲まないのは、こうした水が人間に極めて有害だという意味ではない。飲み水と生活排水は基準が違い、全ての水が飲み水としてためておけるわけではない」と指摘した。

私のこの七つの説明で、彼の疑念はすぐに晴れた。そして彼は罵倒したことを私に謝罪した。(翻訳・編集/野谷) 
 


明日の『処理水問題で最も打撃を受けているのは中国」も面白いですよ


  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ②BRICS首脳会談――BRICSに群が... | トップ | 処理水問題で最も打撃を受け... »
最新の画像もっと見る

政治見解」カテゴリの最新記事