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ちくわの夜明け

「シンポジウム 浅間山荘から四十年 当事者が語る連合赤軍」に参加して

2012-07-12 19:00:23 | 映画制作
もうかれこれ2ヶ月経っておりますが、今更ながら書かせていただきます。
というか、前回の3月に行われた追悼会と同じく、救援連絡センターの機関紙『救援』に書かせていただいたものを転載いたします。


追悼会があくまで純粋に事件後40年からの「追悼」を目的としたものに対し、このシンポジウムでは事件後40年を経た当事者の今、そして事件をどう考えるかを改めて様々な世代、層と語る場にすることが目的でした。
その「当事者」は以下4名の方々。


元・革命左派 雪野建作さん

元・革命左派 前澤虎義さん

元・赤軍派 植垣康博さん

元・赤軍派 青砥幹夫さん



わたしは今回も運営から携わらせていただき、「第1部 映像でふりかえる」の映像制作と当日の記録係を兼任しました。




では、以下『救援』の原稿より転載します。



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『歴史としての再定義を』



5月13日「シンポジウム─浅間山荘から四十年 当事者が語る連合赤軍」が行われました。

前回の「連合赤軍殉難者追悼の会」に引き続き運営の側から携わらせていただき、第1部の「映像でふりかえる」を制作しました。
以後はシンポジウム形式で約4時間、第4部まで多彩な世代、立場の方々が当事者4人と意見を交わしました。

ゲストパネラーの方々が様々な立場であるがゆえ、観覧者の方々も様々な世代、層が集まりました。

今までどうしてもこういった内容から、内にこもった参加者で、内にこもった議論をえんえんと展開しがちでしたが、今回はそこから大きく脱却していたのではないかと思います。

東京新聞の田原牧さんは事件の映画化、漫画化等からくる現象を指し「連赤事件に市民権を与えるような雰囲気を感じており、非常に嫌な気分。事件が市民社会に回収されるのは危うい」と問題提議。

作家の雨宮処凛さんは「2012年“今”の生きづらさと連赤事件は繋がっている。私が育った80年代~90年代は社会への回路が切断されていた。それを辿っていくと連赤事件に突き当たる。社会と切断されると“怒り”が自分や内(自殺や家庭内暴力 等)に向かう」と持論を展開していました。


こうした意見にその場で当事者4名が応えていく。その様子に40年という時間と、当事者それぞれの積み重ねを見た気がしました。

そろそろこの事件を“歴史”としていかなくてはならない。
そのために当事者や周辺にいた方々が語っていくことが、40年という歳月を経た今だからこそ、必要とされているのではないかと思います。

私自身当事者への取材を重ねている身ではありますが、やはりどんどん語っていくべきだと思っています。彼らは社会、あえて大きく言ってしまえば“世界”に向けて運動・闘争を展開しました。そうであればこそ、あの体験を社会に向けて語っていって欲しい、と願っています。

ゲストパネラーの映画監督 森達也さんに聞きました。「彼らは表に出て語り続けるべきでしょうか」
森監督はしばらく考えた後「それは僕が決めることじゃない。語って欲しいとは思うけど、語りたくないという気持ち、筋の通し方も分かる」と。

また、こうした公の場に初めて参加した元・赤軍派の青砥幹夫さんに、なぜ参加する気になったのか、その心境を伺ったところ「そろそろ息子に父親がどういう人生を送ってきたのかを知らせるために(考えを)纏めていかなければいけない」とカメラの前で答えて下さいました。

具体的な「理由」を目の前にすると、たじろがざるを得ないものがあります。そうした時、改めて一人一人の当事者を“歴史”としてひとくくりにしてはいけない、とも思います。

しかし歴史は想いとは別に、時間が作り上げる側面もあると思います。現状、あまりにもネガティブな側面しかもたらせていないこの事件、引いては「赤軍という現象」をどう捕らえ直すか。

それは今ではない、未来に繋がる歴史への再定義に、必ず繋がると確信しています。


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以上。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (えの)
2012-07-14 11:53:39
「健作」ではなく「建作」です。
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Unknown (赤目)
2012-07-20 01:35:02
失礼しました!訂正します。
返信する

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