はてなばばあ

気まぐれに自分メモ的に書いてます。

ARTIST SYNDROME

2008年09月25日 | 絵のはなし
著者 大野佐紀子

「なぜ人はアーティストになりたがるのか?」
猫も杓子もアーティストと名乗りたがる最近の世情について辛辣に批判、辛口トークに始まり、自らの体験談を織り交ぜて語る内容。確かに芸能人アーティストに対する意見など、わかりやすいだけに「よく言ってくれた!」と共感。はたまた、美術大学の入試における予備校の立場には、予備校に通ったことがない自分には未知の世界で「そこまでやるのか!」と、驚きました。そして、著者が自分の作品について「女性ならではの・・・・」など、作品の批評に男女の区別をされることを極端に嫌っていたことが書かれていて「そうそう。まさしくその気持ち!」と、共感したりもした。

自分の性格上、全ての内容に共感したわけでもなく、「ん?なんで?」って部分もありましたが、最後まで一気に読み終わりました。今、老若男女、確かにアーティストと名乗る人が多いのは事実である。別に美大出とか、そんなことは関係なく、どんな人でもどんな職業に就いていても可能。なんでもござれ状態である。人からアーティストと呼ばれたいからか?自分は特別だと思いたいからか?クリエーターは、もう少し現実的?

でも、みんながみんな人に評価されたいから作品を作るわけではないのだ。
器用にちょいちょいっと、かっこ良く作っちゃう若者がいてもいいのだ。
ひたすら手技に走る中年がいてもいいのだ。
自分に酔いしいれる勘違い野郎がいてもいいのだ。
創作することは、人生を豊かにしてくれる何かに役立っているはずだ。
自分が作りたいから作るのだ。

それでいいのだ。