この参院選で共産党に注目が集まっている。
先の都議選で躍進したこともあり、大都市の街頭演説会は、どこでも数千人の聴衆が党幹部や候補者の演説に聴き入るという。
かって民主党を支持し改革を望んだ多くの人々は、そのあまりにお粗末な政治に失望した。他方、一部の富裕層を潤しただけのアベノミクスと憲法改悪や原発再稼動へ突っ走る安倍政権への不安もつのる。
そこで、今度はブレナイ共産党の出番との思いが同党への関心を厚くしているのではないか。
こうした思いは、著名人にもあるようで、先に、自民党元幹事長の古賀誠氏が、赤旗日曜版に登場して「憲法96条を変えてはいけない。憲法の平和主義は世界遺産」と述べ、憲法に対する共産党の態度に共感を示した。これを各種マスコミが報道し、この面からも同党への関心が広がった。
最近の紙面(7月1日号)には、元外務省高官でオランダ大使も務めた東郷和彦氏が登場し、中国外交について提言を行っている。
加えて、日中国交正常化交渉を担当した元外務事務次官で駐米大使だった栗山尚一(たかかず)氏も登場(7月3日号)。
尖閣諸島問題について、「暗黙の了解」から明確な合意となるよう中国と交渉すべきと述べている。
このように、その筋の専門家が共産党の機関紙「しんぶん赤旗」に次々と登場して意見を述べるのは異例のことだ。つまり、それだけ、安倍政権の危うさに危機感を感じておられるのではないかと思う。