田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

最新作~葉室麟著「霖雨」

2012年08月03日 | 読書三昧

「長い雨が続いても、いつかは上がる時が来る」というキャッチが示す「決して諦めない思い」を書いたという同氏の最新作です。

封建社会の中で、当時のインテリが置かれた厳しい現実が淡々と描かれています。

物語~天領、豊後日田で私塾「咸宜園」を主宰する広瀬淡窓と家業をついだ弟・九兵衛は、郡代からの数々の理不尽な要求に辟易する毎日であった。そんな折、大塩平八郎の乱に加わった元塾生が淡窓を頼って日田に戻って来るのだが・・・

当時の私塾の果たした役割や重要性がよくわかり興味深く読みました。また、この私塾を出た4,000人を越える塾生の中から、蘭学者の高野長英や維新の立役者大村益次郎などが出ているという。