田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

いやはやの~浅田次郎著「中原の虹」I~IV

2011年04月04日 | 読書三昧

いやはや、読了に2ヶ月もかかってしまいました。
特に、後半は東日本大震災と重なって情緒不安定となり、粒粒辛苦の毎日でした。

浅田次郎著「中原の虹」I~IV、第42回吉川英治文学賞受賞



物語~清朝瓦解直後、混乱を極める中国。
馬賊の頭目張作霖(チャンヅオリン)は、すぐれた戦略性と指導力で瞬く間に東北3省を掌握。北京の中央政府(中華民国大総統袁世凱)と激しく対立し、遂には山海関を越え中原に躍り出る。

それはちょうど、女真(ジョルチン)部族のヌルハチ一族が、東北部から北京に進出、明を滅ぼして清朝を起こす闘いと軸を一にするものであった。

この物語は、単に張作霖の生涯をたどるだけでなく、それが清朝を起こした東北の雄、愛新覚羅努爾哈齊(アイシンギョロヌルハチ)一族の盛衰とオーバーラップするように描かれています。

そのため、登場人物は60余人、時代は清朝の成立前夜から瓦解までの260余年を扱う壮大な歴史小説となっています。

強大な隣国、現代中国を理解する上でも貴重な歴史物語です。
ご一読をお勧めします。