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よろずよもやまよろずたび

地元の写真と日々の雑感、写真日記です.
最近は陶芸三昧の日々ですが・・・

「悪臭学」

2012-09-05 | 

鼻がワルイのでにおいには鈍感な方だと思う。

それでもコレを読んでいると、何となく臭ってくるようで面白い。

目次には、おなら、ゲロ・ゲップ・口臭・・・、ワキガ、膣と精子、糞尿、死体とあって、ぎょぇ~となりそうな話しばかりですが、そこは「学」ですから、かろうじて正気でいられるというものです。

視覚や聴覚に比べると意識することが薄い臭覚ですが、それだからこそ面白い内容です。

ところで、映画やTVに映る景色をみて、そこへ行ってみたくなるのは、行ってみなけりゃ分からない匂いがあるからかもしれませんね。


表題に釣られてみれば

2012-08-23 | 


本書はバイオロギング科学の一端を紹介した本です。

バイオロギングというのは、自然の動物に様々なセンサーとデータロガーを取り付けて放し、後で回収してデータを分析・解析して動物の生態を研究するものだそうです。

とくに水生動物は、水の中に潜ってしまっては観察のしようがないわけで、分からないことばかりだったそうです。

ところが加速度センサーやデーターを記録する装置の小型化・大容量化など高性能化により、小型の動物にまで取り付けられて様々なことが分ってきたといいます。

そうした開発に携わりながら、南極圏でのペンギン・アザラシなどの動物を観察し、生態を解明していく物語です。

それにしても、こういう研究をされている人は、大変だろうけれど毎日が楽しいだろうなぁ~と思ったものです。

ところで、本書はとても読みやすい本でした。 研究論文を慣れない英語に翻訳しなきゃいけないと書かれているのですが、まさに理系の正確・端的な表現なんでしょうね。

面白い一冊です。


五色の九谷

2012-08-22 | 



史実や伝承をもとに九谷焼誕生までを描いた子供向けの本です。

九谷という場所は大聖寺川上流にあり、いまでこそ車で走れば舗装した道を30分ほどでたどり着きます。

しかしこの本によれば流刑人が金鉱探しをやっていたところだそうで、橋を掛けることが禁じられるなど、川原の中や崖を上がったり下りたり、とにかく道なき道を歩き1日or2日がかりの地だったようです。

九谷では、白釉をかけて本焼きするところまでで、出来た素地を大聖寺藩邸に運び、そこで絵付けを施して錦窯で仕上げたとしています。

ところで、九谷焼は有田産であるとする定説の証拠として、九谷の窯跡から色絵の着いた陶辺が出ていないというのがあるそうです。

しかし、絵を描くというのは繊細で集中力と根気と発想力が必要なわけですが、そう思うと流刑地である九谷で描かせられるわけもなく、素地を里に運んで、そこで描かせたということの方が真っ当で、九谷から陶辺が出ていないとしても、何ら問題にはならないと思います。 

まぁ、九谷焼というブランドを興したことに価値があるので、どこで造ろうがかまわないのかもしれませんが・・・。 

 

 


「へうげもの」

2012-08-20 | 

友人N氏からお借りした 漫画 「へうげもの」

これがまぁ大傑作で大笑いさせられました。

戦国時代を出世と物欲で駆け抜けた古田織部の物語で、たくましいというか飄々としているというか、とにかくスゲーのです。

寝る前に読み出すと止まらなくなってついつい夜更かしする毎日でした。

ところで、石川県にゆかりのあるところとして前田利家も脇役の一人として登場します。 前田家といえば加賀百万石の大大名ですが、とんでもなくいい加減というか、何も考えちゃいない、まるでわけの分からない性格に描かれています。 死の間際にも息子たちから徳川・豊臣どちらにつけばいいかと問われたときも、どっちつかずの返事で、なんでこの人が大名になれたのか不思議に思える描き方。そもそも 「へうげもの」 の登場人物たちは、みな濃~い性格の人たちばかりで、まさに過剰な人々的なんですね。 戦に明け暮れた激しい時代には、登場人物も激しくなきゃ吊り合わないってもんですね。それだから異様なほどのいい加減さが、よけいに面白かったりする利家でした。

それはそうと、戦続きの中にあっても安土桃山文化が花開いたのは、戦以外にまわせる金があったからで、そういう資源に恵まれていたからかもですね。 

ところで、利家の後を継いだのが利常です。利常の三男が初代大聖寺藩主、利治です。

利治が藩主に就いたのはまだ22歳(1639年)のときで、当時は金や銀の鉱山開発にあたっていたそうですが、見込みがないこと、陶石が発見されたことから、磁器製品の開発に方針転換し、あの九谷焼ブランドを興したといわれています。

九谷焼は殖産政策の一環として始められたともいわれていますが、利治は小堀政一(遠州)から手ほどきを受けた茶人だったそうなので、大いなる数奇者の一人だったと思います。 

で、嫁が鍋島勝茂の外孫の徳姫だったものだから、その伝手でもって有田焼の陶工なども雇って作らせたのが始まりかもしれません・・・。

九谷焼(古九谷)については謎が多く、ほとんどが有田で焼かれたものだというのが定説だそうですが、それを覆す証拠なども見つかっているそうで、様々な説がいわれているそうです。

そういう謎を巡って想像を膨らませるのも面白いもんです。そのきっかけになった「へうげもの」でした。


わかったような わからないような

2012-08-16 | 



家の中には神棚があって、町のあちらこちらに神社があって、なんの違和感もなく過ごしてはいるものの、日本の神様のことは、よく分からないというのが正直なところです。

で、本書を読めば少しは明るくなるかと思ったものの、途中あまりにも難しくて、理解不能・・・

そもそも神道には理論的・体系的哲学はないのだそうですが、日本の神様には地震・噴火・豪雨・雷・疫病などの災厄とともにあらわれることが多かったようで、科学技術が進んで原因が分かり対策を考えられる現在でも、突然起きる自然の驚異から多くの場合逃れられないことを思えば、理屈じゃないところで畏れ敬い祈ることで 穏やかな日々を過ごせるよう願っていたとしても不思議じゃない気がします。

というわけで、よく分からないままですが、神社へ行ったら 「正直に生きていますので どうか荒ぶれませぬように・・・」


連環宇宙

2012-08-09 | 

本書は「時間封鎖」「無限記憶」に続く3部作の完結編です。

ある日突然、地球がある種の膜に包まれて、外界との時間の流れが1億分の1の速さに減速。

なんと地球が1年経つうちに外の宇宙は1億年も経ってしまうという状況に。

そうこうするうちに、人間が生存可能な他の惑星との通路ができて、移り住んだ人類は大いに繁栄するのですが、

そんな状況で地球に残った人々のお話が本書です。

とにかく、センス・オブ・ワンダーたっぷりの本格SFで、大満足の「連環宇宙」 !


武器としての社会類型論

2012-08-08 | 

著者は、神学者にして千葉大学文学部教授とのことです。 

世の中には様々な文明がありますが、それらを5つのタイプに分類しています。

西欧人が 「西洋と非西洋」として世界を把握しているのに対し、現実には様々な文明があるわけで、頑固な西洋人に分からせるためには、それらをタイプに分類して分かりやすく示さなきゃ・・・って感じでしょうか?

で、社会構造を分類することで世界が理解できる・・・というのですが、神学者(西洋)からの視点だからか、ユダヤ教・キリスト教について詳しいのに、他の宗教の話は皆無で・・・とにかく難しくて退屈で途中で断念。

 


美術って・・・?

2012-07-02 | 



TVでよくお見かけする荒俣宏氏の講演を基にした本です。美術史じゃなくて美術誌であるところがミソでしょうか。日本と欧州の、学校では教えられないディープな面が、とっても面白い一冊です。ただし読み進めるうちに話がどんどん広がって・・・こちらの許容量をオーバーするものだから、読み終わる頃には「面白かった」という漠然としたものしか残らなくて・・・自分のアタマの悪さを呪うことに・・・

それはともかく、美術って分ったようで分からない不思議なもんです。

 


テルマエ・ロマエ

2012-05-30 | 



傑作です!

またしても友人N氏のお薦めマンガ

大まじめなローマのお風呂設計技師と

ゆるーい日本のお風呂・温泉文化が繋がって

スペクタクルな物語が繰り広げられるのです。

映画も面白そうですね。そのうち観にいきたいものです。


「Y染色体からみた日本人」

2012-05-06 | 



じつは、「アダムの呪い」を読んだあと、Amazonに載っていた書評をみて購入しました。
表紙を捲ると、冒頭には『本書の執筆を計画していた時点で、アダムの呪いが・・・』 どうのこうのとあって、否が応でも期待は膨らむというものです。

ところがどっこい、その期待はガラガラガラっと崩れ、終いには開いた口がふさがらない・・・というのは大げさかもしれませんが、教科書を読んでるように淡々と退屈で、ときには脱線してゴミの焼却から出るダイオキシンに言及するところで にわかに活気付くという・・・。 中学の授業で本題から外れた、どうでもいい話が面白かったという程度の、そういう類いの一冊といいましょうか・・・。



前半は、「アダムの呪い」の前半部分を4倍程度に希釈した内容で、後半になって日本人のY染色体によるグループ分けが示されます。
著者は、東京大学医学部医学科を卒業され、現在、徳島大学の教授とのことで、専門分野では立派な研究をされているのだろうと思いますが、一冊の本を著すには、テーマを間違えられたのかもしれませんね。

ちなみに冒頭の書評って、同僚か同業者が書いたんじゃないだろうか・・・なんて思える内容で・・・正直なところ 「騙された」 って感じです。