心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

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空気の通り道⑤

2013年06月25日 | 日記・エッセイ・コラム
二重目の屋根の施工。
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【空気の通り道④】での屋根断熱材《ネオマフォーム》と起り通気垂木が見えます。
頂部の黄土色は現場発泡ウレタン断熱材。ネオマフォームの隙間を補完します。

通気垂木上の直交する板が野地板(のじいた)。無垢の杉板で、屋根葺き材の下地。構造用合板では調湿作用が劣り、過酷な使用環境での耐久性に疑問があるので、無垢材を使用しました。

野地板の施工は、互い違いに配置する『千鳥貼り』。

『千鳥貼り』は、板の継ぎ目が一本の通気垂木に集中しないので、下地の挙動を少なく抑える事が出来ます。より良い雨仕舞いの為のベースです。

隠れて見えなくなる部材も、無垢材使用と丁寧な貼り方で、”超高耐久”を設計施工しています。

この、『屋根断熱材と通気垂木と野地板との空間』が、屋根面での上昇空気の通り道。
終着は頂部に隙間を開けておき、棟換気から外気に排出させるのです。

【外殻通気システム】は空気の圧力差を利用した上昇空気を建物外殻に纏わせて、外壁と野地面にこもる湿気を外気に排出し、耐久性、断熱性、遮音性etc.を次元の高い性能に向上させる為のエア・システム。

空気の通り道も”設計”です。


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