構造材現わしの家、木造伝統構法の設計 【純粋木組み方式】と【金物方式】との比較について。
↓【純粋木組み方式】
【木組み:台持ち継ぎ2実践型2012.08.07】【木組み:台持ち継ぎ3実践型2012.08.11】
より。
↓【金物方式(目違い継ぎ・引きボルト)】 真継ぎの柱のほぞ穴が下端に見られる。
↓【金物方式(目違い継ぎ・引きボルト)】 側面の木目が連続している点にも着目して欲しい。
やはり【金物方式】の方が仕事は圧倒的に簡単。そしてローコスト。
【金物方式】は、接合をボルトに任せて、木組みは軸方向の芯ズレを防止する為の凸凹である”目違い”を設けるだけ。但しボルトの為の断面欠損は互い違いに設けて、片方の材に巨大な欠損を生じさせない様に配慮をする。
片や【純粋木組み方式】はご覧の通り。極めて高度な知識と技能が必要。
”コロンブスの卵” と同じで、この【純粋木組み方式】を見ないで接合部を設計したら、おそらく【金物方式】になるでしょうね。【木組み:台持ち継ぎ3実践型2012.08.11】を参考にして欲しい。背割れ材である。【鎌継ぎ】【追っ掛け大栓継ぎ】【金輪継ぎ】は使えないのだから。
『では、どちらが強いか?』
私はこの部材では、【純粋木組み方式】の方だと思う。
少なくとも”30年・50年・75年・100年・・・200年先の強度・耐久性”という観点では、間違いなく【純粋木組み方式】である。理由は【木組みによる隅木②捻組と渡腮2012.06.25】による。
しかしながら、最も大切なのは、コストに応じた適材適所適技法。
安全性、経済性、木目を揃える事まで配慮する意匠、大工伝統技術・技能の継承、文化的側面まで含め、考え得る限りの計算をして、私は設計・施工をします。にほんブログ村
日本の木材、気候に適した大工さんの知恵に触れることができ、とても勉強になりました。
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