心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし

ありがとう

2007年02月26日 | 日記・エッセイ・コラム

家族全員で、お墓参りに行ってきました。

奈良、京都、大阪、明石、伊東と、2月21日(水)の午後10時00分頃に発って、2月26日(月)の午前0時30分頃に戻ってきました。

全行程自動車で行ってきました。子供達の為に、行き・帰りの長距離移動は眠る事が出来る夜を選んだので、ドライバーの私は、ほぼ徹夜(>_<)。

ここ3年の仕事で構造躯体だけを手掛ける大工だったにもかかわらず、何故か現場も無いのに仮眠なしの完全徹夜を確か2日はしていたから(させられていた、が正解なんですけど…)、「楽勝!楽勝!」と思いきや、もうフラフラ(х_х;)。

ですけど、子供も妻も無事何事も無く、家族全員元気で行って帰って来られました(^-^)。

関西への墓参は、妻と夫婦になる時に行った以来でした。その後に授かった、まだまだ幼い5歳の息子と2歳の娘を、今はもうこの世には居ないおじいちゃんやおばあちゃんを始めとしたご先祖様に、『是非早い時期に合わせてあげないといけないなぁ~』と、ずぅーっと気にしながら、こころに引っかかっていたのです。

でも、子育てを体験された方なら、幼い子供を連れての遠距離移動がどんなに大変であるのかを身を持って理解してくれているはずだから、ご先祖様には、『ごめんね、近いうちに行くから待っててね…』と、遠くからお祈りしていました。

そして今回、無事にお参りが出来て、”ほっ”としました。『長いこと、会いに来られなくて、ごめんね。やっと、会いに来る事が出来ました。… はじめまして。私達夫婦に授かった○○と、◎◎です。こんなに素晴らしい子宝に恵まれる事が出来ました。これから先も、この子らを、宜しくお願い致します』と。

そして、ちょっぴり涙ぐんでしまいました(T_T)。

郷里に今も暮らす伯母、叔母、そして知恩院の長老職を務めていらっしゃる伯父と奥様も私達家族の為に貴重な時間を割いて同行して下さいました。ありがたいお経を唱えて下さったり、子供の為に本堂にある木魚等、鳴り物を自由に鳴らせて下さったり、歴代ご先祖の御位牌を紹介して下さいました。

そして、一緒に頬を伝う涙をそっとハンカチで拭ってくれていました。『もう少しこの世に生きている時間が長かったら、この子達にも会えたのに…』と。

それに、今回は私の仕事の都合で、2月の平日の墓参だったにもかかわらず、私達家族、そして幼い息子と娘の為に、陰日向を問わず、遠くからでも尽力して頂いたり、気遣いをして頂いたり、だんらんの食事を提供して下さったり、”天使と悪魔の同居する”(^-^)(冗談)本当に手間の焼ける3歳児前後の子供達の面倒を楽しみながら観てくれた、おとうさん・おかあさん、みなさま。

ほんとうにありがとうございましたm(_ _)m 感謝の気持ちでいっぱいです。こころの底から感謝しています。今回の旅行は、私達家族にとって、一生の内でもかけがえの無いものになりました。是非また、お会いしに、来させて貰いますね。

みんな、みんな、ありがとう!


ぎゃあてい ぎゃあてい

2007年02月20日 | 日記・エッセイ・コラム

38歳にして逝った親友、田中邦弘君に捧ぐ。

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ぎゃあてい ぎゃあてい はらぎゃあてい はらそうぎゃあてい ぼじそわか

ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディー スヴァーハー

般若波羅蜜多心経

観自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。照見五蘊皆空。度一切苦厄。舎利子。色不異空。空不異色。色即是空。空即是色。受想行識亦復如是。舎利子。是諸法空相。不生不滅。不垢不浄。不増不減。是故空中。無色。無受想行識。無眼耳鼻舌身意。無色声香味蝕法。無眼界。乃至無意識界。無無明。亦無無明尽。乃至無老死。亦無老死尽。無苦集滅道。無智亦無得。以無所得故。菩提薩埵。依般若波羅蜜多故。心無罣礙。無罣礙故。無有恐怖。遠離一切顚倒夢想。究竟涅槃。三世諸佛。依般若波羅蜜多故。得阿耨多羅三藐三菩提。故知般若波羅蜜多。是大神咒。是大明咒。是無上咒。是無等等咒。能除一切苦。真実不虚故。説般若波羅蜜多咒。即説咒曰 

羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提僧莎訶 

般若心経

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2007年1月10日、大工仲間であり、親友だった田中邦弘君が他界しました。2月28日が満中陰、四十九日になります。

生前、君が俺のHPやブログを楽しみに観てくれていた事を、君の妻から教えて貰いました。君が逝ってからは、俺、とてもブログなんか書く気にならなかったんだけど、まだ四十九日前だし、きっと、今回の記事も高い所から楽しく観てくれているのだと思います。だから、今回記事を田中さんに捧げます。そして、これからも、出来るだけ、書くよ!

『袖触れ合うも他生の縁』と、君とはこの3年間、二人三脚で、伝統の木組みを駆使した構法から、ローコスト構法まで、力を合わせて一緒に誰に観て貰っても恥じない・悔いのない仕事を全力でしてきたよね。楽しかった、愉しかったなあ p(^-^)q

棒隅も振れ隅も頑張ってマスターした、とても向上心があってやる気のある、物静かではあったけれど、人のこころの痛みの理解出来るふところの深い、ナイスガイだったよね。

佳人薄命とはいうけれど、38歳で他界した君を想うと、俺はこころの底から悲しいよ…そして、ぶっつけ大工には決して身を処そうとはしなかった頑固者が、いよいよこれからって時に呼ばれてしまったなんて、本当につらいなぁ…

満中陰にはまだしばらくあるけれど、俺が今、君に贈ることのできることって、般若心経しか想いつかないよ。だから、贈ります。

『般若心経のマントラって赤ちゃんがギャーギャー泣いているみたいよね』

画像中央【般若心経 絵本 作 諸橋精光/小学館】のあとがきから。作者の奥様がおっしゃった一言だそうです。うん、うん、ほんとだ!

田中さんの分まで、俺、社会の為に、そしてこの世に生をいただいた自分自身の為にも、全力で、お天道様にも決して恥ずかしくない魂を込めた仕事をするからさ!そちらの世界から観ていてよ (^-^)v

田中邦弘君へ