心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし

建築士定期講習修了2022年度

2023年02月05日 | 資格・転職・就職

令和5年 2023年1月21日(土)

建築士事務所に所属する建築士に課せられた3年毎の法定講習を、受講、修了しました。

前回は令和元年(平成31年) 2019年7月6日(土)でした。

 

私は一級建築士です。

そして木造伝統構法の技術と技能を保持する大工です。

 

 

『建築設計監理の出来る伝統大工&伝統大工の出来る建築設計監理士』の二刀流で、

現在も日々研鑽を積んでいます。

 

 


一級建築士

2005年07月24日 | 資格・転職・就職

今日は平成17年の一級建築士・学科試験の日だったようです。

一級建築士試験は梅雨も明け、暑さ厳しい夏本番の真っ最中に、一次試験である学科試験が行われます。そして、学科試験の合格者のみが2次試験である製図試験φ(._.)を10月に受験して、クリスマス頃に合格者が発表ヽ(^▽^)ノされる長丁場の試験です。合格者には”クリスマスプレゼント”といわれている、難易度の高い資格試験ですね。

また、この試験はその難易度もさることながら、宅地建物取引主任者資格試験等とは異なり、受験資格そのものもかなり高いハードルが設定されているのも特徴です。建築系学校で学ぶことなく、ゼロからの実務経験だと確か7年もの長い間、受験出来ません。

複雑多岐に渡る総合的見地に立たねばならない建築についての、公正で深い知識とそれを図面という表現方法で正しく的確に行えるかどうかを見極められるからでしょうか。

合格率は初受験で学科・製図共に同一年合格の”一発合格”で3%ぐらいだと聞きました。ただ、この試験は学科合格者は直後の製図試験に不合格だったとしても次年の学科試験が免除される特典?があり、一年目は学科、二年目に製図を合格しても一級建築士になることが出来ます。

学科は計画・法規・構造・施工の4科目をそれぞれ25点ずつ計100点満点で行われますが、4科目共基準点が設定されていて、基準点以上の得点がなければたとえ総合得点が高くても不合格(T_T)になります。その後の製図試験も合わせて、総合的な知識が問われるのですね。

私は平成8年度に”一発合格”しました。ちなみに学科は計画20点・法規22点・構造21点・施工20点の総合83点だったようです。合格点って、どれくらいだったのだろう?また、製図は一級建築士試験初?だったのかな、敷地が斜面の「景勝地に建つ研修所」という課題でした。

製図試験は二級・一級・木造を問わず、今でも手φ(._.)で図面を描きます。いかにも試験慣れ?してるような人も多数いて、”あっ”という間に描き終えて、退出開始時間まで♪~( ̄ε ̄)状態の人もいました。その人たち、合格したのかな?

登録は『いつでもいいですよ』との建築士会だったかのお話で、平成9年の8月20日でした。『合格からそんなに期間を置いてからの登録って、嬉しくなかったの?』といわれたものですが、事務的な処理って面倒くさいんですよねぇ(х_х;)

私はすべからく事務という仕事に大変不向きだと思われ、国連のアナン事務総長って、もの凄い人なんだろうなぁ…と思ったりしています。

その平成8年から9年程が経ちましたが、当時を振り返ってみて、学科も製図もとにかく勉強することが楽しくて仕方がなかったなぁ(^o^)

社寺建築見習いの大工をしながら週末には一級の勉強という毎日だったのですが、知識と技能を両方高い次元で勉強してマスターしたかった私にとっては、たいへん充実した日々でした。

私は『設計だけではダメ、施工だけでもダメ、設計が出来て施工も出来なきゃ良い仕事は出来ない』、と常日頃から思っています。

そのことを『三回ぐらい人生を使わなければそんなこと出来っこないよ』と鼻でからかわれたことがありますが、(今でもからかわれたり、全く信用されなかったりしますが…)そう対応されればされる程私はファイトが沸き起こります。やってやろうじゃないの! いいモノ作るぞーっ!!と。

私は『自分の家を、自分で設計して、自分で墨付けをして、自分で刻んで、そうして建てたい』との初志をもっています。だって、それって絶対に楽しいし、愉しいですよ。だからもっともっと上手くなりたいし、もっともっと知らないことを知りたいし、もっともっと出来なかったことが出来るようになりたい!ものづくりって、とってもたのしいんですよp(^-^)q

一級建築士になってみて思うことは、『ようやくスタートラインに立ったなぁ』ということです。

簡単ではない試験だとは思いますが、それは私にとっては目的ではなく、手段です。もちろん建築士事務所を開設する為には絶対に必要な資格なのですが、名刺に『一級建築士』と記入するためにではなく、”良いもの”をつくり出すための勉強のひとつ。資格はあくまで資格であって、資格を持たないけれど素晴らしい仕事、ものづくりをしている人の方が圧倒的に多いではありませんか!

それは職人がそうですね。

職人にも”技能士”という制度があり、例えば大工にも”〇級建築大工技能士”という資格がありますが、その資格がないからといって大工技能が劣っているかといえば必ずしも言えないところがあるのです。またその資格があれば透けて見えるミクロン単位の薄いカンナ屑が出る美しい仕上げが出来るとか、五重塔を建てられるかといえば全くそのようなことは無い訳で、技能の仕事ではあくまでひとつの目安。職人は口で仕事をするわけではありませんから。

『講釈たれてねぇで、黙って良い仕事しろ!』と、職人は出来たモノが全て。そこには彼のところへの経過がたとえどのようなものであれ、確実にそして美しく収めなければならない責任の大きさがあります。

出来たか出来なかったか。そこに弁解の余地はなく、真剣勝負の中で寡黙に仕事をするのが職人です。その点技能ではなく技術の仕事である建築士には少し異なるところがありますが、職種にかかわらず大切なのは、何事からも学習するということ、謙虚さをもって勉強し続けるということなのだと思います。

ただ、そのためには目標を持ち、到達するために努力して、そして達成感を味わうことがとても大事なことだと思います。そしてそれを繰り返すこと。

私の場合、目標に向かって一直線に突き進むのではなしに、時間軸にスパイラル状に、歩どり遅くではあるもののしかし確実に一歩ずつ前進してきたつもりです。

そして実に様々な経験や体験を通して学習してきたこと、そしてもちろん机の上で勉強してきたことの一つ一つが”シナプス”のように次から次にネットワークし出しています。それは、確実に面的な広がりをもたらしてくれています。それがとてもたのしい。だから、やはり一級建築士資格を取得して良かったなぁと思います。

私はその後、一級建築施工管理技士資格、宅地建物取引主任者資格をそれぞれファイトォ!”一発合格”で取得しました。『当てずっぽうを言っているかどうかすぐにわかっちゃうから、そういう意味でもとても面白いですよ』(笑)

ちなみに私は東京・御茶ノ水の文化学院の卒業です。4年制大学卒ではありません。

入り口のアーチに象徴される自由を架け橋にした校風の文化学院で学ぶことが出来て、本当に良かったと思っています。

欠陥住宅問題や、悪質リフォーム問題で、”インチキ一級建築士”の存在が指摘されていますが、残念ですね。宅建資格のように建築士の資格も胸元に分かり易く証明書を提示したほうが良いのかも知れませんね。