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▲灰溶融スラグのリサイクルは1%以下(海部地区環境事務組合より発表)

昨日(H22.11.30)、愛西市議会で海部地区環境事務組合の議会報告がありました。

 その折、事務組合から提出された「経過報告」に灰溶融炉について載っていましたので、お知らせします。灰溶融炉は、ゴミ焼却炉を建設するときに、これをつけないと国が「補助金を出さないぞ」と条件を付したものです。

 「灰を溶融してリサイクルできるから環境にやさしい」とのふれこみで始まったものですが、酸性雨による環境汚染や、リサイクルの需要が少ないこと、維持管理にお金がかかること、それに加え、灰溶融は未熟な技術であり、各地でトラブルが起きていたという問題がありました。

 実際には、海部地区環境事務組合でも、灰溶融スラグは多くがリサイクルされることはなく、旧美和町のゴミ処分場に埋め立てられているのが現実です。こうしたことが予測されながらも「リサイクル」という美語に後押しされ、多額の税金を使って全国で導入されたのが「灰溶融炉」です。

《海部地区環境事務組合からの発表》H22.11.22

溶融スラグを作っても、リサイクルされているのは1%以下

 2月24日からB系溶融炉の運転を行っておりますが、スラグが白濁化し、過去の経験から炉底電極の折損が疑われたため5月27日に運転を停止し、炉内点検を行いました。
 点検の結果、異常は認められなかったため、6月9日に運転を再開し、全休炉停止の6月28日まで運転を行いました。
 
 全休炉後の7月17日からA系に切り替えて運転を行っておりましたが、付着飛灰の落下等による二次燃焼室の閉塞により11月10日に運転を停止し、同日から耐火物の改修が完了したB系の乾燥炊きを行い、14日から灰投入運転を行うこととしています。

 また、灰溶融炉設備に関しては、平成13年10月の試運転開始以来、約9年が経過しており、一部の機器が更新時期を迎えております。灰溶融炉の稼働に関しては、灰溶融炉の必要性、灰溶融処理によるメリット及びデメリット、費用対効果、停止による補助金返還等を総合的に判断する必要がありますので、灰溶融炉の耐用年数と絡めて早急に検討していくこととしております。

 灰溶融炉で製造される「溶融スラグ」の有効利用につきましては、平成15年度の616.33tをピークに年々減少し、19年度は2.04T。平成20年度は2.09t、平成21年度も13.93tと製造量の4,000tの1%にも満たない量となっております。こういった状況の中「溶融スラグ」を少しでも有効利用するため、海部建設事務所等のご協力を得ながら検討した結果、アスファルト合材に利用するのが望ましいのではとの方針が出され検討して参りましたが、溶融スラグ入りのアスファルト合材施工費がスラグなしと比較して割高となり、現時点では埋め立て処分する以上の経費を要することから、スラグを利用するには施工コストの削減が必要となっております。

 次に、溶融スラグの埋め戻し材としての利用については、側溝施工時の埋め戻し材として、津島市で昨年実験的に施工していただいており、路盤の締め固めの施工には問題ないとの結果がえられえておりますが、溶融スラグの空隙率が高いことから、今後沈下の推移観察を行っていくこととしております。

 また、溶融スラグのコンクリート二次製品用骨材としての使用量は最大で30%までは可能であるとの検討結果が示されましたが、スラグの塩化物量、粒径が骨材企画をクリアすることが条件であるとの指摘を受けており、機械設備の改善無しでの達成は難しい状況となっております。

 最後に、再生砕石にスラグを混合して利用する方法については、単価は1立方メートルあたり200円ほど高くなりますが、2,000tを越える利用が見込まれることから、製造、販売の方法について検討することとしております。

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