桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

2019年四月の薬師詣で・足立区

2019年04月08日 23時23分00秒 | 薬師詣で

 今月の薬師詣でこそ茨城県は美浦村にある海源寺に行こう、行きたい、と思いながら、もろもろの条件が折り合わず、何年越しがつづいたままになっています。何度も日延べをしているので、もう何年越しになるのかわからなくなっています。
 もろもろの条件とは……。
 その日の天気 ― 雨だったりすれば、知らない土地を、傘をさして歩きたくない ― 体調があまり思わしくなければ ― 出発時刻が遅れるので、帰りのことを考えると、行きづらい ― 曜日が土日祝に当たると ― バスの時刻が平日とは違って、現地での行動が非効率になる……テナテナことが重なって、思い立ってから、今日の今日まで行けずに過ごしてきたのです。
 そして今月こそ!
 と、思うには思ったのですが、昨夕の天気予報によると、早朝は雨。日中、一旦は熄むものの、夕方から急変し、春雷もあるかも、ということでした。
 その時点で美浦村行はほとんど諦め、近場の北千住を歩く行程を考えました。一夜明ければ天候が変わるかもしれぬけれども、多分変わることはないであろう、と思いながら眠りに就きました。



 薬師詣での始まりは薬師如来がご本尊の地元の慶林寺から。
 出発するころは、どうかな? という空模様でしたが、美浦村行は完全に諦めて参拝。



 北千住で降りました。最初に目指すのは慈眼寺です。



 地下鉄の出口から四~五分歩いたところで、路地の奥にお寺らしい石柱が見えたので行ってみると……。



 慈眼寺に参拝したあと、帰りに寄るつもりだった不動院でした。
 真言宗豊山派の寺院で、元弘二年(1332年)、秀天上人による開山。「新編武蔵風土記稿」によると、「当寺ハ昔二丁目ニアル慈眼寺ノ護摩堂ナリシヲ後一寺トセシナリ」とあります。
 山号は白幡山、院号が不動院、寺号は薬師寺ですが、本尊は不動明王です。「新編武蔵風土記稿」には、その「不動興教大師ノ作ナリ」とありますが……。寺号は薬師寺なのに、薬師如来は祀られていないようです。



 不動院前に立って左を眺めると、短い参道の奥に慈眼寺の山門が見えました。
「足立区教育委員会」が掲げる縁起によると、正和三年(1314年)、行覚上人が関東巡錫のときに創建されたということです。
 三代将軍徳川家光のとき、聖観世音菩薩像(弘法大師作と伝える)を安置し本尊とし、将軍が日光東照宮社参の際の休憩所となって、江戸城北方鎮護の寺として、葵の寺紋を許された寺院であった、そうです。

 

 本堂の右前にあった薬師堂とその扁額です。扉の格子越しに中を覗き込んでみましたが、暗くてよく見えませんでした。



 慈眼寺本堂。



 本堂前にある南北消防組記念碑。



 門扉にあしらわれた徳川家の紋です。



 参拝を終えて、北千住駅近くに戻りました。
 アーチには「千住ほんちょう(本町)商店街」とありますが、旧日光街道です。
 百を超す店がありますが、昼を過ぎたばかり、という時間帯だったからか、人通りはそれほどありませんでした。



 愛煙家には気の毒ですが、いまの時代、こういう措置は仕方がないでしょう。しかし、どこからか紫煙の臭いが漂ってきていました。
 我が北小金でも、駅周辺は喫煙もポイ捨ても厳禁で、過料¥2000(北千住は¥1000)と記された看板が建てられていますが、その手の締め付けには決して屈しないぞという、外道なのか、日本人じゃないので注意書きが読めないのか、あるいは日本人だが、こういうものがあるとは思ってもみない人がいるのか、守らない人がチラホラ。
 知ってか知らずか、中にはこの印の上でプカリプカリとやっている人もいました。



 旧日光街道は北千住駅前通りの交差点を過ぎると、宿場町通りと名を変えます。



 慈眼寺前から十四分で長圓寺に着きました。
 このお寺に参拝するのは四度目になります。私は三度目だと思っていましたが、帰ってから調べると、四度目だとわかりました。薬師如来の縁日に詣でるのは二度目。
 近年、とみに脚の運びがのろくなった私でも、北千住の駅から ― 北千住は巨大ターミナル駅です。出口は十一もあるので、利用する改札口にもよるのですが ― セカセカと歩けば七分程度という近さなので、ちょくちょく寄ることになります。

 


 山門の左手にはこのような小祠があって、めやみ地蔵尊が祀られています。



 長圓寺本堂です。本尊は木造薬師如来立像で、定朝(?-1057年)風の名作だといわれています。
 寛永四年(1627年)、出羽湯殿山の行者・雲海がここに庵を結ぶ、とありますが、後に賢俊という僧が開山。



 毎年四月の薬師詣での日は、お釈迦様がお生まれになった降誕会と重なるのに、先に参拝した不動院と慈眼寺には花御堂がなかったので、長圓寺に参拝するまで今日が降誕会であることをすっかり忘れていました。
 本堂にお賽銭をあげて、私にとっては大切な人々が無事息災であることをお願いしたあと、誕生仏に甘茶をかけました。



 本堂前に咲く枝垂れ桜です。

 薬師詣でをして、今日も佳きことがありました。
 軽装で出かけたので、少し肌寒くはありましたが、春雷があるかも、という予報にもかかわらず、雨には祟られずに済みました。
 参拝を終えたあと、我が庵近くでは北千住か取手にしかない無印良品に行き、トートバッグを買うことができました。
 ルミネの七階にある無印良品からエレベーターで地階まで降りると、千代田線の改札口が間近で、十分に一本しかない電車が待つほどもなくやってきて、おまけにかなりガラガラの状態。ゆったり坐ることができました。
 帰ってきたあと、雨が降り出し、さらに春雷もありました。
 このような、どうということもない巡り合わせの妙を嬉しいと思い、お薬師さんのおかげだと思えることがまた嬉しくもあります。



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