妄想による愉快な国際時事ネタ解釈
四生の盲者日記
速報
・軍の強制連行の証拠ない(和文、共同)
http://www.47news.jp/CN/200703/CN2007031601000285.html政府は16日午前の閣議で、従軍慰安婦問題への旧日本軍の関与を認め謝罪した1993年の「河野洋平官房長官談話」に関連し「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」とする答弁書を決定した。
社民党の辻元清美衆院議員の質問主意書に対する答弁書。安倍晋三首相の「当初、定義されていた強制性を裏付ける証拠はなかったのは事実」とのこれまでの発言を追認した形だ。
答弁書は、慰安婦募集の「強制性」について、談話発表に先立つ91年12月から93年8月までに政府として関係資料の調査や関係者の聞き取りを行ったとしている。
また同談話に関して「閣議決定はされていないが、歴代内閣が継承しているものだ」と強調する一方で、今後もその内容を閣議決定する方針はないとしている。
河野談話でも、日本軍による「強制連行」との表現は使われていない。
2007年03月16日 12:29 【共同通信】←日本時間・日本政府発表、日本軍が”慰安婦”を強制した直接の記述なし(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-03/16/content_5857369.htm2007年03月16日 16:38:32 ←中国時間
下の記事は、上の共同電の転載。時間に注目、1時間の時差を差っぴくと共同→新華社まで5時間しかたっていない。
BDAの一件について、まだ新華社では報道していないところから見てもわかるとおり。突発的なニュースに対する新華社のレスポンスとして、これは驚異的。
ただし続報はたっていない。
代わりに温家宝の訪日一色なので、いつぞやの副首相のようなことにはならないようだ。勘ぐると、BDAの一件でアメリカとの関係が悪くなってもいいように、日本には接近しておこうという腹かもしれない。
最大限の表現
おわびと訂正から、昨日の記載で中国外交部報道官の定例記者会見を、正しくは15日なところを16日と書いてしまいました。謹んで訂正いたします。
これは筆者の勘違いによる。上記の間違いを修正し、改めて今回の米財務省の発表を見直すと、「経済・エネルギー支援」作業部会、かつ外交部定例記者会見当日の未明であり、タイミングを慎重に選んでいることが分かる。
さて、筆者にとって思わぬ前倒しとなった秦剛報道官の記者会見について。写真を見る限り秦剛には余裕がなさそうである。8日の会見の様子と昨日の会見の様子の画像を並べたので、参照してもらいたい。
報道官の回答から中共のいいたい事をまとめる。
・六カ国協議の推進には有益なので歓迎
・マカオ特区の金融不安を惹起しかねないので歓迎できない
「強い遺憾」を表明しているので、六カ国協議などよりも国内の金融を優先させていることは明らかであろう。付け加えると、前述の「強い遺憾」の対象として「国内法を根拠に外国の銀行を裁定する米国のやりかた」とはっきり名指しているので、かなり不愉快なようだ。
ただし、この席でこの裁定について米中が予め協議していたことをはっきり認めている。その協議がどれほど突っ込んだものだったのかが不明なのだが、秦剛の表情からすると寝耳に水のようであり。今回の米国の周到さからすると、中国が言い逃れできないような表現でただし軽く伝達したのではなかろうか、これは邪推である。
このあたりからみて、米国は本気で北朝鮮をなんとかする気になったようだ。
わが国がババを引く必要は少しもないので、マスコミはうるさいだろうが政府にはぶれることなく前動続行してもらいたい。
3/15中国外交部報道官記者会見(中文、外交部)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t303794.htm
質問されたら嫌でも答えなければならない報道官と異なり、新華網はこの件に関して沈黙している。うさを晴らすかのように、安倍首相の悪口が載っているところがなんとも物悲しい。
軍事的平衡
・中国は平和発展路線を堅持 外交部(和文、人民網)
http://j.people.com.cn/2007/03/14/jp20070314_68780.html中国は他国を脅かしにも、侵略しにも行かない。なので、われわれの心は平然としたものだ。
秦剛の精神的安寧はこの際どうでもよい。
報道官があからさまに否定することで、より鮮明に影をおとしている中国の軍事的伸張に対する関係各国の反応が、ここ数日報道されている。
1.マレーシアの反応:
・マレーシア政府、韓国に多目的軍艦建造を要請(和文、聨合)
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=2007031200210088
見た目が空母の独島級揚陸艦を購入するつもりのようだ。
↑に対する新華社の反応:
・死の商人韓国、マレーシアが韓国から”準空母”を発注(中文、環球時報)
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-03/15/content_5848181.htm
空母としての運用は不可能な揚陸艦をこのように表現するなど、原文は環球時報らしい内容。ただし、下手に批判すると自分達に跳ね返ってくるのが視野に入っているせいか、事実報道に近い内容。
2.日本の反応:
・日本、豪と安保共同宣言 米以外と初(和文、朝日)
http://www.asahi.com/politics/update/0313/019.html
この日の会談では「日豪の協力強化が、日米豪の3カ国の協力に資する」という認識で一致。3カ国による連携強化は、軍事力を増強している中国に対する牽制(けんせい)との見方もあるが、安倍首相は「中国を包囲するものでも中国を意識したものでもない」と否定している。
ただ、昨年3月に日米豪の外相が初めて中長期的課題を話し合った「戦略対話」では、中国の不透明な軍拡への懸念を共有している。インドとの連携も進めており、4月上旬には日米印の3カ国が太平洋上で初の共同訓練をする予定だ。
実に的確な分析だといえる。
↑に対する新華社の反応:
・日オ軍事関係強化、米国アジア太平洋地域における三角同盟構築(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-03/14/content_5841309.htm
軍事同盟的な解釈については、上の朝日よりもおとなしめ。多分に中共の意向も関わっているものと思われる。
3.韓国の反応:
・韓国海軍、7000トン級イージス艦6隻建造へ(和文、朝鮮日報)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2007/03/14/20070314000035.html
韓国軍当局が2020年を目標に戦略機動艦隊の建設を進めていることが確認された。
↑に対する新華社の反応:
・韓2020年6隻7000トン級イージス海軍起動艦隊計画(中文、中新網)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-03/14/content_5846717.htm
略、この計画は当初の2倍に拡大されたものであり、少なくとも62億ドルの経費と人員を確保しなければならない。軍当局は予算を確保するため、以下の方針を決定した。予算の柔軟性を確保するため、次世代護衛艦(FFX)、次世代高速艦(PKX)等の新型艦艇計画は縮小あるいは延期を認める。
韓国海軍当局は、次世代艦の建造予算を流用してまでイージスを保有しなければならない程、中華空母を脅威視しているようだ。ただし、少なくとも2020年までは脅威とならないと見ているらしい。
ソビエト連邦崩壊を直接の原因とする東アジアの軍事構造の変化、と一言でいってしまえばそれまでなのだが、わが国の選択は戦後の国防方針から外れるものでなく、資産の有効活用において実にコストエフェクティブであり健全だといえる。
別件:
本日未明、米財務省は、北朝鮮関連のマネーロンダリングを理由に、中国領マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」と米金融機関との取引を禁止した。これにより、BDAはドル建て決済ができなくなり海外業務が一切不可能となる。銀行にとっては、死刑宣告にひとしい処置である。
ただし、あくまでも米国政府の米国企業に対する指導監督であり、「北朝鮮凍結口座」に限った場合、あくまでも「凍結」は「解除」される。
半島情勢に疎い筆者が、敢えてこのニュースを取り上げたのは、実質自国内の銀行への死刑宣告を新華網がどのように報道するか興味があったからだが、4時現在なにも反応がない。新華網というか中共体制の通例として、突発的かつ政治的にややこしい事件に対しては、3~4日ほど時間をかけて分析、評価をじっくりおこなってからやおら発表するので、16日の秦剛記者会見に期待したい。
・マカオ当局の判断焦点に 北朝鮮口座一部凍結解除へ(和文、朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0315/007.html
↑「凍結解除」を主眼にすえるあまり、かなり論理的に破綻した文章になっているので注意。
汚職
汚職官僚4万人立件 全人代で報告(和文、産経)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070314/chn070314000.htm【北京=野口東秀】中国最高人民検察院(最高検)13日、開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)で活動報告を行い、2006年に収賄や横領など汚職事件で立件した公務員は4万41人に達したことなどを明らかにした。05年より1406人減少しているが、1日当たり109人が立件された計算で、相変わらずの「汚職大国」ぶりだ。
公務員汚職のうち、収賄・公金横領の額が100万元(1元約15円、1500万円)以上の大型事件は623件。容疑者のうち閣僚・省長級幹部は6人(前年比2人減)、中央・地方の局長級は202人(同6人増)だった。汚職に関与して逃亡したが拘束された容疑者は、前年比137%増の1670人。また、国家財産の横流し、横領で立件された国有企業職員は、前年より1625人多い1万742人だった。
また、職権乱用や私情を含んだ捜査、収賄などで立件された司法当局者も、06年は2987人に上った。
やはりこの手のニュースは産経がよく似合う、朝日が沈黙しているのもお約束。
「上から下まで役人の腐敗」というのは中国の古典や小説を読んでも普通にでてくる話なので、これはもう中華名物だとあきれるしかない。日本としては、変に巻き込まれる、たかられることなく、適度な距離をおいてつきあうべきであろう。
光華寮
1967年台湾が日本の京都に所有する留学生寮(1952年取得)から、当時反体制だった中国共産党を支持する寮生に立ち退きを求めた訴訟を起こしたのが発端。1972年に中国大陸における正当政府を中華人民共和国と日本が認めたことから話がややこしくなり、塩漬けにされていた訴訟。
最高裁第三小法廷が1月23日、「原告国家として訴訟権を持つのは中国か台湾か」釈明手続きに入っていた。
3月2日
中国人寮生が意見書を提出。
意見書要旨:
台湾は1972年の日中共同声明によって中国を代表する地位を失い、訴訟を行う権限はなくなっている。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070303AT1G0202Y02032007.html
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070303&j=0022&k=200703039774
3月9日
台湾外交部が意見を表明。
要旨:
「中華民国は1952年に光華寮を取得した際にすでに台湾を管轄しており、その事実に全く変化はない。台湾は訴訟権限を当然持ち続けている
http://www.shikoku-np.co.jp/national/social/article.aspx?id=20070309000457
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070309AT1G0902P09032007.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070309ic27.htm
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20070310/20070310_007.shtml
さっさと差し押さえて競売にでもかけておけばこんな面倒もなかっただろう。まるで釈明手続きを待っていたかのように、2月から公企業名から「中国」を払拭しつつある台湾。日本の判例が国際社会に影響を与えるものとは考えられないものの、最高裁も絶妙のタイミングで釈明を始めたものだと思う。まるで熟成したネタのようだ。
素人目には寮生側が『日中共同声明』を持ち出してきたのは作戦ミスではなかろうか。たしかに共同声明は「日本国政府が、中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府であることを承認した」根拠たりえるが、同時に「日本国政府は、中共の台湾に対する表明を、理解し尊重する」にすぎない根拠にもなりえる。
今は最高裁がどんな判断を示すかに注目。台湾という島を実効支配しているのは台湾当局なので、個人的には正当性は台湾当局にあるような気がする。
日中共同声明
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_seimei.html
ポツダム宣言
http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j06.html
なんとなく分かった
大陸国である中国が、なぜ空母などという金のかかる艦種を保有するのか、ずっと不思議に思っていた疑問がようやく分かった気がする。
・中国軍事費増加は正当、「中国脅威」を流布する者は心がけが悪い(中文、瞭望)
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-03/12/content_5832296.htm
タイトルが無駄に偉そうなのはさて置き。この記事では中国の軍事費が伸びている原因を5つに分けて述べている。
以下、簡単に翻訳する。
1.80年代初期から90年代中期まで、軍事に金をかけてこなかったので。
2.中国が軍事改革を始めたのが最近なので。
3.国防建設の需要が大きくなっているから。
4.某大国が技術移転を邪魔するので、自主開発に金がかかるから。
5.台湾が独立を言い出したとき、武力で鎮圧しなければならないから。
中国の人と仕事でやりとりをしていて、先方の間違いを指摘すると言い訳にならない言い訳を始めるので疲れる。もっとも最近は、前の戦争や尖閣諸島を持ち出して逆切れする例も見られるようだが。
個人のそのセンスを、雑誌の記事にも持ち込んでしまうのがあの国の凄いところ。
民族性と『瞭望』の編集方針は主題ではないので置いておくとして。
1~3の原因は、ただの言い訳なので無視する。4についても、自前で高度集積技術科した兵器体系を開発、維持するのがいかに金がかかるかは、90年代当時でさえソビエト連邦がその負担に耐え切れずに崩壊した事実を思い浮かべればよく、特に新しい話ではない。
筆者が納得した理由が5、台湾有事の際に必要だと、ある意味非常に分かりやすい。
こういった文章をインターネットで流したら、中国は民主的な運動を武力で抑えつける国家だと、逆に中国脅威論の流布になってしまうのではなかろうか。
秦剛節連発
・3月8日外交部報道官記者会見(中文、外交部)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t302183.htm
「中国の人民は法に基づき、人権および基本的自由を享受している。これは誰の目にも明白な事実だ。米国には「人権の守護者」を自任する資格は全くない。これは国際世論の共通認識だ。」
「慰安婦強制は日本軍国主義が第二次世界大戦で犯した重罪の一つであり、これは客観的な事実だ。」
上記に見られるように、彼は苦しくなってくると「みんな言ってるもん」程度の詭弁を使いだすのでかわいい。
人権については、このブログでもなんどか取り上げているとおり、世界人権宣言http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/1b_001.htmlにうたっている基本的人権(自由、参政、社会権)のうち、自由権を中国は法律で認めていないので、報道官がどういっても説得力はない。
秦剛もそのへんは理解しているようで、「基本的人権」という言い方はせずにあえて「人権及び基本的自由」という表現をつかっている。これは割合高度な詭弁。
下の発言には多少注目したい、慰安婦というか歴史認識問題に関連してくる可能性がある。報道官が表現したように、安倍首相の発言「狭義の強制はなかった」を「強制はなかった」にすりかえて日米一部のマスコミが騒ぎ立てているのが、3/7の現状。安倍首相が去年訪中した際に、「中国で」騒動となった歴史認識問題について、日中で共同研究をおこなうという同意がなされており。おそらく大部分の日本人は、いかなる結論であれ、科学的な調査に基づく合理的な結論であればそれに従うつもりであろう、近代的法治国家の国民とはそうしたものである。問題は、相手もそうだろうと無邪気にも思い込んでいることなのだ。
「歴史共同研究とは、侵略歴史と犯罪を覆すためのものではない、その点ははっきりさせておかなければならない」
という、前述の発言に続けた報道官発言は、中国側の共同研究に対する認識を明らかにしている。つまり、従来の史観を変更するつもりはさらさらなく、共同研究はあくまでも出来レースにすぎない、日本にとって不利益な結論が初めから決められていることを改めて明言したといえる。
このような行為を歪曲と呼ぶ。
慰安婦問題について、安倍首相は再調査を言い出しているが、連中に対しては無力。ただし、大多数のいわゆる世論に働きかける意味では有効。
昨日書いた空母の件についても、コメントを出しており、これも詳細に記述する必要を感じている。
<抄訳>
Q:文匯報報道による中国空母の開発状況を実証してください。海洋権益維持の為中国は空母を保有する必要があるのか、中国海軍近代化の目的は?
A:領海と海洋権益保護は中国軍の神聖な職務であり、関係方面は各要素を総合し、関連問題を真剣に検討研究している。中国は平和発展の道路を堅持しうんぬん、防衛性の国防政策をかんぬん、いななる国の脅威にもなんたら、国際社会に共栄がかんたら。
これまでの秦剛であれば、質問を否定する時には「そんな話は聞いていない」というか、ムキになって否定する。その秦剛が空母開発を否定しない、つまり中国は空母を建造しているという事だ。回答の様子はむしろ言葉少なですらある、外交官としては外交の限界を認める意味でそうならざるを得ないのかもしれない。
筆者も悩んでいる空母を保有する必要性については、総論でごまかされたのが残念。
念のために書いておくと、近い将来珊瑚海のような空母対空母の海戦が台湾沖で見られるとは考えない方がいい、むしろフォークランド紛争が参考になる。
<<参考>>
・中国空母四年以内に建造(中文、文匯報)
http://paper.wenweipo.com/2007/03/07/YO0703070029.htm
Yalu
・中国 国産空母、2010年にも建造の可能性(和文、産経)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070307/chn070307001.htm7日付の中国系香港紙、文匯報は、中国が初の国産空母の導入に向け研究を進めており、2010年までには空母を建造、完成させる条件が整う可能性があると報じた。開会中の全国人民代表大会(国会)に出席している人民解放軍中将の話として伝えた。
空母の建造目的について中将は(1)経済発展に伴い国防の強化が必要(2)中国は長大な海岸線を有している-と説明。規模、建造費などは不明だが、中将は「他国が口出ししたり、干渉する権利はない」としている。(共同)
文匯報元記事がこちら
・中国空母四年以内に建造(中文、文匯報)
http://paper.wenweipo.com/2007/03/07/YO0703070029.htm
日本では報道されていない部分を抄訳
会議に出席するその他の海軍将校の口は堅く、何人かの将校は「この話題については回答が許されていない(原文:無法回答)」あるいは「回答できない(原文:不能回答)」と答えた。元海軍、総後勤部政治委員の周坤仁上将は「現在中国の海岸にも埠頭にも空母は見られない、中国が空母を保有はただのうわさだよ」と答えた。
筆者には、保有しようとしているのにあからさまにとぼけているように見える。
ここ数ヶ月、中国のニュースサイトでは「空母カッコいい」「空母いいなー」「一流国家はみんな空母持ってるもんな」「中国空母作れるぜ」「空母なんて簡単に造れるじゃないのよ」的な文章が入り乱れ、できるできないは別にして、欲しがっている勢力がいるのは間違いなかった。あまつさえ胡錦涛の『海洋大国』発言、保有しないのがおかしい。
ただし筆者としては、空母を配備したところで、維持費と使いこなしの問題は別にして、一体どう使うつもりなのかが理解に苦しむ。上記の『海洋大国』発言時の記事からすると、制海権を確保できる海軍の保有を目指すらしいのだが、国家としてのドクトリンが見えてこない。
だからこそ脅威論も高まるのだが。
結局、ソビエトロシア海軍の二の舞になるのではなかろうか。
正直、尖閣諸島や東シナ海のガス田あたりを空母でウロウロしてくれた方が、よっぽど判りやすくてよい。
ちなみに日本は領海防衛のドクトリンを崩さない限り、空母など保有する意味もない。中国の空母が通商破壊にでも出てきたら別かもしれないが、そんな事態なら第七艦隊の仕事だろう。
李肇星、うそ臭い
6日の李肇星会見、日本の新聞各社は「慰安婦問題の安倍発言批判」ばかりをクローズアップしている。この話題が読者受けするのだろうが、外交部の発表を読むと批判よりはむしろ関係改善に重点をおいた発言に見える。
全文を読んでいて、日本のマスコミが報道していない一文が引っかかったので抄訳しておく。毎日新聞記者の質問に答えたもの。
<<抄訳>>
あとは安保理改革問題を想定しておられるのだと思う、是は多辺的な問題で、我々は日本を含めた各方面との民主的な議論に参加したいと思います。日中両国外交部門もこれらの問題について接触と協議をすることができます。
・外交部(中文)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/zxxx/t301647.htm
確か、今年の頭までは日本の常任理事国入りを妄言扱いしていたはず。それが(いつものようにいつのまにか)話し合いを始める、というニュアンスに変わったのは、裏でなにか動きがあるように思える。
どうも擦り寄り方が気持ち悪い。
中国がなんとかしたいと思われるのは
・中国脅威論
・円借款廃止
・日本の首相のお参り
くらい?
どれをとっても常任理事国入りとトレードしてもいい話ではない。
追加:
朝日を除く日本の新聞各社も報道している通り、表向きの中国国防費が日本の防衛費を上回り、中国はなりふりかまわず軍拡路線を驀進中。中国は必死になって言い訳しているようだが、朝日が記事にしない他は「中国脅威論」は収まる気配がない。
・中国:国防費、前年度当初比23%増 日本の防衛費上回る--19年連続2けた(和文、毎日)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/china/news/20070305ddm001030016000c.html
以前にも書いたが、予算が不透明なだけではなく、核ミサイルは他国に向けているわ、中古の空母は買いあさるわ、原潜には他国の領海を侵犯させるわ、ミサイルで衛星はぶち落とすわ、戦闘機の設計図とジェットエンジンを買ってきて自分で作るわ、やっていることが露骨にきな臭い。
今のところ渡洋侵攻能力がないからいいようなものの、このまま軍備を整えられたらそれもどうかわからない。
日本としてはこれまで中国に貸し付けた金を返して貰って、防衛予算をいまより少しは増やさないといけない。
物権法
全人代という予定調和の学芸会が開催されております。それについて産経の2連発、詳しい内容そのものは記事を読んでいただきたい。
・http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070306/chn070306000.htm(和文、産経)
・http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070306/chn070306001.htm(同上)
中国では土地公有が原則だった、それを農村の活力を上げる目的で使用権を改めて認め、その譲渡も認めるとする内容が今回の全人代に出される。
日本のように国土全体の所有状況が緻密に記録されている体制ならまだしも、中国でこれをやったらどうなるだろうか。建築用地への転用は認めないと記載されているようだが、そこはかの国の話、昨日まで耕していた畑に突然ビルが建つことになり無理矢理追い出される百姓が(今以上に)増えるだけのような気がする。
しかも、立ち退かせる側は「法律の保護を受け、いかなる団体・機関、個人も侵犯することはできない」私人の物権、を主張するのであろう。
筆者は中国については社会主義というより、伝統王朝的な中央集権統治で眺めたようが理解しやすいように思っている。
こんなニュースを連続で見せられたら、心の底からそう思う。
・「ペンキではげ山緑化」に続き、「風水で真っ赤な山」が出現!―雲南省昆明市(和文、Yahoo)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070306-00000006-rcdc-cn
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