時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

民間業者が安いわけ

2007年10月05日 | 経済問題
宅配便大手「ヤマト運輸」(本社・東京都)が集配業務をする運転手にサービス残業をさせていたとして、淀川労働基準監督署(大阪市)と徳島労働基準監督署(徳島市)から労働基準法違反(賃金未払い)で是正勧告を受けていたことがわかった。
同社のサービス残業をめぐっては、今年7月、大阪市内の集配センターでも同様の事例が発覚し、大阪南労働基準監督署(大阪市)から是正勧告を受けている。こうした事態を踏まえ、同社は10月末をめどに、全国の集配センター6087カ所について実態調査する。
ヤマト運輸によると、淀川、徳島両労基署がいずれも同社の従業員からの申告をきっかけに、7~8月、それぞれ大阪府豊中市と徳島市の集配センターに立ち入り調査した際、集配業務に従事する運転手各1人が勤務時間外や休憩時にサービス残業をしていたことが判明したという。両労基署が同社と集配センターを管轄するエリア支店長に対し、未払い賃金を支払うよう勧告した。
ヤマト運輸広報課は「会社としてサービス残業の指示はしていないが、各支社に法令順守の徹底を通知する」としている。
官営ではなく民間なら、「効率が良い」、「安上がりにできる」などと宣伝されてきたが、民間企業の実態はこの通りである。結局は、違法行為まで行って、人件費を徹底的に削減し、その犠牲の上にサービスを維持しているにすぎないのである。しかも、今回の調査で明らかになったのは、氷山の一角だろう。さまざまなところで労働者へのしわ寄せが行われているのが実情だろう。
先日、郵政民営化による集配局や簡易郵便局の廃止など国民へのサービス切捨てが全国的に進んでいることを報じておいたが、結局、官営ではリストラをしたり、給料を突然切り下げたり、サービス残業をさせたりといったことが安易にできないというだけのことである。民営化すれば、やりたい放題というのが政府の発想である。
こう言うと、「民間に比べて公務員は恵まれている」、「民営化したほうが効率的」という意見が出るが、自分の人生は自ら切り開くより仕方がない。それほど公務員がうらやましいのなら、公務員になるか、民間企業で賃上げや労働条件の改善のために声を上げ、行動する以外に方法はない。
何もしないで、愚痴をこぼす者に明るい未来は切り開かれないのである。
民間企業では、リストラや給与の引き下げは当たり前、サービス残業は当たり前との視点ではなく、どのようにすれば、労働者や庶民の暮らしが守れるのかとの視点に立って、事の善悪、理非を判断してもらいたいと思っている。
この記事を読んでいる読者のほとんどが一般のサラリーマンや年金生活者であり、社会の底辺にいる存在なのだから。


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