時々新聞社

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割増賃金支払い1679社で過去最高、労働者の残業意識向上

2007年10月10日 | 経済問題


全国の労働基準監督署の是正指導を受け、平成18年度に100万円以上の不払い残業代(割増賃金)を支払った企業が1679社と過去最高になったことが5日、厚生労働省のまとめで分かった。前年は1524社で、今年は約10%の増加。支払総額は計227億1485万円(前年度232億9500万円)だった。
企業数の増加について、厚労省は「労働者の中で、『残業代はきっちりと支払ってもらう』という意識が向上し、不払いがあれば、監督署に申し立てをする人が増えたことが増加の一因ではないか」と分析している。
まとめによると、支払い対象の労働者は18万2561人で、1人当たりの平均支払額は12万円にも及ぶという。大変な金額である。
業種別では、金融・広告業が69億8902万円と最も多く、商業の47億8710万円が続いた。
1企業での最高支払額は、金融・広告業の約12億3100万円だった。
厚労省は支払額の多さの原因として「従業員の労働時間の管理上に問題があったと推測される」としている。
また、1000万円以上の残業代を支払った企業は317社で全体の約2割だが、金額は計約181億5200万円と全体の8割近くを占めたという。
100万円以上の残業代を支払った企業だけで、これほどの金額になる。ましてや、この統計に現れていない数字は、もっと大きな金額になるはずだ。
労働基準法では、労働者に残業をさせた場合、使用者は25%以上の割増賃金を上乗せして支払うことを義務付けているが、実際には、割り増し賃金どころか、サービス残業が横行しているのが実態である。
今回の例は、まさに氷山の一角にすぎない。
アルバイトやパートなどは、もっと劣悪な状態に置かれているのが実態だ。
タイムカードがない企業では、毎日の出社時刻、退社時刻を手帳などにメモしておくだけで、交渉の際のりっぱな証拠になる。
泣き寝入りをせずに、労働基準監督署などに指導を要請することが重要だ。また、労働組合を結成したり、個人加盟の労働組合に加入して、企業に対して法律に基づく支払いを要求することが大切だ。
同時に、今回の残業代不払いの企業名は公表されていない。企業の違法行為に格段に甘いのが、今の政府の姿勢である。
今後は、一定金額以上の残業代不払い(正確には、給料の未払い)をした企業名を公表し、悪質な場合は、企業への罰則なども規定すべきであろう。


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