時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

宙に浮いた年金5,000万件

2007年05月25日 | 政治問題
以前にも、本紙で取り上げたが、誰のものかわからない年金記録が5,000万件もあるという。
国民年金や厚生年金はもともと別の制度で、国が制度ごとに年金番号を管理していた。しかし、転職や結婚で加入先の年金が変わると、複数の番号が付与される仕組みだった。そこで、1997年に1人に1つの基礎年金番号を導入する際、国は複数の年金制度に入ったことがある人に氏名や住所など必要事項を記入したはがきの返送を求め、そのはがきに基づいて基礎年金番号への一本化を進めた。
しかし、返送がなかった分はそのまま「宙に浮いた年金記録」となり、これが5,000万件に上っているというわけだ。
しかし、番号が一本化されていないとはいうものの、この5,000万件には、名前や生年月日の情報が付いているはずである。
まったくの「名無しの権兵衛」であるはずがない。調べようと思えば調べられるはずである。要するに、1回のはがきが返送されて来たというただそれだけの理由で、無視されてきただけであり、社会保険庁、社会保険事務所の怠慢である。
20歳から59歳の公的年金加入者数は、同年代の人口にほぼ等しい6,850万人だそうだ。とすれば、この5,000万件という数字は、60歳以上の人数も含むとは言え、ものすごい数だ。
にもかかわらず、自民、公明の与党内には「5,000万件の問題がどの程度重大な問題なのかも十分に明らかになっていない。」との意見もあって、対応策はまったく決まっていないという。
これだけの数の年金記録がわからなくなっているにもかかわらず、「どの程度重大な問題なのかも明らかになっていない」とは、どういう頭の構造をしているのだろうか。
この5,000万件の中には、本来もらえる額より少ない年金しかもらっていない人が数多く含まれているはずだ。年金は本人の請求がなければ支給されないが、5年以上前に遡って受給することはできないので、それ5年以上前の分を放棄せざるを得なくなる。また、社会保険庁のミスで、「宙に浮いた」年金記録も少なからずあるはずだ。以前の情報では、年金加入者の約10%(1%ではない!)に社会保険庁(社会保険事務所)による入力ミスが存在することがわかっている。
こちらが依頼しなければ、社会保険事務所はけっして親切に調べてくれることはない。
結婚や転職、引越しなどで基礎年金番号が統一されていない恐れがある人は、この機会に是非とも最寄りの社会保険事務所で調査を依頼することをお勧めしたい。
また、政府は5年以上前の年金未受領が見つかった場合の救済策も検討すべきである。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (memaido)
2007-05-25 19:21:07
はじめまして、楽しく拝見させていただきました。
またちょくちょく拝見させていただきます。
返信する