時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

「デイトレーダーはバカ」発言の波紋

2008年02月16日 | 経済問題
経済産業省の北畑事務次官は、記者会見で、個人投資家のデイトレーダーや投資ファンドについて「バカで浮気で無責任」などと発言した問題に関連して、「デイトレーダーに対して失礼な発言をしたことは事実で、誠に申し訳ない。競輪・競馬ファンの方にも、おわびしたい」と陳謝したと報じられている。
この次官は講演で「競輪場か競馬場に行っていた人が(株売買の)手数料が下がったのでパソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ」などと発言して非難を浴び、記者会見で、この部分について「適切ではなかった」と述べたと伝えられている。
しかし、実は編集長も、デイトレードや投資ファンドは博打と同じだと思っている。
本来、株式というものは、広く一般から資金を調達し、事業を行い、その利益を配当という形で出資者に還元すべきものである。
出資した企業が一般的な経済成長率を上回る業績を上げれば、銀行利息を上回る配当が受けられるだろう。また、株価そのものも徐々に上昇するに違いない。一方、当然のことながら、業績不振や倒産の危険性も内包している。
しかし、現在株式市場で行われていることは、実体経済とかけ離れたマネーゲームに他ならない。
そういう意味では、博打と同じであり、この事務次官の発言は間違ってはいない。
むしろ、現在の株式市場の本質を言い当てた、極めて正確な発言であり、国民に対する極めて適切な警告であったと考えている。
個人の預貯金利息には20%の税金を掛けるのに対して、株取引の利益には10%の税金しかかけないという法律を作り、庶民の預金を株式市場に流れ込ませて、何としても株価を吊り上げようという政府の立場からすれば、今回の次官の発言は、真実を突いていたとしても迷惑であったに違いない。
「デイトレーダーはバカだ」という発言は確かに不適切かもしれないが、この次官の発言は、やはり株式市場の本質を突いていると言わざるを得ない。


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