時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

新春早々に感じたこと

2008年01月05日 | 環境・食料問題
新年は、久しぶりにノンビリと過ごすことができた。
テレビを見ていると、くだらない番組が多い中で、格差問題や職の安全、環境問題などを取り上げた番組があり、なかなか見応えがあった。
ほんの一握りの大企業や資産家によって、富が独占され、その結果、安心して新年さえ迎えられない階層が増えているということについて、新年早々考えさせられた。
格差の存在そのものを否定するつもりは毛頭ないが、人間らしい暮らしが送れない人たちが存在し、年間数百人もの餓死者が生まれる社会がまともな社会でないことは言うまでもない。
一部の安売り店で、くず米を混入して販売しているという特集番組もあったが、まったくひどい話である。
未成熟米や欠けた米など、本来は鳥や家畜の餌になるべきものを、流通段階で他の米に混ぜて安売りをしているわけであるが、これなども、3年前に行われた流通の自由化、規制緩和の結果として生まれていることが指摘されていた。
市場経済に任せれば何もかもうまくゆくといったいわゆる新自由主義経済の歪みが日本人の主食である米の安全性さえ脅かすようになってきたということだ。
報道ステーションの環境問題に関する特集番組もなかなか良かった。以前にも書いたことだが、地球という惑星は、言うまでもなく閉鎖系である。わずか100km、わかりやすくいうと、東京―熱海間の距離の厚さの大気に覆われている惑星である。
このわずかな大気の中に、人間はさまざまな生き物とともに暮らしているわけである。
熱帯雨林の消滅、砂漠化、海水面の上昇、高山地帯での氷河や極地の氷の消滅など、かつてない規模での環境破壊が進んでいる。
日本は大量の食糧を世界の各地から購入し、その一方で売れ残り、食べ残しの食品が大量に廃棄されている。身近にある森林資源を放置しながら、途上国より木材を大量に輸入し、紙製品や建築資材に当てている。
このような生活を我々日本人はいつまで続けていくことができるのだろうか。少なくとも、あと20-30年もすれば、もっと大きな歪みが生じているに違いない。
いま、第1次産業を支える人口は極めて少ないが、そのうちに、こういう産業が評価され、見直される時期が来ると思われるが、それに気づくまでは、この愚かな行動を止めることはないのだろう。
2007年の国民一人当たりのGDPを見ると、OECD加盟30ヵ国中18位となり、2年前に比べても3位も順位を落としている。OECD加盟国の中でも、もはや中流国になってしまっており、一時は、世界第2位になっていたのが嘘のような実態になっている。
今日、何気なくテレビを点けたら、大食い選手権をやっていた。テレビ局がこういう番組を作るということは、視聴者の中にも面白がって見る人間がいるということだ。
こういう風潮が続く限り、自らの生活や生き方を見直すことは難しいだろう。
子供や孫の世代に何を残してやれるのか、真面目に考える年にしたいと思っている。


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