時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

ウナギの産地偽装

2008年09月01日 | 環境・食料問題
ウナギ加工会社「サンライズフーズ」(愛媛県伊予市)が、東京・築地市場最大手の水産卸売会社「中央魚類」(東京都中央区)などに出荷していたウナギのかば焼きを巡り、産地偽装の疑いが浮上したとして、農林水産省が今年7月から両社に立ち入り調査に入っていたことが分かった。
同省では近く、サンライズフーズに対し日本農林規格(JAS)法に基づき改善命令を出す方針だという。
中央魚類は、サンライズ社の全製品の取り扱い自粛と一部製品の自主回収を始めた。
中央魚類によると、サンライズ社から同日、「愛媛県産」として出荷したかば焼きに、同県産以外の製品が混入した可能性があるとの説明があったという。
中央魚類は昨年度のウナギのかば焼きの売り上げが25億3000万円(税込み)にのぼる築地市場の最大手。サンライズ社とは1997年から取引を開始し、昨年度は約645トンのウナギのかば焼きを仕入れ、約18億6350万円(同)で売っていた。
サンライズ社は2001年7月にも中国産や原産地不明のウナギのかば焼きを「四国四万十うなぎ」などと表示して販売したとして、愛媛県からJAS法に基づく是正指示を受けているという。
またか、という感じであるが、どうしてこのような食品の産地偽装が続発するのだろうか?
結局は、産地偽装しても、詐欺などで告訴される可能性は極めて低く、もし仮に告訴されたとしても、どうせ執行猶予がついて服役することもないと高をくくっている様子が目に浮かぶ。
今回のケースでも、愛媛県からの「是正指導」、そして農水省からの「改善命令」が出されたにすぎない。
偽装業者としては、散々に儲けて、所得を隠し、摘発されてもたいしたことはない。要するにこれほどおいしい商売はないということになる。
偽装された食品は、法外な高値で消費者に渡り、消費者はだまされ損になる。その被害総額は大変なものだ。また、1つの偽装から生まれる被害は、単に、消費者の金銭的被害だけではなく、食の安全にも関わる重大事である。食中毒なども実際に起きている。
とすれば、これを未然に防ぐ方策を政府として打ち出さなければなるまい。
まずは、罰則を強化することだ。偽装により上げた収益はすべて召し上げるとともに、多額の罰金や懲役刑を課すべきであろう。偽装は割に合わないという状況を作るべきだ。
また、偽装を内部告発した場合は、高額の報奨金を支給し、従業員に積極的に偽装企業、不法企業の悪事を告発する保証をつくることが必要だろう。報奨金は罰金から賄えばよい。
そのくらいの積極的な方法を取り入れなければ、企業内部でひそかに行われている悪事を暴くことはできない。また告発した社員の将来を保証するだけの報酬を保証しなければ、告発したはいいが、企業は倒産し、職を失ったでは踏んだり蹴ったりになってしまう。止むを得ず、悪事に目をつぶり、渋々ながら、それに加担せざるを得ない従業員は多いはずだ。
実効ある罰則や内部告発制度の創始を真剣に検討してもらいたい。


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