時々新聞社

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政府さえ批判する経団連の温室効果ガス削減目標

2009年05月18日 | 環境・食料問題
日本の2020年までの温室効果ガス削減目標(中期目標)で、日本経団連が政府の検討している6案(1990年比で4%増~25%減)中、最も削減幅が小さい案を「最も合理的」などとする意見書をまとめたことについて、斉藤環境相は、閣議後の記者会見で、「日本がそんな目標を出したら世界の笑い物になる」と批判した。
経団連の御手洗冨士夫会長は、記者会見で「国際的な公平性を確保する必要がある」などとして4%増を支持する考えを述べていたが、この発言について斉藤環境相は「技術を持った日本が後ろ向きの目標を出すことは、世界における日本の立場をなくすもの」と反論した。
そもそも、京都議定書では、2008年から2012年までの期間に、温室効果ガスの排出量を1990年比で6%削減するのが日本の目標である。2020年までには、さらに目標を上積みするのが普通だろう。
温暖ガス排出量が多い鉄鋼、電力などの大企業の会員を抱える経団連が、こういう後ろ向きの姿勢では、地球環境を守ることはできない。
御手洗会長が生きているうちは、何とか地球環境も大丈夫かもしれないが、自分の子孫のことも考えずに「あとは野となれ、山となれ」と言わんばかりの発想で、温暖化ガスを放出し続けるのでは、人間としての理性を疑わざるを得ない。
「公平性」というが、日本は、高度経済成長期を通じて、大量の温暖化ガスを排出してきたのだから、それまでの排出量も考慮して、なお一層の削減に取り組むのは当然である。
同時に、政府も、太陽光、風力発電などの自然エネルギーの普及のために、税金を使うべきであろう。温暖化ガスの削減を掲げての原子力発電の危険性は、先の新潟での地震によっても証明済みである。ドイツなどに学んで、企業だけでなく、一般家庭への太陽光発電の普及などを大胆に進める必要がある。
また、森林資源の有効活用も当然のことである。後ろ向きの目標について議論する暇があるのなら、森林資源の回復、維持のために、経団連は、カネもアイデアも出すべきであろう。

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