時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

これでいいのか、相変わらずの大量消費

2007年07月23日 | 環境・食料問題
編集長は歴史が好きで、江戸時代などに関する書籍をよく読む。
江戸時代というのは、人力のみがほぼ唯一の動力であったため、極めて効率の悪い社会だった。物を作るにも、一つ一つが文字通り「手作り」であり、同じものはこの世に2つと存在しない。どこに行くにも徒歩なので、商品の流通にはすこぶる時間がかかる。しかし、環境には極めてやさしい社会だった。
ほとんどの商品が、太陽エネルギーによって作られた木材を原料とし、燃料も薪や木炭だったため、発生する二酸化炭素は、光合成によって再び木々の成長によって吸収された。
江戸市中でホタルが見られたというから、環境も非常に良好だったに違いない。
さて、現代に目を転じて見よう。
高度経済成長期に経験したような数々の公害問題は影を潜めたが、その後の世界的な経済発展の中で、地球レベルでの環境破壊が問題になってきた。
テレビでは、環境問題を扱った番組が数多く放映され、環境保護を訴えるコマーシャルが増えてきた。商品の宣伝にも、環境保護をうたい文句にすることが増えている。
バブル崩壊後の経済の停滞の中で、経済成長、景気回復を願う気持ちは誰しも持っている。しかし、ただ大量に作り、大量に売れればよいのかということについては、ちょっと立ち止まって考える必要がありそうだ。
これからは、商品を買う際には、本当に自分の生活に必要なものかどうかをよく吟味し、少なくとも、子や孫の世代まで使える物を購入し、そして、再利用の可能性や捨てる際の環境への負荷も考慮すべきであろう。
以前にも書いたが、我々の生活はちょっと便利になりすぎたと思っている。
交通機関が発達し、片道1、2時間の通勤時間は当たり前になった。日本中どこにでも日帰り出張ができるようになった。夜中でも店が開いているので、そこで働く人たちも必要になる。昼夜逆転の生活を余儀なくされる人たちが必要になった。こうして、勤労者、サラリーマンへのストレスは大幅に増大し、職場にうつ病などが広がり、自殺者まで生み出している。
ホタルを見るためには、何時間もかけて移動しなければならない。自然と親しむことそのものが、肉体的疲労を高め、過大なストレスを伴う。
我々の祖先は、こういう社会をめざして何10年あるいは100年以上も努力してきたのだろうか?
江戸時代の先祖が現代社会の「発展」を見たら、感激して涙を流すだろうか?
積極的に環境問題に関わる人たちはまだまだ少数である。しかし、多くの国民は、地球規模の環境破壊に心を痛めているに違いない。
まずは、自らの生活を見直すところから、環境に貢献しようではないか。
大量生産、大量消費の弊害を食い止めることができるのは、消費者である国民である。環境にやさしい商品を選ぶことによって、これが世間に普及し、結果的に、粗悪な商品は市場から駆逐される。
そういう流れが日本中に広がることを期待している。


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