時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

「偽装」政治

2007年07月24日 | 政治問題
一昨年暮れより問題になったヒューザーによる耐震偽装、今年もミートホープによる牛肉偽装で、「偽装」という言葉がずいぶんと使用される世の中になってきた。
「偽装」などという言葉が使われるが、要するに、消費者、国民をだまして、看板、表示と異なる粗悪な商品を売りつける行為であり、れっきとした詐欺行為だ。
賞味期限切れの原材料を使った雪印や不二家も記憶に新しい。また、中国のダンボール入り肉まん(やらせと言われているが、怪しい!)をはじめとする数々の中国製品もれっきとした「偽装」製品だ。
さて、こういう社会風潮にあって、最も悪質なのが、政治における「偽装」だ。
いま、参議院選挙が行われているが、選挙になるとどの政党もりっぱなことを主張するが、実際に各党が行ってきたことをみると、これはもう「偽装」だらけだ。
自民党は、責任を持って年金問題を解決するというが、到底信じられるものではない。自民党自身が終戦後から約60年にわたって政権を担ってきた結果、このようなデタラメな状態になったことは明らかである。問題を解決するというのならば、その前にそのような大問題を起こし、そして長年にわたって解決できなかったことを国民にまず謝罪すべきである。
公明党も然りである。3年前までは「百年安心」の年金制度を公明党が作ったと吹聴し、今は、未来に責任を持つというが、百年安心だった年金が、わずか3年のうちにボロボロだったことが判明したわけである。3年先の見通しも持てない政党には、到底、未来を語る資格はない。しかも、この当時の厚生労働大臣は、公明党の議員だった。
では、二大政党の一方で売り出し中の民主党はどうだろう。
生活が第一、格差が広がっているとテレビコマーシャルで指摘するが、これらの問題に民主党はどのような態度を取ってきただろうか。
年金問題では、党内に厚生大臣を務めた菅氏を擁し、自民党からも批判されるような状態だ。また、最悪の大衆課税である消費税の増税さえ主張しているのが、この党である。徴税は、もっとも簡単で確実な所得の再配分機能である。生活が第一というのならば、累進課税を中心とした税制を柱とし、低所得者に負担が重い消費税は、廃止を主張すべきであろう。
非正規雇用者の増大が、格差と貧困の増大を生んでいることは誰も否定できない。しかし、経団連の要請に応えて、非正規雇用者の増大の原因となった労働現場における規制緩和を自民党と競い合ったのが民主党である。当初、派遣労働は、特定の業種に限られていたが、今や「規制緩和」によって、製造現場を含むありとあらゆる職種で可能になった。喜んだのは、一部の経営者だけであり、多くの労働者が派遣という職種に甘んじるしかなく、貧困と格差が一気に広がった。
民主党は、貧困と格差を生んだ自らの行動に頬かむりし、テレビコマーシャルでは臆面もなく、「生活が第一」と主張しているのである。「偽装」以外の何物でもない。また、憲法の「改正」を自民、公明と一緒になって進めているのがこの党である。
様々な「偽装」に多くの国民が怒りを覚えてきたが、今回は、政治の舞台にはびこる数々の「偽装」にその矛先を向けるべき時ではなかろうか。

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