時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

貯蓄、蓄財の目的

2007年05月15日 | 経済問題
読者諸兄の貯蓄や蓄財の目的は、いったい何だろう。
人間というのは、多少の金銭的な余裕がなければ、心にゆとりをもって毎日を暮らしていくことはできないだろう。
思いもかけない出費というのは、日常生活の中で、我々もしばしば経験するものである。
しかし、いくら思いもかけない出費といっても、家族の病気や事故、倒産やリストラなど、日常起こり得る事象ならともかく、地震や洪水のような大規模な自然災害、国家破綻、インフレ、戦争などの社会的な混乱など、考えていくとキリがない。
あまりあれこれと心配しすぎると、いくらお金があっても足りないということになるだろう。
突然の不幸に見舞われても、健康である限り、1、2年の生活費の貯蓄があれば通常は対策を考えることもできるし、十分に切り抜けられるのではないだろうか。また、子供の教育費用、老後の生活費など、計画的に準備できるものも多いと思われる。
上記のような不測の事態を除けば、人間というのは、何かの目的があって貯蓄を行うものであろう。買いたい物、実現したいことなどがあって、せっせと貯蓄に励むのが普通である。そして、世間一般では、その貯蓄が十分に行えないために、買いたい物の一部を我慢したり、夢をあきらめたりすることが多いのではないかと思われる。
目的を実現できないまま人生を送ったり、あるいはその努力の過程で別の人生を見つけたり、目的そのものを持てないまま人生を送ることもあるかもしれない。それが人生というものだろう。
先日、村上ファンドの村上被告に対する検察側の求刑が行われたが、彼などは、一体何のために蓄財に励んできたのだろうか?
蓄財そのものが目的になっており、そのお金で何かをやりたいという希望を持っているわけではなさそうである。ホリエモンもそうであろう。まったくくだらない人生ではないか。
ビル・ゲイツも、今でこそ私財の一部をエイズの撲滅のために、などとボランティア団体を作って活動しているが、元々、そういう目的をもって資産形成をしてきたわけではない。たまたま気づいたら使いきれないほどのお金が手元にあったので、それをエイズ撲滅に使おうと思い立っただけである。付け加えて言えば、エイズの原因の多くは貧困にあり、その貧困は、先進資本主義国やその国の大資本が後進国で搾取や収奪を進めてきた結果である。ビル・ゲイツは、自己矛盾を感じないのだろうか。もっとも、彼がやらなくても、別の誰かが搾取や収奪を進めただろうから、後進国でのエイズのまん延という結果は変わらなかったかもしれないが・・・。
さて、かく言う編集長は、どうしても実現したい目標を持って生きており、現在はそのために準備も行い、多少は蓄財に励んでいる。実現できるかどうかは定かではないが、絶対できない目標でもない。
少しは他人の役に立つようなことに、お金と人生を使いたいと思っている。
目的のない蓄財、漠然とした不安に備えるだけの貯蓄ほど、無意味なものはない。
読者諸兄も、蓄財を通して、自らの人生のあり方や目標をもう一度見つめ直してみてはいかがだろうか。


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