時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

「事故米」不正転売、関係者をやっと逮捕

2009年02月10日 | 社会問題
米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市、破産手続き中)による工業用「事故米」の不正転売事件で、大阪、福岡、熊本3府県警の合同捜査本部は、殺虫剤「アセタミプリド」に汚染されたベトナム産うるち米を食用と偽り、九州の酒造会社6社に売却した疑いが強まったとして、同社社長の冬木三男(73歳)(宝塚市)ら5人を、不正競争防止法違反(用途偽装)容疑で逮捕したという。
他の4人は、三笠フーズの元顧問・宮崎一雄(77歳)(福岡市南区)、長男でグループ会社「辰之巳」(東京都)の元営業課長・宮崎雄三(49歳)(福岡市南区)と、三笠フーズ元社長秘書・古谷幸作(59歳)(奈良県生駒市)の3容疑者と、転売を仲介した佐賀県唐津市の商社「マルモ商事」社長・丸山茂夫容疑者(60歳)(唐津市)。
発表によると、5人は共謀して昨年1月~8月、熊本、鹿児島両県の酒造会社6社に対し、殺虫剤「アセタミプリド」に汚染されたベトナム産うるち米を混ぜ込んだコメ計約896トンを、食用と偽って販売した疑い。
三笠フーズの不正転売は、農林水産省が昨年9月に公表。同社が約5年前から不正転売した事故米計約1400トンは全国390を超える業者に流れていた。農水省の告発などを受け、合同捜査本部は、同法違反と食品衛生法違反の両容疑で本社などを一斉捜索、関係者からの任意聴取を続けていたそうだ。
しかし、こういう事件への当局の対応は本当に遅い。
日本人が平素バカにしている中国では、牛乳へのメラミン混入事件の関係者3名に、すでに死刑の判決が出ている。こういう点は、実に対応がはっきりしており、日本とは大違いである。今回の「事故米」の関係者は死刑にすべきといっているわけではない。国民が納得できるような刑罰を迅速に与えるべきだと主張したい。
L&Gの円天事件あるいは関西の女相場師による詐欺事件なども、対応は手ぬるい。一般に、殺人、強盗、窃盗などへの対応は早いが、経済事犯への対応は極めて遅く、また処罰も手ぬるい。
政治家の汚職事件などは、最後には無罪、あるいは、被告死亡により一件落着という場合がほとんどである。
「事故米」転売事件では、転売された酒造会社などは、風評被害などで、とんでもない被害を受けている。
国民への健康被害など、直接の被害は出ていないが、人体に有害なものであることを知りながら、食用として販売した責任は重大である。
食の安全を無視し、金もうけに走った今回の行為に対しては、厳罰をもって臨んで欲しい。