時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

新銀行東京の格付けダウン

2007年06月16日 | 経済問題
アメリカの格付け会社のスタンダード&プアーズは、東京都が出資する新銀行東京の長期格付けを「シングルA」から2段階低い「トリプルB+」へ引き下げたと発表した。
トリプルB+は、S&P社が投資適格とする10段階の格付けの下から3番目に当たる。しかも今後の見通しも、さらに引き下げの可能性がある「ネガティブ」とした。
新銀行東京は、石原都知事の肝いりで作られた銀行で、2007年3月期決算で547億円の税引き後赤字になるなど業績不振が続いている。今月、中核業務である中小企業への貸し出し目標を大幅に引き下げ、2010年3月期での黒字化を目指す新中期経営計画をまとめた。ただ、S&P社は「経営刷新の方向はプラスだが、新計画の達成も容易ではない」と指摘している。
そもそも、自治体が税金を投入して銀行を作る必要がどこにあるのだろうか。現状のままでは、投入した税金が返ってこなくなる可能性は極めて高い。場合によっては、更なる税金投入の可能性すら存在する。
中小企業や都民向けの無担保無保証人融資などは、別に都が銀行を作らなくても、市中の金融機関と提携し、都が利子補給や保証人を代行すれば済む話である。
未だに、多くの都民が石原都政に様々な幻想を抱いている。都民は、この銀行が破綻して初めて石原都政の愚かさに気付くのだろうが、その時には石原は表舞台から既に引退しているに違いない。
何とも、やり切れない結末が見えるようである。