時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

増え続けるHIV感染

2007年06月01日 | 医療・社会保障
先日のニュースで、2006年に国内でエイズウイルス(HIV)の感染がわかったのは952人、エイズ患者は406人といずれも過去最高だったことが、厚生労働省エイズ動向委員会(委員長、岩本愛吉・東大医科研教授)のまとめでわかった、と報じられていた。
前年比16%増の11万6550人が保健所などで検査を受けたためとみられる。その結果、感染者・患者の累計は1万2394人となった。
感染者は20~30代が7割を切る一方、40代の比率が上がった。厚労省は「夜間や休日に検査するところが増え、これまで検査を受けなかった人が足を運んだのではないか」と分析している。
しかし、何億人が検査を受けようが、感染さえしていなければ感染者の絶対数や比率は上がらない。要するに、感染者が確実に増えているということだ。
欧米などの先進国では、新たなHIV感染者、エイズ患者は、年々低下傾向にある。にもかかわらず、日本だけは新たな感染者、患者が増え続けている。これは異常な事態だ。
2000年頃は、エイズ撲滅キャンペーンが行われ、国はもちろんのこと、地方自治体もこのキャンペーンを積極的に行ってきた。しかし、今やエイズ対策予算は、この時期の半分以下になっている。
どこの保健所、公的医療機関でも、日曜、休日でも、廉価にあるいは無料で検査が受けられるような体制作りが急務である。
また、感染が明らかになった場合のケア、対策も重要である。早急な体制確立が不可欠である。
HIVに感染しても、最近は様々な治療薬も開発されており、早期に治療を始めることによってエイズの発症を遅らせ、様々な症状を抑えることが可能になっている。
要は、早期発見と早期の治療開始である。
国、地方自治体が、積極的な対策を講じるよう要望するものである。