時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

東京電力、JR西日本の驚くべき企業体質

2007年02月01日 | 社会問題
不二家のひどい実態が連日のように白日の下にさらされているが、またしても、企業責任を放棄したような出来事が起きている。
一つは、東京電力が原発の故障を隠して検査を通したり、データを199ヵ所も改ざんしていたという新たな不正が発覚した問題である。経済産業省は、東電に対して不正の原因究明と2002年のトラブル隠し後の総点検でも確認できなかった経緯などについて、電気事業法などに基づいて報告するよう指示したという。同省は報告を受け、行政処分などの対応を検討する方針という。
原発事故の怖さは、もう十分にわかっているはずだ。故障隠しなどの東電の企業体質には本当に驚かざるを得ない。
と同時に、地震国である日本に、原子力発電所の大量建設を推進、容認してきた政府の責任も重大である。そもそも現在の原子力発電技術は、軍事目的のものを転用したものであり、安全性の保証は甚だ心もとないものである。また、使用後の核燃料の廃棄問題など環境や経費の問題はウヤムヤのままに建設が促進されてきたことも問題だ。
今回の隠蔽事件をきっかけに、原子力の安全性などについて改めて国民の中で議論がおきることを期待している。
もう一つは、乗客と運転士107人が死亡した2005年4月のJR福知山線の脱線事故関連の記事である。この事件について、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の意見聴取会が始まった。
最初に意見を述べたJR西日本副社長の丸尾鉄道本部長は、日勤教育と呼ばれる運転士の再教育制度について「制度の有用性は過去の裁判でも認められており、運転士の自覚を促し、意欲の向上に必要と判断している」と主張。ATS設置の遅れも「設置計画そのものは妥当で、施工の安全に万全を期したため」などとする一方、「曲線での速度超過対策を必ず行う必要があるとは認識していなかった」と主張した。また、過密を指摘されるダイヤも「余裕時分は弾力的な運行ができるよう設けており、なくても標準的な方法で定時運行できる」と徹底して、安全管理体制の妥当性も強調したという。
これに対し、調査委の佐藤委員長が「批判するのもいいが、原因は何とみているか、具体的な再発防止策を伺いたい」と苦言を呈し、これに対して、丸尾本部長は「原因はわからない」と回答したという。
あれだけ重大な事故を起こしておきながら、2年近く経ってまったく反省の様子もなく、「原因はわからない」とは、どういう頭の構造をしているのだろうか。被害者や利用者、国民を愚弄するのも甚だしい。
こういう企業体質では、また同じような事故が起きることは十分にあり得ると危惧するのは、編集長だけではあるまい。企業としての責任、特に電力、交通という公共性の高いこれら2つの企業には猛省を促したい。