時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

2つの事件から

2007年01月19日 | 政治問題
今日は、テレビのニュースで見た2つの事件について考えてみたい。
1つは、交通事故のニュースである。
タレントの風見しんごの長女がトラックにはねられて亡くなったという。タップダンサーになりたいという夢を持っていたという。本紙にも何度も書いたことだが、子供には無限の可能性がある。夢を断たれた無念さは如何ばかりであろう。冥福を祈りたい。
さて、交通事故による死者は、毎年7000人である。昨年は、7000人を下回ったとのことであるが、これはご存知のとおり、事故後24時間以内の死亡者数という統計上の数字であり、その後亡くなった人の数が含まれていない。この7000人という数字は、阪神大震災での死者をも上回る数字である。
毎年、毎年、あの大震災での死者と同じ数の人間が交通事故によって亡くなっている事態は異常としか言いようがない。
そもそも、アメリカなどと違って狭い国土に自動車が溢れているということが異常である。
自動車産業や土建業を応援するために、政府は一貫してモータリゼーションとその土台となる道路建設を進めてきた。その結果、交通事故や大気汚染といった人災を生み出してきたわけである。大気汚染による喘息については、自動車会社が補償に乗り出すとのことであるが、それよりも、交通事故の被害者への補償がよほど重要であろう。
バス、路面電車などの公共交通機関の整備などを大胆に進め、自動車の乗り入れ禁止区域の拡大など、もうそろそろ脱自動車社会に踏み出す時期ではなかろうか。
また、当面の対策としては、歩道と車道を明確に分けることが重要だ。どんな狭い道でも段差や車止め、ガードレールなどで歩行者を保護することが急務である。
読者諸兄も、脱自家用車に取り組まれてはいかがだろうか。
もう1つは、心身障害者作業所勤務の男が、3歳の幼児を歩道橋から投げ落としたというニュースである。幼児に命に別状はなかったようで幸いであった。
さて、こういう事件が起きると、精神障害者に対する偏見が広がるのではないかと危惧している。
世の多くの暴力事件を見てわかるように、ささいなことでキレて暴力沙汰を起こすのは、何も精神障害者ばかりではない。地位も名誉もある公務員やエリート社員も例外ではない。
このような事件を起こす原因は、その人物が生来持っている、あるいは長い間の生活や環境の中で培われてきた「性格」によるものであって、精神の障害が問題ではないのだ。
今回はたまたま加害者に幼児連れ回しの前科があったり、精神疾患の治療歴があったということであり、このことによって、障害者一般への偏見が広がることを懸念するものである。
常日頃から、キレやすい、すぐに暴行に及ぶなどの性格を持つ人間は、読者諸兄もまれに見かけると思われるが、そういう人物の行動には特別の注意が必要である。
先日も、京都で大学生が刺殺された事件があったが、真犯人は常日頃から暴力の素因のある人物であることが容易に想像できる。
物騒な世の中であるが、常日頃から近所の人たちの暮らしぶり、性格などにも注意を払い、危険な人物には距離を置きつつ、常に注意を怠らないことが安全を守るカギである。
いやはや、おちおち外出もできないような物騒な世の中になったものだ。