時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

二大政党づくりをあおるマスコミ

2007年01月08日 | マスメディア
いまのマスコミの現状を率直に嘆かざるを得ない。
テレビはもちろんのこと、新聞も今年の参院選に向けて、二大政党づくりに躍起になっている。
自民党を中心とした政権か、民主党を中心とした政権か、その2つの選択肢を前面に出して、どちらかの政権の選択を国民に問う報道が目に付く。
テレビでも、参院選の1人区の動静を二大政党を中心に報道している。また、毎日新聞の「世論」調査では、参院選で自民党と民主党のどちらに勝ってもらいたいかという選択肢しかない。他の野党を支持する国民にも、自民か民主のどちらかを選ばせるような「世論誘導」調査となっている。まったくお粗末としか言いようがない。
国民の政治に対する多種多様な要求をたった2つの選択肢の中に求めることにそもそも無理がある。
世論調査でも、二大政党にも増して、「支持政党なし層」が最も幅を利かせているではないか。そして、多くの国民は、こういう世論誘導を嘲るように、選挙においてどちらにも投票しない「棄権」という選択をするのである。
安倍政権が最重要課題に掲げる憲法「改正」を見ても、民主党も9条の改定を含む「改正」を掲げているため、現在の憲法を守りたいという国民は二大政党のどちらも選びようがない。
昨年の臨時国会で採択された防衛省法案も、二大政党の間にはまったく意見の相違はなく、民主党も賛成して採択された。
また、民主党は「格差社会の是正」を参院選の重点政策として掲げるというが、その格差を生み出している張本人の財界、大企業に政治献金欲しさにすり寄っているのがこの民主党なのである。また、憲法「改正」を最重点に掲げる自民党に対して、これに真っ向から反対するという対決軸が打ち出せず、苦し紛れに別の争点を持ち出さざるを得ないところが、野党第1党たる民主党の情けなさである。
そして、この民主党と選挙協力をする社民党という存在もわけがわからない。憲法「改正」という一大問題で相反する政策を持つ民主党と手を結ぶという行動が国民の政治不信をますます助長することになっているのである。
マスコミは、国民が有する多種多様な現実や要求に焦点を当てて、その問題に各政党が過去においてどのように行動してきたか、そして今後どのように打開しようとしているのかを真摯に報道すべきである。
今年は、いっせい地方選挙や参院選が行われる年である。国政のみならず、地方政治の現実にも光を当て、国民が本当に知りたい政党の姿を報道して欲しいと願っている。