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●《戦世(いくさゆ)の足音に危機感を抱きながら私たちは戦争犠牲者を悼み、平和を求める日を迎えた。きょうは沖縄戦から79年の「慰霊の日」》

2024年06月25日 00時00分36秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督「軽んじられている命があるのでは」 【こちら特報部/多少の犠牲は仕方ない…その多少って誰のこと? 映画「戦雲」が問いかける「軽んじられる命」】(東京新聞 2024年03月14日、https://www.tokyo-np.co.jp/article/315046?rct=tokuhou)]


(2024年06月23日[日])
沖縄「慰霊の日」。沖縄では、《慰霊の日を前に増える沖縄メディアの報道は「6月ジャーナリズム」なのか》(金口木舌)。着々と軍事要塞化=《標的の島へと…。相変らず、日々、美ら海に土砂をぶちまけ続けてている。ドブガネ。新基地は完成しないし、普天間は返還されない。踏んだり蹴ったりの辺野古。辺野古は単なる破壊「損」。《沖縄にとって戦争は遠い昔話ではない沖縄は、今も一年中、戦争の延長線上を生きている》(大矢英代さん)。
 再度引用。昨年の琉球新報のコラム【<金口木舌>沈黙している暇はない】によると、《「8月ジャーナリズム」という言葉がある。毎年、広島、長崎への原爆投下や、8月15日に合わせて、戦争について集中的に報道される様を指す。記念日までの雄弁さと対照的にその時期以外は沈黙するメディアへの不信もあるだろう》、《沖縄は戦後78年の慰霊の日を迎えた。100年、200年と「戦後」を重ねていくために沖縄メディアに沈黙している暇(いとま)はない》。

 それにしても、先週6月16日[日]の沖縄県議会選挙、投票率も低く、また、大変に大変に残念な結果に。悔しくて仕方ない。玉城デニー沖縄県知事が《辺野古の新基地建設に関しては「移設反対は揺るぎない思いこれからもできうることはしっかりと取り組んでいきたい」と強調》したことがせめてもの救いではあるが、ニッポン政府のごり押しを止めることがより一層困難に。決して普天間は返還されず、日々ドブガネし、出来もしない新基地建設のために、美ら海に土砂をぶちまける愚行が続く。軍事費は倍増され、戦争を煽る。番犬様の下請けとして軍需産業で生きていこうというさもしい国、情けない国に落ちぶれたニッポン。平和憲法はどこに行ってしまったの? (琉球新報社説)《日本は戦争ができる国づくりから戦争準備へ大きく踏み出したのではないか、私たちは危惧する》。狂った自公政権によって沖縄に《多少の犠牲は仕方ない》《軽んじられる命》が押しつけられる。わずかな希望の光《ミュニシパリズム地域自治主義)》の芽も、沖縄では摘み取られる…。(琉球新報社説)《私たちに求められているのは戦う覚悟を拒み平和を築く意思と行動》。
 《軍隊は人を守らない》《軍隊は住民を守らない》《基地を置くから戦争が起こる》という教訓を沖縄ほど、身にしみている方々は居ないと思うのだが。沖縄県内での《基地のたらい回し》って、そんなイジメ・差別をやる政府って一体何?

   『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
     「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」

    《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
     すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊護郷隊」や八重山
     戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
     6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》

   『●【<金口木舌>差別を乗り越える】…《アイヌ民族…差別を乗り越え固有
      の歴史、文化を守るすべを模索する状況は沖縄にも通じている》(1/2)
    《香山リカ×三上智恵対談…》《ただ、遺族感情はそれとは別です。
     久高良夫さんという戦死した少年兵のお母さんが唯一、村上さんに
     食って掛かった人でした。「何でおまえが生きているんだ」とつかみ
     かかったという話を、映画の中で弟さんがしています》

   『●《「慰霊の日」を迎えた。…鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊の悲劇が
      伝わる一方、護郷隊の過酷な運命は長年ほとんど知られていなかった》
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                 「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
   『●《戦争体験の継承はどうして必要》? 大矢英代さん《二度と同じ手段で
      国家に殺されないように、生活を奪われないように、知恵をつけること》
   『●《住民を守ってくれると信じていた日本軍は、住民を壕から追い出し、
     食料を奪い、投降しようとした兵士を背後から射殺し、住民をスパイと…》
   『●6月ジャーナリズム…《戦争について集中的に報道される様を指す。記念
     日までの雄弁さと、対照的にその時期以外は沈黙するメディアへの不信》
   『●辺野古破壊について玉城デニー沖縄県知事「移設反対は揺るぎない思い」と
     強調…日々膨大なドブガネし、美ら海に大量の土砂をぶちまける愚行が続く

 軍事費倍増、沖縄で自衛隊基地をどんどんと増強…「平和」を築く気はあるのか?
 琉球新報の記事【沖縄全戦没者追悼式 デニー知事が平和宣言 自衛隊増強に「強い不安」 交流による信頼関係を 慰霊の日】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-3225796.html)。《沖縄県は23日、沖縄戦で命を落とした20万人余に心を寄せ、平和を誓う「慰霊の日」を迎えた。79年前の激戦地、糸満市摩文仁平和祈念公園では、県と県議会が主催する …》。

 対馬丸事件の教訓…《この悲劇は、いったん戦争に巻き込まれればいかなる対象も、攻撃される対象となる危険性》。
 沖縄タイムスの【[社説]きょう慰霊の日 平和創造の次の一歩を】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1383334)。《学童疎開船「対馬丸」の引率教員だった新崎美津子さんは多くの教え子を死なせ、自分は生き残ったと自責の念にとらわれ、生前、私は生きるべき人間ではなかった」と語っていたという(上野かずこ著「蕾のままに散りゆけり」)。蟻塚亮二医師らの研究によると、生活の場が戦場になり、戦後、基地と隣り合わせの生活をしている人が、米軍の事件事故などに接すると、戦争のつらい記憶が呼び覚まされ、ストレス症状が表れたりするという》。
 琉球新報の【<社説>沖縄戦79年「慰霊の日」 「戦争準備」拒み平和築け】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-3224163.html)。《戦世(いくさゆ)の足音に危機感を抱きながら私たちは戦争犠牲者を悼み、平和を求める日を迎えた。きょうは沖縄戦から79年の「慰霊の日」である。年を追うごとに戦争体験者は減っている。しかし、沖縄戦体験を継承する意義が薄れることはない。むしろ「新しい戦前と呼ばれる状況に抗(あらが)ため、戦争自体と、そこに至った経緯を検証する作業が強く求められている沖縄戦の実相と向き合い、体験を語り継ぐことで平和を創造する県民の歩みを続けよう》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1383334

[社説]きょう慰霊の日 平和創造の次の一歩を
2024年6月23日 4:01

 県内各地に慰霊塔や慰霊碑があり、地域や団体による慰霊祭が、6月23日の「慰霊の日」前後に執り行われる。

 この日に合わせて、企画展や芝居の上演、講演会、講座など平和を考える催しもめじろ押しだ。

 沖縄戦体験は、沖縄にとって地域アイデンティティーの核である

 広島・長崎の被爆体験や東京・大阪などの空襲体験と、住民を巻き込んだ沖縄の地上戦体験は、多くの民間人が犠牲になったという点では共通するが、その質は異なる

 米国の2人のジャーナリストの証言を紹介したい。

 80年前の1944年6月、サイパン戦を取材した米誌タイムのシャーロッド記者は従軍日誌に書き記した。

 「サイパン島戦こそ、あらゆる戦争中でもっとも残忍なものであった

 日本軍にとってサイパン戦は多数の民間人を巻き込んだ最初の地上戦だった。沖縄県人の戦没者だけでも約6200人に上る。

 沖縄戦を取材した米紙ニューヨーク・タイムズのボールドウィン記者は指摘する。

 「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ

 2人の文章が同じような表現になっているのは、サイパンでも沖縄でも、目を覆いたくなるような惨劇が起き、多くの民間人が犠牲になったからだ。

 サイパン戦や沖縄戦で表面化した「戦争と民間人保護」の問題は、ウクライナやガザの戦争にもつながる現代の課題でもある。


■    ■


 多くの民間人が犠牲になっただけではない。

 沖縄戦のもう一つの特徴は、子どもや親きょうだい友人を死なせ自分が生き残ったことに罪責感を抱き、心身の不調を来す人が多かったことである

 心の傷、心的外傷のことをトラウマという。住民を巻き込んだ激烈な地上戦は、生き残った人々の中に深い心の傷を残した

 学童疎開船「対馬丸」の引率教員だった新崎美津子さんは多くの教え子を死なせ、自分は生き残ったと自責の念にとらわれ、生前、私は生きるべき人間ではなかった」と語っていたという(上野かずこ著「蕾のままに散りゆけり」)。

 蟻塚亮二医師らの研究によると、生活の場が戦場になり、戦後、基地と隣り合わせの生活をしている人が、米軍の事件事故などに接すると、戦争のつらい記憶が呼び覚まされ、ストレス症状が表れたりするという。


■    ■


 慰霊の日のきょう、糸満市摩文仁沖縄全戦没者追悼式が開かれる。

 慰霊の日は県条例によって「平和を希求し、戦没者の霊を慰める」日だと定められている。

 戦争で生き残り、米軍統治下の沖縄で新たな苦難に直面し、それでも希望を失わず、語り部として平和の尊さを若い世代に伝え続け人生を全うした人々に対しても、慰霊の日に感謝の気持ちをささげたい。

 平和創造の次の一歩を踏み出す誓いを込めて。
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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-3225796.html

沖縄全戦没者追悼式 デニー知事が平和宣言 自衛隊増強に「強い不安」 交流による信頼関係を 慰霊の日
公開日時 2024年06月23日 12:39
更新日時 2024年06月23日 16:10
宮沢之祐

     (沖縄全戦没者追悼式であいさつする玉城デニー知事=23日午後、
      糸満市摩文仁の平和祈念公園(小川昌宏撮影)

 沖縄県は23日、沖縄戦で命を落とした20万人余に心を寄せ、平和を誓う「慰霊の日」を迎えた。79年前の激戦地、糸満市摩文仁平和祈念公園では、県と県議会が主催する沖縄全戦没者追悼式が開かれた。

 玉城デニー知事は平和宣言の中で「自衛隊の急激な配備拡張が進み、県民は強い不安を抱いてる」と、国が沖縄で進める防衛力強化に言及。参列した岸田文雄首相らを前に「沖縄の現状は、無念の思いを残して犠牲になられた御霊を慰めることになっているのか」と問いかけた。

 式には遺族らに加え、額賀福志郎衆院議長や尾辻秀久参院議長も参列。正午の時報と共に黙とうした。

     (沖縄全戦没者追悼式で正午の時報に合わせ黙祷する人たち
      =23日、糸満市摩文仁の平和祈念公園(小川昌宏撮影))

 玉城知事は平和宣言で「抑止力の強化が地域の緊張を高めている」とした上で、平和を願う沖縄のこころを国内外に発信することが世界の恒久平和につながると指摘。しまくとぅばと英語を交え、交流による信頼関係の構築を訴えた

 また、県遺族連合会の我部政寿会長は、終戦から79年がたつ中、遺児の平均年齢が83歳となった組織の維持の難しさに触れつつ「二度と戦没者遺族を出さないという強い信念をもって、これからも活動する」と誓った。

 沖縄戦などで亡くなった人の名前を記す同公園の「平和の礎」には、今年も181人の追加があり、刻銘総数は24万2225人に。日曜の慰霊の日とあって訪れる人は早朝から途切れず、碑の前には手向けられた花束が並んだ。(宮沢之祐)


>>【全文】玉城デニー知事による平和宣言
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-3224163.html

<社説>沖縄戦79年「慰霊の日」 「戦争準備」拒み平和築け
2024年06月23日 05:00

 戦世(いくさゆ)の足音に危機感を抱きながら私たちは戦争犠牲者を悼み、平和を求める日を迎えた。きょうは沖縄戦から79年の「慰霊の日」である。

 年を追うごとに戦争体験者は減っている。しかし、沖縄戦体験を継承する意義が薄れることはない

 むしろ「新しい戦前と呼ばれる状況に抗(あらが)ため、戦争自体と、そこに至った経緯を検証する作業が強く求められている沖縄戦の実相と向き合い、体験を語り継ぐことで平和を創造する県民の歩みを続けよう。

 日本は戦争ができる国づくりから戦争準備へ大きく踏み出したのではないか、私たちは危惧する。

 集団的自衛権の行使を可能とする憲法の解釈変更敵基地攻撃を可能とする安全保障3文書の閣議決定によって日本の防衛政策は大転換した。それに続く「特定利用空港・港湾」指定、米軍基地自衛隊基地周辺を対象とした土地利用規制法地方に対する国の指示権を拡大する改正地方自治法なども警戒すべき動きだ。

 これらは国家総動員法軍機保護法などと重なる言論の自由を制限し、人的・物的資源を国に集中する法制度が戦時体制を支えたのである。

 沖縄の島々では自衛隊増強と米軍基地の機能強化が進んでいる。ミサイル攻撃を想定した住民参加の避難訓練も実施された。この動きも戦前期の沖縄と重なる

 1941年に中城湾、西表・船浮で臨時要塞(ようさい)が築かれる。44年3月の32軍創設以後、飛行場整備や陣地構築が急速に進み、沖縄が本土防衛の防波堤に位置付けられた今日の軍備増強も沖縄を中国の脅威に対する防波堤として想定しているのではないか

 防衛省・自衛隊の動きも気になる。沖縄の陸自第15旅団は公式ホームページに牛島満32軍司令官の「辞世の句を載せ、問題視されている。今年1月には陸上自衛隊幹部ら数十人が靖国神社を集団参拝した。日本軍との連続性を疑わざるを得ず、平和憲法の精神にそぐわない

 教育の分野では皇国史観に偏重した令和書籍の中学校歴史教科書が検定に合格した。沖縄戦に関して旧制中学校・師範学校生の戦場動員志願というかたち」、特攻隊員の戦死散華」と記述している。子どもたちに軍国主義を植え付けた戦前の国定教科書をほうふつとさせる。

 政治家の発言に驚かされる。中国を念頭に抑止力向上を主張した昨年8月の麻生太郎元首相の「戦う覚悟」発言は波紋を広げた。県内でも糸数健一与那国町長が今年5月の講演で「一戦を交える覚悟を説いた

 私たちに求められているのは戦う覚悟拒み平和を築く意思と行動

 新たな戦争犠牲者を出す事態を回避できるか。私たちは時代の分岐点に差し掛かっていることを戦後79年の「慰霊の日」に確認したい。
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コメント
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●「自民党総裁選を嗤(わら)う」新聞求む…《明治から大正、戦前期の昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒鋭く批判し続けました》

2021年09月24日 00時00分11秒 | Weblog

(2021年09月12日[日])
東京新聞の記事【<社説>新聞の存在理由を問う 桐生悠々を偲んで】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/129825?rct=editorial)。

 《気骨のジャーナリスト、桐生悠々=写真=は八十年前のあす十日に亡くなりました。破滅的な戦争へと向かう時代、古巣の新聞界にも批判の矛先を向け、奮起を促し続けた悠々を偲(しの)び、今の時代にも通じる教訓を読み取ります。悠々は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知新聞」や、長野県の「信濃毎日新聞」などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた言論人です》。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふは日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任を
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行」だからである》と〆ています」


   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを
     訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
       壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。
     ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける」

   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
           嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」
    《北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練
     行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った
     桐生悠々
なら何と評するでしょうか》

   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
     デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
    「東京新聞の社説【週のはじめに考える 権力と向き合う覚悟】…
     によると、《全米の新聞、一斉に社説言論の自由への危機感
     …桐生悠々の奮闘を偲ぶ…あす九月十日は、四一年に亡くなった
     悠々を偲(しの)ぶ命日です。百年という時を隔て、また日米という
     太平洋を挟んだ国で同じように、新聞が連帯して時の政権に毅然(きぜん)
     と向き合ったことは、民主主義社会の中で新聞が果たすべき使命を
     あらためて教えてくれます。私たちは今、政権に批判的な新聞との
     対決姿勢を強める安倍晋三政権と向き合います。悠々ら先輩記者や
     米国の新聞社で働く仲間たちの奮闘は、私たちを奮い立たせ、
     権力と向き合う覚悟を問い掛けているのです》。
      《権力と向き合う覚悟》…無しなニッポンのマスコミではなかろうか…」


   『●東京新聞《桐生悠々…にとって一連の言論は、
     犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》
    「《「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが
     「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、
     「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」》と。《桐生悠々…に
     とって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う
     義務の履行だった》。この度、アノ高市早苗氏が総務相に復活。
     アベ様の政で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロールの下、
     《権力と向き合う覚悟》がマスメディアにはあるのだろうか? 
     《義務の履行》を果たしているか?」

 《新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか》。アベ様およびカースーオジサンによる9年近くの《メディアコントロール》の頚木の打破を。《悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます》…箕部幹事長の言う「他山の石」ならぬ、「自」山での「石」だらけ。例えば、腐敗した政権や数多のアベ様案件の責任をとらせてほしい。また、《平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です》。

   『●まだまだ続くのか、ウルトラ差別主義者の失言・暴言
         …福岡8区の皆さん、いい加減に落選させてください
   『●《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)
   『●癒(ゆ)党・《菅義偉の別動隊がいよいよ動き出した》―――
     《部分連合》などと言わずに、スッキリと自公お維で一体化してほしいもの
   『●自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多の

     アベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
   『●総合科学技術・イノベーション会議(菅義偉議長)…《「稼げる大学」へ
         外部の知恵導入 意思決定機関設置、来年法改正》(時事通信)
   『●COVID19対策に「せんにん」するため粛々と政権を無責任に放り
     出してアベ様を《継承》し、一体どこが「国民のために働く。」政権か?

   『●《国会も開かず党の選挙が優先》な自民党…違憲にも国会を開きも
     しない自公お維の暴政を許してはいけない [#投票倍増委員会 会員]
   『●醜悪…《安倍晋三や…麻生太郎が偉そうに派閥の領袖として力を
     行使し、それに対して首相になりたい…や…が上目遣いでご機嫌を…》
   『●《フジロック批判の珍奇さ…ギスギスさせて、失政を自分以外の
     誰かのせいにする、あの技術に、加担してはいけない》(武田砂鉄さん)
   『●山添拓議員の《送検》、八代英輝弁護士の《野党共闘に対する意図的な
      攻撃》とそれに群がるお維議員たち、中村格氏の警察庁長官へ昇格…

   『●《国会を開かなければ、それもできない。これを政治空白と言わず
     して、何と言う。…国権の最高機関である国会の軽視も甚だしい》…

 東京新聞の記事【消費税減税、原発ゼロを追求 4野党、衆院選へ共通政策合意】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/129603?rct=politics)によると、《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の4野党党首は8日、安全保障関連法廃止を求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き、消費税減税や、原発のない脱炭素社会の追求などを盛り込んだ次期衆院選に向けた事実上の共通政策に合意した。合意後、立民の枝野幸男代表は「次期衆院選で共通の政策を掲げ戦えば、必ず政権交代できる。国民の命と暮らしを守る政権をつくる」と語った。共産党の志位和夫委員長も「共通の旗印が立った。選挙に勝利し、政策を実行する政権をつくりたい」と強調した。立民、共産両党は、これを契機に衆院選小選挙区の候補者一本化に向けた調整を加速させる構えだ》そうだ。

   『●《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組…安全保障関連法廃止を
     求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き…共通政策に合意》

 野党の動きをもっと報じて! 何度でも言いますが、自民党総裁は誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/週明け石破茂・元幹事長の出馬あるぞ】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202109100000208.html)によると、《★前首相・安倍晋三、元首相・麻生太郎、党税調会長・甘利明のいわゆる3Aが守りたいものが図らずもわかってきた。前政調会長で総裁選挙に出馬を決めた岸田文雄森友学園について触れただけで過剰に反応したようで岸田はすぐさま修正した。元幹事長・石破茂は党内で嫌われているのか。石破をどうしてもだめだという党内の理由はこの3Aが嫌っているからであり、党の議員として特別、異彩を放つ政策を持っているわけではない。こちらも森友・加計事件だけでなく、桜を見る会などに疑問を持っているだけで3Aから見ればけしからん存在ということのようだ。 ★つまりほじくり返すやつは全部だめということなのだろう。また3回生までは安倍・菅政治しか知らない議員たちで、この2人ににらまれたら怖いと思って同調しているのだろう。だからもともと魅力的な候補者が少ないこの総裁選がどんどんつまらなくなる。すべてが長老議員たちの代理戦争になるからだ。意中の候補を当選させ操りたいというのは、過去の事件を掘り起こさせないためか、それともすべての権力を維持掌握していたいからか。 ★それを問うメディアも長老の介入は迷惑だという候補者もいない。そんな中で29日まで総裁選挙をやり続けても国民の関心は薄れるだろう。9日には政調会長・下村博文、外相・茂木敏充は総裁選への不出馬を発表した。これで党内最大派閥細田派と竹下派は候補者を出さないことになった》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/129825?rct=editorial

<社説>新聞の存在理由を問う 桐生悠々を偲んで
2021年9月9日 07時49分

 気骨のジャーナリスト、桐生悠々=写真=は八十年前のあす十日に亡くなりました。破滅的な戦争へと向かう時代、古巣の新聞界にも批判の矛先を向け、奮起を促し続けた悠々を偲(しの)び、今の時代にも通じる教訓を読み取ります。

 悠々は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知新聞」や、長野県の「信濃毎日新聞」などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた言論人です。

 明治から大正、戦前期の昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒(ひっぽう)鋭く批判し続けました。その報道姿勢は、今も私たち新聞記者のお手本であり続けます。

 悠々は信毎時代の一九三三(昭和八)年八月十一日付の評論「関東防空大演習を嗤(わら)う」が、軍部の怒りや在郷軍人会の不買運動を招いて、信毎を追われます。


◆政府の提灯持ちと批判

 新愛知時代に住んでいた守山町(現名古屋市守山区)に戻った悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます。軍部や権力への旺盛な批判がやむことはなく、同誌の発行は、悠々が喉頭がんで亡くなる直前の四一(同十六)年九月五日号まで続きました。

 ただ、この号は発行に至りませんでした。原稿を活字に組み込んだものの、病状が悪化して、校正作業をするための「校正刷り」段階にとどまったためです。悠々は八日、友人や読者に「他山の石」廃刊の辞を発送し、十日に息を引き取ります。六十八歳でした。

 悠々の「遺言」とも言える最後の九月五日号に掲載されているのが「科学的新聞記者」という記事です。抜粋して紹介します。

 《この頃の新聞に至っては、…全然社会を無視して、時の政府の反射鏡たらんとしている。輿論(よろん)を代表せずして、政府の提灯(ちょうちん)を持っているだけである。そして彼等(かれら)は矛盾極まる統制の名の下に、これを彼等の職域奉公と心得ている》
 《今日の新聞は全然その存在理由を失いつつある。従って人はこれを無くもがなのものとしているけれども、他に代(かわ)ってその機能を果たすものなきが故に、彼等は已(や)むを得ずなおこれを購読しつつある。…今日のだらしない状態である》
 《将来の新聞は科学的でなくてはならない。現在に於(おい)て、全くその態度を一変しても、決して早くはあるまい》《神秘主義を尊奉するに至っては、その存在理由を失うのは明である。見よ、彼等は既にその存在理由を失わんとしつつある。試みに街頭に出て、民衆の言うところを聞け、彼等は殆(ほと)んど挙げて今日の新聞紙を無用視しつつあるではないか》

 軍部が政治の実権を握り、すでに日中戦争に突入し、国家総動員で日米開戦に向かう時代です。

 残された時間の短さを自ら感じ取った悠々は、言論統制や戦争協力に甘んじる新聞や記者の現状を憂い、最後に、書き残しておかねばならないと考えたのでしょう。

 それは、悠々にとって「言いたいこと」ではなく「言わねばならないこと」だったはずです。


◆今の時代に通じる警鐘

 私たちが暮らしている今の日本は当時と違い、憲法で言論、報道の自由が保障されています。しかし、悠々の指摘は、今の時代にも通じる警鐘に思えてなりません。

 新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか。ネット時代に新聞は本当に求められているか。存在理由はどこにあるのか−。

 悠々が亡くなったのは日米開戦の三カ月前でした。「他山の石」廃刊の辞では「唯(ただ)小生が理想したる戦後の一大軍粛を見ることなくして早くもこの世を去ることは如何(いか)にも残念至極に御座候」と、戦後の軍縮をも予想しています。

 悠々が理想とした一大軍縮は、日本では戦後、戦争放棄戦力不保持平和憲法に結実し、日本は戦争のない時代を過ごします。

 しかし、平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です

 生涯言論人であり続けた悠々は私たちの新聞にとって、進むべき方向を示す「極北の星」のような存在です。《今日の新聞は全然その存在理由を失いつつある》。悠々が最後に書き記した一節は、没後八十年の新聞を担う私たちにも自問自答を迫ります。
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●第2波が高止まりのまま、無謀なGoTo強行。そして、いま、第3波のほんの入り口かもしれない…懸念通りの感染拡大。市中感染拡大

2020年11月26日 00時00分15秒 | Weblog

[※東京都の新規感染者数 (東京新聞 2020年11月19日)↑(https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=69219&pid=181293)]



cakesのコラム【ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 武田砂鉄/東京五輪どころではないのだから】(https://cakes.mu/posts/32379)。

 《あちこちで、東京オリンピック・パラリンピックをやるべきではない、と言い続けているのだが、「五輪を目指している選手の気持ちを考えてほしい」という決まり文句が、選手以外から発せられる。先日、東京五輪について考える新聞社主催のトークイベントに登壇したのだが、直に選手と接している運動部の記者に聞いたところ、表立っては言わないものの、選手からも中止になるのも致し方ない」「どうしても大会をやらせてほしいというのは選手のエゴ」との声が出てきていると聞いた》。
 《そのスピーチとは、例の「アンダーコントロール」発言である。ウソのスピーチを功績と褒め称えたのである。どうしても五輪をやりたい人たちが、獰猛な勢いで、なんとかやり遂げようと開き直っている。無理やり気持ちを高めようとしてくる。コロナ禍で、ありとあらゆる不安を抱えながら生きている現在、たとえ個々の力は弱くても、それどころではないんです、と冷静に追い払わなければいけない》。

[※ 【1都3県の新規感染者数の推移】(東京新聞 2020年7月17日)↑]



【東京都の新規感染者数】(東京新聞 2020年11月19日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=69219&pid=181293

 第2波が高止まりのまま、無謀なGoTo強行。そして、いま、第3波のほんの入り口かもしれない…懸念通りの感染拡大。市中感染拡大。スカスカオジサンは市井の生活も経済も破壊したいらしい。
 正気か?―――「人類が新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪として開催?

   『●東電核発電人災汚染水放流に反対…(筆洗)《取り除くべきは
     放射性物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
    《東京五輪の招致の際は「復興五輪」と連呼しながら、いつのまにか
     その掛け声は人類が新型ウイルスに打ち勝った証し
     コロナ克服五輪へとすり替わったように、菅首相も「現場主義に
     徹して復興をさらに前に進める必要がある」と口にしながら、
     予算大幅削減の方針からも被災地軽視の態度は明らかだ

   『●バッハ会長とニッポン人だけで金(カネ)色の五つの輪を「人類が
      新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪」として開催?

 金(カネ)色の五つの輪の政治利用 ――― 青木理さん「率直に言うと、オリンピックの政治利用なんですよ。…オリンピックを何としてもやって、それをスケジューリングしつつ解散のタイミングを計るなんてことをずっと言っている、これも政治利用…」(サンデーモーニング 2020年11月22日)。
 同じく、「コロナ克服五輪」という金(カネ)色の五つの輪 ――― 安田菜津紀さん「オリンピックは開催ありきでいいんだろうか…、はたしてオリンピックは数合わせなのかということ、経済力っていうのが事実上の線引きになってしまいかねないのであれば、いわゆる平和の祭典と呼べるものなのかどうかも含めて、改めて、そこに立ち返らなければならないと思います」(サンデーモーニング 2020年11月22日)。

 世界の嘲笑 ――― 「人類が新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪」。
 日刊ゲンダイの記事【“開催ありき”のIOCバッハ会長訪日 海外メディアが酷評】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/281512)によると、《気になるのは、「バッハ訪日」を巡る国内外メディアの温度差だ。国内大手の大半は「連携確認」「ワクチン、IOCがコスト負担」とヨイショ見出しが躍ったが、海外メディアはバッサリ酷評しまくっている。…■森会長を「裏金疑惑」で追及海外メディアは「五輪より人命」が当たり前の感覚…海外メディアの方が、東京五輪を取り巻く厳しい現実を正確に伝えているようだ。…谷口源太郎氏がこう言う。…「国内主要メディアは大会スポンサーになっていますから、厳しい報道を控えるのは当然です。批判的な記事を幹部に差し止められた記者がいたことも明らかになっています。欧州を中心としたコロナの状況を見れば、開催が難しいのは明らか。海外メディアは『五輪より人命』という当たり前の感覚で報じていますが、国内メディアにはそれができないのです。“お祭り”を持ち上げてばかりでは、真実は伝わりません」…国民が目を向ける真実にメディアがソッポとは、異常事態だ。》


   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》
    「オリンピックスポンサーになることの意味合い。中日新聞は、東京新聞の
     東京五輪批判を控えるよう「恫喝」されたらしい」

 《本間龍…さんの言葉。…「もともとオリンピックのスポンサーは原則的に『一業種一社』だったのが、電通が金儲けのためにその原則を崩してしまった。」らしい。「問題点を検証できる新聞のようなメディアが軒並みスポンサーに入ってしまっては、議論もできなくなってしまう。」》。
 権力への批判精神を忘れた新聞…ジャーナリズムの存在意義はどこに行った? 権力の監視》《権力のチェック機能》《番犬ウォッチ・ドッグジャーナリズムが失わる行く…。東京新聞は、先ずは、《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出などについて報じてはくれまいか? 頼れるのは東京新聞だけだ。リテラ記事の〆の言葉…《五輪を大義名分にして国民に強いる自己犠牲の精神”は、戦時体制をつくり上げた国家総動員の再来だ。にもかかわらず、新聞社が大会スポンサーに成り下がって盛り上げ役となり、その問題の根深さ、危険性に警鐘を鳴らして正面から批判できないのならば、戦争に加担した負の歴史と同じことを繰り返しているようなものだろう》。世も末だ。


 感染経路不明者の多さ…無症状感染者を特定しない無為無策無能が市中感染を広げている。
 東京新聞の記事【東京都、新型コロナの警戒度「最高」へ 神奈川、埼玉も新規感染者の最多更新 感染経路が多様化】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/69219)によると、《東京都は18日、新型コロナウイルスの感染者が新たに493人報告されたと発表した。1日当たりの感染者数は8月1日の472人を上回って過去最多を更新。都関係者によると、都独自に設けている感染状況の警戒度を、4段階中で最も深刻な「感染が拡大している」へ、2カ月ぶりに引き上げる方向で検討している。専門家を交えて開く19日のモニタリング会議で最終判断する。(小倉貞俊) 神奈川県、埼玉県なども最多を更新し、全国の感染者は初めて2000人を超えた》。

 《自助》大好きオジサンは、一体どんな《公助》を? 検査検査検査・追跡・保護の徹底もなく無為無策無能な政権がGoToで感染拡大…。
 東京新聞の記事【社説/クラスター多発 感染の連鎖を断ちたい】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/69265?rct=editorial)によると、《新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない。ここでなんとしても拡大を抑えたい。特にクラスター(感染者集団)の発生が増えている。科学的知見を生かし、できる対策に取り組みたい。北海道は感染拡大を受け札幌市内での不要不急の外出や、市内外の往来の自粛要請を決めた。今の感染拡大はペースが速く、中高年層にも広がっているのが特徴だ。注意を要するのはクラスターの多発である。医療機関や高齢者施設での発生が目立つ。患者や高齢者は重症化リスクが高い。医療機関での発生は医療スタッフの確保にも支障がでかねない。入院患者、入所者、医療スタッフへの検査を徹底し、施設内へのウイルスの侵入を阻止したい》。

 第三波がどうした!、《自助》で自己責任だ!! ―― と聞こえる。あまりの無為無策無能ぶり。
 リテラの記事【コロナ再拡大の最大の戦犯は菅首相だ! いまだ専門家の「GoToが原因」指摘を無視して「静かなマスク会食を」の無責任ぶり】(https://lite-ra.com/2020/11/post-5701.html)によると、《「政府としては、地方公共団体がおこなう営業時間の短縮要請の支援の決定をするとともに『GoToイート』については原則4人以下で飲食をすること、こうしたことを知事に検討することをお願いいたしました」「ぜひみなさん、静かなマスク会食、これをぜひお願いをしたい。私もきょうから徹底したいと思います」「最大限の警戒状況にある」と言いながら、「マスクを付けて会食しよう」と呼びかける……。》

 東京新聞の記事【「Go To」感染拡大のきっかけ 日本医師会長 「コロナ甘くみないで」 】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/69221)によると、《感染者増と観光支援事業「Go To トラベル」の関連については「エビデンス(証拠)がなかなかはっきりしないが、きっかけになったことは間違いない」と述べた。(井上靖史)》。

 最後に、日刊ゲンダイの記事【米津玄師・カナリヤ基金で寄付の人間性 菅首相見習えば?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/281597)によると、《19日に「カナリヤ」のMV(ミュージックビデオ)を公開した米津玄師。MVは、「万引き家族」で第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した是枝裕和監督が制作。…MVは公開と同時に話題となり、ユーチューブはあっという間に数時間で再生回数が45万回を超えた。さすがは「米津・是枝」の最強タッグの作品だが、驚くのはそれだけじゃなかった。米津は「カナリヤ」が収録されているアルバム「STRAY SHEEP」の収益の一部を、「カナリヤ基金を通じてコロナ禍で困窮している方々に寄付していく」と公表したのだ。…そんな米津と対照的なのが菅首相だ。コロナ禍で苦しむ国民生活を一顧だにせず、「静かなマスク会食と呼び掛けるばかりで1円のカネも出す様子もない。頭にあるのは解散の時期だけ他人に寄り添うどころか自分のことしか考えていない。おそらく、菅首相はカナリヤのMVを見ても何も感じないのではないか》。

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https://cakes.mu/posts/32379

ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜
武田砂鉄

東京五輪どころではないのだから
今だけ無料 2020年11月18日

 国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長が来日、来年に予定される東京五輪の観客を受け入れての開催を「確信している」と述べました。コロナ禍で開催すべきか否かが議論されがちな東京五輪ですが、武田砂鉄さんは「議論すべきは、コロナだけではない」と言います。その理由とは?


「選手の気持ちを考えてほしい」とか言う

 あちこちで、東京オリンピック・パラリンピックをやるべきではない、と言い続けているのだが、「五輪を目指している選手の気持ちを考えてほしい」という決まり文句が、選手以外から発せられる。先日、東京五輪について考える新聞社主催のトークイベントに登壇したのだが、直に選手と接している運動部の記者に聞いたところ、表立っては言わないものの、選手からも「中止になるのも致し方ない」「どうしても大会をやらせてほしいというのは選手のエゴ」との声が出てきていると聞いた。

 ほら、選手も中止を受け入れようとしてるじゃん、と言いたいわけではない。新型コロナウイルス感染拡大によって、ありとあらゆる生活が揺さぶられ、多くの人が仕事を失い、この先への不安を強く持っているそんな時になぜ、東京五輪の開催ばかりを優先するのか、というシンプルな疑問が放置される。その疑問に明確に応えてくれる人は、推し進める人たちの中には見当たらない。オレらは、やると言ったらやるんだ、に酔っている。第三波がやってきた現在、菅義偉首相は「強い警戒感で注視」などと述べる一方で、五輪については「新型コロナウイルスに打ち勝った証」として開催したいとする。「これからオレが倒してきますんで、後でパーティをしようよ!」ですらなく、「大変な状況ですね。じっと見ていますよ。夏には楽しみましょうね!」なのである。それを「打ち勝つ」と表現している。これは、ただの理不尽だ。


IOCのバッハ会長「中止については議論しない」

 今、メディアで、東京五輪開催への賛成・反対が問われる際、コロナ感染拡大が止まらない中で開催するべきなのかに議論が絞られているが、この絞り方では、これまでの経緯がすっぽ抜ける。議論すべきは、コロナだけではない。東京は安全」(竹田恒和JOC元会長)などと被災地を踏み潰しておきながら復興五輪を名乗ってきたこと。シンガポールのペーパーカンパニーへの賄賂疑惑を放置していること。暑さ対策やボランティアの体制不備などの問題が解決されているとはいえないこと。従来の想定から膨らみ続ける開催費について根本的な検証が行われていないこと。などなど、理由はいくつもある。「コロナだけど、五輪できるの?」を議論する前に、いつの間にか外されている議題の存在を再度戻して問う必要があるし、それらを並べれば、答えはすぐに出ると思う。

 今週頭から、IOCのバッハ会長が来日している。来日前から「中止については議論しない」と明言しており、多くのスポンサーが契約延長に慎重になっているなかで、開催の意思を改めて強調することを目的としている。彼が来日する前、政府+東京都+組織委員会で会議が開かれ、外国人の観客について、原則として14日間の待機を免除する方向で進めることとなった。その理由を、組織委員会の武藤事務総長は「外国に住むチケット保有者は数も多く、2週間の隔離や公共交通機関の制限は現実的でない」としたのだが、現実的ではないのはどちらだろう


スーパーに集まる主婦たち、とは

 IOC委員で国際体操連盟会長の渡辺守成氏が日刊スポーツのインタビューに応じ、「今の東京五輪は丘の上の豪邸。そこが火の車になろうが、コロナでどうしようが、全く国民は興味がない。そうではなく、みんな一緒に長屋に住んでいて火事になれば、みんなで助ける。そういう大会にならないと支持は得られない」と答えている。意味が不明だが、それでも懸命に頭を使って理解しようと試みれば、「今、五輪ができるかどうかさえわからない大変な状態だけど、この窮状を、スポーツ関係者だけで分かち合うのではなく、国全体の動きにすればいい、みんなで大変な思いをすれば、みんなで助けようとするだろう」ってことなのか。先に述べたように、ここで、私たちの疑問が「コロナ禍だけど、五輪できるの?」だけになってしまうと、うっかり渡辺氏の問いかけに乗っかってしまう。「できる」「できない」ではなく、「それどころではない」に差し戻す必要がある。

 渡辺氏は続ける。「組織委の情報公開や広報戦略もまだまだだ。情報をどんどん出して、スーパーに集まる主婦たちが『五輪応援してるわ』というぐらいにならないといけない」。うまいこと広報すれば、主婦の支持を得られると考えているらしい。主婦を舐めている。空気の管理、つまり、機運の醸成だけでどうにかなると思っている。あちこちで店が潰れ、仕事がなくなり、そして、そうならないようになんとか踏ん張っている人・組織ばかりだ。これだけの嘘と疑惑と浪費が重なっている状態を見て、主婦の「応援してるわ」を易々と獲得できるはずがない。


「国民の皆さんとアスリートが同じ気持ちでなければ」

 「開催しなければ日本の経済がガタガタになる」とも渡辺氏は言う。五輪推進派の主張には、この手のものが多い。でもこれって、「開催しなければ、五輪によって得られる利益がなくなり、日本の経済に影響を与えてしまう」という意味であって、それ自体は正しい。しかし、コロナによってすでにガタガタになっている経済状況のなか、五輪を何よりも優先する必要はない。何かを優先すれば、何かが優先されなくなる。優先するのは五輪ではないだろう。

 先日、日本で行われた体操の国際大会の閉会式で、内村航平選手が「どうか、(五輪が)できないというふうに思わないでほしい」「どうやったらできるのか皆さんと考え、どうにかできる方向に変えてほしい」「国民の皆さんとアスリートが同じ気持ちでなければ大会はできない。やり方は必ずある」と述べた。アスリートが「やりたい」と思う気持ちは理解できる。しかし、なぜ、「国民の皆さん」まで、「同じ気持ち」にならなければならないのだろう


それどころではないんです

 来日したバッハ会長は、安倍晋三前首相にIOCの功労章「オリンピック・オーダー」を贈った。2013年のIOC総会のスピーチで「IOC委員を納得させて、準備状況に対する疑問の払拭について大きな役割を果たした」(NHKニュース)ことが受賞理由の一つだという。そのスピーチとは、例の「アンダーコントロール」発言ある。ウソのスピーチを功績と褒め称えたのである。どうしても五輪をやりたい人たちが、獰猛な勢いで、なんとかやり遂げようと開き直っている。無理やり気持ちを高めようとしてくる。コロナ禍で、ありとあらゆる不安を抱えながら生きている現在、たとえ個々の力は弱くても、それどころではないんです、と冷静に追い払わなければいけない。
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●《行動は自粛しても批判は自粛しちゃだめだ。緊急事態宣言の発令を歓迎している場合じゃない。ひるまず「マジか!」を続けよう》

2020年04月15日 00時00分42秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>「総合調整」のその先】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1104201.html)。
大変に申し訳ありません。ツイッター(https://twitter.com/Only1Yori/status/1248371724539715586)から文字起こしさせていただきます。斎藤美奈子さんの、東京新聞のコラム【本音のコラム/マジか! の効用】。

 《行列の中で話していると警察官が飛んでくる。「わたしたちがたがひにデマかなにかを喋(しゃべ)り合つてゐるんぢやないかと疑つてかかつてるんでせうね」…▼「天皇のため」「お国のため」を掲げ、異論を許さず、表だって反対しづらい大きな目標達成への同調を強いる力が支配した。それを過去の過ちで済ませることができるだろうか》。
 《行動は自粛しても批判は自粛しちゃだめだ緊急事態宣言の発令を歓迎している場合じゃないひるまずマジか!を続けよう》。

   『●《国民が信用しない政府》《調査しない政府》など《……ない政府》
     (鈴木耕さん)…そんな独裁者が〝戒厳令〟という凶器を振り回す…
   『●《耳目を引く策を打ち出し、手なずけたマスメディアやSNSを駆使して
       「世論」を作り出せば、愚策も「英断」となり、支持率は上がる》…
   『●2020年4月6日朝のニュース【首相、初の緊急事態宣言発令へ】
     …ついに、無能無為無策、不作為なアベ様が凶器を振り回す時が来た…
   『●経済対策による感染症拡大対策…小池晃さん「補償なき緊急事態宣言では、
          いくら休みたくても、働きに出るしかない市民がたくさんいる」
   『●《悪魔》はアベノマスク2枚だけを残して…アベ様「最悪の事態に
       なった場合、私は責任をとればいいというものではありません」
   『●《なぞかけ名人…お題を出すとこんな内容が返ってきた。「布マスク」
     とかけまして「森友学園や桜を見る会」と解きます。その心は「…」》

 狂気な凶器を振り回す…。《従来の外出自粛とそう変わらない。ただ首相は、NHKなど指定公共機関に「総合調整」や「指示」ができるようになる民放に対しても放送内容を指示する可能性が指摘されたことは、感染への危機感が高まる中であまり意識されていないのではないか。…「宣言で自粛以上のことはできない。一つできるのはNHKへの指示だ野党も国民も問題意識がない」…感染症は怖いが言論統制も恐ろしい》。私権を制限し、自粛を促すが、支給・補償はしない。そして、報道統制
 《口封じ》だけでなく、アベ様の山積する犯罪や劇薬な宣言に伴う私権の制限や報道統制から目をそらさせるための〝目隠し〟にもアベノマスクは使われるのかも…。

 斎藤美奈子さんは、《行動は自粛しても批判は自粛しちゃだめだ緊急事態宣言の発令を歓迎している場合じゃないひるまずマジか!を続けよう》と。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1104201.html

<金口木舌>「総合調整」のその先
2020年4月9日 06:00
新型コロナウイルス 言論統制 緊急事態宣言 金口木舌

 行列の中で話していると警察官が飛んでくる。「わたしたちがたがひにデマかなにかを喋(しゃべ)り合つてゐるんぢやないかと疑つてかかつてるんでせうね」

▼劇作家の井上ひさしさんの戯曲「きらめく星座」は、そんな大戦前夜の空気を描いた。国家総動員法の下、「一億一心」を合言葉に言論が統制されつつある時代でもあった

天皇のため」「お国のためを掲げ異論を許さず表だって反対しづらい大きな目標達成への同調を強いる力が支配した。それを過去の過ちで済ませることができるだろうか

▼新型コロナウイルス感染症のまん延防止で安倍晋三首相は緊急事態宣言を出した。欧州のような厳格な外出制限はできず、従来の外出自粛とそう変わらない。ただ首相は、NHKなど指定公共機関に「総合調整」や「指示」ができるようになる

▼宣言の根拠となる特措法改正の国会審議で、民放に対しても放送内容を指示する可能性が指摘されたことは、感染への危機感が高まる中であまり意識されていないのではないか。武田徹専修大教授(メディア社会学)は「宣言で自粛以上のことはできない。一つできるのはNHKへの指示だ野党も国民も問題意識がない」と憂慮する

▼10年前のきょう亡くなった井上さんをしのぶ「吉里吉里忌」も新型コロナウイルスで中止となった。感染症は怖いが言論統制も恐ろしい
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https://twitter.com/Only1Yori/status/1248371724539715586

本音のコラム
マジか! の効用
斎藤美奈子


 このところ、日本中から連日「マジか!」の声が聞こえてくる。

 「新型コロナウィルス感染症対策として、和牛商品券をを配ります」

 マジか! お肉券より日本銀行券だろ。

 「全世帯に2枚ずつ布マスクを配布します

 マジか! あんたはアベノマスクかい。

 こうした声に対し、いまは国難なんだから政府の批判や牽制は控えろという人たちがいる。

 それ、話が逆だから。

 第一に私たちは主権者だ。口を出すのは当たり前である。第二にこんな時だからこそ知恵を結集する必要がある。おかしな策に対してはマジか!といってやったほうがいいのである

 現に「マジか!」の連呼で和牛商品券案は立ち消えた。布マスク二枚案は決行の由だが、現物支給じゃ人は納得しないと高官は気づいただろう。

 「自粛を要請するなら補償とセットだろ」コールはさすがの政府も重い腰を一応上げた。無策な政府に仕事をさせるには市民の批判と外部のプロの提案が必須。黙っていたらどうなることか。

 「マジか!」な局面はまだ続く。検査のハードルは相変わらず高い。三十万円給付の内実はトホホだし、三十九兆円の財政支出も中身は不透明。行動は自粛しても批判は自粛しちゃだめだ緊急事態宣言の発令を歓迎している場合じゃないひるまずマジか!を続けよう。(文芸評論家)
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●《8011億円》って誰のお金? 金(カネ)色の五つの輪の《総コストは三兆円》…あまりに愚かしい

2018年10月09日 00時00分04秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



東京新聞の森川清志記者の記事【五輪経費 膨らむ恐れ 国すでに8011億円支出】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018100590070827.html)。

 《二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを巡り、会計検査院が準備状況を調べた結果、直近の五年間に国が支出した費用が約八千十一億円に上ることが四日、分かった。大会組織委員会は経費総額を一兆三千五百億円とし、うち国の負担分を会場整備費を中心に約千五百億円としていたが、大きく上回った格好だ。東京都も負担分以外に約八千百億円の関連経費を見込んでおり、新たに判明した国の費用と今後予想される支出も踏まえると、総コストは三兆円に達する可能性》。


 《8011億円》って誰のお金? 経済的にもコンパクトな五輪になるはずだったのでは? 金(カネ)色の五つの輪だね。その《総コストは三兆円》…あまりに愚かしい。アベ様は、《世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切って》ウソで塗り固めた主張で、そして、開催権の獲得のためにお金が動いていたようですし、ウラアリなオモテナシにより、まんまと五輪開催権を獲得しました。一旦、開催権さえ得てしまえば、湯水のように税金を投入し、テレビ局も含めて五輪スポンサーからカネを集め、放映権料をぼったくり、一方でタダボラで学生らを《徴兵》する。「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)に学生を〝献上〟。
 「オモテナシにはトンデモなウラア…「国家総動員体制2020」に。ボランティアの名の下に《学徒》動員、そして、企業《戦士》も《死を賭した五輪…特攻五輪》(斎藤美奈子さん)へと駆り出される。さらに、《中小企業や町内会、PTA》にも《徴兵》の割り当てがやってきて…「国家総動員体制2020」の完成・恒久化。たかが《1カ月間の祭典のために》(斎藤貴男さん)、「まあ、いいか」と気にも留めずに、熱狂している間に。市民・マスコミはアベ様らに「しつけ」られている」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/df519e96527a1009823d5e57938c6d42)。
 それだけのお金があれば、一体何ができただろうか?

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
                  出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●「開催権返上の決断」:
      「完全にブロック」「情況はコントロール」されてはいない我国こそ

   『●東京五輪と東電原発人災の現実: 
         「ダダ漏れは数字で歴然」・・・・・・
   『●ベトナム、核発電建設「延期」…
      ハノイ・アジア大会開催権返上といい、至極真っ当な判断
   『●室井佑月さん「それとこれは別です」:  
      東京の五つのダークな輪と3.11東電原発人災と共謀罪と…
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国
   『●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても
                   彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ
    「《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出に応じても、
     「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様や最低の官房長官
     キト・小池百合子東京「ト」知事、サメ脳森シンキロウ元首相らが
     喜ぶだけです」
    「最後に、報道機関がスポンサーになり、批判不能に…これは大問題です。
     本間龍さんの指摘《黙殺の仕掛けは組織委と大手メディアが
     運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが
     東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして
     組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を
     書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、
     テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ》。
     東京新聞までが「恫喝」に屈するようでは…」

   『●金(カネ)色の五つの輪のオモテナシにはトンデモなウラアリ…
                        「戦時体制に慣らすための予行演習」?
    《一体、誰のためのオリンピックなのか──。…極暑対策として「打ち水」や
     サマータイム導入を打ち出したかと思えば、大会期間中はネット通販を
     控えろだの、銀メダルの原材料が足りないから回収を強化しろだの、
     ボランティアを集めるために大学・高専の授業や試験期間を
     繰り上げろだのと、「五輪開催のために国民は犠牲を払え
     と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための
     予行演習なのでは?」と思わずにいられない》

   『●「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)…
        五輪開催権を返上し、「玉砕」する前に「転進」すべき
    「《せめて協賛企業の一社でもこの日程ならスポンサーは降りると表明
     しないか待っているのだが》…中日新聞辺りがやらないものでしょうかね?
     東京新聞が内部から、それを突き上げないものか」

   『●「大学が学生を動員してアベ独裁に差し出すような行為…
          学問よりも権力への忠誠を優先するのが大学」か?
   『●鈴木耕さんの「東京オリンピック…は返上すべきじゃないだろうか」、
                           毬谷友子さん「五輪は返上します」
   『●「どっからどうもってきて出すのか」…軍事費を削り、
        弱者救済や災害復旧、防災にこそ血税を使って下さい
    「【室井佑月「次に巨大災害が起きたら?」】…《政府が災害対応に
     充てるつもりのお金は、ぜんぜん足りていないということだ。この先、
     年度末までもう災害は起きない保証もないのに。…お金は無尽蔵に
     あるわけではないから、災害対応費、どこをどう削ってもってくるかは
     とても重要なことだ》。軍事費を削れ。弱者救済や災害復旧、
     防災にこそ血税を。《オリンピックを辞退し、そのお金を被災者や、
     これから起こりえる災害の対応費にまわしたほうがいいんじゃないの?》
     とも、全く賛成」

   『●カネ色の五つの輪: 「巨大なビジネスなのに
     ボランティアはタダ働きっておかしいと思うのは、私だけ?」

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018100590070827.html

五輪経費 膨らむ恐れ 国すでに8011億円支出
2018年10月5日 朝刊

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを巡り、会計検査院が準備状況を調べた結果、直近の五年間に国が支出した費用が約八千十一億円に上ることが四日、分かった。大会組織委員会は経費総額を一兆三千五百億円とし、うち国の負担分を会場整備費を中心に約千五百億円としていたが、大きく上回った格好だ。東京都も負担分以外に約八千百億円の関連経費を見込んでおり、新たに判明した国の費用と今後予想される支出も踏まえると、総コストは三兆円に達する可能性がある。

 組織委は大会に直接関係がある経費を総額として公表してきたが、検査院は各省庁の関連施策費も集計。その中には「天然痘ワクチンの備蓄」など関連が薄いとみられる事業も含まれており、検査院は国に、施策と大会との関連性を精査して経費の規模の全体像を示すよう求めた。

 検査院によると、国は一六年度以降(1)運営や開催の成功に資する(2)招致を受けて新たに行う-の要件を満たす施策を直接関係があるものとして公表。一六、一七年度に計上された予算は計約八百四十六億円だった。

 一方、国は一七年五月に公表した取り組み状況の報告書で、十五分野の計七十施策を関連するものとして整理。これらの予算総額は公表しておらず、検査院が各省庁に問い合わせて集計した結果、一三~一七年度に二百八十六事業が実施され、支出額が計約八千十一億円に上ることが判明した。その中には、要件を満たす総務省のセキュリティー対策が入る一方、関連性の「線引き」が不透明なケースが散見された。

 新たに判明した八千十一億円を年度別に見ると、一三年度の八百七十二億円から年々増加し、一七年度は二千五百八十四億円。検査院は今後も多額の支出が予想されると指摘している。

 いったん計画が白紙化され、新たに整備が進む新国立競技場の工費のうち、都が負担分の三百九十五億円を支払っておらず大会後の改修の財源などが決まっていないことも判明した。


◆総額公表しチェック仰げ

 東京大会の経費総額が三兆円に達する可能性が出てきたのは、今回が初めてではない。

 舛添要一前都知事は二〇一六年二月の本紙インタビューで「三兆円ぐらいかかるつもりで準備する」と説明。小池百合子知事が設置した調査チームも同年九月、三兆円を超える可能性に言及していた。

 一方、当時の五輪相は総額を「組織委も政府も把握していない」と国会で答弁した。

 「東京大会は総費用がいくらかかるのか」。本紙は一六年二月、そんな疑問を紙面で投げかけた。一二年ロンドン大会では、英政府が開催五年前に公的資金の総額を公表し、下院や監査局が予算のチェックを始めたことも紹介した。

 東京大会で集める民間資金は六千億円程度とされるため、残りは税金などが充てられる。五輪との関係が薄いのに、関連事業として税金を多く投入するなら納税者の理解は得られず、大会を盛り上げようという機運にも水を差しかねない。

 ロンドン大会では、使途の内訳や推移を定期的に公表し、当初公表した総額の枠内で収めたという。総額をはっきりさせないまま、ずるずると額が増えることがないよう、組織委、都、国は、それぞれ透明性を持って大会の準備を進め、使途について継続的に国民のチェックを仰ぐ必要がある。 (森川清志)
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●鈴木耕さんの「東京オリンピック…は返上すべきじゃないだろうか」、毬谷友子さん「五輪は返上します」

2018年09月16日 00時00分58秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



マガジン9のコラム【鈴木耕 言葉の海へ/第44回:東京オリンピックと大災害】(http://maga9.jp/180912-4/)。

 《ほんとうに、何が「お・も・て・な・し」だよ。五輪招致の国際会議のあのシーン、思い出しただけで腹が立つ。…「東京オリンピック返上」、どうだろう? この「災害列島日本」に住む人間のひとりとして、ぼくは自分の生まれ育った国土が愛おしい。その国土が蝕まれていくのをじっと見ているのは辛い。その程度には、ぼくだって「愛国者」なのである》。

 鈴木耕さん《ぼくは少し前、こんなツイートをした。〈やはり「東京オリンピック」は返上すべきじゃないだろうか。この災害列島に、そんなことをやっている余裕があるのか。2兆円を超えるというオリンピック費用は被害者援助や災害対策に使うべきでしょう。それに、こんな災害多発の列島に、ほんとうに外国のアスリートたちは喜んでくるのか?〉…同じような例を見つけた。女優の毬谷友子さんが、こんなツイートをしていたのだ。〈今日、「これからの2年、西日本と北海道の復興に全力を挙げて取り組むので五輪は返上します」と言ったら、世界中が納得すると思うな。日本の本当に、ごく一部の人たちを除いて。〉》…大賛成。今からでも遅くない。
 2020年真夏、酷暑の中、台風や大地震、「想定不適当事故」な全電源喪失ブラックアウト)、核発電所事故など…がつづいては、「お・も・て・な・し」もヘッタクレも無いでしょうに。
 「非国民」からのコメントへの「愛国者」としての鈴木耕さんの御答えもコラムに。是非、ご覧ください。

 壊憲、緊急事態条項…まで画策なアベ様。
 オモテナシにはトンデモなウラアリ…「国家総動員体制2020」に。ボランティアの名の下に《学徒》動員、そして、企業《戦士》も《死を賭した五輪…特攻五輪》(斎藤美奈子さん)へと駆り出される。さらに、《中小企業や町内会、PTA》にも《徴兵》の割り当てがやってきて…「国家総動員体制2020」の完成・恒久化。たかが《1カ月間の祭典のために》(斎藤貴男さん)、「まあ、いいか」と気にも留めずに、熱狂している間に。市民・マスコミはアベ様らに「しつけ」られている。

   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                 …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》
    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
     それ、常識。》《党派性をもたずに政治参加は無理である。》

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》

   『●『追及力 権力の暴走を食い止める』(望月衣塑子×森ゆうこ著)読了
                    …《今、ジャーナリズムと野党の…》

   『●「公平・公正な報道」を求める文書の「こと細かな注文に従うのか」? 
                            「報道の自由」を行使するのか」?
   『●浅野健一さん、「口先で…批判…トランプ大統領よりも、
            メディアを手なずけている安倍首相のほうが悪質」
    「日刊ゲンダイの記事【巨悪に甘い日本の大メディア 米紙トランプ一斉批判で
     露呈】…《とうとう米国内のメディアから集中砲火を浴びたのだが、
     日本の大メディアはこの“ケンカの作法”を学ぶ気はないらしい
     ■マスコミを懐柔する安倍首相は野放しに》」

   『●目加田説子さん「「今」に潜む危機を執拗なまでに伝え続けること
                   …戦争と平和に関わる報道の重要な使命」
    「【「戦争と平和」報道の使命 目加田説子】…。《だまされるということ自体が
     すでに一つの悪である》。伊丹万作監督の言葉。
     …《執拗なまでに伝え続けること》」

 残念ながら、ニッポンのマスコミには期待できそうにもない。五輪スポンサーを下りる…「中日新聞辺りがやらないものでしょうかね? 東京新聞が内部から、それを突き上げないものか」…と期待はしていますけれど。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
                  出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●「開催権返上の決断」:
      「完全にブロック」「情況はコントロール」されてはいない我国こそ

   『●東京五輪と東電原発人災の現実: 
         「ダダ漏れは数字で歴然」・・・・・・
   『●ベトナム、核発電建設「延期」…
      ハノイ・アジア大会開催権返上といい、至極真っ当な判断
   『●室井佑月さん「それとこれは別です」:  
      東京の五つのダークな輪と3.11東電原発人災と共謀罪と…
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国
   『●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても
                   彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ
    「《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出に応じても、
     「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様や最低の官房長官
     キト・小池百合子東京「ト」知事、サメ脳森シンキロウ元首相らが
     喜ぶだけです」
    「最後に、報道機関がスポンサーになり、批判不能に…これは大問題です。
     本間龍さんの指摘《黙殺の仕掛けは組織委と大手メディアが
     運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが
     東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして
     組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を
     書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、
     テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ》。
     東京新聞までが「恫喝」に屈するようでは…」

   『●金(カネ)色の五つの輪のオモテナシにはトンデモなウラアリ…
                        「戦時体制に慣らすための予行演習」?
    《一体、誰のためのオリンピックなのか──。…極暑対策として「打ち水」や
     サマータイム導入を打ち出したかと思えば、大会期間中はネット通販を
     控えろだの、銀メダルの原材料が足りないから回収を強化しろだの、
     ボランティアを集めるために大学・高専の授業や試験期間を
     繰り上げろだのと、「五輪開催のために国民は犠牲を払え
     と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための
     予行演習なのでは?」と思わずにいられない》

   『●「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)…
        五輪開催権を返上し、「玉砕」する前に「転進」すべき
    「《せめて協賛企業の一社でもこの日程ならスポンサーは降りると表明
     しないか待っているのだが》…中日新聞辺りがやらないものでしょうかね?
     東京新聞が内部から、それを突き上げないものか」

   『●「大学が学生を動員してアベ独裁に差し出すような行為…
          学問よりも権力への忠誠を優先するのが大学」か?
    「最高学府の堕落…「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)に学生を
     〝献上〟。《大学が学生を動員してアベ独裁に差し出すような行為》…
     《学問よりも権力への忠誠を優先するのが大学》なのか? それは、
     ボランティアなのか?
       斎藤貴男さんのメッセージ。《若者たちよ、立ち上がれ。権力に盲従して
     動員に乗れば、単位が得られ、あるいは就活を有利にするのかもしれない。
     だが、その代わりに失うのは、人間としての自由な魂だ。そのことを
     理解した上で行動してほしいと、心から願う。人間は虫けらではないのである》」

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http://maga9.jp/180912-4/

言葉の海へ
第44回:東京オリンピックと大災害
By 鈴木耕  2018年9月12日


異常気象続きの日本列島

 こんなに大災害が続いた夏があっただろうか。
 大阪で大きな地震があったのが6月18日のこと。この地震では、ブロック塀の下敷きになって小学4年生の女児が死亡するなど、4人の死者。被害家屋は3万戸にも及んだという。
 広島や岡山など中国地方を襲った豪雨災害は、6月末から7月初旬にかけてだった。200人以上の死者を出したあの大災害は、いまからたった2カ月ほど前。そのさ中の7月5日夜、安倍首相を中心に「赤坂自民亭」なる大宴会が議員会館で行われ、世の大顰蹙を買った。
 8月は酷暑。「命の危険にかかわる暑さ」なる言葉が、連日のようにTVで流された。熱中症で亡くなられた方は、高齢者を中心に、全国で200人を超えたという(統計によって人数に違いがある)。
 災害はまだ続く。
 9月4日、近畿地方が台風21号に襲われた。猛烈な風に瓦は空を舞いトラックは横倒し、さらにビルや家屋が全半壊。死者も10人を超えた。猛威は関西空港をも直撃し、タンカーが連絡橋に衝突、関空では旅行客や従業員など約8千名が孤立状態となった。9月11日現在でも、近畿地方の停電は全面解消していない。
 その余波もおさまらぬうち、9月6日未明、今度は北海道で最大震度7の大地震が発生。この地震で、電力供給の脆弱さを露呈。北海道全域で大停電、ブラックアウトという日本では前代未聞の大災害となった。死者も悲しいことに41名。厚真町の山肌に残る地滑りの凄まじい惨状が、まるで巨大な鬼か龍の爪痕に見える。
 たった3カ月ほどの間のこの自然災害の多発には、さすがに、災害馴れした日本国の住民たちも言葉を失ったのだ
 だがその間、政治は何をやっていたのか


政治家たちは何をしていたか?

 いまさら「赤坂自民亭」の例をあげつらうつもりはないけれど、連続する自然災害に政治は有効な手立てを打てていない。それどころか、自民党は「総裁選」を延期もせずに、たった3日間の選挙運動自粛でお茶を濁しただけだ。石破氏の言うように、とりあえず総裁選は延期して、被災者救援やインフラ復旧の先頭に立つべきだった。それが、政治家に求められる普通の感覚だと思うのだが、安倍氏に限ってそうではないらしい
 しかも、自民党総裁選でたった一度の石破氏との“顔合わせ”(とても論戦などとは言えない)を終えるやいなや、安倍首相はさっさとロシアへ飛んでいってしまった。北海道では計画停電も云々(「うんぬんと読みます)されているこの時期に、いったい何のための外遊なのか。

 その上、みっともないことに、首脳会談ではプーチン大統領に2時間近くも待ちぼうけを食わされたという。「外交の安倍が聞いて呆れる


あの「東京五輪招致」への違和感

 一方、大阪府の松井一郎知事は、地元大阪での台風被害の全容も明らかにならない9月7日には、沖縄に飛んで佐喜真淳氏の沖縄知事選の応援に入っていた。そしてあろうことか、災害復旧も緒につかぬ9日、「大阪万博の誘致」という名目でヨーロッパ外遊に出かけてしまったのだ。
 松井知事にとっては「万博誘致」の手柄のほうが、被災者救済や災害復旧よりも大事らしい
 安倍首相といい松井知事といい、もう「いい加減にしろ!」と言いたくなるレベルだ。中央政治が腐り始めると、それが地方自治体へも波及するという見本みたいだ
 松井知事の「万博誘致」についての動きは、あの「東京オリンピック誘致」の大騒ぎを思い出させる
 東京は、この夏の凄まじい暑さで「オリンピック開催の愚」がずいぶんと指摘された。ほんとうにこんな天候の中で、とくに屋外競技などが開催可能なのかどうか。
 そうすると「打ち水作戦」だとか「サマータイム実施」だとか、まさに思いつきとしか言えない対策(?)が続々と出てくる。「おまえら、真面目に考えてんのか!」と怒鳴りつけたくなるようなその場しのぎのアイデアだ。
 ぼくは少し前、こんなツイートをした。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
 やはり「東京オリンピック」は返上すべきじゃないだろうか。この災害列島に、そんなことをやっている余裕があるのか。2兆円を超えるというオリンピック費用は、被害者援助や災害対策に使うべきでしょう。それに、こんな災害多発の列島に、ほんとうに外国のアスリートたちは喜んでくるのか?
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 ふと頭に浮かんだことをそのまま書いただけなのに、これがかなりの反響をよんだ。ぼくのツイートでは珍しく、あっという間に5700を超えるリツイートがあり、インプレッションがなんと57万を超えてしまったのだ。ぼくと同じように感じている人たちが、とても多かったということだろう。
 同じような例を見つけた。女優の毬谷友子さんが、こんなツイートをしていたのだ。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
 今日、「これからの2年、西日本と北海道の復興に全力を挙げて取り組むので五輪は返上します。」と言ったら、世界中が納得すると思うな。日本の本当に、ごく一部の人たちを除いて。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 毬谷さんのツイート、その続き。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
 2日前の投稿なのですが、インプレッションが186万を超えていてびっくりしました。でも本当にそう思う。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 インプレッションが186万というのは、すごい!
 むろん、インフラの復旧や被災者救援に全力を尽くしてくれている人たちはたくさんいるけれど、それに比べ政治家たちの動きはひどすぎる。それを感じ取っている人たちの怒りが、毬谷さんやぼくのツイートへの反響となって表れているのだと思う。
 ほんとうに、何がお・も・て・な・しだよ。五輪招致の国際会議のあのシーン、思い出しただけで腹が立つ
 また、ぼくのツイートへのコメントで、sabiさんという方が、こんなことを書いていた。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
 ずっと思ってたけど、もし、今年がオリンピックの年だったとして、選手は全力で戦えるだろうか? 各国の応援団は楽しく応援出来るだろうか? メディアはどのような報道をするのだろうか? 少なくともアタシはオリンピックなんてやってる場合かって、怒っていると思う
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 ほんとうだよな、と激しく同意した。2020年、もし今年と同じような大災害が日本列島を襲ったら、とてもオリンピックどころじゃあるまい。ここ数年の異常な気象災害が、2020年の東京オリンピックの際には襲ってこないと、いったい誰が予想できるのか。
 オリンピック開催中に今回の関空孤立のような事態に陥ったら、訪日客に対してどんな対策がとれるのだろう?
 台風直撃、強風襲来、巨大高潮、大水害、大地震……。
 もはや、東京オリンピックなどと浮かれている場合じゃない。まずやるべきことは、次々に襲う自然災害への対策と、現実の被災者への救済措置、そして被災地の復旧だ。オリンピックなど、それがすべて終わった後の話だろう。
 しかも、本間龍氏によれば、東京オリンピックはその多くの裏方仕事をボランティアに任せる計画なのだという。詳しくは本間氏の『ブラックボランティア』(角川新書、800円+税)を参照してほしい。ムラムラと怒りが湧いてくるのは必至だ。


オリンピック返上でもいいじゃないか

 むろん、ぼくのツイートへの反論(らしきもの)も少ないけれど散見された。中でも呆れてしまったのは、次のようなリクツだ。


◎ここでオリンピックを止めてしまったら、これまで造った競技場などの施設が無駄になるではないか。

 どうしようもないな、これ。官僚や政治家たちがよく使うリクツだ。例えば造りかけたダム。「もうすでに数百億円もの建設費が投入された。建設中止したらそのカネを捨てるようなものだ」。
 そういうリクツで、あの高速増殖炉「もんじゅにどれほどの金をつぎ込んだのか。ほとんど稼働することもなく廃炉に追い込まれた「もんじゅ」に、これまでに投下された費用は、実に1兆円を上回る。さらに、このガラクタを約30年かけて廃炉にするというが、その費用見積もりが3千億円超。だが、この期間はまったくの机上の計算であり、専門家の間では廃炉に要する期間が大幅に長引くことは確実視されている。したがって、かかる費用もとても3千億円で済むはずもない
 その上、これほどの国費をドブに捨てておきながら、推進した政治家も原子力ムラの村民たちも、誰ひとりとして責任をとろうとしない
 同じことが、オリンピック施設でも起こるよ、きっと。日本の場合、二度あることは三度でも五度でも、もう際限なく起こるのだから


◎これまでオリンピックを目指して努力してきたアスリートたちが可哀想だとは思わないのか。アスリートファーストではないのか。

 こんなご意見。しかし、ぼくはこの「アスリートファースト」には違和感を覚える。それよりも「住民ファーストが大切なはずだ
 各競技団体はほとんど「世界大会」を開催している。それで代替したっていいじゃないか。水泳も陸上も、サッカーもラグビーもバレーボールも、野球だって、「ワールドカップ」を開催しているじゃないか。


◎いまオリンピック返上などというと、莫大な違約金が発生するし、たった2年後に迫ったオリンピックを引き受けてくれる都市なんかないだろう。無責任なことを言うな。

 毬谷さんも書いておられたように、「これからの2年、西日本と北海道の復興に全力を挙げて取り組むので五輪は返上します」でいいじゃないか。ぼくは、そのためにぼくらの税金を使うのなら、文句は言わない
 もしそれでも「万難を排して東京オリンピックを」と言うのなら、せめて酷暑の夏を避けて、1964年の東京オリンピックのように日本の気候がもっともいい10月に移すことを、いまからでもIOCに提案すべきだと思う。1964年にできたことが、なぜ2020年にはできないのか?


「商業主義オリンピック」を見直す機会に

 すでに有名になったことだが、なぜこんな酷暑の真夏の東京でオリンピック開催ということになったのか。
 これには主にアメリカのTV局が絡んでいるという。つまり、アメリカではフットボールや野球、バスケットボールなどの人気スポーツの最終盤の盛り上がりが、秋口に集中しているのだ。そのため、オリンピック中継をその時期にぶつけたくない。
 大スポンサーの要望に逆らえない商業主義が、現代オリンピックをこんな形に歪めているのだ。近代オリンピックの父・クーベルタン男爵も草葉の陰で泣いているに違いない。「東京オリンピック返上を、その悪しき商業主義を見直す契機にすればいいと、ぼくは思う。
 そのために「違約金」を支払わなければならないとしたら、数兆円ともいわれる膨れ上がったオリンピック開催費用から捻出すればいい。それで足りなければ、税金から補填するのも仕方ないそれなら、ぼくは我慢する
 東京オリンピック返上」、どうだろう?
 この「災害列島日本」に住む人間のひとりとして、ぼくは自分の生まれ育った国土が愛おしい。その国土が蝕まれていくのをじっと見ているのは辛い。その程度には、ぼくだって「愛国者」なのである。



鈴木耕
すずき こう: 1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。1999年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『スクール・クライシス 少年Xたちの反乱』(角川文庫)、『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)、『反原発日記 原子炉に、風よ吹くな雨よ降るな 2011年3月11日〜5月11日』(マガジン9 ブックレット)、『原発から見えたこの国のかたち』(リベルタ出版)など。マガジン9では「言葉の海へ」を連載中。ツイッター@kou_1970でも日々発信中。
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●「大学が学生を動員してアベ独裁に差し出すような行為…学問よりも権力への忠誠を優先するのが大学」か?

2018年09月14日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊ゲンダイの斎藤貴男さんのコラム【二極化・格差社会の真相/学問よりも「権力への忠誠」を優先するのが大学なのか?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237275)。

 《…ボランティアだと批判されるゆえんだが、アベ政権は強行する構えだ。なぜならアベ首相が五輪を徹底的に政治利用する腹だから…わかりきっていて、まがりなりにも大学を名乗る教育機関が、こんなものに追従するとは。…を承知で参加したい学生は、もちろん勝手にすればいい。だが、大学が学生を動員してアベ独裁に差し出すような行為が、許されてよいはずはないではないか》。

   『●ニッポンは民主主義国家? 《明白な事実や数字を権力者が
                   都合のいいように変え、信じ込ませようと》…

    《ジョージ・オーウェル 『1984年』だ。これは1949年に出版された
     近未来小説で、高度な全体主義が張り巡らされたディストピア
     (反ユートピア)がテーマとなっている》

   『●斎藤貴男さん「人間が人間であるために、最後まで抗おう」と呼びかけ
                           …コンナ「裸の王様」に負けたくない
   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている
           変質者集団」…「人権の砦」のはずが最「低」裁…
    《この国は発狂している。すでに国会が治外法権になってずいぶん経つが
     とうとう法の番人であるはずの裁判所までもが、広域暴力団安倍晋三組の
     構成員に成り下がった。沖縄県東村高江周辺の住民31人が、建設中の
     米軍ヘリパッド工事の一時差し止めを求めていた仮処…》

   『●パラノイアなディストピアで何を好き好んで
      アベ様の奴隷に成り下がりたい?…という人たちの気が知れない

 こちらも、日刊ゲンダイの記事【富士通は300人 「五輪ボランティア」企業からも“徴兵”開始】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237274)によると、《9月の中旬から募集が始まる東京五輪ボランティア。学生だけでは足りないと感じたのか、今度のターゲットは企業で働くサラリーマンのようだ。すでに東京五輪のスポンサー企業にはボランティアの“徴兵”が始まっている…同じゴールドパートナーの三井不動産も同様に300人の枠を課せられ、社内でボランティアを募集しているという。とうとう組織委は、学生だけでなく企業戦士も東京五輪のために駆り出すつもりだ。ノルマを課せられた企業サイドも断るのは難しいだろう…東京五輪の国内パートナー企業は45社、各社から300人のボランティアが集まっても1万3500人にしかならず、目標である8万人には遠く及ばない…このままでは、いずれ中小企業や町内会、PTAにも五輪ボランティアの枠が割り当てられるに違いない。戦争中の“国家総動員”と同じだ。1カ月間の祭典のために、ここまでやる必要があるのか》?
 企業「戦士」が五輪「特攻」、さらに、《中小企業や町内会、PTA》にも《徴兵》の割り当てがやってきて…《国家総動員》体制、たかが《1カ月間の祭典のために》。やがて、それは常態化。協賛する報道機関も〝ボランティア〟を、当然、強制されるのですよね?

   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く
     「「欧米列強に倣え、進め」と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
   『●「国策の名の下に研究者が軍事研究に
      加担させられた歴史を繰り返そうとしている…亡国の施策だ」
    「《パレスチナ空爆で罪のない一般市民の犠牲を多数出している
     イスラエルとの軍事協力…。もし本当に、イスラエルと共同で
     無人機の研究開発を進めることになれば、この地区で
     日本の技術が市民の殺戮に使われる》。オゾマシ過ぎる

 最高学府の堕落…「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)に学生を〝献上〟。《大学が学生を動員してアベ独裁に差し出すような行為》…《学問よりも権力への忠誠を優先するのが大学》なのか? それは、ボランティアなのか? やがては大企業や省庁への就職を人質に、(もう、始まりつつありますけれども…)軍隊での《ボランティア》を〝強制〟されかねないね。
 斎藤貴男さんのメッセージ。《若者たちよ、立ち上がれ。権力に盲従して動員に乗れば、単位が得られ、あるいは就活を有利にするのかもしれない。だが、その代わりに失うのは、人間としての自由な魂だ。そのことを理解した上で行動してほしいと、心から願う。人間は虫けらではないのである》。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
                  出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●「開催権返上の決断」:
      
「完全にブロック」「情況はコントロール」されてはいない我国こそ

   『●東京五輪と東電原発人災の現実: 
         「ダダ漏れは数字で歴然」・・・・・・
   『●ベトナム、核発電建設「延期」…
      ハノイ・アジア大会開催権返上といい、至極真っ当な判断
   『●室井佑月さん「それとこれは別です」:  
      東京の五つのダークな輪と3.11東電原発人災と共謀罪と…
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国
   『●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても
                   彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ
    「《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出に応じても、
     「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様や最低の官房長官
     キト・小池百合子東京「ト」知事、サメ脳森シンキロウ元首相らが
     喜ぶだけです」
    「最後に、報道機関がスポンサーになり、批判不能に…これは大問題です。
     本間龍さんの指摘《黙殺の仕掛けは組織委と大手メディアが
     運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが
     東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして
     組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を
     書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、
     テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ》。
     東京新聞までが「恫喝」に屈するようでは…」

   『●金(カネ)色の五つの輪のオモテナシにはトンデモなウラアリ…
                        「戦時体制に慣らすための予行演習」?
    《一体、誰のためのオリンピックなのか──。…極暑対策として「打ち水」や
     サマータイム導入を打ち出したかと思えば、大会期間中はネット通販を
     控えろだの、銀メダルの原材料が足りないから回収を強化しろだの、
     ボランティアを集めるために大学・高専の授業や試験期間を
     繰り上げろだのと、「五輪開催のために国民は犠牲を払え
     と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための
     予行演習なのでは?」と思わずにいられない》

   『●「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)…
        五輪開催権を返上し、「玉砕」する前に「転進」すべき
    「《せめて協賛企業の一社でもこの日程ならスポンサーは降りると表明
     しないか待っているのだが》…中日新聞辺りがやらないものでしょうかね?
     東京新聞が内部から、それを突き上げないものか」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237275

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争のできる国へ 安倍政権の正体」(朝日新書)、「機会不平等」(岩波現代文庫)、「国民のしつけ方」(インターナショナル新書)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
学問よりも「権力への忠誠」を優先するのが大学なのか?
2018年9月12日

     (東京五輪の大会ボランティア募集を前に
      上智大で開かれた学生向け説明会(C)共同通信社)


 いよいよ末期的症状だ。

 都内の大学の49%が、2020年東京五輪・パラリンピックのボランティアに参加した学生には単位を認定することを検討しているという。NHKが138の国公私立大学にアンケート調査を実施し、119校から回答を得て、6日に報じた。

 募集されるボランティアは約11万人。原則10日間の拘束で、アルバイトではないから報酬ゼロ、宿泊費などの経費は自己負担とされる。猛暑のただ中で死人や病人が出る危険も小さくない。

 ブラック・ボランティアだと批判されるゆえんだが、アベ政権は強行する構えだ。なぜならアベ首相が五輪を徹底的に政治利用する腹だから。同年の施行を企てる改正憲法に今年の“明治150年”、誘致を目指す25年大阪万博、その後のリニア中央新幹線開業などを連動させて新・高度経済成長時代のイメージを喚起し、アベの夢想する大日本帝国ごっこ米国の戦争に貢献し、虎の威を借りつつ極東の盟主を気取りたい体制完成に向けた演出を凝らしていく。筆者がかねて指摘してきたシナリオの通りである。 

 わかりきっていて、まがりなりにも大学を名乗る教育機関が、こんなものに追従するとは。ブラックを承知で参加したい学生は、もちろん勝手にすればいい。だが、大学が学生を動員してアベ独裁に差し出すような行為が、許されてよいはずはないではないか

 アンケートでは、66%の大学が五輪期間中の授業や試験日をズラす方向であることもわかった。学問よりも権力への忠誠を優先するのが大学だと言うなら、ボランティアを単位化する49%が、いずれ100%に達しない保証もない。そうなれば、いや、そこまでならなくても、忖度で動く企業や官庁は五輪ボランティアへの参加を就活の条件にし始めよう経団連会長が言い出した就活ルール廃止との取引材料にされる可能性もなしとしない。

 こんな流れを放置していたら、日本国民は名実ともにアベの奴隷に成り下がる。“知の拠点たるべき大学が、積極的に知性を放棄して、奴隷養成所を志向するようでは話にならない。もはや組織の主体性に期待していられる段階ではないようだ。

 若者たちよ、立ち上がれ。権力に盲従して動員に乗れば、単位が得られ、あるいは就活を有利にするのかもしれない。だが、その代わりに失うのは人間としての自由な魂だ。そのことを理解した上で行動してほしいと、心から願う。人間は虫けらではないのである
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●「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)…五輪開催権を返上し、「玉砕」する前に「転進」すべき

2018年09月06日 00時00分04秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶 》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



すいません、〝つぶやき〟(https://twitter.com/taketake1w/status/1034563712412078080)上の画像から、文字起こししたものです。東京新聞の斎藤美奈子さんのコラム【本音のコラム/特攻五輪】。

   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                   …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》

    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》

 《東京五輪そのものに反対なので、違約金を払ってでも五輪開催権を返上するのが賢明な判断》を支持します。《ベトナムが二〇一九年に予定していたハノイ・アジア大会開催辞退した》ように、ウソのアピールまでして東京五輪を獲得したニッポンも見習うべきだ。

   『●「人道なんてなかった」頃の「戦争できる国」の現実
    《靖国神社にある遊就館の片隅に奇妙な像がある。
     潜水服姿で頭には大きなかぶと。両手で長い棒を持ち、
     身構えている。先端に付けられているのは機雷である
     ▼…本土決戦を水際で食い止める「人間機雷の存在は
     ほとんど知られていないのだから
▼…竹ざおの先の機雷を
     突き上げて自爆する
。「伏龍」と名付けられた
     水際特攻隊である▼…潜水具には構造的な欠陥があり、
     多くの若者が訓練中の事故で命を失った
▼当時の
     戦争指導者の愚劣さが凝縮されている人間機雷を
     考えたのは、参謀として真珠湾攻撃の作戦を
     立案した人物
だ。…▼戦争が長引けば伏龍の要員に
     なるはずだった人物に城山三郎さんがいる。
     特攻を命じた側に常に厳しい視線を向けた作家の原点
     だろう。「日本が戦争で得たのは憲法だけだ」。
     城山さんの言葉が重く響く》

   『●「竹やりで…」「特攻艇・震洋」「人間機雷・伏龍」…
       「最も戦争に接近した八月」に「愚かな戦争に学ぶ」
    《1944年、日本軍が開発した特攻艇「震洋」。…沖縄では実戦に
     投入された。ベニヤ板で作られ、船首に約250キロの爆薬が積める
     ようになっている…▼戦争では兵士だけではなく、住民もまた大きな
     犠牲を強いられる。グアム周辺へのミサイル発射計画を巡り、北朝鮮と
     米国の緊張が高まっていることが連日報道されている。
     まず指導者たちこそ過去の愚かな戦争に学ぶ必要がある

 《死を賭した五輪が開催される。選手はもちろん、ボランティアスタッフも観客も命の危機にさらされる。まるで特攻五輪》、正に。いろんな「とっこう」=徳行・篤行・特効・特公・特高がありますが、正に《特攻五輪》。「玉砕」する前に「転進」すべき。
 《せめて協賛企業の一社でもこの日程ならスポンサーは降りると表明しないか待っているのだが》…中日新聞辺りがやらないものでしょうかね? 東京新聞が内部から、それを突き上げないものか。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
                  出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●「開催権返上の決断」:
      
「完全にブロック」「情況はコントロール」されてはいない我国こそ

   『●東京五輪と東電原発人災の現実: 
         「ダダ漏れは数字で歴然」・・・・・・
   『●ベトナム、核発電建設「延期」…
      ハノイ・アジア大会開催権返上といい、至極真っ当な判断
   『●室井佑月さん「それとこれは別です」:  
      東京の五つのダークな輪と3.11東電原発人災と共謀罪と…
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国
   『●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても
                   彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ
    「《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出に応じても、
     「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様や最低の官房長官
     キト・小池百合子東京「ト」知事、サメ脳森シンキロウ元首相らが
     喜ぶだけです」
    「最後に、報道機関がスポンサーになり、批判不能に…これは大問題です。
     本間龍さんの指摘《黙殺の仕掛けは組織委と大手メディアが
     運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが
     東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして
     組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を
     書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、
     テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ》。
     東京新聞までが「恫喝」に屈するようでは…」

   『●金(カネ)色の五つの輪のオモテナシにはトンデモなウラアリ…
                        「戦時体制に慣らすための予行演習」?
    《一体、誰のためのオリンピックなのか──。…極暑対策として「打ち水」や
     サマータイム導入を打ち出したかと思えば、大会期間中はネット通販を
     控えろだの、銀メダルの原材料が足りないから回収を強化しろだの、
     ボランティアを集めるために大学・高専の授業や試験期間を
     繰り上げろだのと、「五輪開催のために国民は犠牲を払え
     と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための
     予行演習なのでは?」と思わずにいられない》

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https://twitter.com/taketake1w/status/1034563712412078080

2018年8月29日(水曜日)
本音のコラム
特攻五輪
斎藤美奈子

 こんな季節にオリンピック・パラリンピックなんて、どうかしてるよ。そう思わなかった人はいないだろう。熱中症で救急搬送された人は七月だけで約五万四千人、死者は百三十三人。各地で猛暑日が続いた八月の集計結果が恐ろしい。

 二年後の五輪を考えるなら、開催日程を秋にずらすべきだと考えるのが正常な人の神経である。私は東京五輪そのものに反対なので、違約金を払ってでも五輪開催権を返上するのが賢明な判断だと考える。同じ意見の人も十人に一人くらいはいるんじゃないか。

 開催日を秋にずらせないのは、アメリカの放送局の都合だそうだ。放映権料を当てにするIOCは最初から日程優先。その条件で招致に成功した日本も逆らえない。

 せめて協賛企業の一社でもこの日程ならスポンサーは降りると表明しないか待っているのだが、それもない大手新聞社がこぞって協賛企業という翼賛体制の下では新聞記事も「暑さ対策」を求めるのが精一杯。

 かくて責任の所在が不明瞭なまま、死を賭した五輪が開催される。選手はもちろん、ボランティアスタッフも観客も命の危機にさらされる。まるで特攻五輪である。

 二年後の猛暑日、朝のニュースは「屋外での観戦は控えましょう」「ボランティアにも参加しないで下さい」と呼びかけられるだろうか。甚だ疑問だ。(文芸評論家) 2018.8.29
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●金(カネ)色の五つの輪のオモテナシにはトンデモなウラアリ…「戦時体制に慣らすための予行演習」?

2018年09月04日 00時00分21秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶 》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



リテラの記事【東京五輪“総動員”体制に早大生がパロディサイトで痛烈皮肉! 西日本新聞も五輪の同調圧力を真っ向批判!】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4209.html)。

 《一体、誰のためのオリンピックなのか──。…極暑対策として「打ち水」やサマータイム導入を打ち出したかと思えば、大会期間中はネット通販を控えろだの、銀メダルの原材料が足りないから回収を強化しろだの、ボランティアを集めるために大学・高専の授業や試験期間を繰り上げろだのと、「五輪開催のために国民は犠牲を払え」と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための予行演習なのでは?」と思わずにいられない》。
 《大会組織委は朝日、日経、毎日、読売の4社と契約した後、中日新聞、北海道新聞、西日本新聞などのブロック紙と交渉を進めてきたが、そうした最中に中日新聞東京本社が発行する東京新聞は新国立競技場の建設問題をはじめとして五輪絡みの不祥事を追及そのことに大会組織委会長の森喜朗が立腹し契約交渉のなかで東京新聞を外せと圧力をかけたのだ》。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
                  出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●「開催権返上の決断」:
      「完全にブロック」「情況はコントロール」されてはいない我国こそ

   『●東京五輪と東電原発人災の現実: 
         「ダダ漏れは数字で歴然」・・・・・・
   『●ベトナム、核発電建設「延期」…
      ハノイ・アジア大会開催権返上といい、至極真っ当な判断
   『●室井佑月さん「それとこれは別です」:  
      東京の五つのダークな輪と3.11東電原発人災と共謀罪と…
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国
   『●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても
                   彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ
    「《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出に応じても、
     「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様や最低の官房長官
     キト・小池百合子東京「ト」知事、サメ脳森シンキロウ元首相らが
     喜ぶだけです」
    「最後に、報道機関がスポンサーになり、批判不能に…これは大問題です。
     本間龍さんの指摘《黙殺の仕掛け組織委と大手メディアが
     運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが
     東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして
     組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を
     書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、
     テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ》。
     東京新聞までが「恫喝」に屈するようでは…」

 金(カネ)色の五つの輪のオモテナシにはトンデモなウラアリ。《「五輪開催のために国民は犠牲を払え」と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための予行演習なのでは?」と思わずにいられない》、本当にそうだ。リテラの記事にある「東京五輪学生ボランティア応援団」のWP(https://2020volunteers.netlify.com/)からの皮肉の一節…:

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 私は、東京五輪まで2年と迫った今、もうすでに感動と興奮を抑えられません。
 1兆円以上もの予算を提示しながらボランティアにはたとえスキルがあろうが無かろうがびた一文出さない組織委の倹約精神、「排除します」と堂々宣言した人間をトップに抱えながら「ダイバーシティ」を掲げる厚顔無恥、東京五輪なんか大した興味もないだろうに宣伝効果やらCSRやらを意識して金だけ出しておく大企業、戦中の金属供出を彷彿とさせる都市鉱山からのメダル製作、本当に環境のことを考えているのならオリンピックなんかやらないほうがよほど環境にいいという当然の論理を無視できる二重思考、どう考えても耐え難いであろう酷暑に対して打ち水で挑もうとする竹槍根性、睡眠やコンピュータの専門家から明確な異論反論が出され、諸外国では廃止が検討されているにも関わらず今更サマータイムを導入しようと躍起になる政治家、問題は山積しているというのに未だにやりがいや絆や感動などといった聞こえのいい言葉に簡単に騙されてしまう国民、これらの要素が揃えば、美しい国・日本は世界に誇る自己犠牲の精神をもって最高の五輪を実現できるに違いないからです。
 皆さん、この素晴らしい我が国の、威信を懸けた祭典のためにぜひ身を賭して貢献しようではありませんか!
 東京五輪、万歳!
 日本、万歳!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 《「もう決まったこと」「和を乱すな」》を真っ向否定。

 マスコミはさらに、金(カネ)色の五つの輪を批判できない。それが、新聞社がオリンピックスポンサーになることの意味合いだ。
 《しつけ》られたマスコミに《しつけ》られるニッポン市民。

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》
    「オリンピックスポンサーになることの意味合い。中日新聞は、東京新聞の
     東京五輪批判を控えるよう「恫喝」されたらしい」

 権力への批判精神を忘れた新聞…ジャーナリズムの存在意義はどこに行った? 権力の監視》《権力のチェック機能》《番犬ウォッチ・ドッグジャーナリズムが失わる行く…。東京新聞は、先ずは、《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出などについて報じてはくれまいか? 頼れるのは東京新聞だけだ。このリテラ記事の〆の言葉…《五輪を大義名分にして国民に強いる自己犠牲の精神は、戦時体制をつくり上げた国家総動員の再来だ。にもかかわらず、新聞社が大会スポンサーに成り下がって盛り上げ役となり、その問題の根深さ、危険性に警鐘を鳴らして正面から批判できないのならば、戦争に加担した負の歴史と同じことを繰り返しているようなものだろう》。世も末だ。

   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                 …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》
    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
     それ、常識。》《党派性をもたずに政治参加は無理である。》

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》

    《ジャーナリズムの最大の存在意義は「権力のチェック機能」である。
     …専門的には「番犬ウォッチ・ドッグジャーナリズム」理論という》
    《「番犬ジャーナリズム」は、純粋培養の環境下にあるよりも、
     一人ひとりのジャーナリストがもがき、苦悩しながら遂行していってこそ
     成長し、民主主義社会に貢献できる
のではないか》

   『●『追及力 権力の暴走を食い止める』
     (望月衣塑子×森ゆうこ著)読了…《今、ジャーナリズムと野党の…》
    《今、ジャーナリズムと野党の存在意義を問い直す

==================================================================================
http://lite-ra.com/2018/08/post-4209.html

東京五輪“総動員”体制に早大生がパロディサイトで痛烈皮肉! 西日本新聞も五輪の同調圧力を真っ向批判!
2018.08.26

     (組織委員会HPより)

 一体、誰のためのオリンピックなのか──2020年開催の東京五輪に対し、疑問の声が噴出している。極暑対策として「打ち水」やサマータイム導入を打ち出したかと思えば、大会期間中はネット通販を控えろだの、銀メダルの原材料が足りないから回収を強化しろだの、ボランティアを集めるために大学・高専の授業や試験期間を繰り上げろだのと、「五輪開催のために国民は犠牲を払え」と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための予行演習なのでは?」と思わずにいられない。

 実際、最近は早稲田大学2年生の学生が作成したという「東京五輪学生ボランティア応援団」なるサイトが話題を呼んでいる。

 このサイトでは、さんざん〈1兆円以上もの予算を提示しながらボランティアにはたとえスキルがあろうが無かろうがびた一文出さない組織委の倹約精神〉や〈戦中の金属供出を彷彿とさせる都市鉱山からのメダル製作〉、〈どう考えても耐え難いであろう酷暑に対して打ち水で挑もうとする竹槍根性〉、〈問題は山積しているというのに未だにやりがいや絆や感動などといった聞こえのいい言葉に簡単に騙されてしまう国民〉などと問題点を指摘した上で、〈これらの要素が揃えば、美しい国・日本は世界に誇る自己犠牲の精神をもって最高の五輪を実現できるに違いない〉〈皆さん、この素晴らしい我が国の、威信を懸けた祭典のためにぜひ身を賭して貢献しようではありませんか! 東京五輪、万歳! 日本、万歳!〉と、まったく見事に東京五輪に向けた動きが戦時下そっくりのかたちであることを見抜き、盛大に皮肉っている

 少しずつ人びとが感じはじめている、「これでいいのか?」という東京五輪への疑問違和感。しかし、その一方でなぜかメディアは問題点を真正面からは取り上げず、盛り上げムードの醸成に力を入れるばかりだ

 だが、そうしたなかで、東京五輪に疑義を呈した新聞がある。


●椎名林檎「国民全員が組織委員会」にNOを突き付けた西日本新聞の勇気

 それは、8月5日付けの西日本新聞に掲載された、永田健・論説副委員長によるコラム。文章は、冒頭から〈今回のコラムは大多数の読者から賛同を得ようなどと大それたことは考えていない〉と断った上で、こうつづくのだ。

   〈東京五輪の開催まで2年に迫った。競技会場が予定される各地で
    「あと2年」のイベントが開かれ、テレビもしきりに「待ち遠しいですね」
    と呼び掛ける。
      私はといえば、全然待ち遠しくない(個人の感想です)〉

 東京五輪が「全然待ち遠しくない」──。永田論説副委員長の「個人の感想」とはいえ、新聞やテレビといったメディアでお祭りムードに水を差すような意見を打ち出すことは異例中の異例、いや、はじめてのことではないだろうか。

 しかも、この西日本新聞のコラムは、他の新聞・テレビが踏み込まない問題も指摘する。

   〈私が東京五輪で懸念するのは、「暑さ」よりも「熱さ」の方だ。
    国民こぞって五輪を盛り上げましょう、という「熱さ」。開催期間前後、
    社会が五輪一色になる「熱さ」である〉

   〈さらに心配なのは、その「熱さ」が「日本人なら五輪に協力して当然
    何しろ国民的行事なのだから」という「圧力」に転じることだ。
    日本社会に根強い同調圧力が一層強まりそうだ

 そして、このコラムは、〈五輪の式典演出に関わる人気ミュージシャンが昨年、インタビューで五輪反対論に触れ〉たことを紹介し、そのミュージシャンの「もう国内で争ってる場合ではありませんし」「いっそ、国民全員が組織委員会。そう考えるのが、和を重んじる日本らしい」という言葉を引用している。この人気ミュージシャンとは、言わずもがな椎名林檎のことだ。

 東京五輪に反対する意見や懐疑的な声をもう決まったこと」「和を乱すなと言って封じ込める──。そうした流れに、このコラムは〈「国民全員が組織委員会」…。それはちょっとご辞退申し上げたい〉とはっきりNOを突きつけるのである。


■東京五輪を一切批判せず五輪協力への同調圧力装置と化す新聞・テレビ

 新聞やテレビが会場問題やサマータイム導入問題などには疑義を呈することはあっても、このような東京五輪に対する「自国開催は誇らしいこと、喜ぶのは当然」「国民的行事なのだから協力は当たり前」などという「同調圧力」に、社の意見を執筆する論説委員が疑問を投げかけるなどということはほとんどないだろう。なぜなら、新聞・テレビこそが「2020年が待ち遠しい!」という社会の空気をつくり出し、異論を排除しているからだ。

 現に、テレビではこうした論調はまったく見ないし、新聞も読売や産経はもちろんのこと、朝日や毎日でさえ個別の問題を批判的に取り上げることにも及び腰で、ましてや西日本新聞のように「東京五輪が待ち遠しくない」などと踏み込むことはしない。せいぜいインタビューで識者などが熱狂ムードに釘を刺す程度だ。

 なぜ、リベラルな新聞までもが国策である東京五輪にまんまと乗っかっているのか──。その答えは簡単だ。大手新聞5社は、東京五輪のスポンサーに名を連ねているからである。

 これまで、五輪のスポンサーは読売新聞1社が独占契約をおこなう交渉がつづいていたが、そのオフィシャルパートナー契約は少なくとも50億円といわれ、読売単独では巨額すぎた。そのため日本新聞協会がスポンサー契約をする案が浮上したが、計130社が加盟する協会では足並みが揃うことはなかった。そこで新聞各社が個別契約することになり、2016年1月に「オフィシャルパートナー」として朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞東京本社の4社が契約を締結。今年1月に「オフィシャルサポーター」として産経新聞社、北海道新聞社が新たに契約した。

 言論・メディア企業各社が東京五輪のスポンサーになることで、五輪の不祥事や問題点をきちんと報じることができるのか。そうした懸念は当然のことだが、実際、大会組織委が報道に“圧力”をかけようとしたこともある。


■森喜朗が五輪不祥事を報道した東京新聞に「スポンサーから外せ」と圧力

 大会組織委は朝日、日経、毎日、読売の4社と契約した後、中日新聞、北海道新聞、西日本新聞などのブロック紙と交渉を進めてきたが、そうした最中に中日新聞東京本社が発行する東京新聞は新国立競技場の建設問題をはじめとして五輪絡みの不祥事を追及。そのことに大会組織委会長の森喜朗が立腹し、契約交渉のなかで東京新聞を外せと圧力をかけたのだ。

 この問題を取り上げた「週刊新潮」(新潮社)2016年4月14日号によると、森会長はこんな横やりを入れてきたという。

   「今年2月、そろそろ正式に契約を結ぶという段になって、
    森さんは電通を通じてこんなことを言ってきたのです。
       “中日新聞社のうち東京新聞は国立競技場問題などを批判的に
        書いてケシカラン。組織委としては、五輪に批判的な東京新聞は
        外して、中日新聞とだけ契約したい”
    と」(「週刊新潮」より中日新聞関係者のコメント)

 しかも、森会長だけでなく大会組織委の武藤敏郎事務総長も「スポンサーが五輪を批判するのはおかしい」と発言したといい、こうした露骨な圧力を受けたことで中日新聞はスポンサーから撤退したと見られている。だが、これは中日新聞に限った話ではない。森会長や武藤事務総長の言動を見れば、スポンサーとなった新聞社はこのような大会組織委からの圧力に晒されているということが十分に考えられるからだ。

 五輪を大義名分にして国民に強いる自己犠牲の精神は、戦時体制をつくり上げた国家総動員の再来だ。にもかかわらず、新聞社が大会スポンサーに成り下がって盛り上げ役となり、その問題の根深さ、危険性に警鐘を鳴らして正面から批判できないのならば、戦争に加担した負の歴史と同じことを繰り返しているようなものだろう。

(編集部)
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●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ

2018年09月02日 00時00分46秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶 》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



東京新聞の社説【サマータイム 「五輪のため」という傲慢】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018082102000168.html)。
日刊ゲンダイの記事【大丈夫なのか 東京五輪翼賛で醸成される“国家総動員体制”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235988)と、
書評【週末オススメ本ミシュラン/「ブラックボランティア」本間龍著/角川新書】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/235728

 《二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が夏場に標準時を早めるサマータイムの導入を政府に要請した。暑さ対策が狙いというが、国民生活への深刻な影響をどれほど考慮したのか》。
 《まるで戦時体制に向かっているようだ――。東京五輪組織委員会や環境省、東京都などが推進している「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」。…現時点で銀だけが不足しているという。そこで、政府が問題を打開するために協力を呼びかけたのが、全国の小中学校だ》。
 《2年後の東京オリンピックでは、11万人ものボランティアが運営に協力する。炎天下の重労働を10日間もするというのに、報酬は一切出ない。それどころか、会場までの交通・宿泊費や事前に行われる研修に参加するための交通費も自腹だという。それは、あまりに理不尽ではないか…美名の下に無償労働を強いている…(選者・森永卓郎)》。

 オモテナシにはトンデモなウラアリ
 彼/彼女らは五輪貴族であり、崇高な《オリンピックの理念》なんて屁とも思っていない。穢れた金(カネ)色の五つの輪。命を賭してボランティアしても、彼/彼女ら五輪貴族のオカネ儲けに利用されるだけ。ましてや、本当に命を落としてしまえば、後悔しても遅い。「自己責任」の名の下に切り捨てられ、忘れ去られるだけだ。既に手を挙げてしまった方は、直ぐさまキャンセルを。命を賭すべき事じゃない
 《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出に応じても、「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様や最低の官房長官、キト・小池百合子東京「ト」知事、サメ脳森シンキロウ元首相らが喜ぶだけです。
 そもそも、開催権の返上をすべきだったのに…。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
                  出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●「開催権返上の決断」:
      「完全にブロック」「情況はコントロール」されてはいない我国こそ

   『●東京五輪と東電原発人災の現実: 
         「ダダ漏れは数字で歴然」・・・・・・
   『●ベトナム、核発電建設「延期」…
      ハノイ・アジア大会開催権返上といい、至極真っ当な判断
   『●室井佑月さん「それとこれは別です」:  
      東京の五つのダークな輪と3.11東電原発人災と共謀罪と…
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国

 サマータームの導入や打ち水など、アホ丸出しではないか。たかが2週間程度のお祭りのために日本に暮らす人々の生活リズムを壊す。五輪のプログラムを変えればいいだけ、あるいは、開催期間を変更すればいいだけ。なぜ全ニッポン国民が迷惑を被らねばならないのか。

 日刊ゲンダイの記事【スーパーボランティア尾畠氏 東京五輪で“政治利用”の懸念】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235829)によると、《文科省とスポーツ庁も先月、五輪期間中の授業や試験日程を変更できる旨を全国の大学に通知し、大学生のボランティア参加を暗に働きかけている。政府と都は「ボランティア募集」にはカネをかけるのに、有償でスタッフを雇う気などサラサラない。…「ブラックボランティア」の著者で作家の本間龍氏がこう言う。「例えば、尾畠さんが、全国で行われているボランティア募集の説明会などに引っ張り出されたとしたらおかしな話です。行政がそういう動きをしたら、全力で阻止しないといけません。そもそも、ボランティアは参加者が自発的に行うものなので、行政が懸命になって集めること自体、違和感を覚えます。尾畠さんの活躍は喜ばしい話題として報じられているので、まさか利用するなんてことはないでしょうが」》…。
 そんな懸念が当たらなければ良いのですが。

 『久田将義責任編集TABLO』(http://tablo.jp/)の記事【「やりがい搾取だ!」 東京五輪でボランティアを募っている大会組織委員会役員の報酬は2400万円】(http://tablo.jp/street/news003693.html)によると、《コンパクトでローコストが謳い文句であったはずの2020年東京オリンピック・パラリンピックだが、費用問題の膨らみや既存競技場の改修工事の遅れなど様々なトラブルが頻発となり不安が広がっている。そんな東京オリンピック騒動で現在新たに騒動となっているのが、ボランティアスタッフに対する考え方とその集め方だ…さらに大学生を主力とする動員を可能とすべく、五輪開催期間中は各大学に授業や試験を取りやめるよう要請していたことが判明すると改めて批判が集まる形に。そして今回、一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の役員報酬が月額200万円、年間2400万円となり、さらに交通費や宿泊費は別途支給という厚遇であることが晒されると市民からは強い怒りの声が出されることに》。
 いや~、アホらしくならんですか?

 鈴木耕さんのつぶやき:
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
https://twitter.com/kou_1970/status/1031729833619808256
鈴木 耕@kou_1970
なんだか戦争中の「金属供出」に似てきたな。エラそうなヤツの考えることは今も昔も変わらない危ない世の中になってきて…。→ 東京五輪メダル「銀」まだ足りない、小中学校でも回収へ:日本経済新聞

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34336660Q8A820C1MM0000/
東京五輪メダル「銀」まだ足りない、小中学校でも回収へ
2018/8/20 12:21 日本経済新聞
 環境省は、東京五輪・パラリンピック用メダルの原材料になる廃家電などのリサイクル貴金属の回収を強化する。全国の自治体に対し、秋から小中学校で使用済み携帯電話やパソコンなどの回収ボックスを設置するよう協力を呼びかける。これまでの回収で金と銅のメダルに必要な量はメドがついたが、銀は確保できておらず、学校との連携で五輪に間に合わせる。五輪・パラリンピックで必要なメダル数は、金銀銅で合わせて5000個程…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 最後に、報道機関がスポンサーになり、批判不能に…これは大問題です。本間龍さんの指摘《黙殺の仕掛けは組織委と大手メディアが運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ》。東京新聞までが「恫喝」に屈するようでは…。

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》
    「オリンピックスポンサーになることの意味合い。中日新聞は、東京新聞の
     東京五輪批判を控えるよう「恫喝」されたらしい」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018082102000168.html

【社説】
サマータイム 「五輪のため」という傲慢
2018年8月21日

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が夏場に標準時を早めるサマータイムの導入を政府に要請した。暑さ対策が狙いというが、国民生活への深刻な影響をどれほど考慮したのか。
 夏の日照時間を有効に活用するのがサマータイムの本来の狙いである。欧米などでは七十カ国が採用しているが、欧州連合(EU)は今夏、加盟国の要請を受けて廃止の是非の検討を始めている
 いったん採用しながら廃止した国も多い。ロシア、中国、インド、韓国、そして日本もだ。
 日本では戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で四シーズン導入したものの、労働者や主婦の過労につながり、国民生活の実情に合わないとして廃止された経緯がある。
 その後も経済界などの要望でたびたび検討された。しかし、節電などの省エネや余暇増大による経済効果よりも、生産性の低下やシステム変更に伴う負担など弊害の方が大きすぎると結論づけられてきた
 経済性の議論以上に問題なのが国民の健康への影響だ。夏時間への切り替え時に睡眠や心臓などへの悪影響が深刻との研究結果が国内外の学会から出ている。
 今回の要請はいかにも唐突だ。大会組織委の森喜朗会長は、現在より二時間、時計の針を進める夏時間の導入を安倍晋三首相に要請。首相は、その是非を検討するよう自民党に指示した。
 だが大会まで二年に迫ったタイミングである。今夏の猛烈な暑さに驚き、慌てて思い付いたかの印象だ。「五輪のため、国家の一大事業のため国民は受け入れるべきだ」といった傲慢(ごうまん)さえ感じてしまう。
 暑さ対策ならば、マラソンなどの競技時間を涼しい時間帯に移せばいいだけのことだ。組織委が真にアスリートファースト(競技者優先)の精神に立つならば、開催時期を真夏からずらすのが筋だ
 しかし、開催時期は招致段階から決まっており、ずらすつもりはない。その揚げ句、国全体の時間をずらすサマータイムの導入というのは、ご都合主義も甚だしい
 もちろん、サマータイムには是非論がある。だが長所と短所、しっかりと測った調査も議論もなされた形跡はない。
 これほどに日常生活に密接なことを実行しようというのなら、国民大多数の賛同なしには成功のしようがないだろう。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/235728

週末オススメ本ミシュラン
「ブラックボランティア」本間龍著/角川新書
2018年8月19日

 2年後の東京オリンピックでは、11万人ものボランティアが運営に協力する。炎天下の重労働を10日間もするというのに、報酬は一切出ない。それどころか、会場までの交通・宿泊費や事前に行われる研修に参加するための交通費も自腹だという。それは、あまりに理不尽ではないか、というのが著者の主張だ。
 東京オリンピックの国内スポンサー集めは、1業種1社という規制を外したことで、すでに50社が集まるという好調ぶりだ。スポンサー料は公表されていないが、著者の見立てでは、大会組織委員会の収入は総額4000億円以上だ。ボランティアに日当1万円を支払ったところで、必要資金は110億円。4000億円から比べれば、微々たる負担のはずだが、それを組織委はかたくなに支払わない
 著者は、そもそもオリンピックのボランティアが、本当のボランティアなのか疑問を呈する。仕事内容が決められ、研修も受けさせられる。8時間以上という拘束時間や10日間以上という勤務日数も決まっている。誰がどう考えても、これは労働だ
 にもかかわらず、「東京オリンピック・パラリンピックを成功させたい熱意という美名の下に無償労働を強いているのだ。もしかすると、日当を支払って、労働者性が生じると、事故が起きた際に使用者責任を追及されることを、恐れているのかもしれない。
 著者は、このブラックボランティアの問題をメディアが黙殺していることも、厳しく糾弾している。黙殺の仕掛けは組織委と大手メディアが運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ。
 本書には書かれていないが、私は新聞社が負担するスポンサー料が相当ディスカウントされているのではないかと思う。スポンサーからの収入額を組織委が絶対に公表しないのも、ディアとの共謀を発覚させないためなのかもしれない。 ★★半(選者・森永卓郎
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235988

大丈夫なのか 東京五輪翼賛で醸成される国家総動員体制
2018年8月24日

   (国家ぐるみ(環境省公式チャンネルから))

 まるで戦時体制に向かっているようだ――。東京五輪組織委員会や環境省、東京都などが推進している「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」。廃家電などを回収して集めた貴金属から金銀銅メダル約5000個を作る計画なのだが、現時点で銀だけが不足しているという。
 そこで、政府が問題を打開するために協力を呼びかけたのが、全国の小中学校だ

   「五輪選手団を迎える『ホストタウン』の自治体(約230)を対象に、
    内閣官房から小中学校での回収ボックス設置の協力を呼びかけました。
    ただ、回収増だけが目的ではなく、五輪機運を醸成するためでもあります。
    メダルプロジェクトを通じてリサイクル事業の大切さを知っていただけたら
    と思います」(環境省リサイクル推進室)

 金メダルは銀メダルの表面に金メッキを張って作られるため、必然的に銀の必要量が多くなるという。それにしても政府がわざわざ号令をかけるなんて、平成の金属類回収令だ。
 加えて、文科省とスポーツ庁は先月、大学生のボランティア参加を促すために、全国の大学に大会期間中の授業や試験を変更できる旨を通知廃家電の供出呼びかけといい過酷なタダ働きをさせられるボランティアの募集といいまるでスポーツの祭典を名目にした国家総動員じゃないか。スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏がこう言う。

   「大会組織委の森喜朗会長が東京五輪で目指しているのは、
    オールジャパン体制ですし、スポーツ精神を滅私奉公だと言って
    はばかりません。こうした言動は、まさに国家総動員を象徴している
    と思います。政府がこのような精神に基づいて東京五輪の開催へと
    突き進んでいるので、ますます国家主義的な体制が強化されていく
    のではないでしょうか。放映権料を払ったマスコミなどは
    五輪翼賛報道へと突っ走っています。五輪に反対すると『非国民だ!
    と言われかねない風潮が醸成されていると思います」

 小池都知事も2016年の知事選前に五輪の経費について、「個人の資産もご協力をお願いするということを図っていきたいなどとトンデモ発言をしていた。
 一事が万事こんな調子だから、東京五輪を巡って、これから政府が国民に何を言い始めるか分かったもんじゃない。
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●東京新聞・半田滋さん「「銃後の国民」も無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは・・・」

2015年05月26日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事【罪 背負い続けた叔父 「俘虜処刑」般若心経を一心に 田中明子さん(66)=千葉市】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015051702000134.html)と、
コラム【【私説・論説室から】 よみがえる国家総動員】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015052002000136.html)。

 「初年兵がトラックで運ばれた先で三十人ほどの中国人捕虜が大きな穴を前に、後ろ手に縛られてうずくまっていた。中隊長は言った。「今からお前たちによって処刑を実施する。決して人間を殺すのだと思ってはいけない。そのへんの鼠(ねずみ)とか蛙(かえる)でも殺すような気持ちでやってもらいたい」・・・・・・私にとって生涯最大の汚点として深くしみついている。命令に従ったまでとはいえ、あの残虐行為をお許しください。合掌」。
 侵略戦争の惨たらしさ・・・・・・。その泥沼に足を突っ込むアベ様の「戦争法案」。自公支持者や自公投票者、そして、「眠り猫」の皆さんはそんなニッポンで良いと思っているのでしょうか?

   『●「平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい」

 「「他国の防衛」にまで広げるのだから「銃後の国民」も無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは「戦地の自衛隊さん」だけではない」。
 「戦争したい」病、「人殺しをさせたい」病のアベ様ら。「非戦闘地域」に居て、「戦争絶滅受合法」を創る勇気もないアベ様の卑劣さよ。 

   『●教育破壊: 「「ボンクラ」「嘘つき」」につける薬なし、
                そして、「戦争絶滅受合法案」の制定を!

   『●戦争できる国にしたくてしょうがないらしい・・・アベ様に一番に戦場へ
   『●戦争できる国へ:
      アベ様をはじめ自公議員・翼賛野党議員の皆様がまずは「丸太」に

   『●小泉純一郎元首相の戦場の定義:
          「自衛隊の活動している所は非戦闘地域」

   『●「積極的平和主義」という愚:
       『軍隊は人を守らない』『戦争で得たものは憲法だけ』

   『●他人を「非戦闘地域」や戦場に行かせるのならば・・・、
               平和憲法を放棄し、壊憲するのならば・・・

   『●戦争屋による憲法違反の「集団的自衛権」閣議決定
           ・・・「やめろと言わないのは“許した”のと同意」

   『●いろんな意味で疲れます・・・住民基本台帳活用と
          アイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015051702000134.html

罪 背負い続けた叔父 「俘虜処刑」般若心経を一心に 田中明子さん(66)=千葉市
2015年5月17日 朝刊

     (出征した中国で撮影された叔父の写真を見ながら
      思い出を話す田中明子さん=千葉市稲毛区で)

 「数珠もちて般若心経(はんにゃしんぎょう)の七十年」。千葉市の田中明子さん(66)は今年二月、九十三歳で逝った叔父の死に涙が止まらなかった。戦争中に行った、自身の罪の意識を抱え続けたその生涯を詠みたいと「平和の俳句」に向き合い、冒頭の句が生まれた。 (矢島智子)

 四十年余り前、祖父の葬儀の席で叔父が般若心経をそらで唱えるのを見て不思議に思った。叔父が仏教と交わりが深いとは思えなかったからだ。それから約三十年後。親族が集まる新年会を終えて本家の玄関を出た明子さんに、叔父がそっと茶封筒を差し出した。家に帰って開くと、中に「俘虜(ふりょ)処刑」と題されたワープロ書きの原稿が入っていた。

 一九四三(昭和十八)年二月。陸軍に召集された叔父が中国北部、薩拉斉(さらち)の連隊に入隊して三カ月後の出来事だった。初年兵がトラックで運ばれた先で三十人ほどの中国人捕虜が大きな穴を前に、後ろ手に縛られてうずくまっていた。

 中隊長は言った。「今からお前たちによって処刑を実施する。決して人間を殺すのだと思ってはいけない。そのへんの鼠(ねずみ)とか蛙(かえる)でも殺すような気持ちでやってもらいたい」

   「十メートルほど手前から突撃の要領で銃を構え、
    喚声をあげながら走り、捕虜の向かって右胸、
    つまり心臓を目がけて刺突(しとつ)するのである。
    (略)俘虜(ふりょ)たちは死の恐怖を肌で感じて、
    後ろ手に縛られた体を右に左に大きく振って
    悲鳴をあげながらもがく。(略)心臓を突かれた体は
    即死状態の者や、暫(しばら)く奇声を
    あげている者もあった」

 手記にはむごい描写が続いた。明子さんはしっかり読み取ることができなかったが、最後までたどり着いて気がついた。なぜ、叔父が般若心経を唱えるようになったのかを。

   「いまなお刺殺した中国人の顔(略)は鮮やかに、
    かつ強烈に脳裏に焼きついているのである。
    私にとって生涯最大の汚点として深くしみついている。
    命令に従ったまでとはいえ、
    あの残虐行為をお許しください。合掌」

 原稿は、二十世紀の締めくくりに叔父の出身の町が編集した「町民の戦争体験集」に寄せた原稿だった。人口数千の小さな町に残る記録に「生涯最大の汚点」を記した叔父。

   「どんなに般若心経を唱えても罪の意識は拭えず、
    一番書きたくないことを書かなければ
    懺悔(ざんげ)にならないと考えたのでしょう」

 明子さんは小学校教諭を三十五年務め、一九九〇年代には中国残留孤児の引き揚げ家族の子らを担任した。

 戦後生まれだが「私の中にはいろいろな戦争がある」。それを語り継ぐのが自らの責任だと感じ始めている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015052002000136.html

【私説・論説室から】
よみがえる国家総動員
2015年5月20日

 先の大戦でたいへんな思いをしたのは「外地の兵隊さん」だけではなかった。国家総動員法のもと、国民とその持ち物が政府により徴用され、やがて空襲が始まった。

 安倍晋三内閣が国会提出した安全保障法制にも「国家総動員体制が明記されている。存立危機事態、すなわち他国を守るための武力行使が追加された武力攻撃事態法、特定公共施設利用法の両改正案を読めば分かる。

 他国の戦争であっても時の政権が日本存立の危機であると判断した場合、首相が対処基本方針を定めることになる。この方針に従い、港湾、飛行場、道路、海域・空域、電波について、自衛隊と米軍など他国の軍隊の利用が優先される。

 自衛隊や他国軍への協力が義務付けられるのは中央省庁や都道府県庁、市町村役場だけではない。協力が責務とされる指定公共機関として日銀、日本赤十字、NHK、民放、通信、電力、ガス、商船、航空、JR、私鉄、バスなど百五十二社・機関が並び、改正案にそっくり引き継がれた。国民は「必要な協力をするよう努める」とされている。

 武力攻撃事態法、特定公共施設利用法は、日本が武力攻撃を受けた際の対処策のはずである。これを「他国の防衛」にまで広げるのだから「銃後の国民」も無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは「戦地の自衛隊さん」だけではない。    (半田滋
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●「災害に便乗する「巨大復興」」 『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号)について

2014年03月17日 00時00分32秒 | Weblog


週刊金曜日』(2014年3月14日、983号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、平井康嗣氏【編集長後記】、「「ショックドクトリン」とは、・・「惨事便乗型資本主義」と呼ばれ、・・惨事に便乗して進められる市場原理主義的な構造改革のこと」。

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■①『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 「災害に便乗する「巨大復興」 東北ショックドクトリン」。武本泰・粟野仁雄氏ら【「3・11」から3年、各地で反原発集会 安倍政権の再稼働に「NO!」】。アベ自公政権の暴走を止めよう(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/beae3d2a65e99412fcb0e1b5d9e939a9

■②『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 丸山昇(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2f8a9767110f10e6864820abb7d2ed16)さん【国家総動員体制を想起させる異常さ 『琉球新報』に防衛省が訂正要求】、「日本新聞協会にまで〝防衛省事務次官名〟での申し入れ文書を送りつけ、波紋を呼んでいる」

■③『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 三宅勝久さん【元法大生5人の無罪確定 看板破壊の嫌疑払拭】、「東京高裁・・井上弘道裁判長は「・・損壊行為に及んだとするには立証が不十分」として一審に続き無罪を言い渡した。検察側は上告せず、無罪は確定」

■④『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / まさのあつこ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2c91c3d8a53b5096a4a000c27c0e8683)氏【清流・最上小国川に〝環境にやさしいダム〟!? 山形県の宣伝文句にアユも漁協も騙されない】、京大防災研「竹門康弘准教授が、アユの産卵に好ましい環境は、年1回程度の洪水で・・」

■⑤『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / まさのあつこ氏【清流・最上小国川に〝環境にやさしいダム〟!? 山形県の宣伝文句にアユも漁協も騙されない】、「・・河床がかき回されることであり、穴あきダムで洪水が抑制されると、河床に有機物や細かい粒子がたまって、環境が劣化すると警告

■⑥『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 浅野健一さん【被逮捕者に肖像権はないのか 柏連続殺傷事件】、「メディアは行き帰りで、男性の顔を撮影し報道した。引き回し写真は〝晒し刑〟にあたる・・河野義行さんは・・「メディアは今も、警察が被疑者を逮捕したら・・」」

■⑦『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 浅野健一さん【被逮捕者に肖像権はないのか 柏連続殺傷事件】、「河野義行さんは・・「・・犯人で決まりだ。テレビ報道では、人相が悪い写真を選んで伝え、怪しい人という情報しか報じない。・・速報性の競争をやめるべきだ」と提言」

■⑧『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 平井康嗣氏【編集長後記】、「「ショックドクトリン」とは、・・「惨事便乗型資本主義」と呼ばれ、・・惨事に便乗して進められる市場原理主義的な構造改革のこと」。災害につけ込んでの浅ましさhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2f873e632a47253114fa5adffa3bda69
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