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●「平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい」

2013年05月02日 00時00分08秒 | Weblog


東京新聞の社説二つと記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022302000060.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012022802000035.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022802000064.html)。
 出そうと思ってて、機を逸した記事。

 先ごろ40%程度の低投票率の下、「圧勝」したそうだ。名古屋には、優れた人物、政治家はいないのでしょうかね?

 元東京〝ト〟知事元大阪〝ト〟知事や自民党のタカ派議員の皆さんも含め、歴史を鏡にできない政治家ってどういう人? 井戸を濁らしてどうするの? 近隣諸国とどんな関係を築こうとしているのか?

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
   『●『追われゆく坑夫たち』読了(2/3)
  
   『●『「反日」とは何か ~中国人活動家は語る~』読了(3/3)

     (※「平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい」)
  
   『●隣国と一体どんな関係を築きたいの?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022302000060.html

【社説】
河村市長発言 歴史認識はしっかりと
2012年2月23日

 「虐殺はなかった」とする名古屋市長の発言に反発し、南京市は公の交流の一時停止を決めた。南京事件については、日中共同の歴史研究がある。市長としての発言にはもっと慎重であるべきだ。

 河村たかし市長は、友好都市である南京市の共産党幹部が訪問した際に「南京大虐殺は無かったのではないかと発言した。その問題意識について、市長は記者会見で「子孫のため(歴史認識を)真実へと正すのは六十三歳のじいさま(市長)の社会的、政治的使命だと思っとります」と述べた。

 だが、市民を代表する市長として友好都市の訪問団に会った際に、歴史認識に食い違いのある問題で自らの見解を一方的に公にしたことは配慮が足りなさすぎる。

 二〇〇六年の安倍晋三・胡錦濤首脳会談の合意を受けてスタートした日中歴史共同研究委員会は二年前、南京事件について「虐殺行為に及んだ日本側に責任があるとの認識では一致した」との報告を公表した。一方、犠牲者数は、中国側の「三十余万人」、日本側の「二十万人を上限に四万人、二万人などさまざまな推計がある」と両論を併記した。

 小泉純一郎首相靖国神社参拝で悪化した日中関係を改善しようと、双方が歩み寄った知恵が共同研究である。それを両国で共有しながら、今回の市長発言である。個人の信念と公職者としての発言はおのずと違う。

 市長は「謝罪や撤回のつもりはない」と話した。日中間の討論会を呼びかけてはいるが、どれほどの実現可能性をともなっているのか。市として行うのか、一政治家としての呼び掛けか。

 南京市は「市民の感情を傷つけた」と反発している。会談の場で反論しなかった訪問団に、「弱腰だ」との批判がネットで相次いでいるという。市長の言葉がもちろんきっかけである。

 歴史をひもとけば、名古屋生まれの松井石根陸軍大将は終戦後、極東国際軍事裁判で南京大虐殺の責任を問われ処刑された。一九七二年の国交回復後、名古屋市は当初、天津市との提携を望んだが、中国の提案に応じる形で、南京市との提携をあえて決めた

 七八年の平和条約締結の年の友好提携となった。まさに、歴史を鑑(かがみ)に前に進もうとした当時の日中関係者の英断であった。こうした歴史を踏まえながら、一歩ずつ着実に関係改善に努めるのが、政治家の本当の使命であろう。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012022802000035.html

大虐殺否定 河村市長撤回せず 都知事エールが後押し
2012年2月28日 朝刊

 名古屋市の河村たかし市長は二十七日の定例記者会見で、「いわゆる南京大虐殺はなかった」との発言が中国側の反発を買ったことに触れ、「三十万人もの非武装の市民を日本軍が大虐殺したことはない。撤回はしない」と従来の主張を繰り返した。

 河村市長は「象徴的に三十万人とされるような組織的な大虐殺はなかったのではないか、という趣旨。伝わらなかったとすれば残念」と述べた。

 中国で批判報道が過熱した二十四日には、火消しに必死な市内部で「非礼を陳謝」する趣旨のコメントが用意された。市長も、発言の悪影響を懸念し「市民生活を守るのが市長の責任」と記者団に語り、軌道修正を示唆していた。

 しかし、市長が出した結論は「謝らない」だった。引くか、進むかで揺れる市長の背中を押したのは、「河村君は正しい」と述べた石原慎太郎東京都知事。次の衆院選での連携も取り沙汰される相手からのエールに気を良くしているところに、考え方の近い市議から「ここで引くのは、政治的な死を意味する」と説得された。

 南京市と連絡を取りながら事態収拾に動いてきた国際交流を担当する市幹部は「火に油を注ぐ選択だ」。観光業など経済活動への悪影響を懸念する声も強まりそうだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012022802000064.html

【社説】
河村市長発言 なぜ素直に撤回しない
2012年2月28日

 名古屋市長は「南京事件はなかった」との発言を撤回せず、訪問団にも非礼ではなかったとの考えを、きのう述べた。率直な議論で「ノドのトゲを抜こう」と主張するが、その土台は一体あるのか。

 河村たかし市長は会見で「いわゆる南京事件はなかったのではないか」という発言が「南京大虐殺はなかったという持論を展開」と報道され、「南京では何もなかった」と誤解されたと釈明した。

 市長は「象徴的に三十万人とされるような組織的大虐殺はなかったとの趣旨」と説明。「友好団に面と向かって三十万人の大虐殺と申し上げるのは言葉がいかにも残虐なので、あえていわゆる南京事件と申し上げた」と釈明した。

 当初の発言は、市長が南京大虐殺はなかったと公にしたと受け止められる言葉である。報道により南京市民の誤解を招いたというのは、とんでもない責任転嫁だ。

 南京で虐殺がなかったという研究者はほとんどいない。日中歴史共同研究の日本側論文も「集団的、個別的な虐殺事件が発生し」と明記する。市長自身「非戦闘員の殺害はあっただろう」と認めており、日中で隔たりがある被害者数を問題にする意図であったのなら、そう明言すべきであった

 市長は共同研究を「学者の個人的見解」と批判するが、国や政治レベルで埋まらぬ歴史認識の溝を、少しでも客観的に埋めようとの知恵であった。中国主張の「三十万人」を市長が真っ向から否定しては、南京市側は率直な議論のテーブルにはつけぬだろう。

 敏感な問題でも、政治家が主義主張を掲げるのは結構だ。だが、首長は政治家であるとともに自治体のリーダーでもある。歴史的な米中、日中国交正常化の扉を開いたピンポン外交の舞台である名古屋のトップの公式発言としては不適切だった。日中四十周年の記念すべき年に、友好都市が公の交流を停止し、記念行事や経済活動にも影を落とす。苦しい釈明ではなく、素直に撤回できないものか。

 昨年春、南京市の公園で日中の百人以上が友好の桜を植えた。南京出身で十五年以上も名古屋に住む韓金龍さんが中心となり、過去五年で千本余を植えた。韓さんは「手を携えて桜を守り、友情の証しにしたい」と話した。

 「公の交流停止」と言う南京市のシグナルを、敏感に受け止めてほしい。民の交流の根は深く、広い。民の交流を支えてこその市長であろう。
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