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●金(カネ)色の五つの輪に批判の目を向けるきっかけを与えてくれた谷口源太郎さん…《商業主義に染まった五輪のあり方に警鐘を鳴らし続けた》

2024年08月02日 00時00分38秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(2024年07月05日[金])
金(カネ)色の五つの輪に批判の目を向けるきっかけを与えてくれた谷口源太郎さん。6月22日に亡くなったそうです。ご冥福をお祈りいたします。
 岸本拓也記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/【悼む】政治とカネにまみれた五輪に警鐘を鳴らし続けた谷口源太郎さんの「遺言」 我々が受け継ぐべき精神は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/337770?rct=tokuhou)。《スポーツジャーナリストの谷口源太郎さんがこの世を去った。享年86。商業主義に染まった五輪のあり方に警鐘を鳴らし続けた。「こちら特報部」にも幾度となく登場した反骨のジャーナリストから引き継ぐべき思いとは。ゆかりの人々に聞いた。(岸本拓也)》、《「文部科学相だろうが、JOC会長だろうが、どんな権威にも事実を取材して、真っ正面から正論で批判した。時の権力にとっては一番痛い。源さんのような存在を最後にしてはいけない」》。

   『●「精神疾患と〝薬漬け〟」
     『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号)について
    「谷口源太郎さん【やせ細りきったオリンピックの理念 
     ショービジネスと国家威信の祭典に】、「NHKまでもが…
     民放もオリンピック翼賛報道に徹することなどによって、
     ナショナリズムを煽りに煽っているところだ」。東京はヤクザまで
     http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3be56253bf645f165d92b336bd2b3c64

   『●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても
                彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ
    《スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏がこう言う。」
     「大会組織委の森喜朗会長が東京五輪で目指しているのは、
     オールジャパン体制ですし、スポーツ精神を滅私奉公だと言って
     はばかりません。こうした言動は、まさに国家総動員を象徴している
     と思います。政府がこのような精神に基づいて東京五輪の開催へと
     突き進んでいるので、ますます国家主義的な体制が強化されていく
     のではないでしょうか。放映権料を払ったマスコミなどは
     五輪翼賛報道へと突っ走っています。五輪に反対すると『国民だ!
     言われかねない風潮が醸成されていると思います」》

   『●#粉飾された美しい国…《政治の目標に数字を合わせていけば
            政権の都合のいい数字になっていくのは当然》
    《五輪に詳しいスポーツライターの谷口源太郎氏がこう言う。
     「今回の件では全国紙からは真実を追及しようという姿勢が
     伝わってこない。どこか手加減している印象が拭えない。
     それは東京五輪のスポンサーになっていることと決して
     無関係ではないでしょう。メディア本来の役割を放棄し、
     国民の注目度が高い五輪でとにかく部数を拡張し、
     利益につなげようとする思惑が透けて見える」》

   『●第2波が高止まりのまま、無謀なGoTo強行。そして、いま、第3波の
        ほんの入り口かもしれない…懸念通りの感染拡大。市中感染拡大
    《谷口源太郎氏がこう言う。…「国内主要メディアは
     大会スポンサーになっていますから、厳しい報道を控えるのは
     当然です。批判的な記事を幹部に差し止められた記者がいた
     ことも明らかになっています。欧州を中心としたコロナの状況を
     見れば、開催が難しいのは明らか。海外メディアは
     『五輪より人命』という当たり前の感覚で報じていますが、
     国内メディアにはそれができないのです。“お祭り”を
     持ち上げてばかりでは、真実は伝わりません」…国民が目を
     向ける真実にメディアがソッポとは、異常事態だ。》

   『●意図的に《検査件数が大きく減っている…東京都は都内の保健所
     に対し、「積極的疫学調査」の対象を絞るよう、通知を出している》
   『●森喜朗氏も東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会
       会長を〝解任された〟し、金(カネ)色の五つの輪なんて要らない
   『●金(カネ)色の五つの輪の中止を! …《フタを開ければ、おぞましい
        ほどカネにまみれているのが五輪の実態なのだ》(金子勝さん)
   『●ボイコフ教授《新型コロナウイルスのパンデミックのさなか、聖火リレー
        は五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している》
   『●《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと…中国に
     「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》
   『●《東京五輪、もはや「詰んだ」状況ではないのか》、メディアは分かって
       いるのに書けない…だって、金(カネ)色の五つの輪のスポンサー
   『●馳浩《知事は元文科大臣であり、それ以前に元高校教諭である。恥ずかしく
      ないのか。子供たちへの悪影響は計り知れない》(小沢一郎衆院議員)
    《スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏も馳氏の発言を
     「政府主導の招致活動で、いろんなことが行われた可能性を
     示唆している」と注目する。谷口氏は、16年の五輪招致失敗後、
     招致活動の主導が東京都や招致委から政府に変わったとみている。
     当時首相だった安倍氏と氏がその中心で、馳氏は森氏の誘いで
     政界入りしたことはよく知られている。「延期を決めたバッハ会長
     との電話会談の席に2人が出席し、実質的に安倍氏が仕切った
     ことは象徴的だった。森—安倍ラインで招致を進め、馳氏はその
     一翼を担ったと言える。官房機密費が使われたのであれば、
     政府主導の何よりの証拠だ」
      高価なアルバムを渡すことももちろん問題だが、谷口氏は
     あくまで表面的なことに過ぎないと説く。
     「アルバムが機密費で作られたのであれば、馳氏の個人プレー
     であるわけがない政府が東京五輪の招致で何を行ったのか、
     馳氏の背景に何があったのかを追及していく必要がある。その
     意味で、馳氏の発言やブログは大事な手掛かりを提供してくれた」》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/337770?rct=tokuhou

こちら特報部
【悼む】政治とカネにまみれた五輪に警鐘を鳴らし続けた谷口源太郎さんの「遺言」 我々が受け継ぐべき精神は
2024年7月4日 12時00分

 スポーツジャーナリストの谷口源太郎さんがこの世を去った。享年86。商業主義に染まった五輪のあり方に警鐘を鳴らし続けた。「こちら特報部」にも幾度となく登場した反骨のジャーナリストから引き継ぐべき思いとは。ゆかりの人々に聞いた。(岸本拓也


◆死の2カ月前の取材でも、熱く

 「このままの五輪を続けていくと、スポーツは死ぬ。五輪に代わる新たな国際スポーツイベントをつくり直したほうがいい」

 6月22日に亡くなった谷口さん。「こちら特報部」が最後に取材したのは、それからおよそ2カ月前の4月26日だった。開幕が迫るパリ五輪の問題点について西田直晃記者が電話で尋ねると、熱っぽい語り口で商業主義にひた走る五輪を強く批判した。

     (五輪の政治利用について講演した、在りし日の
      谷口源太郎さん=2017年、石川県七尾市で)

 1980年代以降、選手を後回しにして商業主義に傾く現代五輪を問題視してきた谷口さん。特報部の記者はその主張に何度も耳を傾けた。目の前の事象にとらわれず、歴史的な流れを踏まえた背景を記者に説いた。電話取材が1時間を超えることもざらだった。


◆長野五輪招致を巡る利権疑惑を追及、今はパリ五輪にもメス

 谷口さんは1938年、鳥取市生まれ。早大中退後、講談社や文芸春秋の週刊誌記者を経て、1985年にフリーとして独立した。スポーツを社会的視点で捉えて批評し、1994~95年に東京新聞夕刊に連載した「ウオッチング〈スポーツの広場〉」でミズノ・スポーツライター賞を受賞した。

 数十年来の付き合いがある日体大の森川貞夫名誉教授(スポーツ社会学)は「源さんの一番印象深い仕事は、1998年の長野五輪招致を巡るJOC(日本オリンピック委員会)初代会長だった堤義明氏を追及した報道だ」と話す。谷口さんは現地に泊まり込んで、五輪を巡る開発が自然を破壊するだけでなく、堤氏が君臨した西武鉄道グループの利権に結び付いているという疑惑を追及した。

     (オリンピックシンボルの光と影(イメージ写真))

 その後も徹底してマネーファーストの五輪を批判してきた。隔月誌「放送レポート」で連載「スポーツとマスコミ」を手がけ、最後の原稿となったのが、先月発売分の第200回。パリ五輪をテーマに、水質汚染が懸念されるセーヌ川での史上初の船上開会式やトライアスロン競技を疑問視し、「選手を見せ物化してしまうものでしかない」と憂えた。

 同誌の岩崎貞明編集長は「谷口さんは、政治的な思惑と利権の温床になった五輪はやめた方がいいという信念を持っていた。とりわけ国威発揚のために、スポーツを利用する危険性を強く訴えていた」と話す。

 日本では「観(み)るスポーツ」に偏りがちなことも問題視していたという。岩崎さんは「観るだけでは、スポーツが一部のエリートアスリート中心のものになってしまう。いろんな人が気軽に参加できる『する』スポーツ環境が日本にはもっと必要だ、という思いを持っていた」と振り返る。


◆どんな権威にも真っ正面から批判

 シンポジウムなどで谷口さんと意見を交わしたスポーツ文化評論家の玉木正之さんは「五輪や日本のスポーツの歴史や事実を押さえ、筋を通す意見が言える人だった」と評する。

 スポーツ振興くじ(toto)を巡っては「ギャンブルとスポーツを結び付けてはいけない、という原則論を説くのが谷口さん。禁じたらアングラ経済がもうけるだけと考える私とは考えが違った」と話す。

 それでも玉木さんは「意見が違っても有意義な討論ができた。筋が通った異論をもっと聞きたかった」と故人をしのんだ。

 先の森川さんは、谷口さんの精神を受け継ぐことが必要と説く。

 「文部科学相だろうが、JOC会長だろうが、どんな権威にも事実を取材して、真っ正面から正論で批判した。時の権力にとっては一番痛い。源さんのような存在を最後にしてはいけない」


【関連記事】フランスが威信をかけてセーヌ川を大掃除する五輪の愚 「東京」の反省生かされず
【関連記事】「カネと利権まみれ」東京五輪・パラ汚職事件が札幌大会招致に浴びせた冷や水
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コメント
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●金(カネ)色の五つの輪、《中止になって「万歳」でなく、3兆6000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならない》

2021年04月21日 00時00分07秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]


 (2021年04月17日[土])
マガジン9のインタビュー記事【この人に聞きたい 本間龍さんに聞いた:コロナ感染リスクと膨らむ予算、それでもオリンピック開催にこだわる理由】(https://maga9.jp/210310-6/)。
cakesのコラム【ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 武田砂鉄/結局、橋本聖子になったけれど】(https://cakes.mu/posts/33259)。
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/権力に寄り添い、自らをアジャストさせる橋本・丸川コンビ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/285857)。

 《無観客でも海外から数万人。コロナ対策、できるの? … 3兆5000億円?!ふくらみ続ける経費 … 諸悪の根源はメディアがスポンサーになっていること … 続出するボランティア辞退 … 女性差別から女性の政治利用へ … 中止へ、そして検証と責任追及を …中止になって「万歳」でなく、36000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならないこれこそもっとも重要な問題です》。
 《なので、昨年11月にこの連載に書いた内容をそのままコピペしておく。自分で下記を読み直したが、考えは当然変わらない。東京五輪を中止すべきだ》。
 《その意味では、謝罪会見における森氏の「(老害という)老人が悪いかのような表現は極めて不愉快な話」という憤りは正しい。あられもない商業主義と国威発揚目的に徹した東京五輪そのものが、五輪の理念の対極にある。中止以外の道などあり得ないはずなのである》。

   『●《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと…中国に
     「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》

 斎藤貴男さんの言葉は ―――《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと、来年の北京冬季五輪を控える中国に「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》――― 激烈だけれども、頷くことばかりだ。どこまでも卑し過ぎるし、腐臭漂う。
 金(カネ)色の五つの輪なんて開催してはいけない。《中止へ、そして検証と責任追及を》!

 《福島はオリンピックどごでねぇ》。
 東京新聞の記事【「リレー聖火消すべき」米NBC 元五輪代表大学教授の寄稿掲載】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/93934)によると、《【ニューヨーク共同】米国内で東京五輪の放送権を持つNBCは25日、「リレーの聖火を消すべきだ」と題する寄稿を電子版に掲載した。「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のさなか、聖火リレーは五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している」とした。…ボイコフ氏は、聖火リレーの出発地に福島を選んだことは「この儀式の偽善や害悪、ばかばかしさを際立たせただけでなく、五輪に向けて突き進む日本の問題の縮図でもある」と主張》。
 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第159回:東京五輪、日本国民であるということ(鈴木耕)】(https://maga9.jp/210407-4/)によると、《1.招致 … 2.竹田疑惑 … 3.膨れる予算 … 4.国立競技場 … 5.エンブレム … 6.会場変更 … 7.大会延期 … 8.世論 … 9.旧体制 … 11.ボランティア … 12.聖火リレー … 13.マスメディア …この国の政治のありようをこれほどリアルに映し出したこと、腐りきった傷口から漏れ出る腐臭をこれほどはっきりと示してくれた「東京オリンピック」に、ぼくらはむしろ感謝しなければならないのかもしれない。日本という国の国民であるという身の程を、嫌というほど知らされたのだから》。

   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
              聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●バッハ会長とニッポン人だけで金(カネ)色の五つの輪を「人類が
      新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪」として開催?
   『●《ああ、すべては東京五輪のために。…国威発揚と利権漁りの国策
     サーカスが、人間の生活にも生命にも優先されるのが、現在のこの国だ》
   『●あぁぁ、〝箕部幹事長〟はブーメランも理解できな程の老醜…《事の
     発端》をお忘れか? ―――《二階の年末の「8人ステーキ会食」》
    「「エイジズム」の意図は全くないのだが、政治家個人として
     醜悪であり、「老害」「老残」だ」

   『●<金口木舌>《年齢で他者を差別をする人も老いる。矛先はいずれ
     発した側に向かう》…「エイジズム」に陥ることなく批判すべきは批判を
   『●森喜朗氏も東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会
       会長を〝解任された〟し、金(カネ)色の五つの輪なんて要らない
   『●「老残・老醜」なサメ脳シンキロウ氏への大ブーメラン…過去の批判に
      学ばず、《学ぶつもりのない人が権力を握り続けている》深刻な問題
   『●金(カネ)色の五つの輪の中止を! …《フタを開ければ、おぞましい
        ほどカネにまみれているのが五輪の実態なのだ》(金子勝さん)
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
     何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●ボイコフ教授《新型コロナウイルスのパンデミックのさなか、聖火
     リレーは五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している》

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https://maga9.jp/210310-6/

この人に聞きたい
本間龍さんに聞いた:コロナ感染リスクと膨らむ予算、それでもオリンピック開催にこだわる理由
By マガジン9編集部 2021年3月10日

昨年、ギリギリになって2021年への開催延期が決定した、東京オリンピック・パラリンピック大会。しかし現在に至っても、世界中で新型コロナウイルス感染症は収束しておらず、ワクチン接種もまだ進んでいません。首都圏では、病床の逼迫を理由に緊急事態宣言も延長されたばかりです。コロナ対策が後手にまわるなか、この状況下で本当に開催することができるのでしょうか。オリンピックに関するさまざまな問題を追い続けてきた作家の本間龍さんに伺いました。
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無観客でも海外から数万人。コロナ対策、できるの?

──2020年開催予定だった東京オリンピック・パラリンピック大会が延期されて早1年がたとうとしています。しかし、コロナの感染はいまだ収束したとは言いがたい状況で、日本国内でも新たな感染者が出続けています。それにもかかわらず、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会や政府、東京都などは「何が何でも今年の夏には開催する」と言い続けていますが、本当にできるのでしょうか。

本間 「開催できるかどうか」というだけなら、物理的にはできるでしょう。ただ、政府や組織委員会も言い出しているように、海外からの観客は入れない、無観客で開催するというなら、それはもうオリンピックとは言えないと思います。世界中からいろいろな人が会場に集まって熱気にあふれ、声援が飛び、歓声が上がる。会場の外でも外国人選手や観光客と日本人が交流する。そういうエモーショナルな感動があってこそのオリンピックでしょう。それが一切ないというなら、単なるスポーツイベントと何ら変わりません。
 オリンピックの理念や哲学など、すべてかなぐり捨ててそれでもとにかくやるんだと、「開催すること」だけが自己目的化している。そこに何兆円もの税金を投入していいのか、と言いたいですね。

──理念をさておいたとして、観客を入れず、選手だけならコロナの感染拡大を抑えることはできるでしょうか?

本間 観客は入れないとしても、選手と大会関係者だけで2〜3万人はいます。さらに世界中から数万人のメディア関係者がくる。メディアをシャットアウトしたらオリンピック自体が世界中に報道されなくなるので、それはありえません。ですから、すべて合わせると大会にあわせてやってくる人たちは5万人以上になるはずです。
 今は防疫対策として厳しく入国制限しているのに、オリンピックのために5万人以上の不特定多数の人が外国から入ってくる。それでいいんですか? 日本国民の安心安全はどうなるのでしょう。ワクチン接種も行き渡らない、特効薬もない状況で、オリンピックをやって感染が広がったら、いったい誰が責任をとるつもりなのでしょう。

──政府は、選手にはPCR検査の陰性証明を求め、厳しく行動制限するから大丈夫と言っています。

 

本間 JOC(日本オリンピック委員会)も、選手に関しては徹底管理すると豪語しています。感染していないことを担保する陰性証明を入国ビザと連動させて義務づける、出場予定の5日前に入国、滞在中の行動は厳しく管理し、競技が終わったら3日以内に帰国してもらうとか、いろいろ言っていますが、メディア関係者は対象外です。そもそもメディアの人たちは、あちこち動き回って取材するのが仕事なのですから、その自由を奪うことなんかできません。

 彼らは、24時間、競技場や選手村だけに張り付いているわけでなく、開催都市である東京の街の様子なども取材に回るでしょう。あちこち撮影したり、街頭インタビューしたりする。それが仕事ですから。で、その健康管理はどうなっているかといえば、73億円かけて感染追跡アプリを作ってるから大丈夫、というんですね。

──昨年できた新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOAも、不具合が指摘されて使い物にならないと言われています。今から新しいシステムを作るって、大丈夫なんでしょうか?

本間 不可能でしょう。最大の問題点は、たとえそのアプリをメディア関係者のスマホに入れさせたとしても、それぞれがきちんと毎日データを入力してくれるか、何の保証もないことです。健康チェックにしろ、行動報告にしろ、嘘をつかないで正確に決められた通りにやっているか確かめようがないし、守らせるための法的な強制力もありません。

 たとえば、ちょっと熱がでてきたけど正直に報告したら取材ができなくなっちゃう、やばいから適当にごまかしておこう、という人が出てきてもおかしくない。それを誰がチェックするのか。違反したときに法的な罰則を加えることができるのか。できないでしょう。

──宿泊施設の問題もあります。選手の宿舎は個室ではないそうですね。そうすると誰かひとりでも陽性者が出たら、濃厚接触者が次々に出て、ついには選手村全体が閉鎖されるなどということもあり得るのでは?

本間 そうですよね。おそらく国ごとにフロアを割り当てるつもりなのでしょうが、もし感染者が出たらどう対処するのか。そのフロア全体の選手を2週間出場停止にするのか、そのなかに翌日の決勝戦に出場予定の金メダル候補がいてもそうするのか、あるいは検査で陰性と出ればその人だけ出場させるのか。いろいろなケースが想定されますが、それについてのマニュアルがまだ一切明らかにされていない。ぎりぎりになって決めるつもりなのでしょうが、そういう危機管理は事前にきちんと情報公開しなければ、まったく信用されません。

     (本間龍さん。インタビューはオンラインで実施)


35000億円?!ふくらみ続ける経費

──お金の問題も深刻です。招致の段階では、当時の猪瀬直樹都知事などは、これまでにない低予算のコンパクト五輪にする、7000億円でやれると言っていましたよね。

本間 オリンピックにいくらかかるのか、これはひと言では言えません。開催に直接かかる経費として組織委員会や政府が発表しているのは、1兆6400億円です。昨年の段階で1兆3400億円でしたが、延期したことでさらに3000億円が乗っかった数字です。
 ですが、実際の経費はこれだけか、というとそうではない。たとえば東京都はマラソンコースの道路整備などに8000億円使いました。マラソンは結局札幌でやることになって、無駄になったわけですが……。開催のためには膨大な環境整備費がかかるのに、組織委員会としてはそんなの東京都が勝手にやってることで、俺たちは知らないと予算に入れていないのです。でも国民からみれば同じ税金でしょう。
 まだまだあります。会計検査院の2019年12月の発表によると、招致が決まった2013年から19年の間に、国の機関がオリンピックのためとして使った予算は1兆400億円に上ります。

──具体的にはどんなことに使われているのでしょう。

本間 それがまた実にいい加減で、一例をあげれば「水素自動車の実証実験」というのがあります。オリンピックではトヨタが水素自動車を走らせる。その実証実験と称して、ある山村の一画に水素ガス供給センターを1億円かけて作ったのです。でもその村に水素自動車は2台しかないんですよ。そんなもの作って後々どうするんだ、という話です。
 ほかにもオリンピックに何の関係もない橋や道路の補修に使うなど、ここぞとばかり火事場泥棒的にあれこれ突っ込んでいるんですね。

──東日本大震災の復興予算と同じですね。

本間 そうなんです。そんなこんなで、すべて足すと3兆5000億円を超えてしまいます。それでもまだ済まない。コロナ対策費がさらに乗っかって来ます。一応、延期に伴う追加予算の3000億円のうち1000億円はコロナ対策費となっていますが、これはごく基本的な数字で、実際にやるとなったらこれで済むはずはなく、どこまで膨らむかだれにもわからないという状況です。

──空恐ろしいことです。

本間 結局いくらかかるのか、終わってみなければわからないと組織委員会の人も言っています。これまで一番金がかかったのはリオ大会の1兆5000億円と言われていますが、今回はそれを遙かに超えるはずです。


諸悪の根源はメディアがスポンサーになっていること

──膨大な税金の無駄遣い、それに加えてコロナ感染拡大によって国民の命を危険にさらすリスク。菅義偉首相は「人類がコロナに打ち勝った証としてのオリンピック」と繰り返しますが、それができないのは明々白々です。

本間 政府内でもまともに開催できると思っている人はひとりもいないでしょう。ただ、今まであまりにも多くの金をかけてきてしまったから、簡単には引き下がれないというのが正直なところだと思います。
 67社のオリンピックスポンサーに対しても、「今年は絶対開催するから」と言って、昨年12月で契約が切れたのを今年9月まで更新してもらって、それで200億円集めています。ただ、200億円といっても本当にそれだけの現金が集まっているわけではありません。業績が悪化している会社が多いので、航空会社なら選手移動のための航空券を提供しますとか、アパレル企業ならユニフォームを無料で作りますとか、バーターが多いのです。これも実際に現金があるように見せかける組織委員会のペテンですね。

──スポンサーには大手メディアも入っています。そのため中止せよという声が高まらないのではないでしょうか。

本間 諸悪の根源は、大手全国紙5社(朝日、毎日、読売、日経、産経)がすべてスポンサーになっていることだと思います。だから中止という論調が出てこない。最近はどの世論調査でも8割がオリンピック開催に反対しているのに、中止を求める社説は今のところどこの新聞も出していません。新聞が言わないので系列テレビも言わない。ワイドショーや報道番組でも、中止すべきという話が盛り上がりません。
 森喜朗組織委員会会長の辞任騒ぎはさすがに大きく取り上げましたが、では、そもそも開催する意味があるのかとか、そうした踏み込んだ問題はうまくスルーしごまかしています。世論調査では国民の8割が支持していない開催について、すべての新聞が口を閉ざしている、異様なことです。
 記者会見などでも、たとえばコロナ対策は具体的にどうなっているのか、国民の安心安全をどう担保するのかといった質問さえ出ない。戦争中の大政翼賛報道と同じです。

──オリンピックでは、スポンサーにならなければ取材ができないのですか?

本間 そんなことはないでしょう。ただスポンサー優先で、いい場所がとれないとか、後回しにされるという不利益はあるかもしれませんが……。
 僕が調べた限りでは、他国で開催された今までのオリンピックで、主な報道機関がすべてスポンサーになったという例は見あたりません。1社とか2社ならわかるけれど、全社横並びではまともな報道ができるはずはありません。

──ここまで来たら、スポンサーを降りて、はっきりものを言うマスコミが現れても良さそうなものですが……。

本間 どこの社も、そんな根性はないでしょうね。スポンサー契約の更新にしても多くの企業が年末ぎりぎりまで迷っていたのに、新聞各社はいの一番に更新したくらいですから。


続出するボランティア辞退

──オリンピックでのボランティアについても、本間さんはずっと以前から、その劣悪な待遇などについて警鐘を鳴らし続けておられました。コロナの問題などがあって、今ボランティアの状況はどうなっているのでしょう。

本間 組織委員会では延期後も、8万人のボランティア登録者に定期的にメールを出しているのですが、昨年12月のメールに返信が来たのは約2割、1万6000人だったと言われています。やるかやらないかの意思確認ではなかったようですが、2割の人からしか反応がなかった。ですから本当にやってくれるのか、蓋を開けてみなければわからないのです。
 さらに、例の森発言の後には、1000人くらいの辞退者が出たと言われています。それに対して組織委員会は、運用には問題ないとえらそうに言っているし、二階俊博自民党幹事長も「(ボランティアは)いくらでも補充できる」みたいな発言をした。まったく無神経な反応で、ボランティアに参加する人たちへの敬意が微塵も感じられません。
 ともかく、政府や組織委員会が慌てているのは確かで、今年1月にパソナが時給1650円で、ボランティアと同じ仕事内容のバイト募集を始めています。

──医療従事者にもボランティア要請が来ていると聞きます。ただでさえコロナ対応で疲弊しているのに、あり得ない話ですね。

本間 医療系スタッフだけで2万人は必要と言われていますが、今の医療逼迫状況ではオリンピックにボランティアを出す余裕なんてないのは明らかです。なのに森さんの後を継いだ橋本聖子会長は「何とかなる」みたいなことを言っている。今のところ、東京都医師会が関東全域の医師会に協力してもらってボランティアを集めることになっているのですが、それができなければ最後は国が何とかしてくれると、何の展望も無いのにたかをくくっているのだと思います。
 こうしたボランティアの問題一つとっても、本来ならメディアが徹底的に追及して、開催が不可能であることを暴き出さなければならないのに、ことごとくスルーしている。だから政府や組織委員会は「やるやる」と言い続けていられるのです。


女性差別から女性の政治利用へ

──橋本新会長の名前が出ましたが、今年2月、開催予定まで半年余りという時期に組織委員会の会長交代劇が起きました。橋本さんは本当はやりたくなかったと言われていますね? 森辞任は避けられないけれど、抗議の声を無視はできない。だから女性で、しかし森さんに近い橋本さんで何とか片をつけようという下心が透けて見えます。

本間 まあ、五輪担当相だった橋本さんが横滑りするのは、一番妥当な線だったのではないでしょうか。私はダークホース的には小谷実可子さんもありかなと思ってたけれど、行政手腕が問われる役職なので、橋本さんに落ち着いたのでしょう。
 それにしても、組織委員会というのは、オリンピックを開催してもしなくても、いずれにしろ年内で解散する組織です。会長など今さら誰がやっても同じです。橋本新会長の一番の仕事になると思われるのは、中止決断を下すこと。いわば敗戦処理です。
 にもかかわらず橋本さんは「男女平等への取り組み」として、理事会における女性理事の割合を40%に引き揚げると言って、新たに12人も理事を増やしました。今さら? 1カ月後には中止が決まるかもしれないこのタイミングで!? と思いました。
 理事を増やすと簡単に言いますが、ひとりあたり100万円くらいの月給を出すわけでしょう。そんな予算はもうどこにもないはずです。

──私たちにはわからない政治的な思惑があるんでしょうね。森さんの女性差別発言を反省して、女性を登用すると言っていますが、橋本さんも後任の五輪担当相の丸川珠代さんも、男性社会でうまくのし上がってきた「女性の皮を被った男性」という感じがします。問題から目をそらすために女性を政治利用しているとしか思えません。

本間 JOCだけでなくIOC(国際オリンピック委員会)だって、会長も副会長も男性ですよね。ジェンダー平等だのLGBTの人権だの、もっともらしいことを言って神聖化して、もはや「オワコン」であるオリンピックを存続させ、それで飯を食おうとしている人たちの集まりに過ぎません。

──オリンピックそのものが、すでに役目を終えたイベントだということですね。

本間 いわゆる「発展途上国」であれば、オリンピック開催をきっかけに経済を発展させ、「先進国」の仲間入りをするという意味で、利用価値はあるでしょう。あるいは2024年開催予定のパリやその次のロサンゼルスのように、すでにある「遺産」を使って、税金をほとんど使わないでできる、というならまだいいかもしれない。ですが、東京のような過密都市が、既存の施設をぶっ壊し、膨大な金を使って新たに作り直してまでやる意味はまったくないと思います。


中止へ、そして検証と責任追及を

──2月半ばには、島根県の丸山達也知事が、オリンピック開催には賛同できない、県内での聖火リレーの中止を検討すると発言し、注目されました。こうした声が広がって「何が何でも開催」の流れが変わる可能性はありませんか?

本間 丸山知事の発言は、非常に核心を突いていると思います。島根県は聖火リレーのために7200万円を計上しています。一つの県でたった2日くらいの聖火リレーに、これほど巨額の県民の税金を使っていいのか、という疑問は当然のことでしょう。
 しかも、聖火リレーというのは人を集めてなんぼなのに、コロナだから集めすぎるな、密になるなと、めちゃくちゃな指令を組織委員会から投げられるわけです。異議を申し立てるのは首長として当然のことで、ほかの首長もみんなそう思っているのではないでしょうか。丸山知事ひとりの発言で開催を阻止できるとは思いませんが、あとに続く知事や政治家が出てくることを期待したいところです。
 野党にしても、開催中止を明確に主張しているのは共産党だけです。立憲民主党など他の野党もいい加減に見切りをつけて、中止へと舵を切るべきです。世論の8割が開催に反対している、その風を捕まえなくてどうするんだと言いたい。

──やるにしろやめるにしろ、招致からこれまで何があったのか、いくらお金がかかって、どう使われたのかなど、しっかり検証しなくてはいけないと思います。原発事故後の事故調査委員会のような組織を作って、きちんと後始末をつけなければいけません。

本間 その通りです。僕は中止になると思っていますが、そうなったら、さらにひどいことになる。関わっていた人間は沈没船から我先にと逃げ始めるでしょうから、そのときにどれだけ証拠資料を押さえられるか、今から準備しておかねば大変なことになります。僕らのような一般人が資料開示請求しても黒塗りされたものが出てくるだけですから、会計検査院など国権を持つ機関が強制力を持って調査をできるようにしなければだめです。
 中止になって「万歳」でなく、3兆6000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならないこれこそもっとも重要な問題です

(聞き手/鈴木耕、構成/板倉久子)





ほんま・りゅう ●著述家。1962年、東京生まれ。博報堂で18年間、一貫して営業を担当。2006年同社退職後、在職中に発生した損金補填にまつわる詐欺容疑で逮捕・起訴され、1年間服役。出所後、その体験をつづった『「懲役」を知っていますか?――有罪判決がもたらすもの』(学習プラス)で作家デビュー。その後、博報堂時代の経験から、原発安全神話を作った広告を調査し原発推進勢力とメディアの癒着を追及。また、東京オリンピックなど、様々な角度から大手広告代理店のメディアへの影響力の実態を発信するなど、幅広く活動している。『メディアに操作される憲法改正国民投票』(岩波ブックレット)、『原発広告』(亜紀書房)、『原発プロパガンダ』(岩波新書)、『ブラックボランティア』(角川新書)など著書多数。
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https://cakes.mu/posts/33259

ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜
武田砂鉄

結局、橋本聖子になったけれど
武田砂鉄
2021年2月24日


森喜朗の女性蔑視発言から二十日、新しい東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長に就任した橋本聖子。冬夏計7回のオリンピックに出場したトップアスリートから政治家に転身、2014年には男性フィギュアスケート選手へキスしたことが問題視されたこともあります。今回の就任について、武田砂鉄さんが考えます。


みんなで集まってリセットボタンを押す

 さあ、これで仕切り直して、東京五輪ですね、というムードに切り替わっているのが本当に不可思議だ。わずか20日ほど前の2月頭に吐かれた森喜朗の女性蔑視発言は、そもそも無理だらけの東京五輪にプラスされる形で新たに浮上した問題だった。森が辞め、川淵三郎がやると言い、やっぱやらないと言い、透明性を高めた上で次を決めますと述べた後で非公開の会議を行うという、国民を小馬鹿にした方法で、橋本聖子が新たに組織委員会の会長に就任した。密室では決めません、と宣言した直後に、密室で決める。この常習犯の手口に対し、「女性が就任したのは期待できる」と受け止め、メディアの人たちまで鏡割りのように集まってリセットボタンを押す光景というのは、運営する側にとっては「いやぁ、マジでチョロいなー」ってなもんだろう。


「森先生はやはり私にとっては大変特別な存在」

 橋本聖子の母の大叔父は、昭和初期に政治家をしており、母の父親は北海道で農家を営みながらその人の書生をしていた。二番目の姉の夫も政治家で、その義兄から「自分が引退したら後を継いでくれ」と言われていた。30歳の時に政治の世界に誘ったのが、当時の自由民主党・森喜朗幹事長だった。最近も、森と橋本は「今もお父さんという感じでご指導いただいております(橋本)」「私にとっても娘みたいな、そう思って大いに厳しくやろうと(森)」と、疑似親子関係を率先して周知させてきた。さすがに今回の件で「娘」が見切りをつけたかと思えば、就任会見で力強く「私自身の政治の師でもあります前会長、森先生はやはり私にとっては大変特別な存在」と述べ、来週早々にも会いに行きますと、親子関係の継続を強調したのだった。

 橋本聖子の著書『オリンピック魂 人間力を高める』には、自分が選挙に出馬できたのは、党がイメージアップを図っていたためだったことが冷静に書かれている。1995年、その直前に野党を経験していた自民党は、スポーツ選手を擁立しようと動いた。そこで白羽の矢が立ったのがメキシコ五輪サッカー日本代表だった釜本邦茂と、スピードスケート選手の橋本聖子だった。「夏と冬のオリンピックから一人ずつということだったらしいです」という一文に、そんなに適当なものなのかと呆れるが、この呆れ方は、この数週間の私たちの呆れと成分が似通っている。


「子どもを産むなら離職しろ」と言われた

 
出馬時、30歳×女性×高卒という属性やキャリアに対し、露骨なバッシングが向けられた。ある演説会で、自分の出番の前に、古参の議員が「次に挨拶する人は元オリンピック選手だから、どんな話をするか、わかりませんけどね。自民党もこういう人を招かなきゃいけなくなって、本当に力が落ちたもんだ」と言い、自分が当選した選挙では、落選した自民党の大ベテラン議員がテレビカメラの前で「橋本聖子みたいのが当選して、自分が落ちたのは……」と言われた。最悪だ。

 現職の国会議員として50年ぶりに出産すると、男性の国会議員から「国会議員は片手間にできるものではない。子どもを産むなら離職しろ」と言われた。そういうプレッシャーもあって、なんと、出産して1週間で仕事に戻ったところ、今度は「橋本聖子は一週間で職場復帰した。君もそれくらいで復帰できるだろう、と雇用主から言われた。アスリートと一般の女性は違うのに」といった意見が届いたという。超のつく男性社会に翻弄されながら、その中で女性としていかにキャリアを重ねようかと模索し続ける中で、「アスリートだから」「特別だから」という目線を内外から浴びてきた。


選手に謝らせたと認めたようなもの

 今回の森発言とその後の逆ギレや開き直りは、まさに橋本がこれまでの政治家としてのキャリアを積み重ねるなかで浴びてきた女性軽視・蔑視・無視そのものだったのに、結果的に、「森先生」と立てることを優先してしまった。

 2014年、冬季ソチ五輪閉会式後のパーティーで、男性フィギュアスケーターに抱きついてキスを強要した件については、就任会見で「軽率な行動について、当時も今も深く反省している。厳しい声は受け止めている」と述べている。7年も前のことをわざわざ引っ張り出すメディアを批判する向きもあったが、思い出さなければいけないのは、あの時、キスをされた選手側に謝らせ、同意の上だったと誤魔化そうとする動きがあったこと。極めて権限の強い日本選手団団長と、一人の選手という立場の差を考えれば、ハラスメント行為を被害者側の声明によって無効化させる手口は卑劣である。

 個人同士が同意の上でキスをするのは、どんな間柄であれ、他人に反省を表明することではない。今回、「あれは同意の上でした」ではなく、「深く反省している」と橋本は言った。反省を述べたということはつまり、選手が謝ったのではなく、選手に謝らせたと認めたようなものではないか。それって、とても重い事実だと思うのだがどうか。


問題が解決したわけではない

 今月初頭の森発言から橋本聖子就任までの20日間は、「これで五輪に向けての問題が解決した」ではなく、「新たに生じた問題をどうにかして消そうとした」だけであって、つまり、その直前まで山積していた問題が解決したわけではない。なので、昨年11月にこの連載に書いた内容をそのままコピペしておく。自分で下記を読み直したが、考えは当然変わらない。東京五輪を中止すべきだ。

 「今、メディアで、東京五輪開催への賛成・反対が問われる際、コロナ感染拡大が止まらない中で開催するべきなのかに議論が絞られているが、この絞り方では、これまでの経緯がすっぽ抜ける。議論すべきは、コロナだけではない。『東京は安全』(竹田恒和JOC元会長)などと被災地を踏み潰しておきながら『復興五輪』を名乗ってきたこと。シンガポールのペーパーカンパニーへの賄賂疑惑を放置していること。暑さ対策やボランティアの体制不備などの問題が解決されているとはいえないこと。従来の想定から膨らみ続ける開催費について根本的な検証が行われていないこと。などなど、理由はいくつもある。『コロナだけど、五輪できるの?』を議論する前に、いつの間にか外されている議題の存在を再度戻して問う必要があるし、それらを並べれば、答えはすぐに出ると思う」
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/285857

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
権力に寄り添い、自らをアジャストさせる橋本・丸川コンビ
公開日:2021/03/03 06:00 更新日:2021/03/03 06:00

     (橋本聖子新組織委会長(右、=共同)と
      丸川珠代新五輪相(C)日刊ゲンダイ)

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に橋本聖子氏、彼女の後任の五輪担当相に丸川珠代氏が就任して、そろそろ2週間。あれだけ騒いだマスコミが、もう何も言わない。何もなかったことにして“新型コロナウイルスに打ち勝った証しとしての五輪”とやらを、勝ってもいないのに強行したい政府の妄執の反映だ。

 こんな幕引きでよいはずがない。例の森喜朗・前組織委会長の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」発言は確かに、第一義的には女性蔑視であり、五輪の理念に反していた。

 そのことだけが問題なら、小池百合子東京都知事も合わせて女性ばかりの新体制で一件落着、でも結構。しかし、森氏の嘲弄は男性を含めた市民全体にも向けられていたことを忘れられては困る。

 あの発言は、“上位の力に隷従するのが正しい人間”だとする尺度が共有されていて初めて成立する。たとえば首相の汚職に手を貸して部下を自殺に追い込み、それでも偽証を繰り返すような卑劣漢こそが、この国では“期待される人間像”であり、“男の中の男”なのだ。

 その伝でいけば、橋本、丸川の両氏は申し分ない人材だろう。ともに絶えず権力の中枢に寄り添い、彼らの都合に自分自身をアジャストさせる能力で群を抜く。けれども女性であるのは確かだ。とすれば彼女らによって切り開かれていく世界とは、いわゆる“男社会”の封建構造に世の中全体が埋め尽くされる悪夢を意味してしまう。

 他方、作家の林真理子氏が「週刊文春」のエッセーで森発言に触れて、〈人々は今、根こそぎ社会を変えたいのではなかろうか〉と書いていたのが印象的だ。なるほど、最近、古いと見なされた価値観やその持ち主に対する風当たりは、かつてなく激しい。もっと言えば、高齢者の存在そのものを一掃したい集合意識さえ、私は感じている。

 では、そうして根こそぎ変えられていく社会は、どんな姿をしているのか。GAFAによる人間支配。生産性で採点される命の選別……。コロナ禍を奇貨として強行されつつある現実が完成した暁の、政治権力と巨大資本のユートピア、私たち人間にとってのディストピア。

 その意味では、謝罪会見における森氏の「(老害という)老人が悪いかのような表現は極めて不愉快な話」という憤りは正しい。あられもない商業主義と国威発揚目的に徹した東京五輪そのものが、五輪の理念の対極にある。中止以外の道などあり得ないはずなのである
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コメント
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●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)…金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々

2019年01月25日 00時00分53秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



マガジン9のコラム【鈴木耕 言葉の海へ/第59回:日本の民度】(https://maga9.jp/190116-5/)。
週刊朝日のコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/竹田恒和氏贈賄疑惑…東京五輪ごり押し一味はみな“悪”じゃ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245656)。

 《「フランスは民度が低い」とツイッターで発言している人物がいた。すごいことを言う人がいるものだなあ…と驚いてしまった。ぼくの単純な疑問は「えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?」であった。その発信者を見たらなんと、明治天皇の血をひくというので有名な学者(?)だそうなので二度ビックリ。でも、この人の父親がJOC(日本オリンピック委員会)会長の竹田恒和氏だというので納得した》。
 《「仮に百歩譲って意図的にお金をワイロのつもりで渡していたとしても合法違法ではない」(竹田恒泰氏) 面白いもの見つけちゃった。1月13日付の「論壇net」の「竹田恒泰氏、パパの贈賄疑惑について『意図的にワイロを渡していたとしても違法ではない』と主張していた」という記事。…はじまりましたな、安倍応援団特有の見苦しい責任のなすり付け合いが。ほんでもって、最後は親玉を隠すため、トカゲの尻尾切りでチャンチャンってね》。

 リテラの記事【竹田恒泰が父・恒和JOC会長の五輪汚職捜査に陰謀論全開!「フランスは皇室がないからひがんでいる」】(https://lite-ra.com/2019/01/post-4495.html)によると、《会見で竹田会長は“回ってきた稟議書にハンコを押しただけ”と主張。JOCの代表者であるにもかかわらず「いかなる意思決定プロセスにも関与してない」と断言するなど、その無責任ぶりが露わとなった。しかし、こうしたなかで注目を集めているのが、竹田JOC会長の息子で“ネトウヨ皇室芸人”と呼ばれる竹田恒泰氏だ。…「これ、どう見たって報復でしょ。間違いない。間違いないですね。フランスの民度が低いと言うことですわ」…フランスは皇室がないひがみから父親を逮捕しようとしている(苦笑)。竹田会長の無責任会見にくわえ、息子がこんな程度の低い陰謀論を開陳するとは、どこまで恥を晒せば気が済むのだろう》。
 また、《開催都市トップの小池都知事は今更、「困惑している」と驚き、菅官房長官は「疑念を払拭できるような説明責任を果たして」と突き放す。安倍首相は16日まで沈黙を貫いた。東京五輪招致における贈賄容疑で、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長…》。
 
 《竹田JOC会長の息子で“ネトウヨ皇室芸人”と呼ばれる竹田恒泰氏》が「フランスは民度が低い」だってさ!? 

 この鈴木耕さんのコラムで、《ゴーン前日産会長の勾留はすでに2カ月に及ぶ。ゴーン氏の妻が怒りを込めてコメントしている。…妻キャロルさんが国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチに、容疑者の長期拘束に伴う「人質司法」の見直しを日本政府に訴える要請文を送った》。
 低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚

 恥ずかしい…低「民度」な金(カネ)色の五つの輪、そしてニッポンの刑事司法。
 各省庁のデータ改ざん等々やアベ様のウソを垂れ流す政府広報・国営放送アベ様のNHK…。そして、かけがえのない美ら海、辺野古破壊…。低「民度」なアベ様の《サディスティックな政治》の数々。
 鈴木耕さんのコラムの〆の御言葉、《おいおい、「日本の民度」ってのはこんなもんかい!?》。

   『●《差別の歴史、力の差を無視して
     「どっちもどっち」論に持ち込む》(阿部岳さん)低民度…抗い続けねば
   『●鈴木耕さん《美ら海を破壊するために、軍事基地を造っている…
                      言い換えれば、サディスティックな政治》
   『●辺野古破壊: 政権広報・アベ様のNHKが
       「移植できないのは沖縄のせい」と攻撃…開いた口が塞がらない
   『●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…
           《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》
   『●ハンスト=非暴力抵抗運動で抗う沖縄の市民に対して、
            「その方に聞いてください」とはどういう了見か?
   『●「日本人の誇り」について熱弁をふるう宮崎政久衆院議員
             (自民)は、堂々と「辺野古破壊に賛成」に一票を

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https://maga9.jp/190116-5/

言葉の海へ
第59回:日本の民度鈴木耕
By 鈴木耕  2019年1月16日

 「フランスは民度が低い」とツイッターで発言している人物がいた。すごいことを言う人がいるものだなあ…と驚いてしまった。ぼくの単純な疑問は「えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?」であった。その発信者を見たらなんと、明治天皇の血をひくというので有名な学者(?)だそうなので二度ビックリ。
 でも、この人の父親がJOC(日本オリンピック委員会)会長の竹田恒和氏だというので納得した。


JOC会長の贈賄疑惑

 ぼくは、ずっと東京オリンピックには反対してきた
 財政状況がひっ迫している現在の日本で、オリンピックにかけるカネなどあるのか、という根源的な疑問。
 原発事故は終息にはほど遠い状況だし、社会保障費は先細り、災害復興だってまだまだだ。カネの使いみちは、オリンピックなんかじゃないだろうと思ってきた。そのぼくの思いは、残念ながら正しかったようだ。我らの税金がろくな使い方をされていない…
 東京オリンピックは「既存の施設を利用して費用負担をできる限り抑えるコンパクトな大会にする」というのがうたい文句だったはずだ。ところが費用はうなぎ上り。当初は7000億円だったはずの開催費が、いつの間にか3兆円を超えるという。繰り返すが、すべては我々の税金だ
 そんなずさんな計画の裏で、実はかなりヤバイ資金が動いていたのではないかというのは、五輪招致の段階から噂されていた。JOCがそのカネの動きを知らないわけがない。
 招致資金などを取り仕切っていたのは、JOC会長の竹田恒和氏。フランス検察当局が、カネの流れについて重大な疑惑(贈賄)があるとして、竹田会長に対し訴追に向けた手続きに入った。このニュースは、たちまち世界中を駆け巡った。
 そこで恒和氏の息子・恒泰氏が、父親擁護のツイート。つまり、フランスはゴーン日産元会長逮捕の仕返しとして、恒和氏の疑惑を取り上げたのではないか、というわけだ。「そんなことをするフランスは民度が低い」というのが、親思い(?)の恒泰氏の主張なのだろう。まあ、その気持ちは分からないわけじゃない。なぜこの時期か、という疑問があるのも確かだし。しかし、恒泰氏のこんなツイートを見ると、やっぱりおかしいと思ってしまう。


    また、父は、もし2020年に東京五輪ができないと、【夏】の五輪を
   二回開催するアジアで最初の国は韓国になる可能性が高いと言っていた。
   そうなったら、アジアにおける日本の地位は揺らぐと嘆いていた姿が忘れられない。


 こんなことを言う父親も父親だが、それを得々と公表してしまう息子も息子だ。JOC会長が、オリンピックを国威発揚の手段としてしか捉えていない。こんな人物が会長でいるということが、それこそ日本の民度を示しているのではないか。


オリンピックはナショナリズム高揚の場か?

 もし恒泰氏がツイートした恒和氏の言葉が事実なら、オリンピックとはどういうものなのか、「日本オリンピック委員会会長」はまったく理解していないことになる。
 「オリンピック憲章」というオリンピックの理念を示した文章がある。その中の「オリンピズムの根本原則」には5つの項目が書かれている。少し長いけれど、引用しておこう。


1.オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め、バランスよく結合させる生き方の哲学である。オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するものである。(略)

2.オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。

3.オリンピック・ムーブメントは、オリンピズムの価値に鼓舞された個人と団体による、協調の取れた組織的、普遍的、恒久的活動である。その活動を推し進めるのは最高機関のIOCである。(略)

4.スポーツをすることは人権の1つである。すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては友情、連帯、フェアプレイの精神とともに相互理解が求められる。

5.スポーツ団体はオリンピック・ムーブメントにおいて、スポーツが社会の枠組みの中で営まれることを理解し、自立の権利と義務を持つ。(略)外部からのいかなる影響も受けずに選挙を実施する権利、および良好な統治の原則を確実に適用する責任が含まれる。


 オリンピックとはいかなる精神に基づいているか、ここに簡潔に記されている。それは、個人と団体による協調が基盤にあることを謳い、人権を尊重し、平和な社会を推進し、いかなる差別も許さないと明記している。JOC会長である竹田恒和氏がこれを知らないはずがない。
 では、「オリンピック憲章」を理解した上で「韓国に五輪開催を取られたら、日本の地位が揺らぐ」などと話していたのか。
 つまり、竹田JOC会長は、オリンピックというものを国威発揚の場としてしかとらえていなかったということになる。そんな人物が「日本オリンピック委員会」の会長にふさわしいといえるだろうか? そんな人物をトップにいただく組織がスポーツ全般を支配する日本という国が、果たして「民度の高い国」といえようか?


国連からもイエローカード

 ゴーン前日産会長の勾留はすでに2カ月に及ぶ。ゴーン氏の妻が怒りを込めてコメントしている。共同通信配信(1月14日)はこう伝えた。


    日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の妻キャロルさんが
   国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチに、容疑者の長期拘束に伴う
   「人質司法」の見直しを日本政府に訴える要請文を送ったことが13日分かった。
    ゴーン被告の家族の報道担当者によると、要請文は昨年12月28日に送付。
    書簡は「自白を引き出すため日本では長期拘束が検察官の基本的な
   捜査手法になっている」と指摘。「弁護士の立ち合いがないまま検察官の
   取り調べを受け、起訴されるまで保釈の可能性はなく、
   弁護士との接見も限られている」と強調した。


 日本の「人質司法」は先進各国からは、極めて野蛮な権力行使として非難の的になっていたのだが、それが今回のゴーン氏の長期勾留でまたもや世界にさらけ出されてしまったというわけだ。これは、日本の司法当局にとっては、思わぬ落とし穴だったのではないか。
 この「人質司法」の例はたくさんある。沖縄の米軍基地反対運動のリーダー山城博治さんの5カ月に及ぶ勾留、さらに森友学園問題での籠池夫妻の実に10カ月の長期勾留も最近の事例だ。要するに、権力に刃向かう人や容疑を否認する人は、とにかく檻の中に閉じ込めておく。これは欧米各国から見れば、やはり異様な光景だろう。
 山城さんの長期拘束についても、国連は憂慮を示した。東京新聞(1月14日付)が報じていた。


   (略)器物損壊罪などに問われた反対派リーダーで沖縄平和運動センター議長、
   山城博治被告が長期勾留されたことについて、国連の作業部会が
   「恣意的な拘束」に当たり、国際人権規約違反だとする見解を日本政府に
   伝えたことが十三日、分かった。山城被告の無条件の釈放や補償などの
   救済措置実施を要請している。(略)
    見解は、容疑が表現や集会の自由を行使した結果と認められ、長期勾留に
   「妥当な理由があったとは考えにくい」と指摘。政治的な背景から当局が
   差別的な措置をとったとみられるとした。日本の刑事司法システムには、
   否認すれば勾留が長引く「人質司法」の懸念があるとも指摘した。


 日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である。
 ネット右翼諸兄諸姉は、やたらと「日本のすばらしさ」「日本の民度の高さ」を称揚するが、世界の目などは気にする必要もない、ということなのだろうか。女性の地位、情報公開の進度、報道の自由度、貧富の格差、人質司法、国会の強行採決連発……いまや、どれをとっても日本の順位は切ないくらいに下位である。
 しかも、最近は政府統計の捏造や隠蔽が次々と明らかになり、保険金支給が低く抑えられていたことなども発覚。だが、安倍内閣支持率は下降気味ではあるものの、未だに40%以上を保っている
 安倍支持の理由が「ほかに代わる人がいない」が相変わらずトップ。
 こんな日本の状況を考えたら、竹田恒泰氏のように「フランスの民度が低い」なんて、ぼくにはとても言えない。「じゃあ日本はどうなのよ」という巨大なブーメランに直撃されそうだもの。


「捜査中なのでお答えできない」

 1月15日、追いつめられた竹田恒和JOC会長が「記者会見」を開いた。だが「記者会見」とは名ばかり。自分の主張、身の潔白の言い訳に終始、たった7分間で会見終了。記者からの質問は一切受け付けなかった。
 こんなものを「記者会見」とは呼ばない。「言い訳発表会」としか呼びようがない。
 佐川宣寿元財務省理財局長が、国会の証人喚問で「捜査中につき、訴追のおそれがあるのでお答えを控えさせていただきたい」と、蛙のツラに〇〇で逃げ切ったのを、その後の政治家や官僚たちが多用するようになった。「平和の祭典」の責任者が平然とそれを踏襲する。
 NHK「日曜討論」で辺野古埋め立てに関し、ウソまみれの言葉を連発した安倍首相と、それそのまま垂れ流したNHK。
 おいおい、「日本の民度」ってのはこんなもんかい!?
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245656

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
竹田恒和氏贈賄疑惑…東京五輪ごり押し一味はみな“悪”じゃ
2019/01/18 06:00

     (2020年五輪開催都市が東京に決まり喜ぶ安倍首相ら
      (2013年ブエノスアイレスで)(C)日刊ゲンダイ

「仮に百歩譲って意図的にお金をワイロのつもりで渡していたとしても合法違法ではない(竹田恒泰氏)

 面白いもの見つけちゃった。1月13日付の「論壇net」の「竹田恒泰氏、パパの贈賄疑惑について『意図的にワイロを渡していたとしても違法ではない』と主張していた」という記事。

 なんでも、2016年5月29日にJOCの竹田恒和会長の長男、竹田恒泰氏が読売テレビ「そこまで言って委員会NP」に出演し、冒頭の発言をしていたんだと。それがさ、ついこの間、19年1月11日、櫻井よしこ氏がホストを務めるインターネットテレビ「言論テレビ」に登場し、

「そこではもちろん父親の贈賄問題が取り上げられたのですが、上記の『ワイロでも合法』という発言は一切なく、『父やJOCが直接に贈賄したのではなく、コンサルティング会社が独自の判断で勝手にやったのであれば問題ない』という理解に終始していました。」

 だって!

 いよいよヤバくなってきたからか。はじまりましたな、安倍応援団特有の見苦しい責任のなすり付け合いが。ほんでもって、最後は親玉を隠すため、トカゲの尻尾切りでチャンチャンってね。

 14日、竹田氏はTwitterにも、

「3年前、馳文科大臣(当時)は衆院予算委員会で『電通からブラック・タイディングス社が実績があるとして勧められ、招致員会が契約を判断した』と答弁している。電通から勧められた会社であることは、テレビでは触れないことが多い。電通に関するマイナスの話は、ご法度なのだろうか?」

 と書いていた。頑張るのぉ。あなたの担ぐ御大将はじつはあなたご自慢の血筋なんて屁とも思っていないしな。

 ま、なんといおうが、汚い手を使って、東京五輪をごり押しした一味はみんな悪じゃ。国民はそこまでしてカネのかかる五輪を望んでいたか? 恥ずかしいわ
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●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ

2018年09月02日 00時00分46秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶 》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



東京新聞の社説【サマータイム 「五輪のため」という傲慢】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018082102000168.html)。
日刊ゲンダイの記事【大丈夫なのか 東京五輪翼賛で醸成される“国家総動員体制”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235988)と、
書評【週末オススメ本ミシュラン/「ブラックボランティア」本間龍著/角川新書】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/235728

 《二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が夏場に標準時を早めるサマータイムの導入を政府に要請した。暑さ対策が狙いというが、国民生活への深刻な影響をどれほど考慮したのか》。
 《まるで戦時体制に向かっているようだ――。東京五輪組織委員会や環境省、東京都などが推進している「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」。…現時点で銀だけが不足しているという。そこで、政府が問題を打開するために協力を呼びかけたのが、全国の小中学校だ》。
 《2年後の東京オリンピックでは、11万人ものボランティアが運営に協力する。炎天下の重労働を10日間もするというのに、報酬は一切出ない。それどころか、会場までの交通・宿泊費や事前に行われる研修に参加するための交通費も自腹だという。それは、あまりに理不尽ではないか…美名の下に無償労働を強いている…(選者・森永卓郎)》。

 オモテナシにはトンデモなウラアリ
 彼/彼女らは五輪貴族であり、崇高な《オリンピックの理念》なんて屁とも思っていない。穢れた金(カネ)色の五つの輪。命を賭してボランティアしても、彼/彼女ら五輪貴族のオカネ儲けに利用されるだけ。ましてや、本当に命を落としてしまえば、後悔しても遅い。「自己責任」の名の下に切り捨てられ、忘れ去られるだけだ。既に手を挙げてしまった方は、直ぐさまキャンセルを。命を賭すべき事じゃない
 《国家総動員体制》の下、奴隷・強制労働や供出に応じても、「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様や最低の官房長官、キト・小池百合子東京「ト」知事、サメ脳森シンキロウ元首相らが喜ぶだけです。
 そもそも、開催権の返上をすべきだったのに…。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
                  出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●「開催権返上の決断」:
      「完全にブロック」「情況はコントロール」されてはいない我国こそ

   『●東京五輪と東電原発人災の現実: 
         「ダダ漏れは数字で歴然」・・・・・・
   『●ベトナム、核発電建設「延期」…
      ハノイ・アジア大会開催権返上といい、至極真っ当な判断
   『●室井佑月さん「それとこれは別です」:  
      東京の五つのダークな輪と3.11東電原発人災と共謀罪と…
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国

 サマータームの導入や打ち水など、アホ丸出しではないか。たかが2週間程度のお祭りのために日本に暮らす人々の生活リズムを壊す。五輪のプログラムを変えればいいだけ、あるいは、開催期間を変更すればいいだけ。なぜ全ニッポン国民が迷惑を被らねばならないのか。

 日刊ゲンダイの記事【スーパーボランティア尾畠氏 東京五輪で“政治利用”の懸念】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235829)によると、《文科省とスポーツ庁も先月、五輪期間中の授業や試験日程を変更できる旨を全国の大学に通知し、大学生のボランティア参加を暗に働きかけている。政府と都は「ボランティア募集」にはカネをかけるのに、有償でスタッフを雇う気などサラサラない。…「ブラックボランティア」の著者で作家の本間龍氏がこう言う。「例えば、尾畠さんが、全国で行われているボランティア募集の説明会などに引っ張り出されたとしたらおかしな話です。行政がそういう動きをしたら、全力で阻止しないといけません。そもそも、ボランティアは参加者が自発的に行うものなので、行政が懸命になって集めること自体、違和感を覚えます。尾畠さんの活躍は喜ばしい話題として報じられているので、まさか利用するなんてことはないでしょうが」》…。
 そんな懸念が当たらなければ良いのですが。

 『久田将義責任編集TABLO』(http://tablo.jp/)の記事【「やりがい搾取だ!」 東京五輪でボランティアを募っている大会組織委員会役員の報酬は2400万円】(http://tablo.jp/street/news003693.html)によると、《コンパクトでローコストが謳い文句であったはずの2020年東京オリンピック・パラリンピックだが、費用問題の膨らみや既存競技場の改修工事の遅れなど様々なトラブルが頻発となり不安が広がっている。そんな東京オリンピック騒動で現在新たに騒動となっているのが、ボランティアスタッフに対する考え方とその集め方だ…さらに大学生を主力とする動員を可能とすべく、五輪開催期間中は各大学に授業や試験を取りやめるよう要請していたことが判明すると改めて批判が集まる形に。そして今回、一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の役員報酬が月額200万円、年間2400万円となり、さらに交通費や宿泊費は別途支給という厚遇であることが晒されると市民からは強い怒りの声が出されることに》。
 いや~、アホらしくならんですか?

 鈴木耕さんのつぶやき:
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https://twitter.com/kou_1970/status/1031729833619808256
鈴木 耕@kou_1970
なんだか戦争中の「金属供出」に似てきたな。エラそうなヤツの考えることは今も昔も変わらない危ない世の中になってきて…。→ 東京五輪メダル「銀」まだ足りない、小中学校でも回収へ:日本経済新聞

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34336660Q8A820C1MM0000/
東京五輪メダル「銀」まだ足りない、小中学校でも回収へ
2018/8/20 12:21 日本経済新聞
 環境省は、東京五輪・パラリンピック用メダルの原材料になる廃家電などのリサイクル貴金属の回収を強化する。全国の自治体に対し、秋から小中学校で使用済み携帯電話やパソコンなどの回収ボックスを設置するよう協力を呼びかける。これまでの回収で金と銅のメダルに必要な量はメドがついたが、銀は確保できておらず、学校との連携で五輪に間に合わせる。五輪・パラリンピックで必要なメダル数は、金銀銅で合わせて5000個程…
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 最後に、報道機関がスポンサーになり、批判不能に…これは大問題です。本間龍さんの指摘《黙殺の仕掛けは組織委と大手メディアが運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ》。東京新聞までが「恫喝」に屈するようでは…。

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》
    「オリンピックスポンサーになることの意味合い。中日新聞は、東京新聞の
     東京五輪批判を控えるよう「恫喝」されたらしい」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018082102000168.html

【社説】
サマータイム 「五輪のため」という傲慢
2018年8月21日

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が夏場に標準時を早めるサマータイムの導入を政府に要請した。暑さ対策が狙いというが、国民生活への深刻な影響をどれほど考慮したのか。
 夏の日照時間を有効に活用するのがサマータイムの本来の狙いである。欧米などでは七十カ国が採用しているが、欧州連合(EU)は今夏、加盟国の要請を受けて廃止の是非の検討を始めている
 いったん採用しながら廃止した国も多い。ロシア、中国、インド、韓国、そして日本もだ。
 日本では戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で四シーズン導入したものの、労働者や主婦の過労につながり、国民生活の実情に合わないとして廃止された経緯がある。
 その後も経済界などの要望でたびたび検討された。しかし、節電などの省エネや余暇増大による経済効果よりも、生産性の低下やシステム変更に伴う負担など弊害の方が大きすぎると結論づけられてきた
 経済性の議論以上に問題なのが国民の健康への影響だ。夏時間への切り替え時に睡眠や心臓などへの悪影響が深刻との研究結果が国内外の学会から出ている。
 今回の要請はいかにも唐突だ。大会組織委の森喜朗会長は、現在より二時間、時計の針を進める夏時間の導入を安倍晋三首相に要請。首相は、その是非を検討するよう自民党に指示した。
 だが大会まで二年に迫ったタイミングである。今夏の猛烈な暑さに驚き、慌てて思い付いたかの印象だ。「五輪のため、国家の一大事業のため国民は受け入れるべきだ」といった傲慢(ごうまん)さえ感じてしまう。
 暑さ対策ならば、マラソンなどの競技時間を涼しい時間帯に移せばいいだけのことだ。組織委が真にアスリートファースト(競技者優先)の精神に立つならば、開催時期を真夏からずらすのが筋だ
 しかし、開催時期は招致段階から決まっており、ずらすつもりはない。その揚げ句、国全体の時間をずらすサマータイムの導入というのは、ご都合主義も甚だしい
 もちろん、サマータイムには是非論がある。だが長所と短所、しっかりと測った調査も議論もなされた形跡はない。
 これほどに日常生活に密接なことを実行しようというのなら、国民大多数の賛同なしには成功のしようがないだろう。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/235728

週末オススメ本ミシュラン
「ブラックボランティア」本間龍著/角川新書
2018年8月19日

 2年後の東京オリンピックでは、11万人ものボランティアが運営に協力する。炎天下の重労働を10日間もするというのに、報酬は一切出ない。それどころか、会場までの交通・宿泊費や事前に行われる研修に参加するための交通費も自腹だという。それは、あまりに理不尽ではないか、というのが著者の主張だ。
 東京オリンピックの国内スポンサー集めは、1業種1社という規制を外したことで、すでに50社が集まるという好調ぶりだ。スポンサー料は公表されていないが、著者の見立てでは、大会組織委員会の収入は総額4000億円以上だ。ボランティアに日当1万円を支払ったところで、必要資金は110億円。4000億円から比べれば、微々たる負担のはずだが、それを組織委はかたくなに支払わない
 著者は、そもそもオリンピックのボランティアが、本当のボランティアなのか疑問を呈する。仕事内容が決められ、研修も受けさせられる。8時間以上という拘束時間や10日間以上という勤務日数も決まっている。誰がどう考えても、これは労働だ
 にもかかわらず、「東京オリンピック・パラリンピックを成功させたい熱意という美名の下に無償労働を強いているのだ。もしかすると、日当を支払って、労働者性が生じると、事故が起きた際に使用者責任を追及されることを、恐れているのかもしれない。
 著者は、このブラックボランティアの問題をメディアが黙殺していることも、厳しく糾弾している。黙殺の仕掛けは組織委と大手メディアが運命共同体になっていることだ。実は、大手新聞社は、すべてが東京オリンピックのスポンサーになっている。スポンサーとして組織委と利益を共有する新聞社が、組織委に対する厳しい批判を書けるわけがない。テレビ局はスポンサーになってはいないが、テレビ局は、そもそも新聞社の系列に入っているのだから、同じことだ。
 本書には書かれていないが、私は新聞社が負担するスポンサー料が相当ディスカウントされているのではないかと思う。スポンサーからの収入額を組織委が絶対に公表しないのも、ディアとの共謀を発覚させないためなのかもしれない。 ★★半(選者・森永卓郎
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235988

大丈夫なのか 東京五輪翼賛で醸成される国家総動員体制
2018年8月24日

   (国家ぐるみ(環境省公式チャンネルから))

 まるで戦時体制に向かっているようだ――。東京五輪組織委員会や環境省、東京都などが推進している「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」。廃家電などを回収して集めた貴金属から金銀銅メダル約5000個を作る計画なのだが、現時点で銀だけが不足しているという。
 そこで、政府が問題を打開するために協力を呼びかけたのが、全国の小中学校だ

   「五輪選手団を迎える『ホストタウン』の自治体(約230)を対象に、
    内閣官房から小中学校での回収ボックス設置の協力を呼びかけました。
    ただ、回収増だけが目的ではなく、五輪機運を醸成するためでもあります。
    メダルプロジェクトを通じてリサイクル事業の大切さを知っていただけたら
    と思います」(環境省リサイクル推進室)

 金メダルは銀メダルの表面に金メッキを張って作られるため、必然的に銀の必要量が多くなるという。それにしても政府がわざわざ号令をかけるなんて、平成の金属類回収令だ。
 加えて、文科省とスポーツ庁は先月、大学生のボランティア参加を促すために、全国の大学に大会期間中の授業や試験を変更できる旨を通知廃家電の供出呼びかけといい過酷なタダ働きをさせられるボランティアの募集といいまるでスポーツの祭典を名目にした国家総動員じゃないか。スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏がこう言う。

   「大会組織委の森喜朗会長が東京五輪で目指しているのは、
    オールジャパン体制ですし、スポーツ精神を滅私奉公だと言って
    はばかりません。こうした言動は、まさに国家総動員を象徴している
    と思います。政府がこのような精神に基づいて東京五輪の開催へと
    突き進んでいるので、ますます国家主義的な体制が強化されていく
    のではないでしょうか。放映権料を払ったマスコミなどは
    五輪翼賛報道へと突っ走っています。五輪に反対すると『非国民だ!
    と言われかねない風潮が醸成されていると思います」

 小池都知事も2016年の知事選前に五輪の経費について、「個人の資産もご協力をお願いするということを図っていきたいなどとトンデモ発言をしていた。
 一事が万事こんな調子だから、東京五輪を巡って、これから政府が国民に何を言い始めるか分かったもんじゃない。
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●「精神疾患と〝薬漬け〟」 『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号)について

2014年02月24日 00時00分04秒 | Weblog


週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、永尾俊彦氏【舛添東京都知事、矛盾した言動と疑惑噴出 早くも露呈した〝ニセモノぶり〟】と伊田浩之氏【歴史的な豪雪・各地で「孤立」・底をつく食料・増え続ける死者・・・・・・ のんきな安倍首相に怒り爆発!! 「オリンピック見て天ぷら食ってる場合か!」】。

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■①『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 「精神疾患と〝薬漬け〟」。永尾俊彦氏【舛添東京都知事、矛盾した言動と疑惑噴出 早くも露呈した〝ニセモノぶり〟】、「本当は違法と認識?」。『●「吸「血税」」・・・舛添新東京都知事の都政、その崩壊は案外早目かも?』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3be56253bf645f165d92b336bd2b3c64

■②『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / マイケル・ペン氏【稲嶺・名護市長が特派員協会で会見 民意の否定は民主主義の否定】、「稲嶺市長は・・「どうか、もっと沖縄そして名護市に対して関心を寄せて下さい・・」」。民意を守れ!(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fa4f1b36ec9d09183b008c6bb2a40681

■③『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 浅野健一さん【安倍首相も「否定できない」と語る村山元首相 「村山談話」で日韓関係強化を】、「国民的合意を得ていると確信しており、安倍首相も立場上否定できない。否定するような閣僚は、辞めるべきだ」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b10639d941800e71bd52f8fb2bf4ce9a

■④『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 須田光照氏【ワタミ過労死裁判始まる 渡邊氏は出廷せず】、「入社から約2カ月後に過労死した問題で、遺族が・・渡邊美樹参議院議員ら・・東京地裁で開かれた」。「「社風」に合わなかったため、と言わんばかりの言い草」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/1a6dc6e6616bc6f3c2eb908e0a89627e

■⑤『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 石坂啓さん【風速計/東京ならどんなふうに】、「アベちゃんはメダリストとの「表敬」ショットを撮っているだろうか。それをお友だちNHKはこれでもかとタレ流しているだろうか。アベちゃんも「」を取る気でいる。彼にとっての一番は改憲

■⑥『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 【雨宮処凛のらんきりゅう37/ノーサイド宣言!!】、「言いたいことは山ほどあるだろう。私だって、ある・・ということで、敵はさらに強大になって、私たちの前に立ちはだかっている。仲間割れしている暇などないのだ」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a860a65e74874818993c165f4859f6f4

■⑦『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 伊田浩之氏【歴史的な豪雪・各地で「孤立」・底をつく食料・増え続ける死者・・・・・・ のんきな安倍首相に怒り爆発!! 「オリンピック見て天ぷら食ってる場合か!」】、「揶揄する投稿・・「天ぷら総理」「天ぷら野郎」」

■⑧『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 谷口源太郎さん【やせ細りきったオリンピックの理念 ショービジネスと国家威信の祭典に】、「NHKまでもが・・民放もオリンピック翼賛報道に徹することなどによって、ナショナリズムを煽りに煽っているところだ」。東京はヤクザまで(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3be56253bf645f165d92b336bd2b3c64

■⑨『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 森田実さん【歯止めが失われた安倍首相の「戦争する国家」への道 オバマ来にまでに集団的自衛権を合憲化か】、「戦争はしないと明記した現行憲法を、改憲手続きも飛ばして「自分の一存で戦争ができると認めた憲法にする」と宣言したに等しい」

■⑩『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / みわよしこ氏【日本の「あたりまえ」は世界の非常識 薬物療法から社会的包摂重視へ】、「キーワードは「コミュニティ」・・「個人モデルから社会モデルへ」」。大熊一夫さんを思い出した(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d897d8bf2296229a66fcf39ad6f7a8f4

■⑪『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 野中大樹氏【石原都政の功績「ディーゼル車規制」の〝宴のあと〟 東京都トラック協会の〝税金ガブ飲み〟を許す東京都】、「ディーゼル車規制の表と裏・・石原氏「神様、仏様、東京都トラック協会様」」。唯一の功績も・・「負の遺産」

■⑫『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 山口正紀さん【再審請求審の経過報道を 北陵クリニック事件】、「裁判所から再審開始の気配が伝わってこない。裁判所が安心して『再審を開始する』といえる社会的雰囲気をつくることが必要・・記者は・・「再審請求審がどう進んでいるか」を伝えてほしい」

■⑬『週刊金曜日』(2014年2月21日号、980号) / 高嶋伸欣さん【「わが世の春」の首相。下支えを恥じないマスコミの情けなさ】、「首相が「脅しには屈しないはず」とあえて発言し、支持者の好評を得た。最近では『朝日新聞』を名指しで「政権打倒が社是」などと言い出した」
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