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Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●「核と人類は共存し得ない」

2013年08月16日 00時00分51秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013080502000107.html)と社説【原発被災者 支援法に魂を入れよ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013080502000132.html)。asahi.comの社説【広島・長崎と福島―凶暴な原子の力、直視を】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、8月6日)。

 「核=原子力」である。「原発=原爆」である。「爆心から八百五十メートル余の旧制広島一中の校舎で被爆した児玉光雄さん(80)は静かに語る・・・・・・体験を次代に継承する育成講座の講師も務める児玉さんは命ある限り訴える。「核と人類は共存し得ない」」、とブログ主も思う。

   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「原子力」は「核」へのポテンシャル
   『●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経・・・・・・

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013080502000107.html

【コラム】
筆洗
2013年8月5日

 「放射線がいかに人間の体を痛めつけるか。それを伝えるために生かされていると思っているんです」。爆心から八百五十メートル余の旧制広島一中の校舎で被爆した児玉光雄さん(80)は静かに語る▼還暦の時からがんの手術を十九回も受けた。直腸、胃、甲状腺、十六回にわたる皮膚がん…。至近距離で被爆した人に見られる「重複がん」と呼ばれる症状だ▼あの日朝、通学した同期生約三百人のうち、生き延びたのは二十人足らず。倒壊した校舎から奇跡的に脱出した児玉さんも四〇度を超える高熱や歯茎からの出血、下痢に苦しみ、頭髪が抜け落ちた。生き残った仲間も多くが若くしてがんで亡くなり、今も健在なのは二人だけになった▼五年前、放射線影響研究所で染色体を調べる機会があった。画像を見ると、切断された一部が修復されずに、別の染色体につながってしまう転座という異常が起きていることが分かった▼数値から推定すると、児玉さんが浴びた放射線量は四・六グレイ。二人に一人が亡くなる半致死量のガンマ線四グレイを超えていた血液をつくる幹細胞が傷つけられたので治らないと専門家に言われ、「腰が抜けそうになるほど落ち込んだ」という▼積極的に被爆体験を語るようになったのはこの後だ。体験を次代に継承する育成講座の講師も務める児玉さんは命ある限り訴える。「核と人類は共存し得ない
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013080502000132.html

【社説】
原発被災者 支援法に魂を入れよ
2013年8月5日

 原発被災者への支援が一向に始まらない。「子ども・被災者支援法」は成立から一年以上がたつのに、方策の前提になる被ばく線量基準の検討は手付かずだ。法を動かす責任体制を整えてほしい。

 原発事故で被害を受けている人々に「避難する権利」を認める支援法は、事故に対する国の責任を明らかにした、日本版の「チェルノブイリ法」とも呼ばれる。

 放射線量が「一定の基準」を上回れば、避難指示区域でない地域の住民や、自ら避難した人も医療や生活支援の対象に含まれる。とくに妊婦や子どもには配慮して、被災者には頼みの綱だ。

 しかし、昨年六月に成立してからも、担当する復興庁は基本方針を決めるための「一定基準」を定められないでいる。

 法制化を求めた市民団体は、線量の目安として、国が定める一般の年間の被ばく限度「一ミリシーベルト」を主張する。対象範囲を広げれば、財源の問題も出てくるだろう。どう線引きしても批判は起きるのかもしれない。

 しかし、忘れてもらいたくないのは、この法律が当時は野党だった自民党も含めて、衆参両院すべての党会派の議員が賛成して作られたことだ。

 長期にわたる低線量被ばくが人の体にどう影響を与えるのか。実証するデータは乏しいが、深刻な影響を及ぼすと警鐘を鳴らしている学者も少なくない。線量の基準を科学が決められないのなら、将来に禍根を残さないよう、より被災者に寄り添う形で政治が決断する局面もあるのではないか。

 被災者のニーズを反映させるという法の趣旨も踏まえ、公聴会も早く開かれるべきだ。

 予算の流用も問題になった復興庁は今春、被災者との窓口になっていた幹部がツイッターに法を骨抜きにするような暴言を書き込んでいたことが発覚した。支援法の取り組みに消極的だった組織の問題が、思いがけず暴露されたようなものだった。支援法を担当する常設の部署がないのはおかしい。長くかかる支援に見合うだけの体制で臨んでほしい。

 福島県は、十五万人を超える人が県内外に避難する。ストレスの多い生活から、病気や子どもへの虐待が増え、震災関連死は千四百人を超えた。過去に例のない震災は刻々と新たな犠牲者を増やしている。

 支援の手を差し伸べなくてはならない全国に離散した被災者の願いに一日も早く応えるために
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、8月6日】

2013年8月6日(火)付
広島・長崎と福島―凶暴な原子の力、直視を

 核兵器と原発は長年、切り離して扱われることが多かった。それは正しかったのだろうか

 68年前の広島、長崎の原爆被害に続き、福島でも核エネルギーによる途方もない被害を生じさせてしまった

 核が抱える想像を絶するリスクに正面から向き合うことが、もはや待ったなしの時代だ。


■「核の飢餓」の恐れ

 核兵器の非人道性に焦点を当てて禁止につなげよう――。今年4月、ジュネーブで開かれた核不拡散条約(NPT)準備委員会に提出された「核兵器の人道的影響に関する共同声明」は、外交交渉での原点回帰の動きを示すものだ。

 非人道性を憎み、化学兵器や生物兵器だけでなく、クラスター爆弾や対人地雷も禁止条約ができているのに、核兵器が禁止されていないのは道理に合わないのではないか。国際NGOの力強い主張が近年、多くの政府に浸透し、外交の表舞台でも共有されるようになってきた。

 80カ国が賛同した「共同声明」は、核兵器が使用された場合の制御不能な破壊力、無差別な惨害の非人道性を指摘する。

 パウエル元米国務長官が朝日新聞の取材に「極めてむごい兵器で、軍事的には無用」と発言するなど、かつて核保有国で安全保障政策を担った重鎮が次々と核廃絶論を公言している。保有国は「共同声明」に賛同していないが、核はますます「使えない兵器」と化している。

 「共同声明」は、核戦争が国境を越えて環境を破壊し、次世代から健康、食料、水などを奪うとも主張する。

 米ロの全面核戦争では、舞い上がったすすや粉じんで「核の冬」が訪れるとされてきた。

 アラン・ロボック米ラトガーズ大教授(環境科学)らの最新研究は、インドとパキスタンがそれぞれの保有量の約半分の広島型原爆50発を使う地域核戦争(世界の核兵器爆発力の0・03%)が起きると、すす・粉じんによる気温低下やオゾン層の破壊による紫外線増加で、世界は「核の飢餓」に直面する恐れがあると指摘する。

 私たちはいまも、核戦争による破滅の縁にいるのである。


■核拡散の60年

 原子力にはそもそも核兵器への悪用、つまり核拡散のリスクがある。

 60年前、アイゼンハワー米大統領が国連総会で「平和のための原子力」演説をしたことが原発利用拡大のきっかけとなった。大統領は核物質と核技術の国際管理を提案し、軍事から民生利用への転換を促した。

 演説のあと、国際原子力機関(IAEA)とNPTが生まれた。しかし、国際管理は実現せず、拡散が進んだ。米ロ英仏中に加え、インドとパキスタン、北朝鮮が核実験。イスラエルも核保有が確実視され、イランの開発疑惑も続いている。

 今後、途上国での原発急増が予想されるが、核兵器用の高濃縮ウランやプルトニウムを入手する隠れみのになりかねない。

 原発経由の核拡散リスクをどう考えるべきか。

 オーストリアはNPT準備委員会で、原発事故や核テロ、核拡散を懸念し、「和利用という権利を使わない選択をした」と表明した。破滅リスクを避ける脱原発政策は傾聴に値する


■原発政策見直せ

 日本政府は米国の「核の傘」への影響を考慮して「共同声明」には賛同しなかった。将来の賛同には含みを残した。

 だが、核の非人道性を確認するだけでなく、核リスク脱却と逆行する原子力政策の転換にもっと力をこめる必要がある。

 安倍政権は原発輸出に前のめりだが、核拡散だけでなく被曝(ひばく)・環境汚染のリスク、放射性廃棄物問題の輸出になりかねない。NPTに背を向けるインドと原子力協定を結べば、NPT空洞化を進めることになる。

 日本の余剰プルトニウム保有への世界の厳しい目に対しても、自覚が足りない。安倍政権は明確な削減計画を示さないまま、使用済み燃料からプルトニウムを取り出す事業の継続を表明している。倒錯した政策は一刻も早く放棄すべきだ。

 むしろ、リスクを増幅するような甘い核拡散防止体制の改革を主導することこそ、世界が日本に期待するところだろう。

 今後、「共同声明」の趣旨を世界の基調にしていくには、発想の切り替えが不可欠である。

 広島原爆がテーマの戯曲「父と暮(くら)せば」を書いた井上ひさしは生前、「遅ればせながら『心の被爆者』になろうと思う」と被爆者の手記を読みあさった。

 より多くの日本人が被爆地の惨禍をもっと思い起こし、福島の被災者の苦境もきちんと知る。ヒバクによる健康被害の不安や恐怖などを共有し、「心のヒバクシャ」となって、人類と核の間に横たわる矛盾を内外に発信していくべきではないか。

 私たちはいま、非核時代へ世界を向けられるかどうかの岐路に立っている。
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●当事者能力がなくなっても原発を動かしたいという中毒症状

2013年08月15日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013071902000108.html)と記事【湯気発生の3号機5階 最大2170ミリシーベルト計測 福島第一】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013072402000123.html)。asahi.comの記事【「水抜けても燃料溶けない」敦賀原発2号機、原電が報告】(http://www.asahi.com/national/update/0731/TKY201307310555.html)。nikkansports.comの記事【汚染水1日300トン福島第1原発から流出】(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130807-1169805.html)。そして、asahi.comの【社説】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1、8月9日)ともんじゅくんによる記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)ストッパー少なすぎ】(http://www.asahi.com/culture/update/0808/TKY201308080280.html?ref=comtop_fbox_d1)。

 近々、大飯原発が停止する。でも、誰も困らない。節電等で十分に電力は足りている。
 一方、福島第一原発周辺では汚染水が垂れ流し状態である。東電も原子力規制委員会も自公政権も当事者能力が無いことが明白。断層が在ろうが無かろうがお構いなしで、色々な原発を再稼働したくてしょうがないし、輸出先の環境が汚染されようがお構いなしで、色々な国に原発を輸出したくてしょうがない、ようだ。こういうのは「中毒症状」やね。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013071902000108.html

【コラム】
筆洗
2013年7月19日

 歴史上の人物一人と会って、話が聞けるとしたら、誰を選びますか。日本では、卑弥呼(ひみこ)や織田信長あたりを挙げる人が多いだろうか。自然と人間の全史を一冊にまとめた『137億年の物語』(文芸春秋)の著者クリストファー・ロイドさんは、進化論を生んだダーウィンに会いたいそうだ▼「彼は世界を俯瞰(ふかん)し、自然とどういうつながりを持っていけるか、提言できる人です。タイムマシンで彼に現代社会を見せてあげたい。ともに福島を訪れたいし、日本の選挙も見てほしい」▼ロイドさんは昨年、衆院選が始まる直前に来日して、福島へ足を延ばした。そこで「二十、三十年先も今と同じ経済モデルでは通用しない。化石エネルギーや原子力に頼らない新しいモデルをどうつくるか。日本にこそチャンスがある」と確信した▼そのロイドさんが再来日した。今度はちょうど参院選の真っ最中だ。「電力供給など短期的不安があるのは分かります。でも、どうも多くの政治家は福島のことを早く忘れさせようとしている日本はチャンスを失いつつあるそれは世界にとって大きな損失です」▼自然界で人類だけが特別な存在だと考えられていた時代に、ダーウィンは、人はあくまでも自然の一部として進化してきたと説いた▼彼に会うことはかなわぬが、「ダーウィンの目」で今の日本を眺めようとすることは、可能だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013072402000123.html

湯気発生の3号機5階 最大2170ミリシーベルト計測 福島第一
2013年7月24日 朝刊

 東京電力は二十三日、福島第一原発3号機の原子炉建屋五階で湯気が発生した場所の周辺で、最大毎時二一七〇ミリシーベルトを計測したと発表した。人が数時間もいれば確実に死亡する高い線量。3号機はこれまでも放射線量が高く、事故収束作業の足を引っ張ってきたが、あらためて汚染度のひどさが明らかになった。

 3号機原子炉建屋五階では十八と二十三の両日、格納容器の上部と機器貯蔵プール境目付近で、湯気の発生が確認された。

 東電は、クレーンで建屋上部から線量計をつるし、湯気の発生場所近くの二十五カ所で放射線量を計測。毎時一三七~二一七〇ミリシーベルトを計測した。湯気が出た直近の場所では五六二ミリシーベルトだった。

 東電は、湯気の原因を、雨水が熱を持った格納容器のふたに触れて蒸発したとみているが、原子力規制委員会が詳細な調査を指示していた。

 3号機ではこれまで、格納容器近くの床で毎時四七八〇ミリシーベルトを計測するなど現場の高線量が作業の障壁となっている。

 水素爆発による建屋上部のがれきはほぼ片付けられたが、最上階の五階に近づくほど線量が高い状態。作業員は放射線を遮る重いタングステン板入りのベストを装備して作業に当たる。それでも一人が現場で作業できる時間はわずかしかない。
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http://www.asahi.com/national/update/0731/TKY201307310555.html

2013年8月1日0時0分
「水抜けても燃料溶けない」敦賀原発2号機、原電が報告

 日本原子力発電は31日、原子力規制委員会が原子炉建屋直下に活断層があると判断した敦賀原発2号機(福井県)の使用済み核燃料プールについて、冷却水が抜けても燃料は壊れないと評価し、規制委に報告した。

 停止中の2号機は現在、原子炉内に燃料はなく1645体の燃料集合体は原子炉建屋内のプールで保管している。規制委は5月、活断層による地震で事故が起きないか評価するよう、原電に命じていた。

 原電によると、冷却水がなくなった場合でも燃料同士のすき間に空気が流れて冷やされるため、燃料を覆う金属管の温度は420度にとどまり、燃料が溶けないという。原電は「新たな対策は不要」としている。

 原電は今回、単純に水が漏れたり無くなったりした場合を想定。地震の揺れで、燃料が倒れたりする場合を想定していない。規制委は今後、評価のやり直しを命じる可能性がある。

 原電は、2号機の直下の断層は活断層ではないと主張。規制委の判断に異議を申し立てている。今回の報告について、原電は命令に従わずに罰則を受けないための措置としている。
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http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130807-1169805.html

汚染水1日300トン福島第1原発から流出

 東京電力福島第1原発から汚染水が海に流出している問題で、政府の原子力災害対策本部は7日、流出量は1日約300トンに上るとの試算を初めて明らかにした。

 地下水が敷地内で汚染されて流出しているのが原因で、完全に防ぐのは困難とみられる。

 政府と東電は護岸付近で地下水をくみ上げて流出量を減らす対策を急ぐ。くみ上げ量は来年9月までに計約4万トンに達するという。経済産業省資源エネルギー庁の担当者は「事故直後から流出している可能性を否定できない」としている。

 一方、原子炉建屋への地下水流入を防ぐため経産省が国費の投入を検討していることが7日、明らかになった。建屋周辺の土を凍らせる「凍土遮水壁」の関連費用を2014年度予算の概算要求に盛り込む方向だ。

 政府はこれまで廃炉に向けた研究開発費を支援してきたが、汚染水対策として予算計上すれば初めてとなる。安倍晋三首相は7日午後の原子力災害対策本部の会議で「東電に任せるのではなく、国としてしっかりと対策を講じる」と述べ、早急な対策を実施するよう茂木敏充経産相に指示した。

 政府の試算によると、第1原発1~4号機周辺では1日約1000トンの地下水の流れがあり、このうち約400トンが原子炉建屋地下などに流入。残り約600トンのうち約300トンは、建屋地下とつながるトレンチ(海水配管や電源ケーブルが通る地下道)にたまっている高濃度の汚染水と混ざって汚染され、海に流出している。残る約300トンは汚染されずに海に流れ込む。

 試算は東電が検討している護岸付近でのくみ上げ量などを基に算出したが、詳細な根拠は示さなかった。東電は「流出の可能性は否定しないが、300トン流出していると考えているわけではない」としている。

 政府と東電はトレンチ内の汚染水抜き取りを今月中旬から開始するとともに、護岸付近での地下水くみ上げを9日に始める。1~4号機の周囲の地盤を凍らせて地下水流入を防ぐ凍土遮水壁は抜本対策として挙げられているが、工事完了までに1~2年かかる。工事費は300億~400億円と見積もられている。

 第1原発の敷地海側では5月24日に観測用井戸から採取された水で、高濃度の放射性物質が検出され、その後、周辺の井戸や護岸に近い海水でも検出が相次いだ。東電は当初、汚染水の海への流出を否定していたが7月22日に一転して認めた。(共同)

 [2013年8月7日23時56分]
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1、8月9日】

2013年8月9日(金)付
汚染水対策―東電処理策の見直しを

 東京電力福島第一原発の汚染水問題で、政府が国費を投入して対策に乗り出す。

 1日300トンの汚染水が海に流出している可能性があるという。対応が後手に回り続けている状況を見れば、東電に当事者能力がないのは明らかだ。

 国が前面に出るのは当然だろう。遅すぎるぐらいだ。

 もちろん、政府が主導すれば解決するという単純な話ではない。経験のない作業は、今後も困難を伴うはずだ。不測の事態も起こりうる。

 あらゆる知恵とできる限りの技術を投入し、事態の深刻化を食い止める必要がある。

 それには、現場で把握された情報が関係者の間で速やかに共有される体制が不可欠だ。

 政府は実際の作業も東電任せにせず、状況を常に監視・把握し、関係機関や地元自治体などと連絡を密にしながら、必要な決断がくだせる仕組みを構築しなければならない。

 もうひとつ、早急に取り組むべきは、東電の経営再建計画の抜本的な見直しである。

 政府は汚染水対策の費用を来年度予算に盛り込むが、これは東電にのしかかる巨額の費用の一端にすぎず、その場しのぎの手当てでしかない。

 事故処理、被災者への賠償・生活支援、除染、今後の廃炉にかかる費用をすべて東電に負担させる現在の枠組みは、とっくに行き詰まっている。

 東電は、現行の経営再建計画に沿って、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働まで申請しようとしている福島の現状を考えれば論外だそんな余裕がどこにあるのか

 東電の責任は決して軽減されるべきものではない。ただ、能力をはるかに超えた負担を放置しておけば、かえって被災地の再建や首都圏の電力供給に支障が出かねない。

 現行計画のどこに無理があるのか。今後どのような費用がどれぐらいかかり、誰がどう負担すべきか。現実を直視し、情報を公開しながら改めて議論し直すときだ。

 いずれにせよ税金の追加投入は避けられないだろう。そうである以上、東電の破綻(はたん)処理という議論の原点に立ち返り、貸手である金融機関の責任などを問う必要がある

 あらためて、原発事故が国民生活に与える負担の大きさを思う。その厳然たる事実を踏まえれば、安倍政権が対処すべきことは明らかだ。

 原発推進の姿勢を改め、原発を減らしていく道筋をはっきりと示すことである。
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http://www.asahi.com/culture/update/0808/TKY201308080280.html?ref=comtop_fbox_d1

2013年8月9日9時23分
もんじゅ君のエネルギーさんぽ)ストッパー少なすぎ

■汚染水、さっそく壁を乗り越える

 こんにちは。もんじゅ君ですだよ。

 先週のこのコラムではふくいち君の汚染水問題についておつたえしたんだけど、そのときに心配していた「水ガラスで地面をかためて壁をつくっても、壁の脇から汚染水がもれちゃうんじゃないか?」という懸念はさっそくあたってしまったみたいで、「どうも壁の上から汚染水が漏れているみたい」とあっさりと東電さんが認めていますだよ。

 なんだか泣けてくるね。

■海側の壁だけでは不十分

 ものすごくらんぼうなイメージでおはなしすると、これは浜辺に建っている原子炉のほうへ、じゃーじゃーと地下水が流れ込んでいる感じなのね。だから海側の地中にだけ「壁」をつくったところで、手のひらで水の一部を受け止めているだけ。手のひらをよけてお水は海へと流れ込んでしまうの。

根本的解決には、四方と底を覆うこと

 根本的になんとかしようとするなら、原子炉のあるエリアをすっぽりと側面も底も覆うようにして、コップに入れるような感じにしないとダメなんじゃないかな。

 もし海側の壁をもっと大きく、広いものにしたところで、増えつづける地下水がどんどんたまってしまえば、建屋そのものがぷかぷか浮いてしまう危険性もあると思うの。

■汚染水のそばにいると被曝してしまう

 そしてもし、海への流出をとめることができたとしても、すでにたまっている汚染水、増えつづける汚染水をどうするのかという問題も大きいよね。

 汚染水はそれそのものが放射性物質を大量にふくんでいて、放射線を出しつづけるものなの。そのそばで働く人たちが被曝してしまうし、地震や津波がまた起きれば汚染水がこぼれたり波にさらわれたりするリスクもあるんだよ。どうやって安全に保管、処分するのか、ぜんぜん道筋がみえていないんだ。

東電さんのもくろむ再稼働

 そんなふうに汚染水の問題ひとつとっても、ふくいち君の現場はなにひとつ進展がないどころか、問題が雪だるまのようにごろごろと大きくなっているの

 いっぽうで政府は各地の原発の再稼働をすすめようとしているし、当の東電さんまでも「新潟の柏崎刈羽くんをそろそろ再稼働申請したいんだなぁ」といっているんだ

■新潟県知事さんは事故の検証をもとめる

 「ちょっと変じゃない?」と、その東電さんに待ったをかけているのが新潟の泉田県知事さん。「安全性の問題とかももちろんあるけどさ、そもそもふくいち君の事故がどうして起きたのか、どうしたらおなじような事故が二度と起きないのか、そういう振り返りがちゃんとできてないのに再稼働したいってどういうこと?」とツッコミを入れているんだね。

 このために、東電さんは柏崎刈羽くんを再稼働したいけれども、まだその申請を原子力規制委員会さんへ出せないでいるんだ。

■規制委員会さんは活断層にばかり注目?

 この泉田知事のツッコミはとてもまっとうなものなんじゃないかなぁ。

 というのは、再稼働の審査にあたって規制委員会さんは「活断層のあるなし」にかなりフォーカスしてしまっているような印象もあるんだけど、なにも問題はそこにだけあるんじゃないよね。福島でこんな大事故が起きているのにその検証がきちんとなされていない、ということを飛ばしちゃいけないと思うんだ。

■再稼働のストッパー役がすくない

 心配なのは、新潟県内でもこんなふうに再稼働に疑問を投げかけているのは知事さんだけで、柏崎市さんや刈羽村さんも「再稼働? うん、いいよ」といっているの。これは全国的にみてもおんなじで、立地自治体でハッキリと「動かして大丈夫なの? ちょっと待って」といっているところはほかにはみあたらないんだ。

 去年はすくなくとも、関西のほうで福井の大飯くんの再稼働に反対する声がおおきかったけれど、いまはそういうストッパー役になっている自治体が新潟県さん以外、目立たないんだよ。

来月にはまた原発ゼロに

 ふくいち君の手のつけようのない状況とはうらはらに、再稼働への動きはしゅくしゅくとすすんでいてなかなかもどかしいけれど、じつは来月には福井の大飯くんが定期点検に入って止まるから、また日本じゅうで動いている原発はゼロになるんだ。

 日本はこれまで発稼働のすくない状況で2度の夏を乗り切っているから、じっさいにはなくてもなんとかなるようだということが実感として社会に浸透してきていると思うの。

 つぎの原発ゼロの期間がどれくらい長く持つのかについては、去年からつづく金曜日の抗議活動のような全国的な動きもだいじだけど、それぞれの立地自治体での「ほんとに動かして大丈夫なの?」という声がますますだいじになってくる気がしているよ。
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●自民党投票率を大きく上回る得票率7割の「圧倒的」「ぶっちぎり」で「ブラック企業大賞2013」受賞

2013年08月14日 00時00分57秒 | Weblog


gendai.netの記事二つ、【「ブラック企業大賞2013」はワタミが受賞】(http://gendai.net/news/view/109807)と【「ブラック企業大賞」選考委員が語るワタミとこの国の病根】(http://gendai.net/articles/view/syakai/143957)。zakzak.co.jpの記事【「ブラック企業大賞」はあの企業に決定 得票数の71%とぶっちぎり  (1~3/3ページ)】(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130812/dms1308121810007-n1.htmhttp://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130812/dms1308121810007-n2.htmhttp://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130812/dms1308121810007-n3.htm)。

 先日の参院選での自民党投票率は2割5分ほど(『●キケンすぎるキケンと選挙制度上の欠陥』)だったと思いますので、得票率7割というのは「ぶっちぎり」「圧倒的」と表現しても良いのかもしれません。いまや、渡邊美樹渡辺美樹)氏は「目出度くも」自民党議員として当選されました。
 本年度【ブラック企業大賞2013】は、予想通り、「ワタミフードサービス」に決まりました。まさに予想通りです。都知事選候補として渡邊美樹氏がマスコミに「歓迎」され始めたころから、「働く」とは何だろう、とずっと考えさせられてきました。渡邊美樹氏には、「受賞、おめでとうございます」という言葉を送りたい。

   『●働くことと内部留保: 「業務上過失致死」を引き起こそうと思って、誰がいったい働くだろうか?

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http://gendai.net/news/view/109807

「ブラック企業大賞2013」はワタミが受賞
2013年08月11日 16:18 更新

 厚生労働省が9月から立ち入り調査を実施するなど、“ブラック企業”への風当たりが強まる中、弁護士ら労働問題のエキスパートが実行委員を務める「ブラック企業大賞 2013」の授賞式が11日、都内で行われた。

 不名誉な「ブラック企業大賞」を受賞したのは、自民党の渡辺美樹参院議員(53)が創業した「ワタミフードサービス」だった。ネット投票でも全体の7割を超える2万票以上の圧倒的な得票数を獲得、昨年の「市民賞」(一般投票による選考)に続き、2年連続の受賞となった。

 このほか、「教育的指導賞」にはベネッセコーポレーション、「特別賞」には国立大学法人東北大学、「業界賞」にはクロスカンパニーが選ばれた。

 ワタミをめぐっては、2008年6月、入社2カ月しかたっていない女性社員が、厚労省が定める過労死ライン(月80時間の残業)をはるかに上回る141時間の残業を強いられ自殺。2012年2月に労災認定された。

 創業者の渡辺氏は世間の批判に対し、「われわれはブラック企業ではない」と主張。一方で、自殺社員遺族への対応がたびたび取りざたされ、同実行委も「遺族は面会を求めているが、創業者の渡辺美樹氏は応じず、いまだに面談も謝罪も拒否している」と問題視した。

 大賞選考に先立ち、6月27日に発表されたノミネート企業は、「ワタミフードサービス」のほか、「クロスカンパニー」「ベネッセコーポレーション」「サン・チャレンジ(ステーキのくいしんぼ)」「王将フードサービス(餃子の王将)」「西濃運輸」「東急ハンズ」「国立大学法人東北大学」の8社。いずれも、労災申請や訴訟が提起された企業群だ。

 ブラック企業大賞は2012年に創設され、第1回の「大賞」は東京電力、「市民賞」がワタミ。「業界賞」は富士通ソーシアルサイエンスラボラトリとフォーカスシステムズ、「ありえないで賞」はゼンショー(すき家)、「特別賞」はウェザーニューズに贈られた。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143957

「ブラック企業大賞」選考委員が語るワタミとこの国の病根
2013年8月12日掲載

 11日、「ブラック企業大賞 2013」の授賞式が都内で行われた。不名誉な「大賞」を受賞したのは、下馬評通り「ワタミフードサービス」だ。ネット投票では全体の7割を超える2万票以上の圧倒的な得票数を獲得。当日投票でもワタミがぶっちぎりだった。

 ブラック企業大賞は昨年創設され、今年で2回目。実行委員会は弁護士、大学教授など労働問題のエキスパート11人で構成されている。委員でルポライターの古川琢也氏に選考の過程を聞いた。

   「実行委は4月下旬から労働法に抵触したり、パワハラなど暴力的強制を
    従業員に強いる企業をピックアップ。6月27日にノミネート企業を発表しましたが、
    大賞はほぼ全会一致でワタミに決定しました。08年6月に入社2カ月の
    女性社員が過労自殺しているわけですが、同社は遺族との面談を
    拒否しているうえ、その遺族を相手取って同社が払うべき損害賠償金を
    確定させようと調停を申し出た。面会も謝罪もしないで、いきなり法廷で
    金銭解決とは冷酷です。しかも、創業者の渡辺美樹参院議員は
    今月2日付の朝日新聞のインタビューで、自殺した社員の適性に問題が
    あったかのように言っている遺族はどう思われたでしょう

 とはいえ、ヒドイのはワタミだけではない。今回、ワタミのほかにノミネートされた企業は「ベネッセコーポレーション」「西濃運輸」「東急ハンズ」など7社。約50社から厳選したというが、昨年、全国の労働基準監督署は、法令違反の疑いがある13万件以上の企業に監督指導を行っている。これだって、氷山の一角だろうから、ブラック企業の件数は何十万社になってもおかしくない。

   「その中でノミネートした8社は知名度があり、企業イメージがいいのに、
    内情がまったく違う企業です」(古川琢也氏=前出)

 そうやって企業の労働者軽視をアピールしなければ、全国に広がるブラック企業の蔓延(まんえん)に歯止めがかからない。実行委員会はそう言っていたが、ブラック企業がかくも幅をきかすのは、テレビと新聞にも責任がある。「NNNドキュメント」のチーフディレクターを務め、現在は法大社会学部メディア社会学科教授の水島宏明氏はこう言っている。

   「たとえばブラック企業大賞『業界賞』に選ばれたクロスカンパニーは、
    人気女優の宮崎あおいさんを起用して“earth music&ecology”という
    ブランドのテレビCMと新聞広告を大量に出稿しています。だから、テレビは
    過労死があっても報道しないし、新聞も小さなベタ記事程度。きちんと問題を
    報道しないメディアは結果的にブラック企業を助長しているのと一緒です」


<これじゃサラリーマンは泣かされ続ける>

 ノミネートされた王将フードサービスにしたって、マスコミは一時期、「餃子の王将」で頑張ったバイトが店長にステップアップしていく“出世物語”をこぞって取り上げた。中にはタイアップもあったとされ、実際、テレビが王将のネガティブ報道をすることはほとんどない政府の無策もブラック企業が増殖する原因だ。田村厚労相は「きっちりと対応していきたい」と言い、9月は約4000社に立ち入り調査を実施するというが、期待できそうにない。

   「行政の言う“対策”とは、マスコミ向けの一過性のポーズであることが
    往々にしてあります。たとえば厚労省は5年前、違法派遣を繰り返していた
    として、グッドウィルの全支店に事業停止命令を出しました。ところが、
    違法派遣は今も抜本的改善はしていません。折口雅博会長が自己破産して、
    うやむやになったまま。ブラック企業問題も監視を続けなければいけません」
    (水島宏明氏=前出)

 さもないと、有名大企業から中小まで、労働者いじめが常態化することになる。
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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130812/dms1308121810007-n1.htm
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130812/dms1308121810007-n2.htm
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130812/dms1308121810007-n3.htm

「ブラック企業大賞」はあの企業に決定 得票数の71%とぶっちぎり  (1~3/3ページ)
2013.08.12

 厚生労働省が取り締まりに乗り出すなど、従業員に過酷な労働を強いる「ブラック企業」への批判が高まっている。そんななか、とりわけ悪質なブラック企業をインターネット投票などで選出するイベント「ブラック企業大賞 2013」が11日、都内で行われた。ワースト(大賞)に選ばれたのは、大手居酒屋チェーンの「ワタミフードサービス」。投票者の7割超が「ブラック中のブラック」としてノーを突きつけたワケとは-。

 「大賞は…ワタミ」

 登壇者がこう告げた瞬間、集まった約100人の来場者から割れんばかりの拍手が起こった。

 ただ、それは賛辞の拍手ではない。労働法違反や違反スレスレの過酷な勤務実態が社会問題化するブラック企業。その最たる会社を選び出すワーストだったからだ。

 同賞は、首都圏の若者を中心とする労働組合「首都圏青年ユニオン」や労働問題を専門とする弁護士、大学教授らで構成する「ブラック企業大賞実行委員会」が主催し、今年で2回目。

 ブラックと認定する基準は、(1)労働法違反による行政処分が出ている(2)過労自殺などの劣悪な労働環境による犠牲者が出て、それが労災であると認定されている(3)労働環境などをめぐって裁判になり、企業側が負けている-など。公式ホームページ(HP)上での投票のほか、イベント当日の来場者の投票数によって大賞が決まった。

 前もって8つの会社・団体がノミネートされたが、ワタミフードサービスは「全3万501票のうち2万1921票を獲得」(大賞関係者)し、得票数は71%のぶっちぎりだった

 なぜ、これほど非難を浴びたのか。

   「2008年に新人女性社員が自殺し、昨年2月に労災認定された。
    にもかかわらず、会社は遺族との直接面談にも応じず、損害賠償金の
    確定を求めた民事調停を申し立てるなど不誠実な対応を続けている」

(同)のが選考理由。

 同社の創業者で先の参院選に自民党から出馬し、初当選した渡辺美樹氏(53)の言動にも注目が集まった。自殺が労災認定された直後の昨年2月、短文投稿サイト「ツイッター」の自身のアカウントに《命懸けの反省をしなければならない》と投稿したものの、その後の対応が遺族ら関係者の反発を招いた。

 実行委員の1人でアジア太平洋資料センター事務局長の内田聖子氏は「反省を口にしながら、いまだに遺族に会おうとしていない。そればかりか、そのまま参議院選挙に出て当選してしまった。自分の会社で従業員を死なせてしまっても政治家になれる、という悪い前例を作ってしまった」と語る。

 不名誉な称号をワタミフードサービスはどう捉えているのか。見解を求めたところ、「『ブラック企業』自体の定義が明確でない中で、その定義が明確でないものに対する見解を述べる立場にないと判断している」(ワタミ広報)との回答が返ってきた。

 折しも厚労省が、9月を「過重労働重点監督月間」に指定し、法令違反が疑われるブラック企業候補約4000社の立ち入り調査を公表したばかり。

 企業の劣悪な労働環境実態がクローズアップされてきたことから、会場には大学生や若い社会人らの姿も目立ち、都内の大学生(21)は「自分も就職を控えた身で他人事ではない。自己防衛のためにもブラック企業の実態を知っておくべきだと思った」と真剣な表情だった。

 大賞のほかに、研究者が過労自殺した東北大が「特別賞」、女性社員の過労死が労災認定されたクロスカンパニーが「業界賞」などを受賞した。実行委員会では今後、賞状を「郵送か手渡しで送る予定」(先の内田氏)という。

 実行委員の1人で労働問題に詳しい佐々木亮弁護士は「ここに取り上げた会社や法人だけではなく、イメージのいい大企業でも実態はブラックという例はある。新卒の若者は、正社員から転落すると非正規しかないと思い詰めがち。こうした若い労働者が、ブラック企業の標的になる。企業文化にどっぷりつからせることで思考をまひさせるのが典型的な手口だ。待遇や企業のあり方に少しでも疑問を持ったときは1人で考え込まないで誰かに相談してもらいたい」と話している。
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●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経・・・・・・

2013年08月13日 00時00分42秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013080702000113.html)。

 「核=原子力」。被曝地で、3.11東京電力原発人災後に原発推進・輸出を語れるその神経が理解できない。ヒロシマやナガサキで起こったこと、今、福島第一原発周辺で起こり続けていることが安倍晋三首相には見えていないらしい。プルトニウムをため込み、「戦争できる国」にしたいということしか頭の中には無いのかな?

   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「原子力」は「核」へのポテンシャル

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013080702000113.html

首相 原発推進を強調  被爆地で不信増幅
2013年8月7日 朝刊

 安倍晋三首相が六日、被爆地・広島での被爆者との面談で、原発政策を推進する考えを表明した。世論の反対が強い原発再稼働や原発輸出だが、首相には前提条件である安全性を、日本の技術は満たすことができるとの過信がある。被爆地での表明は信頼を得るどころか、不信感を増幅させたといえる。 (城島建治、宮尾幹成)

 東京電力福島第一原発事故の教訓は、原発を完全にコントロールできないということ。事故が起きれば、放射能が拡散し、甚大な被害が出る。事故から二年半たった今も、十五万人が避難生活を余儀なくされている現実が物語っている。

 民主党政権の菅直人、野田佳彦の両首相(いずれも当時)は原発事故後、広島の「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」で「脱原発依存を目指す考えをそれぞれ表明した。福島の原発事故の反省があったからだ。

 だが、安倍首相はその広島で、原発を推進する姿勢を重ねて鮮明にした。被災地では除染も進んでいないのに、首相の言葉をうのみにする人はいないだろう。

 広島は、同じ核の後遺症に苦しみ続けている。安倍首相は式典で原爆症の未認定患者を早期に救済する考えを表明し、被爆者に寄り添う姿勢は示している。

 ただ、原発を再稼働することは、事故のリスクと表裏一体。首相は原発について「安全性を確保する」と強調しつつ、国会などでは「絶対安全はない」と認めるという自己矛盾から目を背けている。
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●期ズレと証拠捏造、どちらが重要な犯罪なのか?

2013年08月12日 00時00分45秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002888.php)。

 一連の小沢一郎氏の〝大事件〟、マスコミも酷ければ、裁判所も酷いものである。この〝大事件〟の大元締めである検察による「不起訴処分」・・・・・・、開いた口が塞がらんです。でも、小沢一郎氏の〝大事件〟の際のようには大騒ぎしないマスコミの不思議。小沢一郎氏の期ズレと田代政弘元検事の証拠捏造一体どちらが重要な犯罪なのでしょうか?

   『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002888.php

ニュース・コメンタリー (2013年08月03日)
「田代不起訴」に見る日本の病理

 生活の党の小沢一郎代表が強制起訴されるきっかけとなった検察審査会に対して、実際の聴取内容とは全く異なる虚偽の捜査報告書を作成していたことで告発されていた元東京地検特捜部の田代政弘検事について、最高検は7月31日、嫌疑不十分で再び不起訴処分にした。
 田代元検事については、告発を受けた最高検が一旦、嫌疑不十分で不起訴としていたが、これを不服とした市民から検察審査会に申し立てがあり、検審は今年4月、これを不当と議決し検察に対して再捜査を求めていた。しかし、検審が強制起訴につながる「起訴相当」とはしなかったため、今回の不起訴処分で、田代元検事がこの問題で罪に問われることはなくなった。
 最高検は田代元検事の「記憶が混同したとの主張を受け入れ、故意ではなかったと主張している。虚偽有印公文書作成罪は故意性が要件となっているためだ。しかし、捜査報告書に記録されていた石川氏の証言内容が、石川氏が隠し持った録音機で録音をしていた取り調べの内容と全くことなる内容であり、同時に小沢氏にとっても不利になる明らかな捏造部分が多数含まれていた。
 また、その捜査報告書を受けて検察審査会が小沢氏を強制起訴につながる「起訴相当」と議決しているのだ。更に、そもそも今回の小沢氏及びその秘書に対する東京地検特捜部の捜査自体が、政権交代を目前に控えた時期に行われた、政治性が強く疑われるものだったことなどを考慮に入れると、日本の政治の流れに決定的な影響を与えたといっても過言ではない検察による違法行為が、身内の検察によってこのような形で事実上不問に付されるというようなことを、われわれは看過してよいのだろうか
 また、そのような背景があることは重々知りながら、これを大きく問題にもせず、田代不起訴を普通のニュースとして伝えるマスコミは一体どうなっているのか。なぜ政治家は当事者である小沢氏の周辺を別にして、誰もこれを問題にしないのか
 田代元検事への不起訴処分が明らかにした日本の民主主義の弱点について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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●「敗戦特集」『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号)についてのつぶやき

2013年08月11日 00時00分54秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年8月9日、955号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、【美輪明宏×佐高信対談】、「戦争って言葉をなくせばいいんですよ。「大量殺人」でいいんです」。それと、【『金曜日』で逢いましょう 三上智恵さん/米軍普天間基地の完全閉鎖を描いた『標的の村』を監督、8月から公開】。

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■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 「敗戦特集」。「終戦」でないところがミソ。盛りだくさん。三宅勝久さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%BB%B0%C2%F0%BE%A1%B5%D7【買収容疑で元陸将補逮捕 〝ヒゲの隊長〟に不祥事続々】、「収支報告「ゼロ」」。佐藤正久参院議員の胡散臭い事実

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 平良暁志氏【「過重負担はもう限界」不信増す県民 米軍キャンプにヘリ墜落】、「「基地内」として立ち入りを拒否」。県民の怒りなどお構いなしの振る舞い(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C0%D0%C0%EE%CA%B8)の米軍と自公政権

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 阪上武氏【避難継続・移住補償を求め政府交渉 強行される「帰還に抗議」】、「年1mSvの基準が守られないのは人権侵害」。にもかかわらず、自公議員や規制委員会が東電の再稼働申請を許そうとしていることに呆れ果てる・・

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / ・・東電原発人災は何も解決されていないし、汚染地に「帰還」させて、人災が無かったことにしようとしているhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/aab3948ca5c20dde40e4e7e3f5af0848

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 西村仁美氏【公務執行妨害で罰金四〇万円 歩いていて逮捕拘留】、東京地裁の安東章裁判長は罰金支払いを命じた。「転び公妨」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/860354285558d8b84b16e86c911cf17b)?による現行犯逮捕か?

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 宇都宮健児さん【風速計/生活保護基準引き下げ講義の闘い】、「生活保護基準の大幅引き下げに反対する「一万人審査請求運動」の呼びかけ人となって・・審査請求をするよう呼びかけ」。冷たい社会(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c007564828f64859e07763882b08f63c

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 片岡伸行氏【過労死をなくそう!龍基金 二紙の記者が受賞】、東京新聞中沢誠皆川剛記者ら。「渡邊美樹氏・・「・・全く反省などしていない・・」」。いまや自民党の参議院議員である(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/426ff522906a3a37a9802d0b579bfefc

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 水島朝穂氏【ナチスの「手口」を否定しなかった歴史の無知と危うさ 麻生発言の「静かに」が意味するもの】、「日本版「静か」な「手口」」。その差別意識の根深さも大問題な麻生太郎氏(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/52b9b4ad2f70b67a681e39262ce97367

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【竹信三恵子の経済私考/「ナチス流円滑改憲」がもたらす経済衰退 ゆくえを占う国家戦略特区と最低賃金の改定】。すでにその手口は進んでいる(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/894e490b6fcc1055646841b25155b510

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 石山永一郎氏【ネトウヨと一体化する靖国 その罪と追悼施設の未来】、「靖国での「祈り」とは戦争に勝つための祈り」「戦犯問題は、「戦争責任」をあいまいにしてきた日本人全体の問題」。「国家によって神にされることはもう結構」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%CD%B7%BD%A2%B4%DB

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【美輪明宏×佐高信対談】、「戦争って言葉をなくせばいいんですよ。「大量殺人」でいいんです」、「いじめ・・「恐喝」「暴行」・・いじっめっ子・・「犯罪者」と呼びなさい。・・万引き・・「窃盗」「泥棒」・・兵隊や兵士・・「殺し屋」でけっこう」。「ヨイトマケの唄」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e1b217ef14c0fb57be62348871c41e92

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【『金曜日』で逢いましょう 三上智恵さん/米軍普天間基地の完全閉鎖を描いた『標的の村』を監督、8月から公開】、「オスプレイ強行配備前夜・・人々は普天間基地の全ゲートを封鎖した。三上智恵さんら琉球朝日放送クルーは経緯をすべて撮影、記録映画にまとめた」

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【『金曜日』で逢いましょう 三上智恵さん】、「無断で入ることをためらう若いスタッフには、映画『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』・・を見せ、「問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を犯しても構わない」」・・・

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【『金曜日』で逢いましょう 三上智恵さん】、「・・を見せ、「問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を犯しても構わない」」という福島さんの言葉で撮影を説得した」。●反骨の報道写真家、福島菊次郎さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6418b9fbbc23e39ba8944f6f6426aa4b)

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 池田哲平氏【日本政府は誰の見方をしているのか? オスプレイ運用に募る沖縄の不信】、「今回の追加配備で二四機となるオスプレイの影響は確実に、沖縄の住民生活に直結」。冷たい政府(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C0%D0%C0%EE%CA%B8

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 半田滋氏【安倍晋三首相が執念を燃やす集団的自衛権のトリック 世界最強の米国を自衛隊が守るというのか】。●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね」は既に進行中(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/894e490b6fcc1055646841b25155b510

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 今田真人氏【TPPで水産業を壊滅させていいのか】。桐嶋瞬氏【多重下請けで〝使い捨て〟、偽装請負も 闘う原発労働者たち】。●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B8%B6%C8%AF%CF%AB%C6%AF%BC%D4

■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 山口正紀さん【〈壊憲〉に抗う柔らかな発信 「憲法寄席」の試み】。「松元ヒロ氏【写日記 その10】、「日本国憲法を擬人化した『憲法くん』と言うネタ」と同じような試み?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9cf92a972ac07b0d0538d9f8b4167b3a
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●原発稼働は経営だけの問題なのか?

2013年08月10日 00時00分05秒 | Weblog


asahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、6月27日)と記事(http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY201307010458.html)。東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070802000128.htmlとコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070802000110.html。最後にgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/143229)。

 経営上の問題だけで語られ、議論されていていいのでしょうか?
 この地震大国で、原発を稼働しようというのは技術的に無理で、事実、3.11東京電力原発人災でそのことが実証されていたはず。さらに、この人災の後始末が全くできていない。排水は溜まり続け、地下水が汚れ続け、海を汚染し続けているにもかかわらず、技術的に全く解決できていない。さらには、ヒロシマ・ナガサキの経験から考えても、原発再稼働や原発輸出など、倫理上許されない、と思います。

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、6月27日】

2013年6月27日(木)付
原発と経営―実は気づいてませんか

 原発を持つ電力会社の経営陣のみなさん。今年の株主総会も「脱原発」を求める株主の声を一蹴しましたね。むしろ、「一日も早い再稼働への執着を鮮明にされました。

 9社のうち8社が、火力発電の燃料費の増大などで赤字。7社が過去の利益を蓄えた「別途積立金」の取り崩しに追い込まれ、3社は積立金が底をつきました。ゆゆしき事態です。

 原発活用を打ち出す安倍政権のもとで、一気に「元どおりを狙いたい。遠い将来より、まずは目先の利益、というところでしょうか。

 思えば、みなさんはずっとそうでした。地震・津波対策も、放射性廃棄物の処分も、核燃料サイクル事業の吟味も、みんな後回し。原発は「国策」なんだから、いざとなれば国が考える、いや、考えるべきだ――。

 3・11後も一向に経営姿勢が変わらないのを見るにつけ、そんな思考がしみついているのでは、と邪推したくなります。

 でも、本当は気づいているのではないですか。もう昔には戻れない。原発を抱え続けるのはしんどい、という事実にです。気づいていないとしたら、それこそ驚きです。

 東京電力の崩壊は、いざという時に政府は守ってくれないことを証明しました。みなさんがせっせと献金してきた政治家も、事故直後はだんまりを決めこみました

 一方、事故を経て規制は格段に厳しくなりました。今後は基準が改定されるたび、すべての原発への適用が求められます。寿命間近で出力の小さい原発にまで、です。存続にこだわると費用はどんどんかさみます。

 廃棄物問題の先送りも、もはや限界です。使用済み核燃料棒の保管場所からして足りない。それゆえに原発を動かせなくなる事態が迫っています。

 しかも、安倍首相は電力システム改革を断行すると明言しています。きのうまでの国会で法案は成立しませんでしたが、方向性は変わりません。発電部門と送電部門が切り離され、競争が激しくなれば金食い虫の原発を維持するリスクはもっと大きくなるでしょう。

 釈迦(しゃか)に説法ながら、先を読み、自らを柔軟に変えてこその企業経営です。どうも、過去の経緯にがんじがらめになっている気がしてなりません。

 もう少し時間が必要でしょうか。みなさんの中から早く、真の意味での経営合理性を掲げ、「いち抜けた!」と方針転換されるところが出てくるのを期待しているのですが。
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http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY201307010458.html

2013年7月2日10時31分
廃炉費34基1700億円不足 電気料金に上乗せの恐れ

【松浦新】原発を40年で廃炉にする場合、国内の原発50基のうち8電力会社の34基で、将来の廃炉のために積み立てているお金が予定より不足していることがわかった。今年3月までに必要な積立金より計約1700億円足りず、不足額は今後もふくらんでいく見通しだ。穴埋めするため、いずれ電気料金に不足額が上乗せされるおそれがある。

 原子力規制委員会は8日に新しい規制基準をスタートさせ、原発の運転期間を「原則40年」にする。経済産業省はこれまでも、運転開始から40年間かけて廃炉に必要なお金を電力会社に積み立てさせている。

 しかし、このルールが甘い。定期検査で止まるのを考慮したうえで原発の年間稼働率が76%以上の場合は40年間でたまるように毎年積み立てさせるが、トラブルなどで原発が止まって76%を下回れば、年間の積立額は稼働率に応じて小さくできる。東日本大震災後に止まったままの原発も積み立てていないことになる。

・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070802000128.html

【社説】
<2013岐路>原発政策 未来の安心もっと語れ
2013年7月8日

 自民は原発推進に舵(かじ)を切り、他は脱原発や脱原発依存を訴える。だがそれで、どんな未来になるのだろうか。私たちのその未来をもっと語ってもらいたい。
 二〇五二年の時点でまだ原子力発電を続けているのは、フランスと中国だけになるだろう-。
 世界自然保護基金(WWF)の副事務局長などを務めた、ヨルゲン・ランダース氏の近著「2052」(日経BP社)に収録された、識者による未来予測の一つである。

巨額の費用がかかる

 書いたのは、ジョナサン・ポリット氏。英国緑の党の共同代表などを歴任した人だ。「原子力発電の終焉(しゅうえん)」というタイトルが付いている。

 原発はなぜ消えていくのか。ポリット氏によれば、主な理由は経済だ。

 欧州では環境派と呼ばれる人々にも、原発は一定の支持を受けてきた。石油や石炭などの化石燃料に比べてコストが安く、地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないからだ。

 ところがそれも安全あってのことである。フクシマの事故で安全神話のベールがはがれ、原発の隠れたコストが明るみに出た。

 どんなに科学が進んでも、原発事故の確率をゼロにするのは不可能だ。事故を起こせば、その損害は計り知れないものになる。フクシマは原発の経済リスクを世界に知らしめた。廃炉や使用済み核燃料の処理にも、この先巨額の費用がかかる。

 日本最大の東京電力さえ、国有化を余儀なくされた。公的資金が無限に注入されない限り、投資リスクの解消は望めない。投資家は原発という古い船を下り、再生可能エネルギーに乗り換える。市場原理が、原発を追い立てる。

世論は消極的なのに

 ポリット氏の予測に沿うかのように、米国ではシェールガスへの転換が急速に進んでおり、デンマークでは原発の予定地に風車を建てた。原発への公的資金投入をいち早く打ち切った英国では、大規模な洋上風力発電施設の建設が盛んに計画されている。西欧で建造中の原発は、フィンランドとフランスのそれぞれ一基だけである。

 二〇年までに五十六基の原発を建設するという中国でさえ、3・11後は住民の不安に配慮して、減速の兆しがあるという。

 エネルギー社会の未来図を、フクシマが塗り替えつつあるのだろう。未来図が示されてこそ、世界は動く。未来図を描くのが政治家の仕事ではなかったか。

 思い出してもらいたい。去年の夏のことである。

 当時の民主党政権は福島の事故を受け、「二〇三〇年に原発比率50%以上」とうたったエネルギー基本計画を白紙に戻し、討論型世論調査で国民の意見を聞いた。

 二日間の議論の結果、政府が示した三〇年に原発比率ゼロ、15%、20~25%の選択肢から、約半数の参加者がゼロを選んだ

 だが、原発ゼロに至る具体的な未来図や戦略が示されないまま、草創期から原発を推進してきた自民党が、暮れの総選挙では与党民主に圧倒的な大差をつけて政権の座に返り咲いた。

 だからといって、原発ゼロを選んだ有権者の意思が消えてしまったわけではない。本紙の世論調査では、今度の参院選で安倍内閣を支持すると答えた人の半数近くが、原発再稼働には消極的だ。比例の投票先も約半数が未定のまま、選挙戦に入っている。

 放射能は恐ろしい。でも脱原発は暮らしにどんな影響を与えるのか。原発ゼロにするのはいい。でも本当に実現できるのか。アベノミクスに期待しながら原発に不安を覚える人や、脱原発を望みながらも、実現可能な政党を見つけられない人は多いに違いない。

 故郷を追われた十五万人を超える原発被災者の日常に、心を痛めない人はいないだろう

 そんな有権者に向けて、早期再稼働と輸出をめざす自民は、原発と共存可能な社会の未来図を、脱原発を訴える他の党は、原発なしでも豊かな社会のそれを、具体的に示して信を問うべきだ。

 若い有権者には特に、解禁されたインターネットなどを使って、候補者や政党に、それを求めてもらいたい。

大きな転換点だから

 いずれにしてもこの国のエネルギー政策は、大きな転換点にある。原発依存を抜け出すにせよ、使い続けるにせよ、再生可能エネルギーの普及や電力の自由化など、時代の要請は避けられない。

 新しいエネルギー社会を築き上げるには、時間がかかる。その社会を生きるのは若い皆さんと、皆さんの子どもたちなのだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070802000110.html

【コラム】
筆洗
2013年7月8日

 核搭載疑惑を持たれた米フリゲート艦が一九八九年、長崎に寄港した。艦長が平和公園で献花した花輪が偶然、倒れた。山口仙二さんは気が付くと、何度も踏み付けていた▼原爆投下で苦しめた謝罪もない形式だけの献花。被爆地への寄港を許した政府や自治体への怒りも重なったのだろう。被爆者からも批判されたその激しさが、反核平和運動を牽引(けんいん)した源泉だったのかもしれない▼日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表委員を三十年近く務めた山口仙二さんが亡くなった。八二年六月の国連軍縮特別総会の演説は忘れられない▼ケロイドが広がる自身の写真を振りかざしながらの鬼気迫る訴えだった。「私の顔や手をよく見てください。世界の人々、そしてこれから生まれてくる人々、子どもたちに、私たち被爆者のような核兵器による死と苦しみを、たとえ一人たりとも許してはならないのであります」▼演説の締めくくりが「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウオー、ノーモア・ヒバクシャ」の叫びだった。核の数を競い合う冷戦下、核兵器の犠牲者の存在を世界に知らしめた歴史的な瞬間だった▼核保有国は増えたが、長崎以来六十八年間、核兵器は使われていない。国際世論に訴えて、大国の手足を縛り、核兵器を使わせなかった山口さんの生涯を被爆国の国民として誇らしく思う。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143229

原発再稼働に悪用される東京灼熱地獄
2013年7月3日 掲載

気温40℃超も

<「史上最悪」の3年前を上回る酷暑>

 原発事故の反省もそこそこに、東電が新潟・柏崎刈羽原発の再稼働に向けて突っ走り始めた。広瀬直己社長は2日の会見で、6、7号機の安全審査を、できるだけ早く原子力規制委に申請する方針を表明した。

   「東電の経営を圧迫しているのは、火力発電の燃料費。原発を1基稼働すれば、
    年1000億円前後の燃料費が浮くとされます。そのため、〈電気料金の
    再値上げもやむなし〉と利用者に脅しをかけ、運転再開にこぎ着けようと
    している。安倍政権が成長戦略で〈原発の活用〉を後押ししたこともあって、
    再稼働の流れができつつあります」(霞が関関係者)

 さらに今夏の猛暑が、嫌な流れを加速しそうなのだ。今年は「史上最悪」といわれた3年前の酷暑を超えるという予想もある。

   「今夏は例年より太平洋高気圧の勢力が強まる上に、西からチベット高気圧が
    張り出す見込みです。高気圧が二重に日本を覆い尽くし、記録的な猛暑に
    なるとみられています」(気象予報士)

 09年に東京では最低気温25度以上の「熱帯夜」は20日しかなかったが、史上最悪の10年は56日。09年にはゼロだった35度以上の「猛暑日」も10年は13日にハネ上がった。全国の熱中症の死亡者数は09年が236人で、10年は1718人に。当時は東京でも練馬で最高気温38.2度を記録。113年の観測史上で最も暑いとまでいわれた10年を超えるかもしれないのだ。40度近い灼熱(しゃくねつ)地獄を覚悟すべきで、「節電の夏」にも限界がある。

   「電気の使用量も増えることは間違いありません。そうなると、
    火力発電の燃料費がさらにかさむ。猛暑に乗じて東電が〈経営再建の
    ためには再稼働〉と言い出しかねません」(経済ジャーナリスト・岩波拓哉氏)

 再稼働には新潟県の承認も必要で、泉田裕彦知事は「(福島原発の)事故の責任を果たしていない中で申請するのは、国民の理解を得られない」と強く批判していた。それに柏崎刈羽原発は、複数の原子炉建屋の真下に活断層がある可能性も指摘されている。酷暑に屈したら、東電の思うツボだ。
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●核=原子力だからこそ、プルトニウムをため込む: 孤立する日本

2013年08月09日 00時00分46秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0804/OSK201308030170.html)。

 3.11東電原子力人災以降も、原発再稼働し、さらなる再稼働を目指し、原発輸出までするのですから、また、そういう自公議員に票が集まるのですから、この国はどうかしています。プルトニウムをため込む理由は明白でしょう、「孤立する日本」にも頷かざるを得ません。

   『●嘘吐きと本音
   『●破綻した核燃サイクル: なぜ核分裂性プルトニウムをため込むのか?
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●堂々と核実験・核開発に反対したい
   『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、さらに「死の商人」へ: どうやら「恥」という概念は無いらしい

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http://www.asahi.com/politics/update/0804/OSK201308030170.html

(孤立する日本)たまるプルトニウムに疑いの目
2013年8月4日3時42分

【永井靖二】「人類滅亡まで5分」。米国の科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は1月、科学者らが核戦争の危機を訴える「終末時計」について、福島第一原発の事故などを理由に「5分」とした昨年に続き、今年も同じ刻限にすると発表した。

 「2013年のうちに米国は日本に六ケ所の稼働を諦めさせるべきだ」。同誌は「5分」とした理由を述べたオバマ・米大統領宛ての公開書簡で提言した。

 六ケ所とは、青森県六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理施設。近く始まる検査が済めば、本格稼働させる準備が進む。
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●炭坑王一族の末裔による凄まじいまでの暴言・差別意識

2013年08月08日 00時00分50秒 | Weblog


CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-August/025626.html)。

 ナチスの「あの手口を学んではどうか」の麻生太郎氏。極めつけの暴言・差別意識について以下に再掲。

●『創 (12月号)』読了 (2/2)
   
   「雨宮処凛さん、「45年間にわたり一着45万円のスーツを年間10着仕立てる
    おしゃれな首相。・・・敷地だけで6200000000円。・・・『華麗なる一族』の
    東京宅を見に行きましょう」。で、ゆでダコ坊主主導によるコウボウ
     (「防」でなく「暴」)。」

●『追われゆく坑夫たち』読了(2/3)
   
   「『日刊ゲンダイ = 連日の高級ホテル通いが非難を浴び、
    「私は幸い、お金があります」と言い放った麻生首相。なるほど
    福岡の炭鉱王と呼ばれた一族で、公開された資産は歴代首相では
    ダントツだ。それにしたって財力を鼻にかけて自慢するなんて、一国の
    トップがやることか。成り金じゃあるまいし、本当の金持ちはもっと謙虚だし、
    人前では金のことを話さないのが大人のたしなみというものだ。昔、
    大コンツェルンの御曹司から自民党の代議士に担ぎ出され、財産すべてを
    政治につぎ込んで「井戸塀」と呼ばれても国家のために働いた藤山愛一郎
    という政治家がいた。麻生マンガ太郎首相は同じ御曹司でもこの人物とは
    品格が違う。「ボクは金持ちです。だから嫌われます」と吹聴する人物が
    最高指導者では国中のモラルが乱れるのも当然。』(赤太字はブログ主)
    (「井戸」か・・・。)
   「・・・北部を縦走して玄海灘にそそぐ遠賀川の流域一帯、七市四郡にわたる
    筑豊炭田は、ほぼ一世紀にちかい年月にわたって全国総出炭量の
    おおよそ半分におよぶ量の石炭を産出しつづけ、日本最大の火床として
    繁栄をほこってきた。・・・資本主義化と軍国主義化を推し進め
    ・・・三井・三菱・・・財閥がこの地底から富をすくいあげ・・・」(p.iii)。
    「・・・麻生・伊藤とともに「筑豊御三家」のひとつに数えられる貝島・・・」(p.2)。
   「・・・ヤマのつぶれるまで労働者を奴隷としてつないでおくための鎖が、
    ほかならぬ肩入れ金である・・・」(p.49)。」

●『差別と日本人』読了(3/4)
   
   「やはり〝メインイベント〟は麻生太郎のすさまじいまでの暴言・
    差別意識でしょう。「麻生氏は、植民地支配で財を築いた麻生財閥
    中でぬくぬく育って、首相にまで上り詰めた。/・・・麻生鉱業は、
    ・・・消耗品の労働力として、その命を紙くずのように扱った。一九四五年まで
    に麻生系の炭鉱に連行された朝鮮人は一万人を超える・・・。また、
    ・・・民を・・・奴隷のように酷使した」(pp.162-163)。
     「 私は麻生さんの顔を見ると背筋が寒くなるんです。/とくに彼の中に
    あるひどい差別意識には、ぞっとさせられる。/野中 ・・・ある新聞社の記者が
    僕に手紙をくれたんです。・・・〈麻生太郎が、・・・「野中やら・・・の人間だ。
    だからあんなのが総理になってどうするんだい。ワッハッハッハ」と笑っていた。
    これは聞き捨てならん話だ・・・〉/・・・を死ぬほどこき使って、金儲けしてきた
    人間だから。/・・・不幸な人だ。一国のトップに立つべき人じゃない
    /・・・/ 麻生さんは差別意識が体の中に染み込んでるんだと思う」
    (pp.163-165)。
     「彼には、吉田茂の孫であり、また麻生セメントに代表される麻生財閥の
    末裔ということ以外に、政治的資源は何もない。能力もない。
    だから出自で人を見下す」(p.166)。「「麻生太郎」とは、日本社会が
    生み出した差別の結晶であり、差別による旨みが骨の髄まで染み付いた
    人間の典型
なのだろう」(p。169)。」

●『野中広務 差別と権力』読了(2/3)
   
   「「永田町ほど差別意識の強い世界」(※2) はなく、「総裁選の最中に
    ある有力代議士は・・・「・・・総理になれるような種類の人間じゃないんだ」
     (p.385) と言ったそう。さらに、最近、ネット上で話題になっていた部分。
    当時、「総裁選に立候補した元経企庁長官」 (であり現総理) の
    「麻生太郎は・・・「あんな・・・を日本の総理にはできないわなあ」と言い放った」
    (p.385) そうである。2003年9月、野中は、最後の自民党総務会に臨み、
    当時の小泉総裁や麻生政調会長を前に発言を求めた。「・・・私の最後の発言と
    肝に銘じて申し上げます・・・政調会長。あなたは『野中のような・・・を総理には
    できないわなあ』とおっしゃった。君のような人間がわが党の政策をやり、
    これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんてできよう
    はずがないんだ。私は絶対に許さん!」、野中の激しい言葉に総務会の空気は
    凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にしてうつむいたままだった
    (pp.391-392)。」

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-August/025626.html

[CML 025706] 麻生はいかにしてセレブになったか
・・・・・・・・・
2013年 8月 2日 (金) 15:58:12 JST



 ・・・・・・です。

 麻生太郎財務大臣のナチス発言が大きな波紋を呼んでいます。

 これは失言や誤解ではありません

 日本には、ヒトラーやナチスを高く評価する人が大勢います。ヒトラーの著書
『我が闘争』を人生や経営の指南書として熱心に読む人がたくさんういます。

 麻生はヒトラーやナチスの「やり口」を高く評価していることは明らかです。
彼は歴史を学んでいない、学ぼうとはしない政治家です。

 これは今から十年前、の2005年10月、麻生太郎財務大臣が小泉純一郎内
閣の外務大臣に就任した時に、私が[aml]というメーリングリストに送った文章で
す。

 当時、多くの福岡県民が麻生の外相就任を祝いました。それで私も福岡県民の
一人として以下の文を書いて「祝い」ました

 元々は福岡の豪農地主に過ぎなかった麻生家が、どうやってセレブになったの
を書きました。

 彼の足下には、韓国・朝鮮人と被差別の人々の屍があります。


(ここから)

 昨日(10月31日)の内閣改造で、
麻生太郎氏(福岡8区)http://www.aso-taro.jp/index2.html
が、外務大臣に就任しました。ポスト小泉の一人として将来の首相候補になった
とマスコミから大きく取り上げれられています。

 福岡県内からは、将来の首相候補として、そして冷え切った日韓・日中関係の
改善に手腕を発揮すると期待の声が上がっています。

 福岡県内のテレビニュースの街頭インタビューでは、麻生外相就任を祝う声が
数多く聞かれました。もちろん、広田弘毅(1978年~1948年)以来の福
岡県出身の首相誕生を期待する声もです。

 (広田弘毅は外交官として活躍し、外相も務めました。そしてA級戦犯として東
京裁判にかけられ、処刑されました)

 福岡県民の一人として、私は外相就任おめでとうございますと言うべきでしょ
うが、そのかわり、次のことを言います

 麻生外相は、韓国・朝鮮人と被差別の人々の生き血をすすってのし上がっ
た一族の出身です、と。

 麻生外相は、政界に入る前は麻生セメント(現在は麻生ラファージュセメント)
の社長でした。この会社の前身は、かつて福岡県・筑豊地方に数多くあった炭鉱
を経営していた麻生鉱業です。この麻生鉱業(創立当初は麻生商店)は、福岡県
のみならず日本有数の石炭産業会社として「日本の近代化・産業化に貢献した」
と評されています。炭鉱経営で得た利益をもとに鉄道・電力・病院、そしてセメ
ント会社を設立し、財閥を形成しました。麻生外相は、その麻生グループの3代
目後継者です。麻生グループは今も福岡県有数の企業グループとして大きな力を
持っています。

 麻生一族は炭鉱経営で得た富と影響力で政界にも進出しました。

 麻生外相の父、麻生多賀吉(1891年~1980年)は吉田茂首相の3女・
和子と結婚し、衆議院選挙に立候補し当選しました。自民党の実力者として活躍
しました。麻生外相はその政治的地盤を引き継ぎました。

 麻生外相は吉田茂の孫です。高祖父は「明治維新の三傑」大久保利通、曾祖父
は昭和天皇の重臣だった牧野伸顕、義父は鈴木善幸首相です。妹・信子は三笠宮
寛仁親王妃です。まさに華麗なる一族です。

 さて、もともとは農村の豪農地主にすぎなかった麻生家が、日本有数の名家
(今流行りの言葉で言えばセレブ)になったのは、炭鉱経営で得た富でした。そ
の富は、韓国・朝鮮人労働者と、被差別の人々を搾取することで得たもの
した。

 私の手元には、消滅した筑豊の炭鉱の全貌をモノクロ写真で記録した写真集
写真万葉録筑豊』(全10巻 上野英信・趙根在監修 葦書房 1986年
  http://www1.ocn.ne.jp/~ashi/
があります。経営する側ではなく、そこで働く労働者と地域の人々の視点で炭鉱
を捉えた記念碑的写真集です。その写真集の第9巻「アリラン峠」は、韓国・朝
鮮人炭鉱労働者とその家族の姿が納められています。

 この本の53,54ページにハングルで書かれたビラの写真があります。私は
ハングルが読めないので内容が分かりません。しかし、ガリ版刷りで印刷された
ビラの文字から、ただならぬ緊張感が感じられます。「労働者諸君!」・「内地
労働者」・「東京労働総同盟」・「世界労働者」と書かれた漢字から、労働争議
に関する呼びかけであることが推測されます。「麻生」の文字もあります。

 ビラの最後には漢字で一回り大きく書いてあります。

 「打倒暴力搾取之巨魁麻生財閥 民族的差別待遇絶対反対」

 これは、1932年8月14日から9月3日の約1ヶ月間に渡って、韓国・朝
鮮人労働者が戦った麻生炭鉱争議のビラです。日本人労働者よりも2割安い賃金
(この時期は輸入石炭との価格競争を理由に3割値下げ)、首切り、長時間労働、
リンチ、侮辱、厳しい監視に対しての怒りが爆発したものでした。

 麻生鉱業は日韓併合以前から、いち早く韓国・朝鮮人労働者を雇用していまし
た。その待遇は上記の通りでした。当時、日本の炭鉱の韓国・朝鮮人労働者に対
する労働条件はどこも劣悪でしたけれども、麻生鉱業が経営する炭鉱は、ひとき
わ悪いものでした。「圧制ヤマ」としてその名をとどろかせていました。

 立ち上がった韓国・朝鮮人労働者に対して、麻生鉱業は警察とヤクザを使って
潰しにかかりました。多くの血が流されました。その韓国・朝鮮人労働者ととも
に立ち上がって戦ったのが、被差別出身の日本人労働者でした。

 豪農地主として、多くの被差別の小作人を支配下においていた麻生家は、
被差別の人々を、経営する炭鉱に送り込みました。また、九州各地や中国・
四国地方から生活の場を求めて流入してきた被差別出身の人々を、積極的に
雇用しました。差別を恐れて声を上げないことにつけ込み、低賃金と劣悪な労働
条件のもとで酷使したのです。人々は「ゲザイニン」と軽蔑され、職種・住居
(炭住)・風呂に至るまで差別されました。しかし、米不足から起こった191
8年の「米騒動」を機に、被差別の人々は立ち上がるようになり、1922
年の全国を結成しました。翌1923年に、九州が結成され、差別
撤廃闘争を展開しました。被差別の人々の多くが炭鉱労働者とその家族であ
った筑豊においては、差別撤廃闘争は労働運動を意味しました。そして、麻生争
議では、同じように差別に苦しんでいた朝鮮人労働者と連帯して、戦いました。
被差別の人々はカンパを集め、米を朝鮮人労働者に送りました。(『日本民
衆の歴史 地域編9 赤いボタ山の火 筑豊三池の人びと』66ページ 新藤東
洋男編 三省堂 1985年)。韓国・朝鮮人と日本人の民衆が連帯した数少な
い例です。

 この麻生鉱業争議は、スト参加者263人が解雇されたことで労働者側の敗北
に終わりました。

 その後、韓国・朝鮮人の労働運動は厳しい取り締まりで壊滅に追い込まれ、日
本への絶対的服従を強制される協和会運動に飲み込まれました。

 運動も、同じように軍国主義体制の強化で、沈黙と政府と政府への協力
を余儀なくされました。

 その後麻生鉱業は、賃金や労働条件の改善をあまりしないまま、韓国・朝鮮人
と被差別部出身者を炭鉱に送り続けました。火災や落盤、出水、ガス爆発などの
事故で、多くの人びとが犠牲になりました。それは日中戦争激化と太平洋戦争開
始でさらにひどくなりました。物資不足と人員不足で安全対策がおろそかになっ
たこと、安全を無視した採炭が原因でした。そして、いわば移住で渡ってきた人
びととは別に、強制的に連れられてきた韓国・朝鮮人や中国人も、麻生が経営す
る炭鉱に送り込まれました。その人びとが、どのような運命をたどったのかは多
くの書物に述べられています。また、本土へ疎開した沖縄県出身者も炭鉱に入り
ました。

 太平洋戦争敗北後、労働運動が自由になったことで、炭鉱労働者は激しい労働
運動を行い、めざましい成果を上げました。韓国・朝鮮人労働者も祖国分断の苦
難にあいながらも、活発な運動を展開しました。被差別解放運動も活発に行
われました。

 しかし、1950年代半ばから始まった石炭から石油への「エネルギー革命」
によって、石炭産業は崩壊しました。生活の基盤であった炭鉱は次々に閉山した
ました。廃墟が広がり、多くの人びとが筑豊から去りました。その多くが高度経
済成長に沸く太平洋ベルト地帯に移りましたけれども、中には農業移民としてブ
ラジルやアルゼンチンなどの南米に移住した人もいました。また、北朝鮮に「帰
国」した韓国・朝鮮人労働者とその家族もかなりいました。

 筑豊に残った人びとは、その多くが失業に苦しみ、生活保護と失業対策事業、
日雇いの仕事でかろうじて生活しました。

 一方、麻生家は2代目総帥麻生多賀吉が、吉田茂首相の娘婿になったことで政
界に進出し、「華麗なる一族」への道を進みました。グループの主力事業を石炭
からセメントに転換したことで、生き残ることができました。

 麻生太郎氏外相就任おめでとう、次は首相か、という声があふれています。

 しかし私は、政界で華麗な活躍をしている麻生氏の足下には、踏みつけにされ
た韓国・朝鮮人と被差別の人びとの屍があることを指摘します。そして彼は
踏みつけにされた人びとの叫びが、全く聞こえていないことが、「創氏改名」や
「一民族」発言で明らかです。

 ですから私は祝いません

(ここまで)

・・・

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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
『伝送便』
http://densobin.ubin-net.jp/
私も編集委員をしています(^^;)
定期購読をお願いします!
購読料は送料込みで1年間4320円です。
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●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね」

2013年08月07日 00時00分22秒 | Weblog


asahi.comの記事二つ(http://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY201307310562.htmlhttp://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY201307310561.html)。橋下徹元大阪「ト」知事のアホな助太刀についてのnikkansports.comの記事(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20130802-1166848.html。gendai.netの二つの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/143737http://gendai.net/articles/view/syakai/143785)と東京新聞のコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013080402000103.html)。

 どうせ、有耶無耶になってお終いなんでしょうね。普通、恥ずかしくって、人前に出れないでしょうに。元東京「ト」知事や元大阪「ト」知事と同じ脳味噌の構造。

 こんな議員に投票してしまった方々、何にも感じていないのでしょうね・・・?

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http://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY201307310562.html

2013年8月1日0時7分
麻生副総理の発言要旨 ナチス憲法改正「手口学んだら」

 麻生副総理の憲法改正関連の発言要旨は次の通り。

 狂騒、狂乱のなかで、騒々しいなかで決めてほしくない。落ち着いて、我々を取り巻く環境は何なのか、この状況をよく見てください、という世論の上に憲法改正は成し遂げるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない。靖国神社の話にしても静かに参拝すべきだ。お国のために命を投げ出してくれた人に敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。いつからか騒ぎになった。騒がれたら中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから静かにやろうや、と。憲法はある日気づいたら、ワイマール憲法がかわって、ナチス憲法にかわっていたんですよ。だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね
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http://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY201307310561.html

2013年7月31日23時48分
ナチスの憲法改正「手口学んだら」 麻生副総理が発言

 社民党の又市征治幹事長は31日、麻生太郎副総理がナチス政権の憲法改正の手法を引き合いにした発言について「断固糾弾し、発言の撤回と閣僚及び議員辞職を求める」とする談話を発表した。共産党の志位和夫委員長もツイッターで「憲法を機能停止させた(ナチスの)手口に学べというのか」と批判した。
 麻生氏は29日、東京都内でのシンポジウムで「ある日気づいたら、ワイマール憲法がかわって、ナチス憲法にかわっていた。だれも気づかないでかわった。あの手口を学んだらどうかね」などと語った。改憲について「狂騒のなかで決めてほしくない」と冷静な議論の必要性も指摘したが、ナチス政権を肯定したとも受け取られかねない
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http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20130802-1166848.html

麻生発言擁護の橋下大阪市長も批判

 憲法改正で戦前のドイツ・ナチス政権を引き合いにした麻生太郎副総理兼財務相の発言について、ユダヤ系団体幹部は1日、「ブラックジョークだった」と擁護した日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長について、「ブラックジョークとして扱ってはならない事柄がある」と批判した。
 批判したのは「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)幹部のエーブラムス・クーパー氏。
 クーパー氏は共同通信の電話取材に「私は30回以上、日本を訪問したが、原爆を投下された広島と長崎の人々の苦しみが冗談にされているのを聞いたことがない」と指摘。第2次大戦中、ナチス政権下のユダヤ人の他にも、世界中で多くの人々が理不尽に殺されたと述べた。
 橋下氏は1日、麻生氏の発言について「行き過ぎたブラックジョークだったのではないか。正当化した発言でないのは、国語力があればすぐ分かる」「政治家だとこういった批判は出るが、エンターテインメントの世界ならいくらでもある」などと擁護した。(共同)

 [2013年8月2日13時22分]
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143737

ナチスの手口に学べ」麻生発言の恐ろしさ
2013年7月31日 掲載

 「ナチスの手法に学べ」――。麻生副総理の発言が波紋を広げている。29日、都内の講演会で憲法改正について語り、「ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか。(国民が)騒がないで、納得して変わっている。喧騒の中で決めないで欲しい」と言った。ナチスを参考にしろとは“舌禍男”の麻生らしい言葉だが、単なる失言で片付けるわけにはいかない。
 ワイマール憲法は1919年、第1次大戦に敗れたドイツで成立。主権在民や男女平等の自由選挙などをうたった進歩的な内容だった。
 この憲法を骨抜きにしたのがヒトラー率いるナチスだ。33年、ヒトラー政権が樹立し、「全権委任法」を可決させた。この法律は内閣が自由に立法権を行使できるというもので、以後、ナチスは他国への侵攻やユダヤ人虐殺などに暴走し、ワイマール憲法は事実上消滅した。麻生の発言は、同じ手法で日本国憲法を改定すればいいという意味に解釈できる。

 「当時のドイツといまの日本は酷似しています」と言うのは政治評論家の本澤二郎氏だ。

   「ドイツ人は敗戦で多額の賠償金を取られ、経済が停滞して意気消沈して
    いました。そこに強い国家を標榜するヒトラーが登場。国民の圧倒的な
    人気を得て政権を掌握し、ナチスの前に立ち向かったのは共産党だけ
    という状況でした。現在の日本も同じ。長いデフレ不況で気分が
    ふさいでいた国民は詐欺的なアベノミクスに引き付けられ、
    参院選で自民党を大勝させた。安倍政権を真っ向から批判するのが
    共産党くらいという点も似ています」

 行き着く先は「96条改定→平和憲法破棄」なのだが、いまの日本人はその危うさを理解しているのだろうか。社会学者で作家の岳真也氏が言う。

   「長引く不景気の中で、日本人はアベノミクスに一筋の光を見いだし、
    何も考えずに心酔している。批判精神も希薄になっています。
    これは為政者にとってすごく好都合な状況。大衆は安倍政権の
    操り人形みたいなものです」

 これぞ安倍―麻生の正体なのだ。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143785

ナチス発言 麻生財務相 どのツラ下げてG20に出るのか!?
2013年8月2日 掲載

もう辞めろ!

<釈明文の漢字も読み間違い>

 ナチス発言で世界中から袋叩きにあっている麻生財務相が1日、発言を撤回した。「私の真意と異なり、誤解を招いたことは遺憾である」とか釈明していたが、驚いたことが2つある。ひとつは釈明文を読んだ際、「真意」を「しんし」と読み間違えたこと。もうひとつは、こんな紙切れ一枚で、幕引きが図れると思っていることだ。バカにつける薬はない

 さすがにヤバイと思ったのか、1日の麻生は報道陣に囲まれると、いきなり、釈明文を読み上げ、発言を撤回した。ま、漢字の読み間違いはいつものこととして、釈明の理由は支離滅裂だ。

   「憲法改正について、落ち着いて議論することが重要と考えている。
    喧騒にまぎれて十分な国民的理解および議論のないまま進んでしまった
    悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法にかかる経緯を挙げた」

 まるで、誤解した報道が悪いと言わんばかりだったのだが、冗談じゃない。麻生は「(静かにワイマール憲法を変えたナチスの)手口を学んだらどうかね」と言ったのである。正確に再現するとこうだ。

   〈(靖国参拝が)わーわー騒ぎになったのはいつからですか? 
    昔は静かに行っていた。(原因は)マスコミですよ。騒がれたら中国も
    騒がざるを得ない。韓国も騒ぎますよ。だから静かにやろうや、と。
    憲法もある日気がついたら、ワイマール憲法が変わっていて、
    ナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。
    あの手口に学んだらどうかね?
    わーわーわーわー騒がねえで。重ねて言うが、
    喧騒の中で決めて欲しくない〉

 どこをどう読んだって、「静かに憲法を変えたナチスに学べ」としか聞こえないのだ。苦し紛れの釈明は見苦しいの一語だが、麻生はこれで「幕引き」と思っている。議員辞職はもちろん、財務大臣も辞めない気だ。これまたとんでもない感覚なのだ。

 ビジネス・ブレークスルー大教授の田代秀敏氏が言う。

   「欧米は日本の財務大臣がバカでも問題にしないが、
    ナチスは絶対に許さない。あんな発言をしたら、政治家はもちろん、
    社会生活も送れなくなりますよ。それほどの大暴言です。しかも、
    世界の金融市場はユダヤ人が握っている。どんな顔をしてG20などの
    国際会議に出るつもりでしょうか。麻生さんが発言したら、
    席を立つ閣僚やスタッフがいてもおかしくない。もう国際社会で仕事は
    できないのです。それでなくても、安倍政権は慰安婦問題で世界から
    奇異の目で見られている。麻生発言で奇異から忌避に変わると思う。
    もうこの政権には関わりたくない。そう見られると思いますよ」

 麻生は2日午前、「辞職するつもりはない」と話し、謝罪する考えもないと表明したが、粘っても無駄だ。議員バッジを外すしかない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013080402000103.html

【コラム】
筆洗
2013年8月4日

 歴史観や国際常識に加え、国語力の欠如をもさらけ出した麻生太郎副総理の発言は世界中から批判が集まったが、活発な国民的な議論を経ずに憲法を変えてしまえばよい、というのは本音だろう▼憲法改正は国会の発議だけでなく、国民投票が必要だ。初めての体験である。賛成、反対の立場から激しい議論が起きるのは必然だ。侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を重ねることで国民はこの国が直面している課題への理解を深める▼結果はどうあれ、その過程を経ることで民主主義は鍛えられるはずだが、「いつの間にか変わっているのが理想らしいその発想は、安倍政権の動きと重なる▼内閣法制局長官に外務官僚を起用する異例の人事が決まった。集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈の見直しに前向きな人物をトップに据える狙いは明白だ▼自衛隊の海外活動を縛ってきた法制局の解釈は、長年にわたる国会での議論を踏まえ歴代政権が引き継いできた重みがある。「内閣法制局長官が時の政権によって解釈を変更できるなら、企業のお抱え弁護士と変わらない」(阪田雅裕元長官)▼集団的自衛権の行使容認は究極の「解釈改憲」である。国民が直接、意思を示す機会を与えないまま、過半数の国会議員の賛成だけで憲法は完全に形骸化する。憲法を変えられるのは主権者の多数意思だけだ。安倍首相は学び直した方がよい
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●キケンすぎるキケンと選挙制度上の欠陥

2013年08月06日 00時00分01秒 | Weblog


asahi.comに出ていた書評(http://book.asahi.com/ebook/master/2013072500005.html?ref=comtop_fbox_d2)。

 4分の1か5分の1程度の投票者で自公政権に信任が得られ、増税され、原発推進され、壊憲されてていいのだろうか? 選挙制度上の欠陥じゃないのか? それにやすやすとノせられて自公議員に投票してしまったツケはあまりに大きい。

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http://book.asahi.com/ebook/master/2013072500005.html?ref=comtop_fbox_d2

本の達人
バカに民主主義は無理なのか? [著] 長山靖生
[評者]市川真人(文芸批評家・早稲田大学准教授)
[掲載] 2013年07月26日

■理想的ではない社会で最悪ではない選択をするために

 7月の参議院選挙が終わって、2012年の暮れから続いた民主党中心から自民党中心への政権交代期も終わった。参議院の半数が改選された2010年の前回選挙からここまでが一続きの流れだったと言ってもよいし、民主党が大きく議席を伸ばして自民党からの政権交代への道筋をつけた2007年の参議院選挙から6年間が終わった、と言ってもよいだろう。「一度やらせてみてください」という2009年衆議院選挙の民主党のキャッチコピーを踏まえれば、有権者たちが民主党に「やらせて」みてからダメだったと判断して自民党に戻すまでの4年間だった、ということになる。
 民主党政権のどこがどうダメだったのか――無謀な大言壮語だったのか、野党の立場や有権者からは見えぬ困難や計算違いがどのようにあったのか、実力不足か、まれに見る天災が襲った不運なのか……等々――は、有権者各自が判断する、あるいはすでにしたところだろう(リベラル政権の成立に長らく期待して、いまも期待せずにはいられぬ身から見てすら、報じられる民主党政権の姿は内輪モメだけでもため息が出るほど酷〈ひど〉かったけれど)。だが、個別の判断はさておき、「やらせてみた」4年間が意味あるものになるためには、「やってみた(やらせてみてもらった)」民主党自身と、官僚はじめ彼らと連携して政治にあたった者たちが、(責任を問う/問われるを棚上げしてでも)可能なかぎり客観的に把握し記述する必要がある。あまたの失敗を繰り返しながら電球を発明したトーマス・エジソンはじめ、多くの先人たちが失敗を“うまくいかない方法の発見”と捉えてきたことでもわかるとおり、“ただの失敗”と忘却することこそ、失敗をもっとも無意味な失敗に留めるからだ。

    ◇ 

 そのことは、“ダメだった”と判断した有権者にとっても同様だ。
 仮に「やらせてみた」のが失敗だったとして、単に“やらせた相手が悪かった”から元に戻せばよい、という話ではあるまい。それでは、選挙民としての失敗も“ただの失敗”で終わってしまい、経験として積まれない。そもそも「やらせてみた」理由が、直前に政権を担った自民党の第1次安部政権および麻生政権に納得いかなかったからであるのなら、もとに戻すときには“自分たちの判断がまちがっていて、あなた方が正しかった”のか、それとも“あなたたちの方がまだマシだった”という相対判断なのかを考えない限り、エジソンのような“うまくいかない方法”を発見できずに終わるだろう。
 だが、結論が前者と後者のいずれであっても、(「やらせてみた」もふくめて)そこに共通するのは、それらの判断と選択が、主権行使の一定期間の白紙委任”を前提とする代議制の前提の下で行われていることだ。それが議会制民主主義の前提と言うべきものであることは確認するまでもないだろう。だが、前近代的な封建制から、制限選挙を伴うとはいえ天皇を戴(いただ)く君主制だった戦前と占領下にあった終戦直後を経て、この国の議会制民主主義下で実質的に初めての経験とすら言える長期間の政権交代は(わずか8か月しか存在しなかった1993年の細川護熙内閣は、選挙制度改革以外のことをほとんどしなかった)、そうした制度をあらためて考える、初めての契機でもありはしまいか。いったい、選挙とそれに基づいた今日の民主主義とは、いかなるものであるのだろうか。


 ■約半数が棄権する選挙

 『バカに民主主義は無理なのか?』という扇情的なタイトルの本書は、現代の代議制民主主義について、たとえば次のように言う。「選挙制度の最大の欠陥は、立候補した人間のなかからしか、われわれの代表を選べないという点にある」つまり「出したい人ではなく、出たい人からしか選べない」。
 なるほど、とひざを打つ人も少なからずいるはずだ。どの政党、どの候補者であれ、街頭演説や氏名を連呼する選挙カーに対する、あの既視感と倦怠(けんたい)は、結局のところ、候補者たちの誰もが「俺が俺がと自己主張する凡庸さと決して無関係ではないだろう。といって、「謙虚で静謐(せいひつ)な生活を好むような人は、選挙には立候補しない」のだから(たとえ周囲に推されて立候補した人であっても、選挙というフォーマットに乗った瞬間に、謙虚さや静謐を身にまとうことは難しくなる)、そういう人を選ぶことは現状の選挙では容易ではない。“恥ずかしげもなく立候補する権力欲と自己主張の持ち主など、自分たちの代表に認めたくない”と考えるひとがいたとして、それが選挙である限り、そう考えるひとたちの選択肢は“自己主張するひとのなかから消去法的に選ぶ”か“棄権する”かのいずれかになる(その“出口なし”を解決するためには、積極的な棄権を選挙結果に反映するシステムを作るほかない)。
 投票率が50%そこそこで(今回の参議院選挙の投票率は、戦後に参議院が発足して以来3番目に低い52.61%だった。過去の投票率は、高かったのが1980年の74.54%を筆頭に70%台が4回、低いのは50%台が10回。95年の第17回の44.52%を最低に、92年以降はずっと50%台以下が続いている)、比例代表で自民党の得票率が34.7%、民主党のそれが13.4%なのだから、全政党中最多得票だった前者でも全有権者の約18.3%、後者に至っては約7%程度しかいない。
 といって、“だから、選挙は民意を正確に反映していない”という紋切り型をここで繰り返したいわけではないし、“風が吹いた”だの“吹かなかった”だのと、無党派層の動向を惜しみたいわけでもない(「小泉旋風」が吹き荒れたことになっている01年の参院選でも、投票率は56.44%で最多得票の自民党の得票率は38.57%、つまり全有権者の21.8%が投票したに過ぎないのだから、棄権した43.56%の半分でしかない)。
 人々の半数近くが選挙に行かない/行きたくないことがここまで常態化し、全有権者の1/4とか1/5の得票によって選挙制度も包含する“憲法”改定の発議すらも可能な議席数が得られてしまうなら、“行かないヤツが悪い”“行けば変わる”等々と変わらぬ繰り言を続けるだけでなく、ごく一部の民意しか反映できない制度そのものを問う方が合理的というものだ。勉強ができない子どもに向かって“勉強しないお前が悪い”とか“やればできるようになる”とか“やってもらわないと困る”と言うことは、一度や二度ならあってもよいが、そのお小言を半世紀続けてもできないままならば、勉強の仕方を問い返すか、勉強そのものが向いていないと別の道を探してやるか、どちらかが必要なのと同じことだ。

    ◇ 

 考えてみれば、1945年の普通選挙以後に生まれ育った私たちは、選挙による代議制こそが民主主義の唯一無二の手段であると信じているフシがある。戦前の選挙が25歳以上の男性のみを対象としたものだったり時期によって納税条件があったり、そもそも主権が国民にあると明記されていなかったり、さらには議会選挙すら存在しなかった時代を思えば、そう信じても無理はない(し、実際それらよりはマシだろう)。
 だが『バカに民主主義は無理なのか?』は、「選挙に行くことだけが政治参加なのか」と、「『民主主義』の可能性と限界について」考えることから始めようとする。
 いわく、「民主主義は、そもそも問題がある制度だということも、昔から言われてきた」と。デモクラシーの由来を持つ古代ギリシャでは「民衆はバカだと思われており、その『バカ』が口を出す」悪政のひとつとして民主主義が捉えられていたし、ある程度民主主義が達成されたと考えられている国でも、徹底した民意の反映を望む者にとっては「現行の議会制民主主義では十分に民衆の意見が反映されていない」と感じられる半面(民衆が多種多様で利害も相互に対立する以上、当たり前だ)、「民衆の不見識のために『正しい選択』が行われず、社会が混乱している」という不満も生じる。エリート官僚を含む知識人による「行き過ぎた民主主義批判」が生じる危うさがある一方で、「見かけは民主的であるような体裁をとりながら、実際には寡頭制」になる危惧もある(政治家の世襲制度は事実上の寡頭制だと言うこともできる)。


 ■まるで「同意の表明システム」

 なかで、今日の私たちにまず興味く映るのは、20世紀前半のオーストリアの経済学・社会科学者のJ・A・シュムペーターを引用して著者の語る「選挙制度とは、『民衆の声を政治に届かせるデモクラティックな形態ではなく、上位権力が要求する同意の表明システムに過ぎない』」というくだりだ。
 行為としての“選挙”とは、議員(およびときに彼らがその時点で所属する政党)を選ぶ行為以上でも以下でもない。彼らはしばしば“マニフェスト”等の名で政策を掲げるがそれがそのまま実行されることのめったにないことも、政策や政党を変えても任期中の議員が議席を失うわけではないことも、結果的に、選ばれているのが第一に“人”であることを示している。そうして、その“人”が能力や人格ですらなく“人”そのものであることは、公約した政策を実行できぬ力量不足が露呈してもその議員が辞職するわけではないことに明らかだし(その場合、間違っていたのは議員ではなく政策だった、ということになる)、最善を尽くすという前提=名目で「選挙で勝ったのだから在任期間に何をしてもよいだろう的な傲岸不遜(ごうがんふそん)な勘違いが導かれることも、よくある光景だ。
 そうした不都合は、すべて、「選挙によって選ばれた議員たち(の多数派)で構成される政府の行うことである」という理由によって、有権者たちを納得させることで埋め合わされる。その議員たちに投票した者たちは(自分たちが選んだのだから、という理由で)もちろんのこと、落選した候補者に投票した者たちも(自分たちは少数派なのだから、という理由で)渋々とであれ納得するか、一歩引いたところから反対を表明する(させられる)ことになる。しかも、少なくない“国務大臣”や“委員”たちが自身の専門外の役職に就き、専門家である官僚らの用意した原稿をもとに答弁を行う現状を見れば、いよいよそれは儀式めいてくる。原始の王から前近代の封建君主たちが、“占い”や“言霊”“血統”あるいは“武力”などを駆使して自身の権力の正当性を示そうと試みたのと同様に、議会制民主主義はしばしば、上位権力である者たちの振る舞いを「主権者」であるはずの者たちに納得させる儀式として機能するわけで、“言葉(政策)”ではなく“人”で選ばれた“議員”ならぬ“儀員”とは、しばしば、そこで演じる“役者”たちの別名であるだろう。「同意の表明システム」というのは、そのような意味においてである。

    ◇

 このように考えれば、一般には“主権者である国民の、(ときに、ほとんど唯一無二の)政治参加の方法”のように感じられる現状の“選挙”と“代議制”が、けっして唯一無二のものでなどないばかりか、ときに逆方向の力として機能するものであることがわかる。もちろんそのことが選挙や代議制のすべての意義を否定するものでなどないが(もとより1から10まで個々の有権者の願望や意志と合致する代議員などいるはずがない以上、意見を反映することと同じくらいに意見を無視あるいは抑圧することも代議制の目的のひとつだ)、あくまでそれは、あまたありうる制度のなかのひとつ、弱点を多々持った“ひとつだけしか選べないとしたら、現時点で相対的にマシ”だったものでしかない。
 代議制が最大に機能するのは、その政府に対して主権者たちが“NO”を突き付ける瞬間と、それを前提にした権力監視システムとしてだ(『バカに民主主義は無理なのか?』はそれを、政府が自然法に反する行為を繰り返した場合に国民が行使する“革命権”と結びつけている)。とすれば、投票率が下がり続けて50%台前半をうろうろする(地方選挙の場合はしばしば下回る)選挙の「棄権率」は、現行の代議員と候補者に対する否認であると同時にそれ以上に、現行の制度に対する不信任なのではないか。明治維新以後に輸入され、民主主義を担保するものと考えられ続けてきた“選挙=最強”の民主主義観は、決して唯一無二のものではない。なにしろそれは、今日のような各人が身につけたモバイル端末で構成された電子ネットワークの情報環境など夢にも思えなかった当時のシステムで、馬車や鉄道で運ばれる郵便や新聞が最良の通信手段だった時代の技術なのだ。21世紀の私たちが、そのシステムに縛られ続ける必要が、どこにあるだろうか。「選挙制度改革」が、“一票の格差”の問題や議員定数の問題に矮小(わいしょう)化され、投票率をここまで下げて選挙を虚しくさせてきたこの国の議会政治と政治家たちのありかたや選ばれかたについて踏み込もうとしないこと自体が、有権者の想像力を狭いところに押し込めている幻影なのだ。
 「選挙に行っても何も変わらないよ」という呟(つぶや)きを、従来のようにただの怠惰と捉えるのでも、百年たって結局、失望しか生まなかった「選挙に行けば変わる」という明治以来の夢を共有しつづけることでもなく、(まして、そのような制度で選ばれた代議士たちが、彼らを選ぶ制度の根幹にある憲法を変えようとしているならばよけい)私たちはそろそろ、考え始めなければならない。


 ■「バカ」に込められた意味は

 そんなとき、『バカに民主主義は無理なのか?』はとても示唆的かつ実践的な一冊になる。タイトルのインパクトとは逆に、同書はひどく真面目な本だ(そう書いてしまうと、あえて扇情的な題名をつけて興味を引こうとした著者の意図を裏切るようで悪いけれども)。先に引用した「出たい人からしか選べない」問題をはじめ、世襲政治家やポピュリストといった巷間言われる問題や、「バカが選挙権を持っていいのか」という疑問以上に深刻なのは「バカが政治をやっていいのか」であり、「嘘つきや私利私欲の徒でも、かしこければ政治を任せていいのか」という入りやすい問いを間口に、民主制が幕末の日本に移入された経緯からその根源としての古代ギリシャの民主制に遡(さかのぼ)ってプラトンやアリストテレスに学び、ホッブズの議会制民主主義やロックとルソーの社会契約論、そして日本の議会制民主主義が根付いてゆく歴史に至るまでを、わかりやすく整理してゆく。同時に、日本国憲法の成立過程やその理念、社会的指導者層が暗黙のうちに大衆を見下し、大衆が自分たちを拒絶しないものとしてのファシストやポピュリストたちに引きつけられてゆく構図、そして戦後の日本政治のありかたなどが、わかりやすく語られてゆく。
 そのような同書の出発点であり終着点は、繰り返すが、「『民主主義』の可能性と限界について」つまりは“民主主義とはなにか”にある。そしてその一端を著者は、「民主主義にいいところがあるとしたら、それはこの制度が『われわれが生きている世の中は理想的ではない』ことがわかりやすいところだ」という。それは、単に制度やその制度で選ばれた政治家たちが「理想的ではない」からだけではなく、私たち自身が「愚かで、欲張りで、ずるく、卑怯(ひきょう)未練なところを持っている」「完璧ではない」存在であり、そういう人間の代表者たちが行う政治もまた、「ひどく愚かで、ひどく強欲で、ひどくずるいもの」でありうるのだ、と。
 かつてギリシャのプラトンが「哲人政治(最高善の認識に達し、知的にも倫理的にも完成された存在による至上の専制)」を夢見たころは、まだ世界は狭かったし、人間の数も少なかった。社会を支える奴隷たちは、そもそも民主主義の枠から外されていた。人々が知りうる情報量や視野に収めなければならない世界も、ずっと小さかった。
 けれども、人口も規模も情報流通の量も速度もはるかに肥大した今日の社会でそのような“哲人”を求めようとすれば、それはジョージ・オーウェル的な非人間的「ビッグ・ブラザー」にならざるをえないし(そうすればよいというのではない、むろん)、それに対して私たち個々人は、相対的により矮小たらざるをえない。そして、だからこそ、自分たちの無知と無力を見つめながら、考えていかなくてはならない。
 終章で著者は書く。「代議制民主主義は、まだるっこしい。異なる意見にも冷静に耳を傾け、粘り強く調整を行わなければ、何も決められない。その過程で、さまざまな妥協を強いられる『バカ』は、その手続きに堪えられない。/しかし、あきらめてしまっては、望みは達成できない。(…)そんな面倒なことはイヤだ、と利害調整抜きの断行を唱えるヒーローを望む者は、自分のなけなしの権利が、何の前触れもなく消滅するのを知るだろう」
 そのことは、『バカに民主主義は無理なのか?』という書名を見て、政治家や有権者を「バカ」と感じてシニカルに同意した者にも、自分が「バカ」に含まれると感じて面罵されたと苛立(いらだ)った者にも、“そうだよ、無理だよ”と諦めようとした者にも、同等に響いてくる。「バカ」とは知能や知識といった能力や、まして学歴や社会的地位のことではない。自分のいまの限界を超えて知ろうとしないこと、いまの枠組みを離れて考えようとしないこと、思考を感情を肯定するための道具として使って省みないこと、その態度こそが「バカ」なのだ。私たちは誰もが常に「バカ」に陥り、しかし「バカ」でなくなる契機を持っている。民主主義はそのことについて考えさせる、最大の契機のひとつであるはずだ。
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●「抗うつ薬の〝白い闇〟」『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号)についてのつぶやき

2013年08月05日 00時00分47秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年8月2日、954号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、【大藤理子の政治時評 日本人にとって自民党とは何度裏切られても帰る場所 そんな土壌で野党って育つ?】。

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■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 漸く開封。おしどりマコ・ケン氏【東電の隠蔽体質に批難の声 福一原発で汚染水が海洋流出】。これひさかつこ氏【経産省スラップ訴訟のお粗末 被告人を人間違え】。経産省前テントひろば裁判(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a6b6b09551fccc7a72bf1c9a1bb5c0dc

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 【大藤理子の政治時評 日本人にとって自民党とは何度裏切られても帰る場所 そんな土壌で野党って育つ?】。内田聖子氏【TPP交渉、日本は「まだ間に合う」のか!? 参加直前に結んだ秘密保持 「異常な契約」TPPの行方】

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 桐嶋瞬氏【普天間基地野嵩 深夜に強行鉄柵工事、住民の抗議行動を排除か】。取材班【名護市長選(来年一月)に向け、勢いづく基地受け入れ派 自民党が沖縄県名護市へ「容赦なき介入」】

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 矢崎泰久http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/79c141612aecbf3f471a3beffcaf970c)さん【発言2013】、「悪夢のような参院選が終わって、自公偽善政権は大喜び。まさにバカ丸出しである。低投票率にもかかわらず死に票の山は大量に築かれ、前回を下回る得票数で自民党は一人勝ちした・・」

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 矢崎泰久http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/79c141612aecbf3f471a3beffcaf970c)さん【発言2013】、「・・つまり、とんでもないことが起きたのだ。忘れられないほどの屈辱を有権者は受け、悪魔の跳梁跋扈を許してしまった

■『週刊金曜日』(2013年8月2日、954号) / 浅野健一さん【天皇制ある限り人権は確立しない 免田栄さん無罪30年】、「日本では一九八〇年代に四人の死刑囚が再審無罪になり解放された。初めて死刑台から生還したのが免田坂栄さん・・・報道界は天皇制と死刑制度の廃止を議論すべきだ」
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●『自然と人間』(2013年8月号、Vol.206)についてのつぶやき

2013年08月04日 00時00分57秒 | Weblog


自然と人間』(2013年8月号、Vol.206)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 最も注目の記事は、【大谷昭宏の言いたい放題/13パーセントしか進まない復興、巨額の予算は何処に! 官僚の天下り先の隠し金庫か! なぜ復興庁を被災地に置かなかったのか!】と志葉玲氏【日本の兵器が中東を焼く日 安倍政権の「武器輸出三原則」緩和の行方】。

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■『自然と人間』(2013年8月号、Vol.206) / 森達也さん【第89回つぶやくニッポンの街角 誰が誰に何を言ってんの?】、写真は「靖国神社境内の展示施設「遊就館」にて」、でっ、なぜか田母神元幕僚長http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8a49c7023d15d6173bdac043082ac207)の著書が山積みの写真

■『自然と人間』(2013年8月号、Vol.206) / 志葉玲氏【日本の兵器が中東を焼く日 安倍政権の「武器輸出三原則」緩和の行方】、「憲法無視の兵器開発へ参画」「武器輸出三原則の廃止を求めるアーミテージ・レポート」「中東の人々を犠牲にしていいのか」。「戦争できる国へ」=「誇りなき国へ」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C9%F0%B4%EF%CD%A2%BD%D0

■『自然と人間』(2013年8月号、Vol.206) / 村田くみ氏【日本軍「慰安婦」問題研究の第一人者中央大・吉見義明教授インタビュー 被害者の声に向きあって】。先日、維新議員に「捏造だ、という捏造」をされてしまった吉見さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/058f907b5d6554f8bf40238474d54757

■『自然と人間』(2013年8月号、Vol.206) / 翰光氏【橋下発言を許すな! 憤る中国の性暴力被害者たち】、「故意に歴史を無視する発言」「少女の見た人間地獄」「日本軍の性暴力被害は終わっていない」。元大阪「ト」知事(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/058f907b5d6554f8bf40238474d54757

■『自然と人間』(2013年8月号、Vol.206) / 【大谷昭宏の言いたい放題/13パーセントしか進まない復興、巨額の予算は何処に! 官僚の天下り先の隠し金庫か! なぜ復興庁を被災地に置かなかったのか!】。東電原発震災は全く収束を見ないのに再稼働や輸出なんてふざけ過ぎ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a9f6490140092861c9699d5edd7b60a2

■『自然と人間』(2013年8月号、Vol.206) / ■『自然と人間』(2013年8月号、Vol.206) / 【大谷昭宏の言いたい放題】、「復興と関係ない事業に巨額の復興予算が」「復興に不可欠な事業予算が門前払い」「官僚と二人三脚の自民党の勝利で暗澹たる気持ち」。反省なき自民党(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/bbd454decf606e18e45b2bb2400acafa
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●消費税増税: フリーハンドを渡してはならない

2013年08月03日 00時00分25秒 | Weblog


東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013071802000167.html)。

 「意思を示す最後の機会」を逸してしまい、見かけ上、自公政権を信任してしまった「誇りを取り戻そう」と云う我国。

 斎藤貴男さん『消費税のカラクリ』のいう格差社会、不平等社会の到来である。小泉純一郎氏や竹中平蔵氏もさぞやお喜びであろう。被害を被るであろう多くの有権者が自公議員その他の消費税増税派に投票したことに、驚く。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●消費税のカラクリ: 斎藤貴男さんロングインタビュー
   『●年間自殺者3万人の国の消費税増税
   『●消費税増税は格差を助長するだけ
   『●子供や弱者を守れない国: 我国では14年連続で自殺者が3万人を越えて・・・
   『●増税の対象は明白なはず!
   『●無駄内閣のこだわる消費税増税という最悪の「愚」策
   『●看板を渡してはいけない: 非増税公約で当選した議員が増税法案に賛成票を投じたことにこそ驚く
   『●元祖自民党どころか、日本経済・政治を破壊した男
   『●日本維新の会は、小泉路線だってさ!
   『●「60万人雇用増の正体」: アベ(ホ)ノミクスの現実
   『●消費税増税、やってはイケナイ: 斎藤貴男さん名著『消費税のカラクリ』から学ぶ

 記事の中の「一方で消費増税を延期した場合、財政再建に消極的だとして海外から不信を買う可能性はある」という論理は本当なのだろうか? 消費増税すると海外が評価してくれるの??

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013071802000167.html

【社説】
<2013岐路>消費増税 意思示す最後の機会だ
2013年7月18日

 消費税を来年四月に引き上げるか、あるいは延期するか。おそらく参院選は消費増税への意思を示す最後の機会である問題の多い増税にノーを突き付ける時だ。

 昨年八月に成立した消費増税法は消費税を二〇一四年四月に8%、一五年十月から10%に引き上げると定める。ただ、付則で「景気を勘案する」との条項がある。

 一年半の間に5%から10%に倍増させる消費増税は、上向きかけた景気を腰折れさせるおそれがある。一方で消費増税を延期した場合、財政再建に消極的だとして海外から不信を買う可能性はある。

 安倍政権は八月に発表される今年四~六月期のGDP(国内総生産)速報などの経済指標をみて秋に最終判断をするという。しかし、大事なのは官庁発表の数字よりも国民の生活実感である。有権者の声にもっと耳を傾けるべきだ

 今参院選は増税決定前の最後の国政選挙になるだろう。本来なら、引き上げの是非のみならず消費増税そのものについて、活発な議論があってしかるべきだ。自民、公明、民主、維新が賛成みんな、共産、生活、社民などは反対を主張するが与野党ともに低調なのはどういうわけか。

 それは安倍政権の態度がはっきりしないせいである。決定は秋だとしても、延期しない場合に景気腰折れを防ぐにはどうするのか、延期の場合には財政再建にかける信認をどう取り付けるのかを示すべきである。増税延期への期待をつなぎ留めつつ選挙戦を乗り切ろうというのであれば、これほど有権者をばかにした話はない。

 私たちは消費増税にずっと反対している。逆進性のある消費税で社会保障費を賄うのであれば低所得層ほど重い社会保障コストを負担することになる。健康保険や雇用保険などの社会保障は労使折半で負担してきたのに、消費税となれば企業の負担だけ軽減されることになる。結局、企業や金持ちが優遇されるのである

 行財政改革、例えば天下り先に巣くうシロアリ官僚の退治など、増税前にやるべきことがあるとも主張してきた。復興予算の流用のように、血税が無駄な公共事業や利権に回る懸念もある。

 英国では付加価値税(消費税に相当)を一〇年から一年間に段階的に5%引き上げたところ、景気が減速し税収総額は増えなかった。デフレ脱却のためにも、無理な消費増税は見送るべきだ。
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●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」

2013年08月02日 00時00分39秒 | Weblog


すいません、CMLからの孫引き(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-July/025537.html)。asahi.comに出ている森達也さんの論評。

 森さんは言う、「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」。自公議員その他の壊憲派は「世界に理念を示し続け」ることを止め、「戦争できる国」に仲間入りしましょうという訳です。「誇り」も何もない国にしたいらしい。「銃を持った善人」になりたいらしい。

   『壊憲派に、フリーハンドを渡してはならない
     
     「「壊憲」して、「誇りある国へ」とはあきれる。戦前の「」まみれの
      危険な体制に戻したくてしょうがないらしい。「戦争したくてしょうがない」
      「戦場に行かせたくてしょうがない」
      「戦争できる国にしたくてしょうがない」らしい。」

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-July/025537.html

[CML 025619] 9条の国、誇り高き痩せ我慢/森達也
BARA ・・・・・・
2013年 7月 28日 (日) 02:44:05 JST



新聞記事
朝日新聞・WEB
2013.7.25

9条の国、誇り高き痩せ我慢/森達也
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307240705.html?ref=comkiji_redirect

 アメリカでは銃の誤射や乱射事件が起きるたびに、銃規制についての議論が
高まるが、結局は尻すぼみとなってまた事件が起きる。

 昨年12月にコネティカット州の小学校で児童ら26人が殺害されたとき、
全米ライフル協会(NRA)の副会長は記者会見で、「銃を所持した悪人の
行為を止められるのは、銃を持った善人だけだ」と述べて銃規制に反対し、
アメリカ全土では銃の売り上げが急増したという。

 アメリカの銃社会をテーマとしたドキュメンタリー映画『ボウリング・
フォー・コロンバイン』でマイケル・ムーアは、黒人や先住民族を加虐して
きた建国の歴史があるからこそ、アメリカ市民は銃を手放せないのだと
主張した。報復が怖いからだ。
つまり銃を手もとに置く人は勇敢なのではない。臆病なのだ。

 こうしてアメリカの正義が発動し、正当防衛の概念が拡大する。
丸腰の高校生を射殺した自警団男性の正当防衛が認められて、無罪評決
になったことは記憶に新しい。

 NRAの主張に同意する日本人は少ないだろう。
頭の回路がどうかしていると思う人もいるはずだ。
でも実のところこの思想と論理は、世界のスタンダードでもある。

 核兵器や軍隊の存在理由だ。

 我が国の軍隊は、他国に侵略する意図などない。
でも悪い国が軍隊を持っている。
だから攻められたときのために、国家は軍隊を常備しなくてはならない。
つまり抑止力。理屈はNRAとまったく変わらない

 こうして誤射や過剰防衛が起き、それをきっかけに戦争が始まる
人類はそんな歴史を繰り返している。

 しかし第2次世界大戦後にこの国は、新しい憲法で武力放棄を宣言した。
その憲法が公布される前の衆院本会議で共産党の野坂参三議員が、
「侵略の戦争は正しくないが自国を守るための戦争は正しいのでは?」との
趣旨で質問し、これに対して吉田茂首相は、「正当防衛や国家の防衛権に
よる戦争を認めるということが結局は戦争を誘発する」との趣旨で答弁した。
記録ではこのとき議事堂では、与野党を超えた議員の大きな拍手が響いた
という。

 もちろん日本の背後には、世界最強の軍隊と大きな核の傘を持つアメリカ
がいた。だから不安や恐怖を押し殺して痩せ我慢ができた。
極論すれば憲法9条の1項は、すべての国に共通する理念でもある。
でも現行憲法には、軍事力と交戦権を放棄することを宣言した2項がある。
アメリカに軍事的に庇護される国は数多いが、ここまでラディカルな宣言を
した国はない

 その後に冷戦の時代が幕を開ける。
ご近所はすべて銃を持っている。
でも暴力に対して暴力の抑止は成り立たない。
自衛の意識が戦争を起こすのだ。
だから我が家は銃を持たないと決めた
アメリカからは何度も改正を要求されながらも、結果として日本は9条を60
余年間にわたって守り抜いた
いろいろ妥協もしたけれど直接的な戦争には一度も参加せず、国民総生産
(GNP)世界第2位を達成した。

 改憲派は平和ボケなどと嘲笑するけれど、9条は抑止論にとらわれた
世界への、とてもラディカルな提言となっている。
スペインのグランカナリア島には、9条の碑が設置されている。
戦争地域ではよく、「日本は9条の国だ」と話しかけられる。
世界に対して日本は、身をもって稀有な実例を示し続けている。

 この街から銃が消える日はまだ遠い。
でもこの精神だけは手放さない。
誰もが銃を持たない社会。その実現のために、我が家は街で最初に銃を
捨てる宣言をした
怖いけれど高望みを維持し続けてきた。

 自衛隊を軍隊にして誇りを取り戻そうと言う人がいる。
意味がわからない
他の国と同じで何が誇らしいのだろう
不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は
何よりも誇りに思う。

 (もり・たつや 
     56年生まれ。映画監督・作家。明治大特任教授。近著に『虚実亭日乗』)
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