阿部ブログ

日々思うこと

北朝鮮のウラン・モナザイト資源

2010年11月22日 | 日記
1910年(明治43年)の韓国併合にともない「朝鮮総督府」が設置され、この総督府の中に「地質調査所」が殖産局の下に組織された。

地質調査所刊行の「朝鮮鉱床調査要報」によれば、朝鮮半島にはモナザイトが存在する事がわかる。
産地は、(1)忠清南道天安郡笠場面良垈里、(2)平安南道平原郡石岩面西岩厳里、(3)咸鏡北道富寒郡観海面山津洞の3カ所。
大正12年の「朝鮮鉱床調査要報」(1923年)94ページによれば「モナザイト」に関する記述は以下の通りである。

『忠清南道天安郡笠場面良垈里のモナズ石は砂金中に存す赤褐色にして稜角園磨し細粒状をなせる以て結晶形は認め得べきものなし

平安南道平原郡石岩面西岩厳里のモナズ石は砂金中に産す結晶は暗褐色又は帯黒色にして稍樹脂光沢を帯び稜角は摩滅せられ多くは小粒となれるを以て良品なく殆ど卓状片のもの多し帯黒色のものには晶面a b m w x v 現はれ猶e の如き斜軸庇面あるものあり(結晶第124図)多数のものはa 能く発達し薄き卓状にして長さ1ミリ及び3ミリを普通となすも稀に1.5センチに達するものあり
トリウムの含有量次の如し(地質第25巻102頁)
トリウム(百分中)3.93(朝鮮総督府中央試験所片山崇分析)
放射能はU3O8を100とせば31.4なり(地質第26巻230頁に依る)

咸鏡北道富寒郡観海面山津洞のモナズ石は砂礫中に金紅石と混在し褐色にして径1分に達す(朝鮮第2巻383頁)』

戦前の仁科教授らによる原爆の研究材料は現在の北朝鮮・興南にあるモナザイトやウラン鉱を日本窒素肥料(現在のチッソ)工場で化学処理して進められていた。
当時の朝鮮半島におけるモナザイトの採掘は日窒鉱業開発が行っていた。同社はモナザイトのランタノイドからセリウムを分離していた。当時のセリウムはアークカーボンとして映画などで利用された。現在はガラスの研磨剤や、排気ガス清浄化用の高価な白金触媒を低減できる素材として注目を集めている。

1945年8月の極東ソビエト軍による満州侵攻の際、朝鮮の興南が占領された事を知る人は少ない。目的は当然、ウランを含む希少資源の確保だ。
スターリンは1947年4月に希少金属地質調査団を北朝鮮に派遣。彼らの重要な情報源は、朝鮮総督府・地質研究所の地質調査データで、その正確性を裏付けるように朝鮮には莫大なウラン資源があることが判明。朝鮮のウラン鉱はその後採掘され約9000トンがソビエトに提供され核開発に使用された。

正確無比な調査を行っても、それが活かされないと意味がない。金属資源機構や海洋研究開発機構など調査研究機関の調査データを全体俯瞰し統合する事が必要だ。これを民間企業と連携しながら資源開発は技術研究が進められるべき。

しかし、近隣の反日国家に重要な鉱物資源が存在するのは、いかなる天の配剤か~