二言瓦版

「復讐は神に所属する。」 「旧約聖書」


暇つぶしの記事、名言、珍言、コラムの批判。
株式の名言など。

このような、先生が、いるのか。

2019年01月15日 14時27分53秒 | ニ言瓦版
中日新聞のコラム。


「その学生は友人と話し込んでいたそうだ。その時、空襲を受けた。学生は本来入るべき防空壕(ごう)ではなく、友人の入る防空壕にやむなく逃げた
▼空襲後、自分が入るはずだった防空壕を見に行った。中にいた者は死んでいた。「ばかやろう。こんな戦争はやめだ、ばかやろう、ばかやろう」。学生は涙を浮かべながら怒鳴っていたという
▼一九四四年十二月、名古屋での空襲。学生とは九十三歳で亡くなった、哲学者の梅原猛さんである。「あるときは歴史学者、あるときは国文学者、あるときは宗教学者」。ご自身の評だが、幅広い分野を哲学という一貫した視点で包み込む。その手法で独特にして奥行きある梅原日本学を築き上げた
▼法隆寺は聖徳太子の怨霊を鎮魂するための寺であるとした『隠された十字架』など権力に恨みを抱えた怨霊が研究上の大きなキーワードになっていた
▼「世阿弥やオオクニヌシの怨霊に乗り移られ、毎日楽しく仕事をしている」。十年ほど前、本紙連載の「思うままに」に書いていらっしゃったが、自身もやはり「知の怨霊」だったのかもしれぬ。おそらくそうなったのはあの「ばかやろう」と叫んだ日ではなかったか
▼むごい戦争。生と死。日本人とは、人間とは何か。それが知りたい。その情念が長きにわたる研究へといざなったのだろう。そして知の怨霊は残した成果の中で永遠の存在となる。」


凄い教授だ。
教え子もいろいろいる。

先生とは、このような人かもしれない。




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