36℃の経年優化

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デモシカワークとミッションワーク(その1)

2015-04-18 02:01:53 | 読書


 今回からは三回シリーズで

 「1億総自己ベストの時代」(高橋桂子、三宝出版)

の中で取り上げられている話をご紹介したいと思います。
この本の中では、

 「自分はこの仕事をするために生まれてきた」

と思えるような充実感を感じ、また没頭できるような
人生の仕事のことをミッションワークと定義しています。
そして、ミッションワークを行う時には
人間誰もが想像以上の力を発揮できるのではないか、
また多くの人がミッションワークをオーケストラのように行えば、
よりよい社会が実現するのではないか、
と高橋さんは書かれています。

 具体的にミッションワークに取り組んでいる人の生き方や
ミッションワークの見つけ方に興味がある方はこの本をおススメします。
 
 
 さて、ミッションワークの反対の概念として、
この本の中では「デモシカワーク」という言葉が使われています。
デモシカワークの場合は、ミッションワークとは逆に、
人間が本来持っている力を十分に発揮できるわけではありません。

 有名な調査会社であるギャラップ社が過去20年以上
実施してきた全世界2500万人の被雇用者の満足度調査によると、
仕事に対して

 意欲がない
 意欲を持とうとしていない

という回答は全体の87%に達するというデータもあります。
これを日本に限ってみると

 意欲がある

という回答は全体の7%しかいないのだとか。
つまり我々の仕事はデモシカワークが基本であると
言ってもよいのかもしれません。



 デモシカワークの構成要素は「デモ」と「シカ」という
ネガティブな二つの考え方です。



 例えば、地域の人々に直接貢献したいという願いを持っている人が、
念願かなって地元の役所に就職したとしましょう。
しかしながら、配属されたのは地域の行政システムを構築したり、
制度を改善するような企画部署だった場合はどうでしょうか?
本当にやりたいと思っている地域の人とフェイストゥフェイスで
向き合って「ありがとう」と言われるような仕事ではありません。
企画書づくりや参考文献の調査といったデスクワークの日々。

 これでは毎日仕事に対する意欲は出てきませんので、

 「仕方がないから目の前にある仕事『デモ』やろう」

といった考え方になりかねません。



 もう一つの事例を考えてみましょう。
例えば、何か人の役に立つものを創りたいという願いを持っている人が、
福祉関係の仕事に就いた場合を考えてみましょう。
モノを創りだしたいにも関わらず、その人の大部分の仕事は
福祉の現場で人々の重い現実と向き合うことばかり。
これでは、やはり元気が出てきません。

 「自分にはこんな仕事『シカ』できないんだ」

と思っても仕方がない環境です。



 これらの「デモ」「シカ」ワークはなぜ発生するのでしょうか?
一番大きな理由はそれぞれの人が抱いているこうなりたい、こうありたい、
という願いと実際に行っている仕事に齟齬があるからです。

 現実問題として自分の理想通りの仕事に就いている人の方が
圧倒的に少ないと想像されます。
言葉を換えれば、大部分の方がこういった齟齬を抱えながら仕事をしている、
そういっても過言ではないのではないでしょうか?



 しかしながら、ちょっと目線を換えればこういった
デモシカワークも

 これこそ本当に自分がやりたいことだ!、
 これを自分がやらねば誰がやるんだ!、
 何があってもやりとげるぞ!

という気持ちを生み出すことができるはずです。



(次回に続けます)

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