12/11(土)晴れ
8時起床。特製五目焼きそばの朝食を摂って近所のシネコンヘ。9:30上映の洋画は『グラディエーター』と同じスコット&クロウのコンビによる歴史大作。ストレートな英雄譚。これは開始10分で傑作の予感。2時間半全く厭きずに楽しく鑑賞。生身の人間が織り成す戦闘シーンが素晴らしい。小道具・撮影・編集に技巧の技巧の限りが尽くされて、これだけでも大画面で観る価値がある。役者もキャラになりきって良し。文句なし、年度必見の一本。
続いて午後は本日初日の邦画。(但し監督・カメラマンは異邦人)出せば必ずベストセラーになり最もノーベル賞に近いと云われる国際的な作家・村上春樹の原作映画はそう多くない。以下、2005年2月に友人に送った鑑賞備忘録から抜粋。
≪『トニー滝谷』を新宿テアトルで鑑賞。平日最終回、観客20名弱。単身者多し。贔屓監督・市川準の最新作は村上春樹の短編のほぼ忠実な映像化。小品ではあるが、深く静謐な、そして哀惜極まる佳作也。ラストのみ原作とやや異なる。監督の密かで厳かな主張が感じられた。その余韻や、また良し。そして坂本龍一のサウンド・トラックが、その切ない残響を増幅させていた。
製作現場に追ったメイキングドキュメント『晴れた家』(監督:村松正浩)も本編に続いてレイトショウで鑑賞。映像作家とスタッフ・役者の苦労と気概。製作現場と、その舞台裏が窺えて興味は尽きなかった。
村上春樹は、その作家デビューが自分の10代と重なり、縁あって著作は総てリアルタイムで読んでいる。
昔々、JR千駄ヶ谷駅近くの小さなビルの2階に【ピーター・キャット】と言うカフェがあり、連れ合いとよく逢瀬に使った。
その店のオーナーが春樹で、デビュー作【風の歌を聴け】は、その頃、閉店後のテーブルで書かれた、とは、ずぅーと後に彼のエッセイを読んで知った。
この映画独特の緩やかなリズムや語り口、抑えた色調には賛否もあろう。
しかし、何故か銀幕を通じて、30年前の店内の情景が鮮やかに蘇った。
愛しき人の不在に喪心たる思いをした経験は誰にもあろう。
単なるノスタルジーか、感傷か?
いいや、良き映画には、こうした意外な効用もある。≫
5年振りに読み返して驚き。今回の作品の感想とあまり変わらないからである。監督トラン・アン・ユン、キムタク使った直近作は全く印象に残っていないが『夏至』はドラマ部分より画面の色彩・透明感に感動した記憶がある。70年代の質感が良く出ていた。秀逸だったのは(演技はひとまず措いて)女優陣が大変美しく撮られていたこと。この演出家と名カメラマンの強力タッグ起用で最も成功したのは少し浮世離れした世界観だろう。
夜はガラガラのジムでお年寄りに混じり遠泳。
8時起床。特製五目焼きそばの朝食を摂って近所のシネコンヘ。9:30上映の洋画は『グラディエーター』と同じスコット&クロウのコンビによる歴史大作。ストレートな英雄譚。これは開始10分で傑作の予感。2時間半全く厭きずに楽しく鑑賞。生身の人間が織り成す戦闘シーンが素晴らしい。小道具・撮影・編集に技巧の技巧の限りが尽くされて、これだけでも大画面で観る価値がある。役者もキャラになりきって良し。文句なし、年度必見の一本。
続いて午後は本日初日の邦画。(但し監督・カメラマンは異邦人)出せば必ずベストセラーになり最もノーベル賞に近いと云われる国際的な作家・村上春樹の原作映画はそう多くない。以下、2005年2月に友人に送った鑑賞備忘録から抜粋。
≪『トニー滝谷』を新宿テアトルで鑑賞。平日最終回、観客20名弱。単身者多し。贔屓監督・市川準の最新作は村上春樹の短編のほぼ忠実な映像化。小品ではあるが、深く静謐な、そして哀惜極まる佳作也。ラストのみ原作とやや異なる。監督の密かで厳かな主張が感じられた。その余韻や、また良し。そして坂本龍一のサウンド・トラックが、その切ない残響を増幅させていた。
製作現場に追ったメイキングドキュメント『晴れた家』(監督:村松正浩)も本編に続いてレイトショウで鑑賞。映像作家とスタッフ・役者の苦労と気概。製作現場と、その舞台裏が窺えて興味は尽きなかった。
村上春樹は、その作家デビューが自分の10代と重なり、縁あって著作は総てリアルタイムで読んでいる。
昔々、JR千駄ヶ谷駅近くの小さなビルの2階に【ピーター・キャット】と言うカフェがあり、連れ合いとよく逢瀬に使った。
その店のオーナーが春樹で、デビュー作【風の歌を聴け】は、その頃、閉店後のテーブルで書かれた、とは、ずぅーと後に彼のエッセイを読んで知った。
この映画独特の緩やかなリズムや語り口、抑えた色調には賛否もあろう。
しかし、何故か銀幕を通じて、30年前の店内の情景が鮮やかに蘇った。
愛しき人の不在に喪心たる思いをした経験は誰にもあろう。
単なるノスタルジーか、感傷か?
いいや、良き映画には、こうした意外な効用もある。≫
5年振りに読み返して驚き。今回の作品の感想とあまり変わらないからである。監督トラン・アン・ユン、キムタク使った直近作は全く印象に残っていないが『夏至』はドラマ部分より画面の色彩・透明感に感動した記憶がある。70年代の質感が良く出ていた。秀逸だったのは(演技はひとまず措いて)女優陣が大変美しく撮られていたこと。この演出家と名カメラマンの強力タッグ起用で最も成功したのは少し浮世離れした世界観だろう。
夜はガラガラのジムでお年寄りに混じり遠泳。