やまぼうしー自然の記録帳ー

富山県内の自然を中心に、自然や自然現象を記録にとどめておきたいと思っています。

カルガモ(ロードキル)(富山市布市~横内)

2022-01-31 08:29:33 | 鳥類

2021年9月中旬の観察記録です。

水田地帯の中を通る県道に、遠目で見ても大きなものが落ちていました。近くに行ってよく見るとカルガモでした。車に衝突したようです。死んでからそれほど時間はたっていません。

近くの水田から低い軌道で直線的に飛び立って県道を横切ったカルガモが、車に衝突したのではないかと思います。このカルガモはこれからどうなるのでしょうか?

路上で轢かれている生きものを見たとき、思い出す唄があります。イルカの『いつか冷たい雨が』。
   「雪がふる駅の片すみで …
      …      
    広い道路の真ん中で ひかれてしまった みけ猫
      その上を何台もの車が 通りすぎていく
      思わず目をとじてしまった 私を許して下さい
      みんなだって そう思っていると信じたいのです
      …
    人間だけが えらいんだ なんて ことだけは思わないで下さい
    人間以外のもの達にも もっとやさしくして下さい
    同じ時を生きているのだから
    … 」


《県道で車と衝突して死んでいたカルガモ 2021/09/18》


《県道で車と衝突して死んでいたカルガモ 2021/09/18》

※ 冬になって、屋外で生きものに出会う機会が少なくなったので、昨年秋に撮って紹介しなかった生きものの観察記録を「2021年○月○旬の観察記録」として紹介しています。パソコンにはまだ整理できていない昨年のフォルダーがいくつもありますが、はたしてこの調子で春の生きものの紹介まで息が続くかどうか…。


《昨年の未整理写真のフォルダーが残っているデスクトップ》

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キアゲハ(蛹)(富山市布市~横内)

2022-01-30 08:42:25 | 昆虫類

2021年9月中旬の観察記録です。

北陸自動車道と立体交差する道路のトンネルの壁で、キアゲハが蛹化していました。このトンネル内にはキアゲハの食草はないので、終齢幼虫は発生地から少なくとも10m以上移動して壁面で蛹化したものと思います。

キアゲハの蛹は、アゲハの蛹とよく似ていますが、比較すると「中胸背面中央の突起が低く、斜前方に突出しないことで区別され」(『原色日本蝶類幼虫大図鑑』)ます。


《トンネル壁面で蛹化していたキアゲハ 2021/09/18》


《キアゲハの蛹( 中胸背面中央の突起が低く、斜前方に突出しない) 2021/09/18》


《アゲハの蛹( 中胸背面中央の突起が高く、斜前方に突出している) 2021/11/06》

※ 市立図書館から1月29日(土曜日)に借りだしてきた本です(妻の本も含まれています)。
   1 『虫は人の鏡 擬態の解剖学』(養老孟司・著)
   2 『身近にあふれる「微分・積分」が3時間でわかる本』(狭川遙・著)
   3 『父のビスコ』(平松洋子・著)
   4 『ふむ、私は順調に老化している』(中山千夏・著)
   5 『キネマの神様』(原田マハ・著)
   6 『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』(白井明大・著)

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オオカマキリ(富山市布市~横内)

2022-01-29 08:54:22 | 昆虫類

2021年9月中旬の観察記録です。

北陸自動車道と立体交差する道路のトンネルの出口(入口)に、一叢のススキが生えています。ここのススキでは、以前(2020/08/08)、ナナフシモドキを見つけていたので、通りがかるときには必ず何かいないか確かめることにしています(まるで、童謡「待ちぼうけ」です)。

この日は、ススキの葉や茎に紛れるようにオオカマキリがとまっていました。

このあたりでは、オオカマキリのほかハラビロカマキリ、コカマキリ、チョウセンカマキリの計4種のカマキリが見られます。


《ススキにとまっていたオオカマキリ 2021/09/18》


《ススキにとまっていたオオカマキリ 2021/09/18》

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ツクツクボウシ♀(富山市布市~横内)

2022-01-28 08:07:30 | 昆虫類

 2021年9月中旬の観察記録です。

北陸自動車道に沿って伸びる車道を、「何かいないか?」とキョロキョロしながらポタリングしていると、ブロック塀に何かがとまっていました。引き返して近寄ってみると、ツクツクボウシの♀です。北陸自動車道法面の林からは、まだ時々ツクツクボウシの鳴き声も聞こえてきます。

ツクツクボウシについて、ウェブサイト『ウィキペディア(Wikipedia)/ツクツクボウシ』には、こう書かれています。「成虫は7月から発生するが、この頃はまだ数が少なく、鳴き声も他のセミにかき消されて目立たない。しかし他のセミが少なくなる8月下旬から9月上旬頃には鳴き声が際立つようになる。9月下旬にはさすがに数が少なくなるが、九州などの西南日本では10月上旬に鳴き声が聞かれることがある。

だいぶ以前のことになりますが、砺波市にある頼成の森(標高100m前後)で2009年と2010年の2年にわたり、園内のセミの鳴き声を調べてみたことがあります。ツクツクボウシは、2009年が《初鳴》8月 5日、《終鳴》10月30日、2010年が《初鳴》8月 1日、《終鳴》10月 7日でした。


《ブロック塀にとまっていたツクツクボウシ♀ 2021/09/18》


《ブロック塀にとまっていたツクツクボウシ♀ 2021/09/18》

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オンブバッタ(呉羽山/富山市安養坊ほか)

2022-01-27 16:23:24 | 昆虫類

2021年9月中旬の観察記録です。

呉羽山の展望台までを歩いて往復するため、麓の市民俗民芸村の駐車場に車を停めました。呉羽山は、名前に山がついていても、標高は80メートルほどです。

車を停めた駐車場の縁石に、オンブバッタの番がとまっていました。腹端は写っていませんが、交尾しているようです。


《駐車場の縁石にとまっていたオンブバッタ 2021/09/14》


《駐車場の縁石にとまっていたオンブバッタ 2021/09/14》

※ ウェブサイト『ウィキペディア(Wikipedia)/ブログ』では、「ブログ」のことをこのように説明しています。「ブログ (blog) は、World Wide Web上のウェブページに、覚え書きや論評などを記すウェブサイトである。」
  このブログは「富山県内の自然を中心に、自然や自然現象を記録にとどめておきたい」というのが本来の目的なのですが、(それだけではあまりにも味気ないのではないかと)ときどき、※を付けて、自分自身のメモや個人的趣向など(柄にもないこと)も書いてみたりしています。
  最近、NHKで『カールさんとティーナさんの古民家村だより』を見て、カールさんとティーナさんのファンになりました。頻繁に再放送されるので何度でも見ています(そのうえ、CDにも録画)。『カールさんとティーナさんの古民家村だより』は「2021冬」「2021冬・春」「2021夏・秋」などいくつかのバージョンがあります。NHKの説明は、「新潟の限界集落の空き家を次々に美しくよみがえらせてきた、ドイツ人建築デザイナーのカール・ベンクスさんと、料理やガーデニングが得意 なアルゼンチン人の妻ティーナさん。 集落にはカールさんの古民家にひかれて移住してくる人が増え、昔ながらの住民との交流も深まっている。「ここは世界一美しい場所」「ぜいたくではないけれど、この暮らしこそが真のぜいたく」と語るカールさんとティーナさん。和と洋、古いものと新しいものが心地よく共存する古民家での二人の暮らしを中心に、豊かな自然の中でゆるやかにつながりながら生きる人々を描く、映像の歳時記。」
  図書館から、カールさんに関する本まで借りてきて読んでいます。 


《NHK『カールさんとティーナさんの古民家村だより』より》


《NHK『カールさんとティーナさんの古民家村だより』より》


《NHK『カールさんとティーナさんの古民家村だより』より》


《NHK『カールさんとティーナさんの古民家村だより』より》


《図書館から借りてきたカールさんに関する本》

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チャオビヨトウ(呉羽山/富山市安養坊ほか)

2022-01-26 15:15:34 | 昆虫類

2021年9月中旬の観察記録です。

呉羽山の麓、市民俗民芸村にある休憩所の壁に、黒っぽい2~3cmの蛾がとまっていました。腹端を持ち上げています。灰色地に焦げ茶色の模様もはっきりしていて、「これなら帰宅して調べれば名前はすぐにわかる」とそのときは思いました。

帰宅後、写真をもとに名前調べです。「腹端を持ち上げる蛾」でいろいろ検索すると、
 ① オオウスベニトガリメイガ(メイガ科シマメイガ亜科)
 ② フサヤガ(ヤガ科フサヤガ亜科)
 ③ ウストビモンナミシャク(シャクガ科ナミシャク亜科)
が出てきました。

ウェブサイト『みんなで作る日本産蛾類図鑑V2』のメイガ科シマメイガ亜科やヤガ科フサヤガ亜科、シャクガ科ナミシャク亜科の成虫縮小画像一覧を何度か見ましたが、わかりません。

最後の手段、同サイトの「新・蛾像掲示板」で尋ねたところ、Gatorin さんから「Niphonyx属のチャオビヨトウです」とのご返事。ヤガ科のヨトウガ亜科(ヒメヨトウ亜科としているサイトもあります)でした。ヤガ科は大きな科で1300種あまり、成虫の形態も多様、亜科(や類)は25もあるようです。蛾の世界は奥が深く、とても手に負えません。

チャオビヨトウの食餌植物は、アサ科のカナムグラやカラハナソウです。


《休憩所の壁にとまっていたチャオビヨトウ 2021/09/14》


《チャオビヨトウ(腹端を持ち上げている) 2021/09/14》

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クロヒカゲ(呉羽山/富山市安養坊ほか)

2022-01-25 17:32:46 | 昆虫類

2021年9月中旬の観察記録です。

呉羽山の麓、市民俗民芸村の駐車場に車を停め、展望台までを往復しました。山と名前がついていても呉羽山の標高は80メートルほどです。

車道に沿って設けられた歩道を歩いていると、黒っぽいものが林の中から飛び出してきて、擬木の柵にとまりました。ジャノメチョウの仲間、クロヒカゲです。

クロヒカゲは、ヒカゲチョウとよく似ていますが、後翅裏面の蛇の目紋列に沿うようにある褐色帯(線)の形状の違いで区別できます。この褐色帯(線)が大きく湾曲して二つの大きな眼状斑の間に食い込むように入るのがクロヒカゲ、褐色帯(線)の湾曲がクロヒカゲに比べ浅く眼状斑の中までは入らないのがヒカゲチョウです。また、生息場所も微妙に異なり、クロヒカゲが暗い林などで生活するのに対し、ヒカゲチョウは林縁などクロヒカゲより明るいところを好みます。(ウェブサイト『行く川の流れ/クロヒカゲとナミヒカゲ』など参照)


《歩道の擬木柵にとまったクロヒカゲ 2021/09/14》


《クロヒカゲ(褐色帯が湾曲して眼状斑の間に入る) 2021/09/14》

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ハラビロカマキリ(捕食)(富山市)

2022-01-24 14:59:47 | 昆虫類

2021年9月中旬の観察記録です。

我が家の家庭菜園は、基本的には農薬を散布しないので、最近は野外で見つけたカマキリを農薬がわりにと、自宅に持ち帰って庭に放しています。これまでに、ハラビロカマキリとオオカマキリを2~3匹ずつ放していました。

この日、野外から持ち帰ったコカマキリをゴーヤのカーテンに放し、しばらくして、様子を見にいくと、どこに隠れていたのか、ハラビロカマキリが放したばかりのコカマキリを頭からムシャムシャ食べていました。世の中、思うようにはいかないものです…。

翌日、ゴーヤのカーテンの下に、コカマキリの前脚が落ちていました。


《コカマキリを食べるハラビロカマキリ 2021/09/12》


《落ちていたコカマキリの鎌状の前脚 2021/09/13》

※ 1月も下旬になりましたが、今年見てみたいムシをまとめました。それほど熱心には取り組まないので、年末には反省文(全滅かも知れません)を書こうと思います。
   ① コルリクワガタ
   ② ウスバカマキリ、ヒナカマキリ
   ③ ムラサキシャチホコ
   ④ セアカオサムシ
   ⑤ ミヤマセセリ、コジャノメ

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イチモンジカメムシ?(神通川左岸河川敷/富山市[婦中町]塚原)

2022-01-23 13:56:04 | 昆虫類

2021年9月中旬の観察記録です。

神通川左岸の河川敷に設けられた遊歩道を散歩していると、クズの葉に1cmほどのうす緑色のカメムシがとまっていました。胸にうすいピンク色の帯があります。

帰宅後、『ポケット図鑑日本の昆虫1400①』の写真と見比べていくと、どうやらイチモンジカメムシの♂のようです。同書には♀の写真とともに、こう書かれていました。「イチモンジカメムシ 9~11mm 本、四、九、南/平地~丘陵。水田やイネ科植物の生える草地で見られる。明かりにも飛来する。前胸背に淡緑色か淡紅色の横帯がある。前者はメスで、後者はオス」

でも、雰囲気がちょっと違うような気がして、しっくりしません。体形がいくぶん細長めで、胸の横帯の感じも違うような気がします。ウエブサイトのなかには、胸の横帯が「♀は赤く、♂は白い」と書いてあるものまであったりして…。


《クズの葉にとまっていたイチモンジカメムシ? 2021/09/12》


《クズの葉にとまっていたイチモンジカメムシ? 2021/09/12》


《クズの葉にとまっていたイチモンジカメムシ? 2021/09/12》

※ 外にいると、空の雲が気になります(というか、雲を見るのが好きです)。この日は、ほぼ360度見渡せる河川敷。青空を切り裂いて南西から北東方向に広がる層状雲。温暖前線上にできた層雲かなと思いますが、雲の種類は生きものの種類以上にわかりません(雲は、もともと、みんな大気中にかたまって浮かんでいる水滴や氷晶ですから…)。


《南西から北東方向に広がる温暖前線上にできた層雲? 2021/09/12》

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イボバッタ(神通川左岸河川敷/富山市[婦中町]塚原)

2022-01-22 16:44:20 | 昆虫類

2021年9月中旬の観察記録です。

神通川左岸の河川敷に設けられた遊歩道を散歩していると、クズの葉に2~3cmの灰色のバッタがとまっていました。イボバッタです。

イボバッタは、日本産では最小の部類のトノサマバッタです。イボバッタのという名前は、前胸背面に疣(いぼ)のような突起があることから名づけられたようです。日当たりの良い、ほとんど草が生えていない環境を好んで棲み、よく飛びます。(ウェブサイト『ウィキペディア(Wikipedia)/イボバッタ』参照)


《クズの葉にとまっているイボバッタ 2021/09/12》


《クズの葉にとまっているイボバッタ 2021/09/12》


《イボバッタ(前胸背面に疣(いぼ)のような突起) 2021/09/12》

※ 市立図書館から1月22日(日曜日)に借りだしてきた本です(妻の本も含まれています)。
   1 『よみがえる古民家ーカール・ベンクスー』(柚木崎寿久・文)
   2 『生きている不思議を見つめて』(中村桂子・著)
   3 『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』(スズキナオ・編著)

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セスジスズメ(死骸)(富山市関~石屋)

2022-01-21 15:48:32 | 昆虫類

2021年9月上旬の観察記録です。

北陸自動車道と並行して走る道を自転車で散歩していると、路上に茶褐色の大きな蛾が死んでいました。

三角形のような直線的な翅形をしたスズメガで、前翅には暗褐色と肌色の帯が入り、腹部の背中側中央には細い白線が2本走っているので、セスジスズメではないかと思います。

明らかに故意に踏みつぶされたような死骸でした。


《路上で死んでいたセスジスズメ 2021/09/10》


《路上で死んでいたセスジスズメ 2021/09/10》


《路上で死んでいたセスジスズメ 2021/09/10》

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クワコ(幼虫)(富山市太田南町)

2022-01-20 18:12:40 | 昆虫類

2021年9月上旬の観察記録です。

北陸自動車道の法面には、ところどころにヤマグワ(と思う樹)が生えています。この樹にはよくクワコの幼虫がついているので、そばを通るとつい(今年もついているかなと)探したくなります。

カイコの野生種といわれるクワコ。クワコの幼虫は、刺激を受けると胸部を大きくふくらませ威嚇します。


《ヤマグワの葉にとまるクワコの幼虫 2021/09/10》


《胸部をふくらませたクワコの幼虫 2021/09/10》


《胸部をふくらませたクワコの幼虫 2021/09/10》

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ツマグロバッタ♀(富山市石屋)

2022-01-19 16:51:26 | 昆虫類

2021年9月上旬の観察記録です。

北陸自動車道と並行して走る道を自転車で散歩していると、路上に茶褐色のバッタがとまっていました。イナゴより大きめです。

撮った写真を見ると、前翅前縁の基部の淡色の条線、後脚の関節部の黒色が目立ち、ツマグロバッタの♀です。♀は写真のように地味な茶褐色、♂は明るい黄緑色です。


《路上にとまっていたツマグロバッタ♀ 2021/09/10》


《路上にとまっていたツマグロバッタ♀ 2021/09/10》


《ツマグロバッタ♀(前翅の淡色の条線、後脚の関節部の黒色が目立ちます) 2021/09/10》

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ホソバシャチホコ(幼虫)(富山市関)

2022-01-18 17:12:37 | 昆虫類

2021年9月上旬の観察記録です。

前回のブログと同じ神社です。そこらじゅうを歩き回っているモンクロシャチホコの幼虫を踏まないよう気をつけながら、ほかの生きものの気配を探していると、狛犬の石像の上を下りてくる3~4cmのイモムシがいました。何とも形容のしがたい複雑な色模様の、これまでに見たことのないイモムシです。

冬になって、外に出かけて生きものに接する機会がほとんどなくなったので、名前調べを始めました。まずは『イモムシ ハンドブック』、次に、ウェブサイト『みんなで作る日本産蛾類図鑑V2』の幼虫など縮小画像一覧です。何回か見直して、ためらいながらもホソバシャチホコの幼虫ではないかという結論を出しました。

ホソバシャチホコの幼虫の食餌植物は、 ブナ科のミズナラやコナラ、クヌギ、アラカシなど。『イモムシ ハンドブック』には、こう書かれています。「模様が複雑で美しいシャチホコガ。虫食いの葉にとまっているとみつけにくい」。

また、ウェブサイト『緑のgoo/自然を学ぶ/海野和男のデジタル昆虫記/小諸日記/ホソバシャチホコの幼虫』には、「たまたま手に触れたものだから柔らかい幼虫の存在に気がついたのだが、そうでなければ完全に見落としているところ。コナラの葉にとまっているのはガの幼虫である。ちょうど葉を食べていたところを驚かしてしまったようだ。ぴったりからだを葉につけ身を固くしている。調べてみると、どうやらホソバシャチホコの幼虫らしいことがわかった。 実に見事に自らの姿を夏の終わりによくある葉に似せている。緑の葉に似た部分、枯れた葉に似せた部分、その境目が濃く赤茶けた部分など芸が細かい。」と書かれていました。

石の上だから目についたので、枯葉などにいたら気づかなかったと思います。


《狛犬の石像の上を下りてくるホソバシャチホコの幼虫 2021/09/10》


《狛犬の石像の上を下りてくるホソバシャチホコの幼虫 2021/09/10》

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モンクロシャチホコ(幼虫)(富山市関)

2022-01-18 05:22:46 | 昆虫類

2021年9月上旬の観察記録です。

現在の地に転居してから6年近く。転居当初、周辺の様子を知るために、リハビリを兼ねて自転車で片道30分ほどの範囲をしらみつぶしで散歩していました。また、スギカミキリを見てみたいと思っていたので、地図に⛩マークのあるところには必ず立ち寄っていました(スギの古木が多いため)。見て回った神社(昔の社格制度でいうと郷社でしょうか)は、10社ほどになります。それらの神社の中には、(生きものを見るという観点からはおもしろくなくて)その後一度も訪れていない所もあれば、何度も訪れている所もあります。

今回紹介するのは、年に数度は訪れる神社です。この日訪れると、数本あるサクラの木がまるで冬のように裸木になっていました。あたりには、地面といわず、立木の幹、狛犬などをモンクロシャチホコの幼虫が這いまわっていました。

モンクロシャチホコ幼虫の食餌植物は、バラ科のサクラ類やナシ、ビワなど。成虫は年1回、7~8月に発生。幼虫は柔らかい若葉でなく硬くなった葉を、枝の先端の葉から幹の方へすべてを食べ尽くしながら移動し、短期間のうちに丸坊主にしてしまいます。


《狛犬の上を這いまわるモンクロシャチホコの幼虫 2021/09/10》


《モンクロシャチホコの幼虫に丸裸にされたサクラ 2021/09/10》

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