ひこばえのエノキの葉に、ハチに擬態したスカシバガ(透かし羽蛾?)科のガがとまっていました。ヒメアトスカシバの♀でした(写真上)。別なところでは、腹部の先端に扇状の毛束があり、扇状毛束の周縁は白くなっている♂もいました(写真下)。
ヒメアトスカシバの幼虫は、ヘクソカズラの茎に穿孔し、その内部で成長、終令幼虫のまま越冬するそうです。
《ヒメアトスカシバ♀ 2014/06/26》
《ヒメアトスカシバ♂ 2014/06/26》
ひこばえのエノキの葉に、ハチに擬態したスカシバガ(透かし羽蛾?)科のガがとまっていました。ヒメアトスカシバの♀でした(写真上)。別なところでは、腹部の先端に扇状の毛束があり、扇状毛束の周縁は白くなっている♂もいました(写真下)。
ヒメアトスカシバの幼虫は、ヘクソカズラの茎に穿孔し、その内部で成長、終令幼虫のまま越冬するそうです。
《ヒメアトスカシバ♀ 2014/06/26》
《ヒメアトスカシバ♂ 2014/06/26》
鉢植えのバラの花に、大型のハナムグリが潜り込んで、蜜を舐めているようでした。頭楯の先が「そり返って2山に」(『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』)なっているので、シロテンハナムグリのようです。よく似たシラホシハナムグリでは、頭楯の先が「そり返らず直線状」だそうです。
《鉢植えのバラの花の蜜を吸うシロテンハナムグリ 2014/06/25》
《頭楯(赤丸)の先が2山になっている 2014/06/25》
トンボ池を一周すると、羽化したばかりのオオシオカラトンボ♀が羽化殻につかまっていました。翅も開いていたので、もうすぐ飛んでいくと思います。
オオシオカラトンボはシオカラトンボとよく似たトンボですが、翅の基部に黒褐色の部分があり、♂は成熟すると全身が青白くなります。
《羽化殻につかまり翅をのばすオオシオカラトンボ♀ 2014/06/17》
《羽化殻につかまり翅をのばすオオシオカラトンボ♀ 2014/06/17》
頼成の森にある大小いくつかの人工(ため池など)の池にはウシガエルが生息し、人気がないと「ブオー、ブオー」と地面が揺れるような低音で鳴いてています。ウシガエルは人の気配に敏感で、近づこうとすると「キャッ」(正確な表現ではありませんが…)と一声鳴いて水の中に飛び込んでしまいます。
花しょうぶ園の最奥にあるトンボ池で、鳴いているウシガエルを写そうと狙ってみました。数匹のウシガエルが鳴いていましたが、なかなか近づけません。何とか姿を確認できるところまで近づいて撮ったのが、下の写真です。いちばん近くにいたウシガエルは、後ろ向きに(どこか懐かしく、どこかで見たことがあるような)太鼓腹の背中を見せるばかりで、こちらを向いてくれません。我慢できなくなって、位置を変えようと少し動いたとたん、鳴き声と水音がして、すべてのウシガエルが視界から消えました。これで、しばらくは、姿を見せてくれません。
《スイレンの葉陰で喉を膨らませて超低音で鳴くウシガエル♂ 2014/06/17》
《スイレンの葉陰から顔をのぞかせるウシガエル 2014/06/17》
《どこか懐かしい後姿のウシガエル♂ 2014/06/17》
庭で水やりをしていると、トノサマガエルが飛び出しました。ここ数年、毎年のように庭でトノサマガエルを見かけています。100m以上離れた水田や貯水槽にはトノサマガエルが生息していますが、どうして水気のまったくない我が家の庭にまで移動してきているのか、よくわかりません。
《庭で見かけたトノサマガエル 2014/06/19》
《庭で見かけたトノサマガエル 2014/06/19》
園内の池で、数日おきにギンヤンマなどの羽化殻を調べています。羽化は、翅を広げることができる空間のある場所で行われるので、ある程度目立ちます。しかし、見る方角にによっても見えやすさがちがうため、向きを変えて3回ほど池を回ることにしています。
この日の3回目の見回りで、羽化したばかりのショウジョウトンボを見つけました。こんなに大きなものが何故目に入らなかったのか、不思議です。午前7時40分ころでした。ショウジョウトンボの羽化は、「主に夜間から早朝にかけて水辺の植物や棒杭につかまって行われ」(『富山県のトンボ』)るそうです。
《羽化したばかりで翅を伸ばすショウジョウトンボ 2014/06/19》
林道のそばの草木の葉などに注意しながら歩いていると、触覚が長く、前翅に深紅の帯が目立つ小さな蛾がとまっていました。コンパクトデジカメ、しかもオートモードで撮っているので、小さなもの(特に背景が空間などの場合)になかなかピントが合わず、下の写真でも残念ながら眼にピントが合っていません。
帰宅して写真を見直すと、ヒゲナガ科の小さな蛾、ベニオビヒゲナガのようです。ベニオビヒゲナガは、「開張18~21㎜。…♀の触角の基半は鱗毛で太まる…」(『原色日本蛾類図鑑(上)』)とあるので、写真の蛾は♂だと思います。
《ベニオビヒゲナガ♂ 2014/06/16》
林の中に自然を利用した遊具が整備された「ロンレー子ども村」を歩いていると、下草のササの葉に、小型のサナエトンボがとまっていました。写した写真を見ると、翅胸前面に黄白色の背隆線があり、側面の黒色条は一本であることから、サナエトンボ科のヒメクロサナエだと思います。ヒメクロサナエは、富山県内では「丘陵地から山地の渓流や細流に生息する」が「個体密度はそれほどたかくない」とのことです(『富山県のトンボ』)。
《林の中のササの葉にとまるヒメクロサナエ 2014/06/16》
陽のあたる林道で、ヒオドシチョウがコンクリート舗装から何かを吸っていました(写真上。右側に見えるのは、大発生しているマイマイガ幼虫)。ときどきパタパタと翅をひろげると、目の覚めるような鮮やかな色合いなので、発生して間もない個体だと思います。初夏に発生した成虫が越冬して春先に現れるときは、翅の色が褪せています。
ヒオドシチョウは、「暖地では、羽化後1~2週間でいっせいに姿を消し、そのまま夏、秋、冬が過ぎて翌春までの約9か月間、ほとんどその姿をみることができない」(『原色日本蝶類生態図鑑(Ⅱ)』)ようです。
《林道のコンクリート舗装で何かを吸うヒオドシチョウ 2014/06/16》
《時々翅を広げて陽光を浴びるヒオドシチョウ 2014/06/16》
ブナ帯には、鳴き声はよく聞くけれども、成虫を見たことはもちろん写真に撮ったことなどないセミが何種類かいます。エゾゼミ属のエゾゼミ、コエゾゼミ(長野県では見ています)、アカエゾゼミやハルゼミ属のエゾハルゼミです。今回訪れた旧利賀村の百瀬川上流では、林のあちこちでエゾハルゼミの鳴き声がしていました。昼食後、金剛堂山の東俣登山口に車をとめ、40~50分ほど林道を山頂に向かって歩き、また元の駐車場に戻りました。駐車場の付近では、間欠的にエゾハルゼミが合唱しています。あまりに近くから聞こえてくるので探してみると、3~4mほどはなれたミズキの細い幹に黒いシルエットがあり、鳴きながら幹をまわるように下りてきています。半透明のオレンジ色の腹部が目立つエゾハルゼミの♂でした(鳴いているので当然ですが…)。
30Xのコンパクトデジカメの強みと弱み、レンズ交換なしのズームですぐに何枚か撮影、それほど鮮明ではありませんでしたが私にとっては充分。こんなことで満足するなんて、ヒトはおかしな生きものです。
エゾハルゼミは、『ウィキペディア2014/06/21』によると、「体長はオス31-33mm、メス22-24mmほど。体色は全体的に黄褐色だが、頭部・胸部はやや緑色を帯び、黒い線や斑紋の模様がある。同属のハルゼミより色が淡く、ハルゼミというよりむしろヒグラシを小さくしたような外見…日本産のセミとしては北方系で、西日本の分布は標高の高い山地に限られ…」るそうです。
《鳴きながら幹を下りるエゾハルゼミ♂ 2014/06/16》
《エゾハルゼミ♂ 2014/06/16》
マイマイガ幼虫の大発生で、林道を歩いても目に入るのはマイマイガの幼虫ばかりですが、ヤマグワの葉に柔らかそうな芋虫を見つけました。クワコの幼虫です。
クワコ(またはクワゴ)は、カイコの祖先ではないかといわれる蛾で、終齢幼虫は枝への擬態なのか、枝に斜めにとまる(最下段の写真)習性があるようです。
《ヤマグワの葉の上のクワコの若齢幼虫 2014/06/16》
《ヤマグワの葉を食べるクワコの終齢幼虫 2014/06/16》
《ヤマグワの葉柄に斜めにとまるクワコの終齢幼虫 2014/06/16》
金剛堂山の栃谷登山口に車をとめ、大発生したマイマイガの幼虫を避けながら昼食の弁当を食べました。食べ終わって、いざ出発というとき、何気なくそばの「ゴミは持ち帰ろう」の注意標識を見ると、やや大きめの翅の透き通った蛾がとまっていました。帰宅して写した写真を調べると、スズメガ科ホウジャク亜科のクロスキバホウジャクのようでした。クチナシの害虫として名高いオオスカシバに近い仲間です。
クロスキバホウジャクは、スキバホウジャクとよく似ていますが、「前翅外縁の黒色帯は内縁鋸歯状をなさ」(『原色日本蛾類図鑑(下)』ないことなどで区別できるようです。
《注意標識にとまるクロスキバホウジャク 2014/06/16》
《注意標識にとまるクロスキバホウジャク 2014/06/16》
昆虫同好会の採集会で、旧利賀村の上百瀬方面に出かけてきました。驚いたのは、マイマイガ幼虫の大発生です。林からは雨だれのように幼虫や糞の落ちる音がしてきますし、静かにしていると、葉を食べる音まで聞こえてきます。林道のアスファルトの上には無数の幼虫が落ちており、コンクリートの基礎や鉄柱にもたくさんの幼虫が這い上がっています。弁当を食べるとき、木陰に入れば上から幼虫が落ちてくるので、周りに樹木のない河原の石に腰を下ろしましたが、ここまで幼虫が上がってきます。
昨年全国的に大発生したマイマイガが、今年も大発生しているようです。
《群がって葉を食べるマイマイガの幼虫 2014/06/16》
《ススキの葉やスギの葉などあらゆる植物の葉を食べ尽くすマイマイガの幼虫 2014/06/16》
《林道のアスファルト舗装の上の無数のマイマイガ幼虫 2014/06/16》
《送電線の基礎コンクリートに群がるマイマイガの幼虫 2014/06/16》
枯損して伐採されたアカマツの切株の上に、ウバタマムシがとまっていました。ウバタマムシは、体長が「24-40㎜、金銅色ないし赤銅色、ときに緑色を帯び…生時は全体に黄灰色粉で薄く覆われ…マツ類の古材につく」大型のタマムシの仲間です。玉虫厨子に上翅が使われたタマムシ(ヤマトタマムシ)に比べると一見地味ですが、渋い色合いをしています。
《アカマツの切株の上のウバタマムシ 2014/06/04》
《アカマツの切株の上のウバタマムシ 2014/06/04》
松枯れで伐倒されたアカマツの丸太をひっくり返すと、小さな虫が数頭逃げ回りました。1頭が丸太にへばりついた落ち葉の下に潜り込みましたが、頭部が見えています(写真上の赤丸)。体長1㎝ほどの小さなモリチャバネゴキブリでした。
モリチャバネゴキブリは、飲食店などでよく見かけるチャバネゴキブリ(と言っても、実は、私自身は見たことがありませんが…)とよく似た小さなゴキブリで、人家には入らず林の中など野外に生息しています。我が家でもときどき見かけるクロゴキブリ(大きさは2.5~3㎝程度)と比べるとはるかに小さいのですが、ちゃんとゴキブリの形をしています。
《倒木にへばりついた落ち葉の下から頭部が見えるモリチャバネゴキブリ 2014/06/8》
《倒木の下のモリチャバネゴキブリ 2014/06/8》