ブナ帯には、鳴き声はよく聞くけれども、成虫を見たことはもちろん写真に撮ったことなどないセミが何種類かいます。エゾゼミ属のエゾゼミ、コエゾゼミ(長野県では見ています)、アカエゾゼミやハルゼミ属のエゾハルゼミです。今回訪れた旧利賀村の百瀬川上流では、林のあちこちでエゾハルゼミの鳴き声がしていました。昼食後、金剛堂山の東俣登山口に車をとめ、40~50分ほど林道を山頂に向かって歩き、また元の駐車場に戻りました。駐車場の付近では、間欠的にエゾハルゼミが合唱しています。あまりに近くから聞こえてくるので探してみると、3~4mほどはなれたミズキの細い幹に黒いシルエットがあり、鳴きながら幹をまわるように下りてきています。半透明のオレンジ色の腹部が目立つエゾハルゼミの♂でした(鳴いているので当然ですが…)。
30Xのコンパクトデジカメの強みと弱み、レンズ交換なしのズームですぐに何枚か撮影、それほど鮮明ではありませんでしたが私にとっては充分。こんなことで満足するなんて、ヒトはおかしな生きものです。
エゾハルゼミは、『ウィキペディア2014/06/21』によると、「体長はオス31-33mm、メス22-24mmほど。体色は全体的に黄褐色だが、頭部・胸部はやや緑色を帯び、黒い線や斑紋の模様がある。同属のハルゼミより色が淡く、ハルゼミというよりむしろヒグラシを小さくしたような外見…日本産のセミとしては北方系で、西日本の分布は標高の高い山地に限られ…」るそうです。
《鳴きながら幹を下りるエゾハルゼミ♂ 2014/06/16》
《エゾハルゼミ♂ 2014/06/16》