久しぶりに出かけた公園で、銀杏の散らばった園路の上に小さな鳥が死んでいました。茶褐色の羽で、最初はスズメだと思いましたが、胸が黄色く褐色の縦の斑があります。ホオジロの仲間であることは分かりましたが、私の実力ではすぐに種名にまで行きつきません。いろいろな角度から写真を撮って、帰宅してから調べることにしました。
高野伸二さんの『フィールドガイド日本の野鳥』のホオジロ類の絵をみていくと、「胸が黄色く褐色の縦の斑がある」に該当する鳥はアオジ、ノジコ、シマアオジの3種でした。シマアオジの胸は鮮黄色なので、結局はアオジかノジコになります。アオジの類似種ノジコは「下面が硫黄色で…下面の縦斑がほとんどない」と書かれていますが、写真の鳥は喉のあたりから多くの縦斑があるので、(鳥に詳しくない私の独断ですが)アオジとの結論に達しました。
1980年に発行された『富山県の鳥獣』によると、アオジは「主に春と秋の渡りの時期に見られる。冬期にも少数が越冬する。…県内には渡りの時期には各地で最も普通に見られる。」とされています。この鳥も、渡りの途中、寒気を伴った気圧の影響を受けた突風などにより体力を失い落下、死亡したのではないかと思います。昔住んでいた(⁇)立山の室堂平(標高2,450m)付近では、春の連休のころ、メイストームが通り過ぎると、雪の上に渡り途中の鳥が点々と死んで落ちていたことを思い出します。
《園路に落ちて死んでいたアオジ 2018/10/28》
《園路に落ちて死んでいたアオジ 2018/10/28》
《園路に落ちて死んでいたアオジ(下面は黄緑色で縦斑) 2018/10/28》
《園路に落ちて死んでいたアオジ(翼に2本の単色帯) 2018/10/28》
《園路に落ちて死んでいたアオジ(外側の尾羽に白線) 2018/10/28》